斉藤ゆうこのあらかわ日和

荒川区の弱点を直視し、克服する姿勢を

 平成26年3月17日、あらかわ元気クラブ斉藤ゆうこは、荒川区一般会計予算に反対の討論を行いました。

■荒川区一般会計予算/反対討論

 私は、あらかわ元気クラブとして、議案第14号、荒川区一般会計予算に反対の討論をいたします。
 あらかわ元気クラブとしては、以下の4点の理由が予算反対の理由です。
 まず、消費税8パーセントを歳入歳出に含む予算であること、消費税法によって、赤字でもいや応なく8パーセントの納税義務を負わされる区内事業者の悲痛な叫びに対して、根本的な救済策をとることなく、そのことを肯定してこの予算を認めることはできません。
 総括質疑で数字を出していただきましたが、歳入では消費税を5パーセントから8パーセントに引き上げることに伴って、国からの地方消費税交付金が5億6847万円増、一方、歳出では、契約金額や物品購入が約6億1000万円増との試算で、荒川区の収支は差し引き5000万円ほどマイナスということになります。
 読売新聞の調査では、「アベノミクスの恩恵を感じない」と答えた人が77パーセントです。景気回復の実感がない中で、荒川区内の中小事業者は、消費増税は事業の存続にかかわる問題だということで、大変な危機感を持っています。消費税は消費者が負担する税金だと言われていますが、それは間違いで、法律上の納税義務者は事業者であり、赤字でも年に一度納税しなければならない税金です。
 平成17年度に免税店が年商3000万円から1000万円に引き下げられて以降は、圧倒的な区内の小さな事業者も納税義務を負うことになり、それがまた廃業の引き金となりました。
 一方、法律は輸出の税率をゼロと定めているため、仕入れ税額を控除すると納める納税額はマイナスとなり、輸出大企業は多額の還付金を受けています。これは明らかな輸出補助金でGATT協定違反です。
 せっかくつくったので見ていただきたいんですけれど、トヨタや東芝は消費税を1円も納めないばかりか、巨額の還付金を受け取っています。税率が上がれば還付金も上がる。5パーセントで3兆円なら10パーセントで6兆円、20パーセントなら12兆円ということになります。
 荒川区の小さな事業者が本当に存亡の危機に陥るというこの税率アップで、もう片方で輸出大企業が還付金を増額して潤うというのは、全く不公平ではないかと総括質疑で申し上げました。
 こんな感じですから、例えば蒲田の税務署なんていうのは、蒲田管内の全ての事業者から上がってきた消費税の額よりキャノン1社に還付する額のほうが多くて、国に納める額はマイナスになっているんです。私は、こういうことを見ると、区内の事業者の人の納税のモチベーションはものすごく下がるというふうに思います。
 そんなわけですが、今、本当に救済するべきは苦しい中小事業者であって、中小企業支援と区が言うのならば、小規模事業者の納税義務を免除するように国に言うべきだし、国家財政が赤字だというならば、輸出のゼロ税率を廃止すべきではないかと私は申し上げました。
 さて、この4月の春闘は政労使春闘という大変異例な形をとっています。とりもなおさず、アベノミクスの成否は、労働者の賃金が上がって、物価が3パーセント、はたまたそれ以上上がることに対して耐えられるのかということにかかっている。これは安倍総理をはじめとする政府首脳が繰り返しこの間述べてきたことです。実態はどうでしょうか。
 一斉回答で自動車、電気の回答は多くてわずか2パーセント、しかも、中小企業労働者の人たちが怒るとおり、別次元の話だというふうに言われています。7割を占める日本の中小企業労働者への波及はありません。
 アベノミクスの円安差益によって空前の増収益となった輸出大企業は、たったわずか数パーセントの利益を賃上げのためにはき出したにすぎません。これでは、荒川区民の大多数、国民の大多数は恩恵どころか、生活状況の悪化の一途をたどります。このような状況を踏まえると、消費税増税を含み、区民生活の悪化に有効な根本策のない来年度予算には到底賛成できません。

 第2番目、荒川2丁目複合施設のあり方に反対であり、25億の予算計上は認められないということであります。
 この点で、私は補正予算にも反対いたしました。老朽化した荒川図書館の建て替えが最初の動機であったものの、メッキ工場の全面取得、隣地の工場の購入、次第に計画が膨れ上がって複合施設となった経過は納得できません。
 これまで申し上げたとおり、吉村昭文学館は、出身地である日暮里につくるべきで、何の縁もゆかりもない荒川2丁目に複合化することには反対です。
 また、子育て支援施設ではなく、この地域の区立保育園、峡田幼稚園を廃園にしてしまったことを踏まえ、この地に全体として不足している幼稚園を設置すべきではないかと提案しましたが、全く聞いていただけません。
 財源について伺ったところ、土地については国庫補助が5740万円に対し、区財政の単独負担は15億7000万円とのこと、今後の荒川区にとって財政上の大きな負担であり、この施設が後世に不要不急の箱物施設だったというそしりを受けないという保障はありません。改めて荒川2丁目複合施設への反対を表明いたします。

 3番目、タブレットPCの全校配付に8億円を計上しておりまして、これに反対であることです。
 予算特別委員会では、議会最大会派である自民党をはじめとする強い懸念に基づいて、その要求に応え、検証を行ったというふうに言われています。しかし、その実態は、モデル校の校長等の出席状況が不十分で、ある種、行政のアリバイ的なひとり芝居であったことが示されました。また、従来配置されたパソコンのリース契約との重複についても極めて不明朗であり、貴重な財政を湯水のごとく浪費しているとしか思えません。
 よって、全校配付ありきで進めるタブレットPCの配付を予算化したことに対して、反対であります。
 教育は、まず母国語である日本語能力の向上、そして読み書きそろばんの原点に戻ることが大切ではないでしょうか。タブレットPCの弊害が必ずあらわれるものと思うと、極めて残念です。

 最後になりますが、予算特別委員会の審議を通じて感じた現在の区政の姿勢に強い異議を持ちましたので、この点を申し上げます。
 子どもの体力と所得の相関関係について質疑をいたしました。学力ばかりか、体力についても23区で下位という弱点があり、4年生の男子では最下位でした。社会的要因と関係があるのではないかという、そういう問題を直視しようと教育委員会はしていません。子どもの貧困の研究とは一体何だったのでしょうか。
 また、まちづくりについても同様で、再開発への依存体質は改まらず、他の方法を考えようとしません。これまでハード面での防災対策、弱点を克服しないと大変なことになりますよと幾ら言っても、いやいや、コミュニティが強くて助け合うから大丈夫ですと言ってきた。その結果が災害危険度1位、2位ではないのですか。
 予算特別委員会では、区長選挙で勝ったら四年間白紙委任なのか否かという論争もありましたが、圧倒的多数の議会の支持を得、3回にわたる区民の審判を経た公選区長の姿勢、西川区長の姿勢ということのみならず、その区長を取り巻く幹部職員の皆さんの姿勢がいただけません。
 荒川区の弱点を直視し、克服しようとしない現在の区政は、将来にとって極めて有害であるということを申し上げて、反対討論を終わります。