河内ひとみのあらかわ日和

2014年11月27日 2014年11月27日

斉藤ゆうこ

 あらかわ元気クラブの斉藤ゆうこです。4点にわたって質問をいたしますので、わかりやすい答弁をお願いいたします。
 まず、地域経済と地方自治体とに大打撃を与える消費税の導入に対する区長の見解をお伺いします。
 この消費税の導入は一昨年の選挙公約に違反し、昨年の売上税廃案時の反省にも反し、さらには、9年前の全会一致の国会決議にも違反した、ドライバーならさしずめ免許取り消しものの国民に対する背信行為であります。
 国民の6、7割が反対、賛成はわずか15%と言われ、商工業者を初め国民各層の反対の声は日増しに高まっており、合意の形成などとはほど遠い状況の中で会期延長が強行された。とんでもないことです。
 川崎市議会では、市民の強い要求の前に、ついに百条委員会が発足しましたが、中央、地方を問わず、こうした政治家や行政の責任ある地位の人々のリクルート疑惑は徹底糾明されて当然です。こうした問題が今回の税制改正に対する批判に一層拍車をかけているのです。
 自然増収7兆円と言われる今、消費税を導入しなければならない合理的理由はありません。前川リポートは「国際国家としての日本を確立していくために、多少の犠牲はやむを得ない」などと言っていますが、犠牲になれと名指しされた方はたまったものではありません。
 こうした背景のもとでの消費税。私は、円高や産業の空洞化に苦しむ区内の中小企業、零細企業、生き残るために必死の小さな商店に追い打ちをかける結果となり、地域経済の命取りになりかねないと考えています。
 区長は、区内商工業者の営業実態をどのように認識しておられますか。私が話を聞いたあるかばん屋さんは、「10年間、メーカーの要求で仕事は複雑化したが、だんだん苦しくなっている。工賃はそれに見合って上がるわけではない。円高で切り詰められた大手メーカーの予算の割を食うのは末端の加工屋だ。朝9時から夜10時頃までミシンを踏み続けているのはざらだ。もっと遅くまで仕事している仲間もいる。数のまとまった仕事は工賃の安い韓国や台湾か地方へいってしまう。健康も心配だ。最近、仕事仲間が39歳で子供を3人残してクモ膜下出血で死んだ。人ごとではない」と話してくれ、ことし中には仕事をたたんで家族と田舎へ引っ越すと言っていました。
 円高で経営困難のこうした業者や小さな商店にとって、伝票方式でなく帳簿方式の今回の消費税は、価格転嫁が困難なため、税額分を自分でかぶることになりかねません。竹下首相自身、価格転嫁が難しいことを認めています。だからこそ価格転嫁カルテルが検討されているわけなんですが、カルテルができるのは寡占企業であり、何十万、何百万もある中小企業の業界をまとめるなど、統制経済ではあるまいし、到底不可能です。
 また、売り上げ5億円以下の業者、全体の9割と言われますが、荒川区ではほとんど100%でしょうけれど、こうした業者は簡易課税制度が認められています。しかしこれは業種によって違う粗利を一律小売は20%、卸10%とみなし、その3%を支払うという乱暴なみなし課税であり、昭和23年に導入され、1年半後には廃止になった悪名高い「取引高税」と同じ性格を持つものとなります。また、これでは付加価値率の高い業者ほど有利だが、利益がこれを下回っても規定の額を支払わねばならず、経済の公平性からいっても問題があります。
 さらに、荒川区でも多数と思われる売り上げ3000万以下の業者、これは納税義務は免除となっていますが、関係ないと思ったら大間違いです。前段階の取引で課税業者が入っているとその税金を込みで仕入れることになりますが、納税義務免除のために控除もできず、結局はその分を自分でかぶることになります。
 このように、どう想定しても、競争力の弱い小さな商工業者は今度の消費税導入で大打撃を免れません。100%価格転嫁ができなかった場合に受ける区内の業者の打撃は、売上階層別にどれくらいのものと予想されますか。また、それについて区長はどうお考えかを伺います。
 次に、地方自治体に及ぼす影響について、23区についても各種の試算が出されております。9月9日の都政新報によれば、約14億8000万の減収となっていますが、区独自には資産をなさっていますか。地方財政の圧迫に拍車をかけることは明らかですが、この点についてどうお考えでしょうか。
 最後に、区長は昨年の売上税には反対をしましたが、今度の消費税はどこが違うと考えて態度留保をされているのでしょうか。昨日の答弁の中で「消費税が大型間接税かどうかも国会の論議を見る」といわれたが、非課税品目51品目だった昨年の消費税に比べて、土地取引など11品目のみが非課税で、身の回り品のすべてに課税するというこの消費税のどこが大型間接税ではないのでしょうか。また、広く薄く国民に公平な負担を求める、このことこそが逆累進性そのものであり、不公平の拡大の根源ではないのですか。区長は消費税は他の法案と一体であり、切り離して考えられないともおっしゃいましたが、まさにそのとおりなんです。所得税減税を実行しても、消費税3%で大多数の勤労者の家庭は増税、だから反対なんです。こうしたことを踏まえ、ここまで明らかな姿となった消費税になぜ反対できないのか、お答えいただきたいと思います。

