斉藤ゆうこのあらかわ日和

6月議会一般質問
選挙で得た区民の声をもとに『今後の荒川区政をどうするのか』を問う

 平成27年6月22日、荒川元気クラブ斉藤ゆうこは、6月議会で4月の改選後、最初の一般質問をいたしました。

■平成27年度荒川区議会本会議 一般質問

 あらかわ元気クラブの斉藤ゆうこです。
 4月の改選後、最初の一般質問をいたします。今回の区議会選挙では、「あらかわ元気クラブの荒川区基本構想」を提案し、商店街の再生、再開発に依存した街づくりはやめよう、介護保険制度はこれで良いのか、女子医大病院移転、子育て支援や教育の底上げにもっと予算を…などの問題を訴え、共感と評価をいただくことができました。
 演説を聞き、選挙公報や区議会レポートの「元気クラブの基本構想」を見て事務所を訪ねて下さったり、メールを下さったお若い区民の方たちが何人もいらっしゃいましたが、これまで8回の選挙をふり返ってみても、こうした反響はいつもあることではなく、区政に対する区民の厳しい『目』を感じ、区政政策への関心を感じた今回の選挙でした。
 そこで、この選挙を通じて得た区民の声や疑問、怒りをもとに『今後の荒川区政をどうするのか』3点について質問いたします。

●まず、この間の荒川区の許認可行政で生じた矛盾について当局はどのように反省し、是正・解消するつもりなのか、伺います。

 清水啓史議員が2月議会と予算委員会で質問した東尾久2丁目の外国人向けゲストハウス問題は大変重要な問題提起でした。その後、私の周辺でも、近隣の地域でも大変物議を醸すことになり、さらに他の地域からも類似の問題の相談がありました。
 現地に行って建物をご覧になった方も多いと思いますが、富士山の絵だとか、宇宙戦艦ヤマトの絵だとかがかかっている汚ない玄関はいかにも恥ずかしく、日本人の誇りをいたく傷つけられる思いがします。
 日暮里舎人線の赤土小学校駅でドイツ人に道を尋ねられた私の知人が「どちらに滞在したのか」と聞くと、このゲストハウスだと言い、「インターネットで見て泊りに来たけど最悪だった。二度と泊まりたくない」と言ったそうです。
 私はこの話を聞いて思わず「荒川区の恥だから即刻何とかすべきだ」と北川副区長に電話しました。現在、区は建築基準法違反の建造物として是正命令を出す方向で、24日には行政手続法に基づき事業者の弁明を聞く機会が設けられるとのことですが、保健所が旅館業法上の営業許可を出していたことがいかにも悔やまれます。
 さらに、選挙直前になって、こんどは「ジョイフル三ノ輪商店街の中にゲストハウスをつくるというが大丈夫か」との相談が近隣の住民から舞い込みました。さっそく現地を視察し、商店街の方たちの話を聞きましたが、昭和20年頃の建物とのことで老朽化が激しく、これをどうやってゲストハウスに改築するのだろうという物件でした。100平米に満たない建物のため、建築基準法の適用外とのことですが、建築指導課と保健所は東尾久の問題を教訓にどのように対処しているのでしょうか。

①まず、東尾久2丁目、ジョイフル三ノ輪商店街…と区内に拡大する「ゲストハウス」について、区は現在どのような見解を持ち、対処をしているのか、伺います。
②また、東尾久2丁目のゲストハウスについて、荒川区は「正反対なふたつの許認可」を行いました。保健所は、建築基準法違反の建造物に対して旅館業法上合法と判断して許可を出したことをふりかえり、どう反省し、教訓としているのか、お伺いします。
③さらに、かつて町屋6丁目で小規模な3階の戸建て住宅が数多く建設した業者が要綱を守らず、区が利子補給を行っていた例が指摘されました。区民の生活環境に将来も影響を及ぼすこうした行為をなぜ防ぐことができなかったのか。これを教訓に、現在はどのように対処しているのか、伺います。


