河内ひとみのあらかわ日和

2022年1月13日 2022年1月5日

私はあらかわ元気クラブとして認定第一号令和2年度荒川区一般会計決算に対して
反対の討論をいたします。

■新型コロナ感染による対応についてですが昨年4月に初めての緊急事態宣言がなされ、その後最も多くの犠牲を伴った第5波による長期間にわたる医療体制の不備と経済の低迷により多くの失業者を生み出しました。
保健所体制については行財政改革によって二か所あった保健所が1か所になり保健師の負担が増えている状況の中で新型コロナ対応に追われました。結果感染者に対しての聞き取り調査の遅れや一日2回の安否確認や電話相談体制などなかなかつながらず、区民に不安を及ぼしました。
保健師の役割は住民の相談や健康を守るうえでも保健所のみならず児相や教育、介護、高齢者、障がい者等の分野において必要なものです。
数人の新規採用ではコロナや災害時の事態に24時間体制が取れません。保健所体制も強化が必要と思います。
〇医療体制においては療養施設や入院ベッドの不足。重傷者ベッド不足により1月に自宅療養が年明けより発生しました。あの時の体制不備を経験しながら次の5波の時のような再度の自宅療養者に対して十分な措置が取れず、熱がなかなか下がらない、入院の連絡もない不安な生活が続きました。
特に孤独死の方も発生したことは残念でなりません。
国や都の指導命令を待って行動するのではなく、墨田区のような体制や、入院待ちの場所の確保や、医師や看護師が一度に患者を効率よく診察や治療を受けられるよう臨時施設の設置が必要だったと思います。区のリーダーシップ不足を感じました。

■次にPCR検査体制についてはいち早く区内でもPCRセンターの設置をしていただき評価いたします。しかしながら、8月以降は積極的疫学調査する必要がないと、職場や友人等の接触者には濃厚接触者扱いされず、検査対象外となりました。職場で一緒だったにも関わらず不安な方については自費検査となってしまうという区民の負担を押し付けていると思います。
早くから希望者全員に無料のPCR検査の実施を開いたのであれば、感染拡大の予防につながったと思います。
これこそ区独自にしっかり予算をつけて行うべきだったのではないでしょうか。また、12歳未満の子供たちに接する職場、学童クラブや保育園、幼稚園、学校等、在宅でケアをしている訪問看護師やヘルパーやケアマネジャー等にもいつでも検査できる体制が必要と思います。

■次に荒川区の所得層は、令和2年度で年収300万以下が全体の75.9%を占めている所得層が多い中で、コロナ禍において廃業や倒産等によって失業者が増えました。特に派遣やパート、学生などのアルバイト収入が減収した中で、国民年金や国民健康保険料・介護保険料・後期高齢者保険料は年々負担が多くなり区民生活を脅かしております。
派遣やパート等の方の中には一人親の方もいます。ボランティア団体からのお米等食料支給で食いつないでいる人も多くいました。子育て世代に追加で助成金が出ても借金を返すために使われておりすぐに生活困窮に陥っています。
生活保護相談件数が増えていても、受給決定者数は減少しています。
保護課では、とりあえずの水際作戦で食い止めているとしか思えません。住まいがない方については無料低額宿泊所ではなくアパート生活をして自立生活を進めることが社会復帰につながります。窓口への寄り添った対応や申請をためらわないようなパンフレットの配布やポスター掲示による啓発活動が必要と思います。

■中小企業や店舗支援においての支援は持続化給付金も一時的でした。協力金が出ない店舗については不十分です。
貸店舗の小さなお店はどんどん閉店しています。
区内の廃業数や倒産件数の実態も把握できないというありさまではなく、こちらから個別に支援するといった顔の見える地域受け持ち性の支援が必要と思います。

■次に清掃事業についてですが決算委員会でも質問しましたが、これまで20年間にわたる退職者不補充によって正職員が採用しておりません。
行政改革で安易にごみ収集ならだれでもやれると雇上会社に委託化が進みました。
2年前の千葉県の台風被害の時には正規現業職員の配置ができず管理職で対応しております。緊急事態宣言後には、巣籠生活によって大量のごみが排出されています。
また入院や療養施設に入れない感染者が、汚染したマスクやティッシュなどのごみは一般ごみとして出され収集現場のスタッフは感染の危機になっております。
幸いではありましたが、台東区のような集団発生がなかったので区民には迷惑がかかることはありませんでしたが、今後いつ集団感染が起こるかわかりません。また、先週のような突然の大規模震災がいつ起こるかわかりません。
さらに今後は、脱炭素社会が叫ばれプラスチックの分別収集も始まります。
清掃職員もプロ意識を高め、地域住民と一体となって環境問題に取り組むためにも、職員の補充は絶対に必要なことです。
高齢者障がい者の個別収集も今や150件にも及び安否確認もしていただいております。
介護人材不足の一端を担っており、燃えるゴミや燃えないゴミを年間100回の回収であれば生活援助30分に当てはめた介護保険報酬に換算すると一件当たり年間20万8620円にもなります。つまり150件の収集であれば3130万円にもなっているのです。身体介護で換算すれば4360万円にもなります。
新規採用を行っていない区は荒川区含め5区しかのこっておりません。政策転換の時期ではないでしょうか。
今後、震災や環境問題への取り組みや個別収集によって安否確認等の大事な役割を考えるとしっかり検証して増やす必要があると思います。行政改革による安易な民間委託化を進めている荒川区令和2年度一般会計決算について反対討論といたします。