 次に、保育行政についての質問をします。
 保育に関する国庫負担率が10分の8から10分の5に引き下げられるという厳しい状況になっています。地方自治体は、政府に対して復元を強く求めると同時に、子供たちのために保育行政を後退させることなく、充実を図っていかなければなりません。
 私は、先日、所属委員会の地方都市視察で仙台市の「すくすく保育事業」の実施状況を聞いてきましたが、荒川区と同じく定員割れの状態を、保育所の機能を市民にアピールするさまざまな試みを行って、障害児保育、乳児保育、延長保育などで利用拡大を図ってきた取り組みには大いに学ぶところがありました。荒川区でも、地域特性に基づく保育需要をきちんと把握し、保育行政の質的充実を図ることで問題の解決をすべきだと考えます。
 そこでまず、地域柄、他区と比較して比率が高いと思われる商店、家内工業など自営業者の子供たちの保育所利用についてお尋ねします。自営業者の子供は、両親が長時間働いているにもかかわらず、保育所に入りにくいという現状があります。保育に欠けているにもかかわらず幼稚園へ入園し、特殊保育にお金を払っている例も多くなっています。商店街では「長時間お店をあけて地元のお客さんをつかむという商店街の方針の上で、若い夫婦の子供を保育所がちゃんと預かってくれるかどうかが切実な問題なんだ。だが、自営業者の子供は入所しにくく、夕方の忙しい時間を過ぎるまで預かってもらえなくて、支障になっている」と言っています。昨年から、保育の措置は団体委任事務になり、自治体の裁量権が拡大して地域の実情に見合った運用をすることも可能なはずですが、まず第1番目に、両親が自営業である場合と外勤である場合とでは、具体的にどれくらい措置指数の差があるのでしょうか。2番目に、こうした基本指数に加えて、調整指数というものがありますが、基本指数の変更や、調整指数のつけ方で、自営業者の子供たちの指数引き上げを行うことはできませんか。3番目に、また、保育に欠けるという概念は、児童福祉法を基礎に、厚生省令によって定められていますけれど、これを広く取るか、狭く取るかによって大きな差があると考えられます。時代の変化に応じて、荒川区でも保育に欠ける概念をもっと広くとらえ、保育所の利用拡大を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、0歳児保育は保育室、保育ママあわせて57年度には7600万、昨年は約1億の予算が組まれていますが、それと公・私立保育園の8ヵ月からの保育で賄われています。公・私立の月齢引き下げを行わず、このままでよいのかということです。さまざまな矛盾がありますが、そうした実態を把握しているかどうか、お伺いしたいと思います。
 保育ママのことですが、複数で多数を見るよりも、1人が最大3人を見ている保育ママは職業病と隣り合わせです。私の知っている保育ママさんも、ほとんど職業病と思われるような症状になっています。月齢3ヵ月の2週間前にしか受け付けないという申し込みシステムもおかしいんです。来月の収入の見通しが立たない不安定な状態です。また、経費負担も大変です。研修などが義務づけられ、そのときは親が休むか、親が会社に子供を連れて行くか、そうでなければ自分が子供を連れて会合に参加するかのいずれかだそうです。
 そして、未認可保育室ですが、経営が不安定です。保母が子供が少ないためにアルバイトに出るか交代で休むかというような状態に追い込まれたかと思うと、年度途中で満杯になって、以後断り続ける。つまり、これは調整弁の役割になっているのではないでしょうか。
 ある未認可保育室の保母、34歳、私と同じ年です。勤続11年ですけれど、手取りが12万という低賃金です。公立との格差を比べたら、大変なものですが、こんな犠牲の上に成り立っているんです。産休明けで保育園に入れず、そして保育ママまでの1ヵ月--保育ママ3ヵ月からですから、その間をどう過ごすか途方に暮れる人、こんな人が多いんです。こういうときに区外へ引っ越していくというケースが多いと思います。公立の産休明けや月齢引き下げを行わない陰に、こうした現実があるのを把握して、このままでいくとあくまでおっしゃるのでしょうか、しっかりお聞きしたいと思います。
 保育所の充実は決して狭く、利用する子供や親たちの利益ではありません。購買力のある、こうした子供のいる共働き家族の定住できる条件をつくることは、商業やまち全体の活性化にもつながる幅広いメリットがあることを考えてほしいと思うのです。