 許認可業務は、荒川区の将来のまちづくりを左右する大切な、数少ない自主権限です。ここを間違えれば、区政は信頼を失います。
 最近の例を上げると、この4月、西日暮里にあるセレス千代田が、これまで衣装サロンだった建物を住民に周知せず、区に届出もせずに、葬儀場に改装しようとしました。必要な用途変更の届出を行わずに工事をすすめようとした事に対し、荒川区の建築指導課は「工事差し止め」の行政処分を出し、現在工事はストップしています。セレス千代田が葬儀のみを行う施設となって約10年間、近隣住民は日常的な地域環境への影響を受忍してきましたが、この地域でこれ以上の葬儀場の集中・拡大は受忍限度を超えると考え、「この場所を新たな葬儀場ではなく、法事・会食・飲食ができるサロンや貸し会議室など、地域貢献ができる施設に変更するなら協力を惜しまない」と逆提案し、セレス千代田は「当面は葬儀には使用せず、法事などに使用することは可能である」と表明するに至り、現在も交渉中とのことです。
 もし、荒川区による建築差し止めの処分が行われていなかったら、このような展開にはならなかったでしょう。まさに地域の将来を左右する行政処分であったと言えます。
 要綱違反を公然と行う業者の出現によってワンルームマンション紛争がおこり、荒川区が条例を制定したのは記憶に新しい事です。社会の発展に伴って業者のモラルも変わり、行政を敵視したり、「行政指導には従わない」とうそぶく人々も現れてきました。こうした経済・政治・社会的な価値観の変化が激しくすすむ今日の日本において、地方行政も変化を予測し、先取りして対応しないと、区民の安全・安心な暮らしは守れません。
 私は2月議会で「地方自治体が『訴えられるリスク』を気にする背景には、最近の許認可等の行政処分、行政指導を修正する動きがある」と申し上げました。2月議会では行政手続条例が改正され、自治体による行政指導の中止や処分の求めに関する条項が加えられましたが、これは明らかにTPP協定に向けた整備です。
 行政手続法と行政手続条例は1990年以降の日米構造協議の産物として制定されました。トイザらスの日本進出に対し、商店街などの地域住民の反対を受けて県など地方自治体が独自の基準を設け、許認可事務を引き延ばしたことに対して「日本的慣行はケシカラン」とアメリカが激しく怒って制定させたのが行政手続法です。今またTPP協定でのアメリカの主張に配慮し、ISD条項による訴訟を回避するための地ならしとして行政手続法の改正が行われました。口は勇ましいけれど、その実、売国的な総理大臣と政府の下で、地方行政の自主権限にも制限が加えられた訳です。

④この間の様々な経験をふまえ、荒川区として全庁的、横断的な対処をしていただきたいと思いますが、最後にこの件について荒川区としての決意を伺いたいと思います。

●次に、荒川区は「商店街を残す街づくり」にどう取り組むのかを問いたいと思います。

 この3月、商店街には「今月いっぱいで閉店」との張り紙があちこちに目立ちました。消費税8%での初めての納税を4月に控え、これが引き金になった面もあります。厳しい地域経済の中、選挙を前後して多くの声を聞きました。
 おぐぎんざ商店街では、「また空き店舗を建て売り業者が買った。アパートになり、『1階に店舗なし』はもう勘弁してほしい。それじゃあ商店街じゃなくなっちゃう。条例とかで『商店街では1階は必ず店舗にする』と決められないのか」との意見がありました。他の商店街が商店街でなくなった有様を見て危機感が募っているからにほかなりません。
 かたや、日暮里繊維街では、旧資生堂ビルの建て替えがすすんでいます。「説明会に行ったが、野村不動産は『1階に店舗を設ける考えはない』とにべもなかった。区の条例で『1階は店舗』と規制出来ないのか」と図らずも同じ指摘がありました。
 私は、かつて大店法廃止に代わるスキームとして「まちづくり3法」が制定された折、都道府県や区市町村の権限を行使して、適正な市街地形成と目的に合わせた地域ごとのゾーニングを行い、規制と誘導をおこなう「まちづくり条例」を推進する運動があったこと。福島県では当時の佐藤栄佐久知事が「もうこれ以上県内に大型店はいらない」として、大型店から「訴える」 (どこかで聞いた言葉ですね) と言われたけれど、出店を規制する県条例を制定したこと。ゾーニングを行い、「ここは商店街(繊維街、でもいいでしょう)の形成を重んじる地域である」と自治体が位置づけることによって誘導は可能ですよ、全国にも例がある、と久しぶりに1990年代の話をしました。
 私に意見を言って来たのは、若い後継者の方たちでした。区はこうした声に真剣に応えていく必要があると思います。そこで…

①待ったなしの緊急課題となっている商店街の空き店舗対策について、一括して区が借り上げて商店街に運営を委託するなど、これまでの補助金とは異なる対策を取るつもりはあるのか。荒川区のすべての商店街を対象にするのではなく、地域の拠点あるいは区のモデルとなる商店街を定め、このような対策によって強力に支援し、残していく考えはあるのか、伺います。
②また、商店街としての連綿性をそこなうアパートやマンションの建設に対し、区として商店街の機能を維持し、発展させる観点から不動産業者、開発業者等との話し合いや啓発、連携を強め、何らかの規制、誘導策を取る考えはないか伺います。


