斉藤ゆうこのあらかわ日和

 あらかわ元気クラブの斉藤ゆうこです。
 『戦後最大の経済危機』(与謝野大臣)の下で、荒川区にも雇用や地域経済、区民生活全般に影響が及んでいますので、当局の現状認識と問題意識を伺います。
 産業経済部がまとめた「区内中小企業への緊急調査」を見せてもらいました。印刷・製本などの会社では「受注が半減」という所もありますが、特に自動車や電機関連の下請け企業の経営が悪化している、ということがはっきりとわかります。受注が見る見る減少して「この先の仕事が全くない」という所もありました。
 自動車産業は裾野が広くて、荒川区内にも、自動車のマフラー、ジャバラ、カバーなどの部品をつくる下請け企業が沢山ありますが、高野部長は区内産業と地域経済の現状をどうごらんになっていますか? お考えを伺います。
 そして問題なのは、このパネル(※下欄参照)のように、アメリカ発の減産を理由に『派遣切り』をすすめ、正社員の雇用や下請け企業の存亡を左右している我が国の巨大輸出企業は何十兆円という『内部留保』を持っていることです。トヨタだけでも12兆円ですよ。この内部留保を吐き出せば雇用維持が出来るのに、企業の社会的責任はどうなっているのでしょうか。輸出企業は首を切り放題、下請け企業にシワ寄せし放題で、自治体はその緊急対策に追われている。『利益は企業に、リスクは社会に』ではおかしいんじゃないんでしょうか。
 町の事業者の声は「融資よりも仕事がほしい」です。じゃあ、どうしたら仕事があるようになるのか? 「GMとトヨタの減産が直接響いて仕事がゼロ」という回答もある通り、『アメリカがくしゃみをすれば荒川区の下請け企業がつぶれる』というのが現状です。目先の対応に追われるばかりでなく、この際、アメリカの市場に依存しつづけ、農業や流通と引き換えに対米輸出に極端に偏ってきた『日本の経済構造や産業構造を変える』以外に、ものづくりを支えてきた荒川区の小さな企業の生きる道はないと思います。
 国の産業政策に関わる問題ですが、荒川区の地域経済に影響ある事として、国に進言するお考えはありませんか? 伺います。

(高野経済産業部長 答弁)

 区内の経済、とりわけ中小企業の状況ですが、いまご質問でふれられた通り大変厳しいものがあると思います。とりわけ輸出関連の自動車だとか電機だとか、そういった所は特に厳しい。今後、年度末にむかってこの状況はさらに厳しさを増すのではないかと危惧を持っているところでございます。
 こうした状況をもたらした原因は、経済の構造的な問題、輸出依存型の我が国の経済構造にある訳ですが、これを内需主導による足腰のしっかりした経済成長に結びつけていかなければならない、という認識を持っております。
 とは言いましても、それには時間がかかる訳でございますから、その間の対策として政府がすすめております緊急経済対策等によって我が国経済の体力回復をはかるべきであるという認識を持っております。

※パネル:「フォーカス」誌資料より
『派遣切りの一方でふえ続ける内部留保と役員報酬』
 -トヨタの役員報酬は5年で2倍、ホンダの株主配当は7倍に!

2003年 2005年 2007年 03年比
トヨタ 利益余剰金 8兆3262億円 10兆4598億円 12兆4086億円 149%
株主配当金 1337億円 2466億円 4309億円 313%
役員報酬 18.2億円 17.1億円 39.2億円 215%
キャノン 利益余剰金 9743億円 1兆3937億円 1兆8620億円 191%
株主配当金 308億円 599億円 1316億円 427%
役員報酬 1.8億円 12.6億円 15.6億円 111%
日産 利益余剰金 8045億円 2兆1168億円 2兆7269億円 339%
株主配当金 746億円 1057億円 1517億円 203%
役員報酬 21.3億円 31.9億円 27.1億円 127%
ソニー 利益余剰金 1兆3671億円 1兆6027億円 2兆594億円 151%
株主配当金 230億円 240億円 250億円 109%
役員報酬 8.5億円 9.7億円 12.2億円 143%
ホンダ 利益余剰金 3兆5894億円 4兆2679億円 5兆1000億円 142%
株主配当金 216億円 548億円 1526億円 702%
役員報酬 21.3億円 15.9億円 15.1億円 71%

(*役員報酬は賞与を含む。*利益剰余金と株主配当金は1億円未満、役員報酬は1千万円未満を四捨五入。*数字はキャノンのみ12月末決算のため1~12月のデータ。)