 3番目に、小中学校の統廃合に関連して3点お尋ねします。
 3月の第1回定例会で条例が可決されましたが、同時に当該校のお母さんたちから、屋上校庭をやめてほしい、校地拡張、用地取得をという陳情が出され、また、文教委員会では、賛成多数で附帯決議も行われました。9月5日の文教委員会で、四日小・真土小の統合新校の設計図は9月末ごろに提示できると教育委員会はおっしゃいました。きょうは9月の30日ですから、両校のPTAや地元町会で強い反対のある屋上校庭をやめ、地上校庭にする方向で進んでいるのかどうか、また、校舎や施設の配置について、決定をする以前に両校PTAや地元から十分意見を聞くため、どんな方策をお考えなのか、伺いたいと思います。とりわけ、反対の強かったこれらの点が未解決であるならば、来年4月からの真土小での統合など、とても心配でできないというお母さんたちの深刻な声を私は聞いています。この点を踏まえて、しっかりお答えください。
 また、教育委員会は、地域に開かれた学校づくりを目標の一つとしていますが、それでは、働く親をもつ放課後の子供たちを預かる学童保育クラブを学校の施設内に受け入れるお考えはあるのでしょうか。以上3点を質問します。
 最後に、婦人問題懇話会について、現在までの進みぐあいと、どんな内容の論議が行われているのかを具体的に伺います。
 「婦人問題は単に女性のための女性だけの問題ではなく、家庭、企業、地域社会、教育、政治などあらゆる分野にかかわり合いを持つ、総合的な課題としてとらえる必要がある」「区の施策においては、保育、福祉、保健、社会教育等、婦人に関する施策は区政の各分野にわたっている」、これは昨年11月の本会議での私の質問に対する総務部長のお答えです。全くそのとおりなのですが、「どうせ女の問題だろう」とか「女と靴下は戦後強くなった。--古いたとえですね。--財布のひもだって女性が握っているし、今さら差別がどうのと騒ぐことはないでしょう」などという見解がそこここに、このかいわいにも存在しているのが現実です。差別がなく、地位が向上し、平等や社会参加が実現できるのなら、婦人問題懇話会をつくる必要などないのです。問題があるからこそ、行政としてはどういう施策を持つのかが求められているのです。これは基本的な認識の問題です。こうした点を踏まえ、荒川区政のレベルアップにとって重要な試金石である婦人問題懇話会の状況をお聞かせください。
 さらに、1986年3月にまとめた実態調査によれば、専業主婦は約3割にすぎず、6割が「何らかの収入になる仕事をしている」と答えています。うちわけをみますと、常勤が21.5%、ほぼ同率で自営業20.4%、そしてパートが13.3%、ほかとなっています。仕事の内容や、地域別、年齢別の状態も示されており、幾らかではありますが、この荒川のまちの中で働く女性たちの姿が浮かび上がってきます。常勤で、パートで、商店や家内工業など自営業で働く6割にも上る区内の女性たちの実情を余すところなく婦人問題懇話会に反映させ、委員の方々に十分論議をしていただいて、地域特性に基づいた施策づくりに生かしてほしいと思いますが、こうした点を補う具体策を伺いたいと思います。
 以上で1回目の質問を終わります。

