河内ひとみのあらかわ日和

2014年11月26日 2014年11月26日

 私は元気クラブとして、議案第59号、荒川区一般会計補正予算の原案に反対、公明党提出の修正案に賛成の討論を行います。
 今回の補正予算の焦点となっている荒川区におけるブロードバンド・ネットワークの構築、そのためのラストワンマイル導入工事費を加入者に対し行うことについては、この間さまざまな議論が出されてまいりました。私たち元気クラブは、以下の点を基本として、この事業のあり方、また将来展望、効果、財政負担について検討をいたしました。
 まず、さまざまな議論はあるものの、我が国における超高速・大容量の通信が可能なブロードバンドの本命はやはり光ファイバーであろうという点。CATVや最近ではADSLが急速に普及しているにもかかわらず、ある意向調査によれば、これらは光ファイバー普及までのつなぎにすぎないというユーザーの認識が持たれているようであります。
 第2に、このブロードバンドの整備は厳しい環境下に置かれている製造業を初めとする区内産業への支援策として十分活用可能なものであるという点であります。既に決算委員会でも申し上げたとおり、私は事業者を誘致するというよりは、むしろ現在区内で事業を営む事業者が引き続き荒川区にとどまる効果を期待いたします。
 また第3には、新たな行政サービスのメニューをつくることによって、とりわけ従来情報弱者となりがちであった障害者、高齢者にとってハンディキャップ克服を助ける有力な媒体となり得る点です。むしろ、家にパソコンなどの機器を持っていない操作にふなれなそうした方々が公共施設を使ってのサービス供給に大いにプラスであるのではないかと考えます。これらについては、決算委員会の質疑の中で区当局の考えを伺い、これを積極的に着手していくことで大いに効果があるとの結論を得ました。
 しかし、問題は、導入に向けて区民と行政の一体となった機運が果たして高まっているのか。また、予算の積算に根拠はあるのかという点であります。私は、まずブロードバンド・ネットワークの構築という新しい事業について区民に広く問題提起をし、行政の意図するところを理解してもらうべきと考えます。産業支援、区民活動支援は、そうしてこそより一層の効果があるというものではないでしょうか。
 さらに、補正予算の額が適正であるかという問題であります。ラストワンマイルへの助成については、2つないしは3つの事業者を区民自身が選択し加入するもので、特に問題があるとは考えておりません。しかし、予算額の設定については、区民に対する周知の手順を踏み、しかる後、需要の見通しを立てた上で根拠ある数字を示すべきであります。
 以上の基本的観点からこの原案に反対、今年度補助を試行と位置づけ、一定額の金額を設定し、また需要動向を見きわめるための調査費を計上した公明党の修正案を適当と考え、賛成をいたします。
 情報化はまさに秒単位で進み、これまでにも私たちが予測しないスピードであらゆるものを巻き込んで進行してきました。ブロードバンドもいずれ速いスピードで社会を席巻するでしょう。厳しい環境のもとにある区内産業、行政サービスを求める区民の声にこたえ、区民や区内事業者との十分な意思疎通と機運の醸成のもとで支援の質を向上させることを望んで討論といたします。