河内ひとみのあらかわ日和

2014年11月26日 2014年11月26日

(斉藤ゆうこ)
 4月からの介護保険改正について伺います。
 昨年の大きな法改正によって、昨年10月からは施設利用者への負担増が導入され、この4月からは在宅でヘルパー派遣などを利用されている方へのサービスの見直しが行われることになりました。区民に大変影響の大きい問題ということで、私は昨年の本会議一般質問で区の対応について伺いましたが、改めて現時点での荒川区の対応を伺いたいと思います。

(細川保健福祉部長 答弁)
 まだ最終的な基準等に関しては出ておりませんが、案のレベルで色々なものが出されてきておりまして、特に今準備しておりますのは、『要介護認定調査の見直し』の件と、『地域包括支援センター創設』の件でございます。
 要介護認定調査につきましては、これまでも保険者(注:荒川区)が直接実施するということにはなっておりましたが、実態としては委託で行っているものが多かったところ、今回のこの4月から、新規及び区分変更については原則にのっとり保険者が実施するということに決められたものでございます。
 荒川区の場合には、平成16年度の認定件数は9000件ほどですが、そのうち新規及び区分変更は2815件、約30%ございました。来年度からはこれを、他の分掌と併せて担当している常勤職員3名、それから認定調査専任の非常勤職員2名の5名体制で行ってまいりましたが、実際上は全体の8割以上を事業者に委託しておりました。今回、このたびの改正を受けて、18年度については非常勤職員を4名増員し、常勤、非常勤9名体制で新規及び区分変更はすべて区で調査する方向で準備をしているところです。
 それから、地域包括支援センターについてですが、地域包括支援センターは地域包括ケアを支える中核機関として、このたびの介護保険制度改正により新たに導入されたものであります。保健師または経験のある看護師、主任ケアマネージャー、介護福祉士等、専門家を3職種揃えたチームアプローチを行い、また運営に関しては区民の意見を反映させるための運営協議会の意見を聞くなどの体制をとることとなっております。
 荒川区においては現在、地域型在宅介護支援センターが5ヶ所ありますが、それを拡充する形で地域包括支援センターを設置し、運営に関しては現行の法人に委託していく予定としております。
 また、先程申しました地域包括支援センター運営協議会につきましては、現在設置されている荒川区介護保険運営協議会で担うという形を整えまして、4月実施に向けた準備をすすめているところでございます。

(斉藤ゆうこ)
 ありがとうございました。要介護認定調査の体制と地域包括支援センターについてお答えいただきましたが、4月の介護報酬改定と給付の見直しによって、居宅サービスが大変影響を受けると思うんですが、これがどう変わるのかということもお伺いしたいと思います。
 今回の法改正は『給付の抑制』がねらいです。生活支援についていえば時間制限が導入されて、それを超えれば全額自己負担、介護用品についても介護度によって保険対象外の線引きをするということで、利用者はお金しだいでありまして、お金のない年よりはサービスが買えないということになります。
 また、事業公表の義務化や第三者評価の導入というのもあります。一定規模以上の大きな事業所に対しては単位数が加算されるらしいですね。そういうことになれば、大手の事業所にはとっては大変有利だけれど、区内の中小事業所にとっては存亡の危機にさらされる、というようなことが予測されます。こういうことも含めまして、区としてどう対処されるのかも併せて伺います。

(細川保健福祉部長 答弁)
 今回の改正は、持続可能な介護保険制度ということがひとつ頭にありまして、その中でもまた介護予防を重視するという視点が強く入れられたものというふうに認識しております。それは発足5年を経て、介護保険制度も定着してきておりますが、その中での色々な問題点について総括された上での改正方向というふうに認識しております。
 4月からの介護保険サービスが具体的にどうなるか、ということに関しましては、1月26日に厚生労働大臣から介護報酬改定案が社会保障審議会介護給付費分科会の方に諮問されたところでありまして、実際、まだ答申というものが出てきておりません。そういう中で準備していくのは大変困難な訳ですけれど、いま委員がおっしゃっいましたような介護予防の訪問介護については、現行の時間別の評価を月単位の定額報酬とするとか、介護給付の訪問介護については身体介護の割合が高いことを踏まえ、身体介護、生活援助の区分を維持し、生活援助の長時間利用について適正化を図るというような形で、一時間以上が定額になっているというようなところもございます。
 また、介護用品につきましては、要介護度の低い方が、例えば電動ベッド等、本来不必要なものを支給されていたりするというような点からの見直しがかけられたもの、というふうに認識しております。
 また、介護予防の方では、(注:現行の「要支援」を「要支援1」に移行するほか)「要介護1」以外に日常生活上の基本動作がほぼ自立し、状態の維持、改善可能性の高いものを「要支援2」というふうに致しまして、介護予防サービスを提供することになったところです。介護予防については、本人が自力で家事等を行うことが困難な場合であって、家族等の支え合いや他の福祉施策等の代替サービスが利用できない場合については、適切なマネジメントに基づきサービスを提供することとなります。
 現在はこういった趣旨の諮問がなされた段階でありまして、具体的なサービスの提供の可否などについては、いまだに個別の問題としてはお答えできる状況にはございませんが、区としては改正の趣旨を踏まえ、今後の国からの指針等に基づき、個々の事例に応じた適切なケアプランの作成とより良いサービス提供がなされるよう指導に努めていきたいと存じます。
 また、サービス提供事業者に関しましては、基本的に今回は質の高いサービスを提供する体制を維持するということで、第三者評価等も、それから利用者の状況を改善してきた事業者に対する加算等、そういったものが考えられておりますが、区としましても、区民がより良いサービスを選択できるように、ケアプラン作成研修など、区内事業者に対する支援も適切に行っていくつもりでございます。
 また、所得の低い方々については、利用料の負担軽減制度など、負担軽減を図っておりますので、個々の状況に応じた利用と負担の中で、介護保険制度を全体で支えていくシステムを構築していきたいと考えているところです。

(斉藤ゆうこ)
 いまお答えになったようなことが、厚生労働省の指針なんですが、4月からの改正で区内の低所得の高齢者だとか、地域の中小規模の事業者は大変な不安と危機感を持っているということもよく感じていただいて、今後適切に対処していただくことをお願い致します。
 4月からの法改正で、区内の低所得な高齢者と地域の中小規模の事業所は不安と危機感を持っているということをよく考えて対応していただきたいと思います。