斉藤ゆうこのあらかわ日和

 私は、あらかわ元気クラブとして、議案第21号、東京都荒川区一般会計予算に反対の討論を行います。
 来年度予算の大きな特徴は、税制改正に伴う消費税の導入が昨年末の国会において決められ、この4月1日をもって実施となることを受けて、国を初め各地方自治体の予算にこの消費税が盛り込まれているということであります。
 荒川区議会においても、昨年6月の定例会以降、地方自治体としてこの消費税導入をどう考えるのか、また、議会としてどのような態度をとるのかが問われ、常に争点となってきました。
 私は、昨年末、消費税の導入は地域経済に大混乱と大打撃を与え、大型店との競合の中で苦しい状況に追い込まれている地域の小さな商店、また、地場産業の不振や円高で倒産、転廃業を余儀なくされるなど、厳しい状況の中小零細企業などに追い打ちをかけ、より一層窮地に陥れるものであると主張してきました。
 産業の振興をうたい、このまちの歴史や形成過程の中で、一つの特徴としてある小さな商工業を守ることとは大きく矛盾する消費税の導入による地域経済破壊を容認するのかどうか、これは党派を超えて問われる、すぐれて地域的テーマでもあると訴えてきました。
 さらに、地方自治体が、電気税・ガス税など独自財源を失い、特別区民税改正などで受ける減収、自治体が消費者として事業を行う際に支払わなければならない消費税分の支出増が生まれること、使用料、手数料の上乗せを行うことなどは、地方自治体の財政を脅かし、区民サービスを低下させかねないことは、見過ごすことができない問題であると考えてきました。
 現在、4月1日の導入を前にして、まちの中では便乗値上げや下請いじめに対する不安、転嫁をめぐる混乱などが起こり、改めて消費税導入に対する怒りが高まっています。また、今回の区民衛生委員会における特別区税条例に関する質疑や、予算委員会での質疑でも示されているとおり、特別区税条例の改正によっては1億4000万円の減収、たばこ消費税の改正によって5300万円の減収、さらに、電気税・ガス税の廃止によって6億7000万円の減収があり、そして、歳出では、各事業の合計で5億5500万円の支出増で、消費譲与税の6億4700万もらって、その増収を差し引いても、締めて7億8300万円に上る影響があることが改めて示されました。
 予測されたとおり、消費税導入が私たちのまちと自治体とに与える影響は現実のものとなり、私たちは、この予算案でそのことに直面をしています。国民の7割にも及ぶ反対を押し切り、強行採決などという最低の手段を用いて導入を図ろうとした消費税、私は、この税制改正が国際競争の中で、大企業が直面する困難に対する配慮として行われるものであり、大企業の活動を税制面から援助するものであること、また、さらなる軍備拡大を推し進める財源であると考えます。
 こうしたしわ寄せを受けるのが、高齢者などの社会的弱者、一般消費者、中小企業の商工業者など、大多数の国民であり、犠牲を強いる消費税であることを思うと、本当に怒りが込み上げてきます。--笑っている場合じゃないんですよ。竹下内閣の支持率が1桁に向かって落ち込んでいくのも当然であります。
 私は、この予算がふるさと創生1億円のようなばらまきによっては到底補うことのできない国庫補助金の削減と、その固定化で脅かされていること、そして、この消費税導入を明確に織り込んだことでのさらなる打撃を受けているという性格であること、そして何よりも、独自財源が少なく、中小商工業者が多い地方自治体であるこの荒川区が明確に反対の意思表示を行わずに、こうした事態を許した、この消極的姿勢に対し反対を表明します。
 消費税の導入で受ける影響を、職員定数の削減を初めとする経常経費の絞り込み、行革で置きかえることなど到底認めがたいことであります。この国の政策による地方に対する圧迫を放置することは、地方自治そのものを侵害するものであり、自治体それぞれに確固とした態度が今後とも求められているということを受けとめなければならないでしょう。
 さて、各款に関して幾つかの点で指摘をいたします。
 まず初めに、民生費における生活保護費がことしも減額されていることに注目しなければなりません。社会的な批判にもかかわらず続けられる生活保護切り捨ての行政姿勢、既に予算委員会でも指摘したとおり、アパートの家賃の限度額、預金の額、扶養を行う人への配慮などで、いわば荒川区独自基準ともいうべきものをつくり上げてしまい、被保護者や申請者のみならず、その家族までをも苦しめているという事実があります。いいかげんにこうした姿勢を根本的に改める決断を示されるべきだと思います。
