斉藤ゆうこのあらかわ日和

 私は、あらかわ元気クラブとして、議案第30号、昭和天皇の崩御に伴う職員の懲戒免除及び職員の賠償責任に基づく債務の免除に関する条例に反対の討論を行います。
 まず初めに、このいわゆる恩赦ですが、明治以降の恩赦法に基づくものでありますが、原則としては、司法に対する介入の性格を持っているものであると私は考えています。
 現在の憲法下で、象徴である天皇のお恵みをいただく、お許しをいただくというような発想は極めて現代的でなく、不合理であり、また、主権在民の精神にも背く反民主主義的なものであり、制度として廃止すべきであるものと思います。
 他の先進国等の例を見ても、これらの恩赦、大赦は極めて限定的に行われている事実を見ても、これははっきりとしていることだと考えます。
 そして、今回の条例によって当区では、戒告49名、減給1名の計50名が対象となっているわけですが、そのうちの大多数が組合活動による処分であります。この内容も、いわゆる名誉回復であり、実損回復は全くありません。地公法違反等については、恩赦によらず、人事委員会の不服申し立て等で和解がなされることにより解決できるものであり、恩赦を受ける必要などさらさらないというふうに私は考えます。
 最後に、今回の恩赦についてですが、昭和天皇の御遺徳をしのぶという位置づけがされております。これに対し、必ずしも多くの国民が同意を示していない状況があります。それは、ひとたび外国に目を転じたとき、鳥居を見ると身震いがすると語る多くのアジア人に象徴される、日本の戦前の軍国主義の歴史と、天皇の役割が示しています。他民族の言語を奪い、宗教を抑圧し、自立を妨げた歴史は、既に世界中が周知していることです。これはイデオロギーの問題ではありません。同様の歴史を持つ西ドイツにおいては、有名なヴァイツゼッカー大統領の演説を見てもわかるとおり、過去を見つめること、そして、国家の過去の歴史から自由な国民は一人としていないと言われていることからも、このように戦争責任を明確化している西ドイツと我が国の対照を際立たせていることがあります。
 さらに、指紋押捺制度に反対し、押捺の拒否をしている外国人登録法違反に問われたアジア人を中心とする在日外国人の中の34名が恩赦拒否の声明を出しております。この恩赦拒否声明は、私たちは、この間、法廷において、外国人登録法、指紋押捺常時携帯制度が憲法及び国際人権規約に違反していることを明らかにし、無罪であることを主張してきました。「私たちの裁判闘争に対して恩赦、免訴をすることは、裁判を受ける権利を侵害するばかりでなく、私たちの正当な主張を封印し、虚構の歴史をまたもや捏造するものにほかなりません」と、怒りを述べています。さらに、「天皇の名のもとに許すとは一体何事でしょうか」と、このアジア人を多く含めた在日外国人の人たちは、恩赦拒否声明の中で述べています。
 国際化が盛んに強調される今日ですが、こうした抑圧された歴史と現在を持つ人々の側に立たずして、真の国際化はないということをつけ加え、この条例に対する反対討論といたします。