区長(町田健彦)

 税制改正の地方財政への影響についてお答えをいたします。
 今回の税制改正の内容を見ますと、所得税・住民税の減税や新たな消費税の創設に伴い、電気、ガス税の廃止などがあり、地方財政への影響が予測されます。
 また、一方では減収による新たな措置として消費譲与税の創設がありますが、総体として見た場合でも区財政への影響は避けられないものと考えております。したがって、特別区長会としても、再三にわたり要望してきましたことはさきに答弁をしたところであります。
 いずれにいたしましても、区財政への影響は避けられない税制改正であり、国会の審議の経過を見守りながらその対応について検討してまいりたいと考えております。
 昨年の売上税廃案の後、広く国民の意見を聞く観点から、政府税制調査会は全国的に公聴会を開くとともに、その後、国会で政府から大型間接税に関する6つの懸念が表明されるなどにより、税制改革は多くの議論がされてまいりました。以上のような経過を踏まえ、今国会に税制改革関連6法案が提出されております。
 御質問の消費税は、物の消費やサービスに広く薄く課税をするという内容について、売上税と同じ性質のものと考えております。
 一方で税率が5%から3%に措置されていること、また、納税者の事務負担に配慮した自己記録方式を採用したことなど、6つの懸念の解消への努力の跡がうかがえるものとなっていると認識をしております。
 いずれにいたしましても、今回の消費税法案は、この法案単独で判断されるものでなく、他の所得関係の減税、不公平税制の是正など、他の法律案とも関連をしておりますので、総合的な判断が必要かと考えております。
 他の質問につきましては、関係理事者をもって答弁をさせます。

区民部長(中村昭雄)

 区内商工業者の営業実態並びに消費税導入による具体的影響につきましての御質問にお答えいたします。
 まず、区内商工業者の営業実態でございますが、区といたしまして把握しております区内商工業者の営業実態は、商業統計調査及び工業統計調査でございます。
 このうち、昭和60年に実施の商業統計調査によりますと、区内小売商総店数3227店のうち、販売額が1000万円未満の店舗は1132店、構成比は34.9%、販売額が1000万円以上5000万円未満では1569店、48.3%でありまして、合わせて5000万円未満の店舗が83.2%を占めております。
 次に、消費税導入による具体的影響についてでございますが、今回の税制改正案では、消費税につきましては、年間売上高が3000万円以下の者につきましては、納税義務が免除となっており、また、6000万円以下の売上高の者につきましては、限界控除の制度がとられることになっております。
 これらの適用を受ける者の範囲については、統計上の区分からは明確にとらえられませんが、売上高1000万円未満の小売業者1132店、34.9%の店は免税となり、5000万円未満の1569店、48.3%の店は免税または限界控除の適用を受けることになります。この点については、中小企業者への配慮がなされていると考えるものであります。
 消費税の価額への転嫁ができない場合ということにつきましては、法律案では、転嫁することを予定しており、法律案の予定をしていない御質問にお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 いずれにいたしましても、税制改正の問題につきましては、消費税の価額への転嫁の問題を含めまして、国会での審議の推移を見守ってまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