 高齢者の住宅政策については、視点のずれがあります。本当に必要とされるひとり暮らし老人や老人のみ世帯に対するケアつき住宅をなぜ急いで準備しないのでしょうか。東京の住宅政策のしわ寄せを受ける持ち家を持たないお年寄りにこそ率先して実行されるべきであります。
 産業経済費については、以前から指摘しているとおり、地域経済に対する根本策が必要なのですが、そうした思い切った改善の姿勢は示されていません。融資枠の拡大を行い、25億から30億へと限度額を引き上げたことは、多くの利用者を喜ばせることと思いますが、しかし、融資はいわば手当であり、疲弊した地域経済に政策的方向づけを行うといった根本的解決を目指すものではありません。まちの多数派である中小零細商工業の振興は、保護と同時に自立のための援助が必要です。拠点となるセンター建設を急ぐべきですが、前倒しの予算措置はとられていません。また、大型店の進出に対する規制緩和、いわゆる大店法が準備されている今、地域の商店がこうした情勢に対抗して、どうやったら生き残れるのか、行政と業者とが一体となって真剣に考えるべきときであり、具体的な施策が求められています。
 消費者にきめ細かなサービスを行い、消費者に対して教育を行うぐらいの姿勢を持つ、そんな地元商店であれば十分生き残っていけるのです。しかも、こうした方法がとれるのはまちの商店だけであって、大型店には期待できない内容ではないでしょうか。商工業者の中には、将来に深刻な危機感を持ち、消費者との結びつきを意識的に求め、みずからの体質改善を行おうと努力している姿が見られます。こうした姿勢を行政がしっかりと受けとめて、調査研究のための予算をとり、一緒になって施策をつくるべきであります。
 また、消費税導入に伴う下請いじめ対策として、「企業相談員の活動を通じて努力する」と、区は答弁していますが、さまざまな事情から、計画では5名だったものが4名で据え置き、これで本当に対策になるのでしょうか。私は、消費税の導入を前に、予算案が示すように、地域の商工業政策に行政が消極的で、再開発にばかり熱心な状況を見るとき、こんなことでこのまちは大丈夫なのだろうかと強い危惧を感じざるを得ません。
 さらに、土木費の中では、再開発事業にかかわる問題点を挙げなければなりません。町屋地区市街地再開発事業に約10億が計上されていますが、莫大なこうした公的補助を得て行う事業であるからこそ、十分なチェックが必要であります。入居者の転売等については、3年間の禁止という措置がとられていますが、個人による投機に利用されない保証はありません。こうした調査は真剣に行われているのか、全く疑問であります。
 さらに、昨年の第4回定例会で大きな問題となった長谷川工務店とリクルートコスモスが事業主体となる南千住6丁目のマンション建設に対する補助金について述べておきます。
 決算委員会において、「補助金は企業に対して支出されるものでなく、事業に対して支出されるものである」と、区は明確に答弁された。それにもかかわらず、リクルートコスモス社の持ち分45%に対してのみ補助金支出を取りやめて予算を計上して事たれりとしたのは全くの矛盾であります。大規模プロジェクトへ向けて、再開発事業に対する予算が大きく組まれる傾向が続いていますが、一体だれのための再開発なのか、大企業が肥え太る一方で、住民には何のメリットもない、こうした再開発事業に区財政をつぎ込んでも、地域振興になどならないのは明白であります。
 さらに、歳入にある建物等貸し付け運用収入に関してですが、区民が自由に使えないスポーツ施設として日ごとに高まる批判を区は御存じなのでしょうか。私はどこへ行っても、「日暮里のプールはとんでもない、何が会員制フィットネスクラブだ」という声を聞くこのごろです。契約を撤回し、直ちに本来の区民のための施設に戻すべきです。ホテルラングウッドの中にあるサニーホールの使いにくい実態は、自転車での来館、駐車場のあり方などをめぐって、だんだん明らかになってきましたが、民活導入の象徴的姿なのです。民活が必然的にリクルート疑惑を生んだこと、そのことは地方においても無縁でない事実であります。反省に基づき、姿勢を改めるべきときであると考えます。
 教育費における学校統廃合問題での質疑は、この委員会の非公開、秘密主義のありようを端的に示しています。この際、言っておかねばなりませんが、当たり前の資料も出さないのは質問権の侵害であります。何でも数を頼みに隠せばいいというものではない。委員会運営に対し強く反省を求めます。
 総じて、今回の予算は大多数の普通の区民のための予算とは言いがたく、現在の区政が端的に示されている、反映されたものであると考えます。
 以上述べて、私の来年度の予算に対する反対討論を終わります。