 最近、産業経済部は「個店支援」に重きをおく傾向にありますが、商店街が形を成さず機能しなくなった所はそれで良いと思います。しかし、そろそろ区別が必要で、地域の拠点となるモデル商店街化を躊躇していると、全ての商店街の消滅につながる危険性があります。「やる気がある商店街」という言葉はマチガイで、「残る条件がある商店街」と考えるべきではないでしょうか。現在、一番にぎわいがあると言われる商店街にも危機は迫っており、近い将来、ここで手をこまねいていれば荒川区の商店街の消滅に道を開くものだとお考えください。
 過当競争を繰り広げる大型店ばかりで商店街がなくなった荒川区なんて、本当につまらない街になりますよ。日本の文化とか伝統とか言うけれど、実はこのあたりが大事なのではないか、と思います。ぜひ、大胆な転換をお願いします。

●最後に、区内の民間団体や法人等がすすめる地域福祉事業をどう支援するのか、伺います。

 この間、会派の広聴会で様々な分野の意見を聞きました。痛感したのは、いま必要とされている民間事業者の取り組みに財政的な支援が不足している事実でした。

①私立認可保育園と認証保育所との公的補助金には大きな格差があります。荒川区の保育行政に長く貢献し、子どもたちに良い保育を行って成果を上げてきた認証保育所の安定的な運営と保育士の待遇改善のために、現在用意されている東京都の制度で活用できるものはないのか検討していただきたい。これらを最大限活用し、区としても新たな補助制度を創設すべきと考えますがいかがでしょうか。
②また、身体障害者、知的障害者、精神障害者の地域での生活を支援するグループホーム建設等に対する区の補助金等を拡充し、専門性はあるが財政力が弱い事業者をさらに支援していく考えはないか、伺います。
③さらに、経済的理由や親の十分な保護が難しい子どもたちの勉強を見たり、夕食を提供する「子どもの居場所づくり」事業への予算を拡充していく考えはないか、伺います。

■倉橋 健康部長 答弁

 はじめに、区内に拡大する「ゲストハウス」に対し、その見解や対処に関するご質問にお答えします。
外国人観光客の増加とともに、「ゲストハウス」は増加してくるものと考えています。この「ゲストハウス」は不特定多数の方が利用する簡易宿所であることから、関係する部署や機関が情報共有しながら、連携して指導等を強化してまいります。
次に、東尾久2丁目のゲストハウスに関するご質問にお答えします。
議員ご指摘の事例については、現行の旅館業法では、建築関係法令に抵触していることを不許可の理由にはできないことから、許可せざるを得ませんでしたが、引き続き、法の不備について国等にも強く申し入れを行っていくとともに、利用者の安全・安心を基本に立ち入り調査等を通じて指導を強化してまいります。
 次に、許認可業務に対する区の姿勢に関するご質問にお答えします。
 区における許認可業務は多岐に及びますが、例えば「ゲストハウス」に関しては、事前相談があった時点から関係部署が随時会議等を開催し、具体的な調整を行うなど連携した取り組みを開始しています。許認可権限を行使するにあたっては、区民や利用者の安全・安心に十分に配慮し、荒川区への信頼を高めていけるよう努めてまいります。

■松土 防災都市づくり部長 答弁

 健康部長の答弁に加えまして、東尾久2丁目とジョイフル三ノ輪商店街内のゲストハウスについての防災都市づくり部の対応についてお答えいたします。
 ご質問の東尾久2丁目の建物につきましては、防火や耐震性の面で問題があることから、現在、建築基準法の手続きにより、消防署を含め関係部署と連携を図り、立入調査を行うとともに、是正命令の通知を行ったところです。
 ジョイフル三ノ輪商店街内の建物につきましては、「荒川区旅館業の許可に係る建物の安全に関する指導要綱」により、建物の耐震性や防火性能の向上について指導を行い、区が定める基準を満たす安全性が担保されることを確認したところでございます。
 今後も、利用者及び周辺住民の安全確保の観点から許認可権限を持つ部署をはじめ、庁内の関係部課が連携を図り、適切に指導を行ってまいります。

 つづいて、小規模な宅地開発に関するご質問にお答えいたします。
小規模な宅地開発については、かつて市街地整備指導要綱により指導してまいりましたが、強制力のない要綱では限界がありました。
 こうした状況を踏まえ、平成25年3月、市街地整備指導要綱における一定規模以上の戸建住宅等の規定の部分を条例化し、同年7月「住宅等の建築に係る住環境の整備に関する条例」として施行いたしました。この条例により、6棟以上の戸建住宅の建築等においては、一宅地60平方メートル以上とするよう規定しており、今後は以前のような小規模宅地開発の事例は発生しないものと考えております。
 なお、住宅建替え資金融資あっ旋事業につきましても、「住宅等の建築に係る住環境の整備に関する条例」を始めとした関係法令に適合していない場合には、申請を受け付けることはございません。