福祉部長(青山昌春)

 保育行政に関する御質問のうちの最初の御質問について私からお答えを申し上げます。
 まず、自営業者に対する保育措置の状況でございますけれども、荒川区における自営業者の子供の入所率は、区内自営業者が年々減少しているということに伴いまして、61年度21.9%、62年度20.1%、63年度15.7%と低下しておりますが、23区平均と比べますと若干高い入所率となっております。
 次に、入所基準等の緩和はできないかとの御質問でありますが、入所措置につきましては、昨年制定をいたしました保育所入所措置条例に基づいて行っているところであり、現行のあり方が特に自営業者の子供たちの入所をしにくくしているというふうには考えておりませんので、御理解をいただきたいと思います。

厚生部長(角谷文昭)

 保育行政の御質問のうち、後半の部分についてお答えいたします。
 本区での保育行政は、公・私立保育園と保育室及び家庭福祉員制度の3つの保育資源によって行われており、相互に補完し合いながら乳幼児の保育需要に対応しているところでございます。区の果たす役割を保育室や家庭福祉員に押しつけているとは、必ずしも考えておりません。
 御質問の家庭福祉員の中で、乳児の保育のために腰痛などの職業病になっている実態があるとの御指摘でありますが、現在のところそのような事実があるということの報告は受けておりません。
 いずれにいたしましても、保育室や家庭福祉員での実態につきましては、今後とも把握に努めてまいりたいと存じますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。

総務部長(浜中清志)

 婦人問題懇話会についてお答え申し上げます。
 婦人問題懇話会は、昭和63年3月25日に発足以来、これまでに全体会を7回、小委員会を3回開いております。
 審議内容としては、婦人問題に関する意識と実態や、区の関連施策等に関し分析を行うとともに、国内及び国外における婦人問題の動きについて論議が行われるなど、予定どおりに、進められております。
 次に、区内の多数の働く女性の実情を反映させる方法についての御質問でございますが、婦人問題懇話会は、婦人問題と婦人問題に関する施策のあり方について、広い視野から総合的に検討を行うために設けられたものであります。したがって、委員は、婦人の代表を中心に、学識経験者や労働事情に通じた方々から構成されており、委員構成に不備があるとは考えておりません。
 また、自営業等の就労実態については、既に調査結果も出ており、懇話会としても把握していると認識しております。
 いずれにいたしましても、区としては、懇話会が自主的に調査・検討することが望ましいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

教育委員会事務局次長(斉藤正)

