斉藤ゆうこのあらかわ日和

 あらかわ元気クラブとして、認定第1号、2003年度(平成15年度)荒川区一般会計決算の認定に反対の討論をいたします。
 この昨年度予算は、編成方針に新たな行政改革を着実に推し進める中、「7つの安心社会」の実現に向けて積極的に取り組む予算との位置づけを掲げ、これまでとは異なった新たな行財政改革に一歩踏み込むことを明らかにした予算でありました。これによって荒川区の行財政改革は、これまでの民間委託推進という段階から公有財産の民間への貸与・売却という新たな段階に進みました。
 私たち元気クラブは、約100億円の区財政を投入して建設された区内3カ所の特別養護老人ホームと10カ所の高齢者通所サービスセンターを無償貸与することに反対の立場をとり、この予算に反対をいたしました。多額の区財政をつぎ込んだ区有施設を次から次へと無償で民間に明け渡すことを区民は決して納得していないと思います。100億も200億もの区財政を使って土地を買い、施設を建設し、借金をふやしておいて、そのあげくに不採算だから、運営にお金がかかるから、だから手放したい、区の責任から分離したい。これでは余りに安直で無責任です。果たしてこういうのを行財政改革と言うのでしょうか。現在進行中のこのようなやり方には歯どめが必要であると考えます。
 さらに、今回の決算委員会の過程では、平成15年度予算の争点であった荒川遊園の見直しについて、事業の選択方法や決定手続に問題があったことをまざまざと見せつけられました。
 高橋前助役が土木、教育など五部門の総括責任者となって行われた荒川遊園の見直し。年間2億円の赤字から脱却するとして、コンサル、公共政策総合研究所の提案なども入れて行われたこの事業は、昨年3月、ちょうど1年半前の予算委員会で集中審議という形をとって議論が闘わされました。
 その内容は、地下駐車場の管理運営方式の変更、クラフトハウス、売店の運営見直し、子ども教育支援財団が行う事業への活動場所の提供、クラーク高等学校の荒川遊園キャンパスをめぐる問題などでしたが、長時間の集中審議が行われ、かなり紛糾したことは記憶に新しい問題です。
 改めて思い返しますと、高橋前助役を責任者として行われたこの荒川遊園見直しの政策決定方法や手続に見られた多くの問題点は、今回、収賄事件の対象となった荒川自然公園健康器具設置のいきさつと極めてよく似ています。時間的にも、平成15年3月といえば、平成14年度予算の移用によって、荒川自然公園への健康器具設置の工事契約が、年度末であるにもかかわらず無理やり前倒しで行われたその時期であります。今思い返せば、ちょうどそのとき、私たちは予算委員会でこの荒川遊園見直しの議論をしていたという大変皮肉な結末なのであります。
 地下駐車場については、私たち元気クラブは反対をいたしましたが、区外の民間パーキング会社に、契約相手先も条件もあいまいなまま使用許可の条例だけを通して貸与をしてしまいました。
 子ども教育支援財団の荒川遊園への参入とクラーク高校の学校施設使用については、検討された経緯や意思決定をする手続、議会での予算議決との前後関係など、極めて慎重さを欠く、普通でない状態がありました。議会はこのことに疑念を持ち、私たち元気クラブは反対をいたしましたが、結局、賛成多数により無修正でこの事業と予算を通してしまいました。
 当時、私たち元気クラブは、いったん白紙撤回すべきだ、強引に押し通すべきでないと追及したのに対して、当時の高橋助役は、私に全責任がある、撤回するつもりはないと答弁をいたしました。私は、議会として疑惑を解明し、こうしたおかしなやり方をただせなかったことを今、決算で改めて振り返ると、何とも情けない思いがいたします。行政に対するチェック機関たる議会としても力不足だったということを痛感いたします。こういう経過は二度と繰り返してはならない。そうした意味からもこの決算を認定することはできません。
 この決算を振り返りまして、改めて要望を3つ申し上げたいと思います。
 まず第1番目に、政治倫理条例の制定について、これまで本会議で3度の質問をいたしましたが、公務員・政治家・企業の関係を健全化するために、総合的な視点で荒川区の政治倫理条例をつくって姿勢を正すべきだという今回の決算委員会での質問に対しても、当局のちゅうちょが感じられ、明確な回答はありませんでした。議会与党に対する遠慮のあらわれでしょうか。不正や癒着への疑惑を、今回のように司直の手をかりる形でしか究明できず、議会として厳しくみずからをただして解決し得なかったことを教訓に、政治倫理条例の制定に踏み切るときではないでしょうか。改めて要望いたします。
 2つ目ですが、契約や事業の決定について、行政内部のチェック機能については、一人の幹部職員の判断や裁量で契約の手続や基準の変更が行われてきたことを見ても、歯どめやチェック機能が働いていなかったことが明らかであります。この点についても、調査検討委員会の中間報告を踏まえて、再発防止のために区民の目に見える格段の努力を要望したいと思います。
 3番目に、これまで業務委託や貸与の妥当性をチェックする仕組みづくりを求めてまいりましたが、区当局は、貸与や委託については管理・監督や監視のシステムとチェックが必要だという見解を出され、具体的には平成15年度に検討に入り、今年度、平成16年度に策定するという答弁がありました。委託や貸与、指定管理者の評価をきちんと行い、その結果、問題があれば継続して貸さずに返していただく、委託先を変える、また改善勧告を出すというような厳しい対応をしなければ任せっ放しになり、貸与や委託の上にあぐらをかく企業がないとは限りません。口を開けば財政効率と言われますが、結果評価がなければ本当に区民サービス向上になったのかは検証できないのであります。
 評価システムづくりは急ぎます。単なるサービス満足度という視点ではなく、地域活性化や将来の荒川区に貢献できるのかという長期的な視点からも、あらかじめ基準を定めて総合的な評価を出していただきたい。また、貸与や委託を行った後にも、目的に沿った成果が上がっているのかを調査し、区民が参加する審査会をつくって評価を出していただくことを改めて要望いたします。
 討論の最後に、汚点を残した決算を振り返りまして、再生を願い、一言申し上げたいと思います。
 助役、区長の逮捕、区長選挙というかつてない事態に直面し、今、区民の中にも職員の中にも怒りや失望が満ちています。今、区政を根本から変えずに旧態依然のままで、荒川区民は幸せになれるでしょうか。この際、特定の議員、政治家と区の官僚が結びついた区民不在の区政には終止符を打ちたい、私は今、切にそう思っています。特に、罰を受けるべき元幹部職員やすねに傷を持つ幹部職員が、またもや特定の議員と結びついて性懲りもなく我が物顔で区政を牛耳ろうとするなど、絶対に許してはならないと思います。
 元気クラブは、特定の政党や政治家に左右される区政ではなく、区民の意見を聞いて物事を決める区政を掲げ、共通の目的のためには、お互いの社会的立場や政治的立場の違いを超えて協力し合うことを元気クラブの3つの基本理念にうたってきました。志を同じくする皆さんと、立場の違いを超え、手を携えて区政を変えるときであると思います。区民の皆さんや職員の皆さんの怒りと失望を力に変え、腐敗や汚職のない区政、大多数の普通の区民が豊かに暮らせる下町・荒川区の再生を目指そう、そして新しく生まれ変わった区政をつくろうと皆さんにお呼びかけして、反対討論を終わります。