河内ひとみのあらかわ日和

2015年1月21日 2015年1月19日
憲法の早期改正を求めることは適当でない。

 平成26年7月11日、あらかわ元気クラブ斉藤ゆうこは、憲法改正の早期実現を求める意見書の提出に対し、反対討論を行いました。

■憲法改正の早期実現を求める意見書の提出/反対討論

 私はあらかわ元気クラブとして、憲法改正の早期実現を求める意見書の提出に反対の討論をいたします。
 意見書案が述べるとおり、日本国憲法は1947(昭和22)年にアメリカによる占領下で制定され施行されて以来、今日に至るまで約70年の間、一度の改正も行われていません。と同時に、我が国は敗戦とアメリカによる占領、1952(昭和27)年のサンフランシスコ講和条約と日米安保条約のもと、今日に至るまで、完全な独立を果たしておらず、政治、経済、軍事のあらゆる面において、生活や文化の隅々に至るまで、対米従属の状態がますますあらわになっております。
 首都東京には、在日米軍横田基地が存在しますが、敗戦から70年の長きにわたって、一国の首都に外国の軍隊の司令部があるなどという国は、世界のどこにも見当たりません。
 憲法の改正を論ずるのであれば、まず、我が国がこうした対米従属の状態から脱却し、アメリカからの完全な独立を果たして、真に主権を回復することこそが先決ではないでしょうか。
 私は最も広範な民族民主統一戦線による政府を樹立し、その上で東アジアをはじめとする各国と互恵平等で平和に共存、繁栄する安全保障政策や外交政策を明記した独立国らしい自主憲法を制定すべきであると考えています。
 また、この中にアメリカの指揮権ではなく、自国の政府が指揮権を持つ自衛のための軍隊を有することを明記することも、また独立国として当然のことと思います。私は、憲法改正はこのような政府、このような条件のもとでこそ行われるのが望ましいと考えます。
 しかしながら、この間、安倍政権が目論んでいるのは、解釈改憲によるアメリカのための集団的自衛権発動と行使であり、またこれを担保するための憲法改正です。これは弱体化しつつも、アジア・リバランス戦略で覇権を唱え続けるアメリカに追随し、我が国の安定と繁栄を脅かす道であり、国益にも国民大多数の利益にも反する道ではないでしょうか。
 意見書案は、この間我が国をめぐる内外の諸情勢は劇的な変化を遂げている。とりわけ我が国を取り巻く東アジア情勢は、一国の猶予も許されない事態に直面していると述べていますが、こうした情勢のもとで、我が国政府が憲法改正を推進し、日米同盟に基づいて、アジアにおけるアメリカの番犬として振る舞い、また軍事大国として振る舞うことは、緊張を一層高めることにつながり、東アジア情勢の平和と安定に寄与するとは到底考えられません。
 よって、現在の政府に対して、憲法の早期改正を求めることは適当でないと考え、荒川区議会が意見書を提出することに反対をいたします。