 私からは小中学校の統廃合に関する御質問にお答えいたします。
 まず、統合新小学校の設計についてのお尋ねでございます。
 改めて申し上げるまでもなく、校舎の設計に当たりましては、限定された条件の中であっても、さまざまな観点から可能な限り良好な学校環境の実現に向けてその追求がなされなければなりません。とりわけ、統合新小学校は21世紀を担う児童の学び舎として、既存の校舎では見られなかった新しい機能が求められているところでございます。例えば、コンピューター教育を初め新しい教育活動の展開を可能にする施設・設備や、個性尊重の授業に対応できるオープンスペース等が、これまでの学校施設には見られない機能として具備される必要があると考えております。
 さらに、それに加えて、遊びの空間を十分に持ち得ない本区の児童のためには、校庭も可能な限り広く豊かなものとして確保することも重要なことであります。それを実現する一つの方策として考えられるのが、人工地盤を活用する屋上校庭方式でございまして、既にこの方法を採用している学校が都心部に少なからず存在する事実を直視するとき、教育委員会は将来に向けて研究されてしかるべきものであります。
 しかし、一方、しっかりと大地を踏みしめて子供たちの遊びや体育活動を保障してやりたいという保護者の方々のお気持ちも理解できるところでございます。
 したがいまして、現在小学校の校舎設計が実施され、やがて議会はもちろん区民の方々にも教育委員会の考え方をお示しすることができる段階になろうと存じますが、保護者の御要望も十分認識させていただきながら設計を進めてまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、校舎や施設の配置について、PTAを初め地元の方々から意見を聞くためにどのような方策を考えているかとの質問でございます。
 このことにつきまして教育委員会は、小中学校適正配置等審議会の答申にもありますように、事業の推進に当たりましては、PTAを初め地元の方々から御理解をいただくことが何よりも重要であるとの認識に立って、これまでも地元への説明会などを繰り返し実施してきたところでございます。今後とも、この方針はいささかも変わるものではございません。新しい校舎の設計につきましても十分御説明を申し上げ、御意見をお聞きしてまいる所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、統合校と学童保育クラブとの関連についてお答え申し上げます。
 御指摘のように、統合新校は、地域に開かれた学校を標榜し、地域における存在価値をより一層高めることを一つの目的にしております。これは、学校という施設が持つすぐれたさまざまな機能を、生涯学習時代にふさわしく利用価値を高めたいという考え方に基づくものでございます。したがいまして、統合新校の建設をきっかけに、学校がこれまで以上に地域にとって有効な施設となるよう検討を重ねているところでございます。
 御指摘の学童保育クラブの学校内における運営につきましては、いろいろな考え方がございましたが、児童の放課後の生活を健康で安全なものにするためには、地域教育力をどう高めていくか、その中で学校施設がいかなる役割を果たしていけるかという観点で十分検討を続けてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

斉藤ゆうこ

 まず、保育行政についての御答弁なんですが、先ほど私が言ったように、保育に欠けているという実態があるにもかかわらず、自営業者のお子さんたちが幼稚園に入園して特例保育にお金を払っているというようなケースが増えてきているわけですね。私はもっと商店街の方や自営業者の方たちの保育所の利用を拡大する方向が必要だというふうに思っています。この点について私の意見を重ねて申し上げておきます。
 そして厚生部長の答弁なんですが、今の段階では職業病の確認はしていないということですが、保育ママさんの実態、そして、未認可保育室の実態、公立が月齢の引き下げをしない、産休明けをしないというところの陰で、どんなふうな実態になっているのかということをきちんと把握するということですが、しっかり把握に努めていただきたいと念を押しておきます。

 そして、最初に戻りますが、消費税のことについて何点か、もう一度お伺いしたいと思います。
 1つには、3000万以下の業者についてということなんですが、先ほど私が質問の中で既に申し上げたように、納税義務は免除となっていますけれども、前段階の取引で課税業者が入れば、その税金を込みで仕入れるということになるわけなんです。その分は納税義務免除の3000万以下の業者ですから、仕入れの分控除ができないわけですから、これをかぶることになると申し上げているわけです。このことはっきりしています。もう一度このことについて御答弁をいただきたいと思います。
 そして、もう1つ、価格転嫁の問題なんですが、価格転嫁は法律どおりやれば価格転嫁100%できるのだから、法律以外のやり方のことについての想定はできないというお答えですが、これはまさに木で鼻をくくったようなお答えです。竹下首相自身が価格転嫁難しいと認めているんですよ。それだけではなくて、さまざまなところでもう少し勉強していただきたいと思うのですが、価格転嫁が非常に困難ということがこの消費税の一つの特徴として言われているわけです。ですから、価格転嫁カルテルの問題を申し上げたのもそういうことです。
 なぜこの問題を地方議会でやるかといえば、それは、区内の業者が大変零細で、しかも、今言ったように3000万以下、そして、小さい業者が多いから、ですから価格転嫁ができなく、競争力が少ないというところでかぶってしまう、こういう犠牲を受けるのは荒川区の業者だからこの議会で聞いているんです。そのことについても明確にお答えいただきたいと思います。
 そして、ここに台東区の商店街連合会の皆さんが台東区議会に陳情した言葉があります。この中で台東区の商店街連合会の方たちは、同じ隣の区ですけれども、スーパーなどとの過当競争にあえぐ区内の零細小売業者にとって税額の転嫁は全く不可能--全く不可能と言っているんですね。今回の消費税は商店廃業を加速させる以外の何物でもないと考えるからだとおっしゃっています。そして、最後に、こうした私どもの胸中を御賢察くださって昨年同様反対決議をという陳情が出ています。町田区長いかがでしょうか。もう一度明確に、こうした地方自治体の長として区内の多数の小さな業者の立場に立った御答弁をぜひいただきたいと思います。
 そして、最後になりますが、地方財政への影響は避けられない、避けられないと2度おっしゃいました。それならなぜ、荒川区長として明確に反対を表明なさらないのでしょうか。そのことをぜひはっきりと伺っておきたいと思います。
 以上4点、再答弁をお願いいたします。