■石原 産業経済部長 答弁

 商店街の空き店舗対策に関するご質問についてお答えします。
 区では、これまで商店街が主体的に空き店舗対策に取り組めるよう、国や都の補助金を活用し、空き店舗を多目的スペースとして利用する等の支援メニューを揃えており、今般、区内商店街から申請が上がってきたところであります。
 また、ご質問にあるような対策についても商店街が自ら空き店舗を借り上げ、年3回以上のイベントを実施する際の店舗改装費や家賃、さらにはコンサルタント委託料を補助する「商店街空き店舗活用イベント推進事業」を平成24年度から実施しているところであります。
 区といたしましては、これらの対策に加え、プレミアム付き区内共通お買い物券やイベント等の商店街への支援、さらには街なか商店塾や一店逸品運動などの個店支援を一層推進し、商店街の魅力向上を引き続き図ってまいります。

■松土 防災都市づくり部長 答弁

 商店街を残すまちづくりに関するご質問にお答えいたします。
 区内には、区民に身近な消費生活の場として、多くの商店街が存在しており、区も活性化に向け様々な取組みをおこなっております。
 しかし、経営者の高齢化などによる廃業に伴い、店舗があった場所に、マンションなどを建設されてしまうことがございます。店舗の減少は、商店街の機能を損なうと区も認識しており、その対策として、地区計画などにより、建物を建てる際に店舗を誘導するなど新たなルールを作ることが考えられます。
 そのようなルールを作るためには、住民の皆様の権利が制限されることや多数の合意が必要になることなどを理解していただいた上で、住民の皆様が話し合い、ルールを作っていく必要がございますので、区といたしましては、今後どのような支援ができるか、検討してまいります。

■青山 子育て支援部長 答弁

 認証保育所への支援についてのご質問にお答えいたします。
 認証保育所は、認可保育園だけでは対応しきれない多様な保育需要に応えるために必要な施設であり、重要な地域の資源であると認識しております。
 これまで区では、認証保育所への運営費等について、保育従事職員等の処遇改善事業など、都の補助制度を最大限活用するとともに、蔵書充実等の区単独による補助制度の充実にも努めてまいりました。
 本年度からは新たに、都の補助事業として、保育士の確保・定着を図るキャリアアップ補助事業や、障害児保育、アレルギー児対応等に対して補助する保育力強化事業が開始されることとなっております。
 区といたしましては、老朽化等による施設改修の必要性について実態把握に努め、都の補助事業の活用について検討を行うとともに、認可保育園への移行を支援するなど、今後も引き続き事業者の要望等も踏まえながら、各施設が安定的な経営を継続できるよう支援を行ってまいります。

■谷嶋 福祉部長 答弁

 グループホームへの補助金に関する質問にお答えします。
 障がい者のグループホームについては、利用者が障がいの特性やライフスタイルに合わせた支援を受けながら、地域で自立した生活を送るための施設として、非常に重要なものと認識しております。また、民間事業者の多様なサービスや事業展開を、区として支援していくことも必要であると考えております。
 区では平成24年度に、障がい者が住み慣れた荒川区で安心して暮らし続けることができるよう、区内にグループホームを設置しようとする社会福祉法人等に対し、グループホーム設置促進補助として、補助金を交付する事業を開始いたしました。これにより、民間の事業者が区内にグループホームを開設し、2年間で6施設、増やしております。
 今後も、民間事業者の状況を踏まえながら、障がい者の住まいについての補助や支援の在り方を検討してまいります。

■青山 子育て支援部長 答弁

 子どもの居場所づくり事業に関するご質問にお答えいたします。
 平成26年8月に閣議決定された「子供の貧困対策に関する大綱」では、子どもの貧困に関する指標の改善に向けた当面の重点施策として、地域による学習支援や子どもの食事・栄養状態の確保、居場所づくりに関する支援などが位置づけられました。
 一方、区内では昨年から、地域の有志がボランティアでひとり親家庭や生活困窮者世帯等の支援が必要な子どもたちに食事の提供や学習相談などを行い、気軽に訪れることができる場を提供する取り組みが始められ、区も学校やスクールソーシャルワーカーに情報提供してきたところです。
 この居場所では、週1回、支援が必要な子どもたちが、幅広い世代のボランティアと一緒に、食卓を囲んでにぎやかな雰囲気の中で食事を楽しみ、また、子どもたちと年齢の近い大学生ボランティアによる学習支援や進学相談等により、子どもたちが将来に希望が持てるような活動が行われております。
 区では、世代を超えた貧困の連鎖を食い止めるため、子どもの居場所づくりを実施している団体を支援する補助制度を今年度から設け、現在まで2つの団体に支援を始めております。
 区といたしましては、団体への支援を継続するとともに、区内の各地域で同様の取り組みが展開されるよう、団体等の意見や要望を聞きながら、必要な支援策を検討してまいりたいと考えております。