区長(町田健彦)

 私、再三、税制改革関連6法案の中で判断をすべきだということを御答弁を申し上げてきております。これは斉藤ゆうこ議員さん御指摘の幾つかの問題もあろうかと思いますが、例えば、経団連は賛成であり、商店街連合会はどちらかといえば賛成でない立場をとり、また、連合という組合においては賛成をとっておられるわけであります。

斉藤ゆうこ
 連合は反対です。

区長(町田健彦)

 いろんな形の中で、新聞の報道の範囲内の知識でございますので、間違ってたら御勘弁を賜りますが、そんないろいろな形のもろもろの要因を含んでいるということ、そして、提案をしている政府の側でも、決してベストではありませんよと、ですから国会の中で十分審議をして、あるべき合意をつくりましょうよという姿勢をとっているわけでございます。物事やはりパーフェクトにでき上がるということはなかなか難しいわけでございますので、国会の審議の中で各党の御要望や変更する姿勢は、私が知っている限りでは示しているような気がいたします。そういうような中で、国会での審議の経過を見たいというふうに私が再三お答えをしているわけでございますので、御理解のほどお願いを申し上げます。

区民部長(中村昭雄)

 消費税の価格の転嫁の問題でございますが、3000万円以下の場合は免税になりますが、当然仕入れをする卸の業者が3000万円未満であれば税は転嫁されないと、このように考えております。
 それから、消費税は価格への転嫁を予定した税でございますので、導入した場合には原則としてすべての価格が上がりますので、この別々の、通常の値上げの場合と異なりまして、それに比して転嫁しやすい環境にはなると思います。また、消費税が導入される場合には、転嫁される税であることを周知を図り、理解を求めるなど、円滑かつ適正な転嫁の環境づくりに努めることが必要であると、このように考えております。

斉藤ゆうこ

 少し話がかみ合ってきたような気もするんですが、間違いを1点訂正しておきます。連合は反対決議を2回行っています。私も連合の一組合員であります。こういう間違いは大変な間違いに発展しますので、ぜひお間違いのないようにお願いしたいと思います。
 そして、区長がおっしゃったように、税制改革6法案一体として考えたとき、先ほども言いましたけれど、まさに減税をしても差し引き増税になるというところが大多数、恐らく荒川区の勤め人の皆さん大多数、年間2万、3万という増税になるんじゃないでしょうか。この差し引き増税ということが問題なんです。今の質問と答弁の中のいろいろなやりとりの中で私は考えますが、やはり町田区長、ぜひ、下町の自治体の長として、明確に、下町の零細な業者の皆さん、区民の皆さんの立場に立って、一刻も早く反対をはっきりと言明していただきたいものと思います。もちろん、国会の議論がこれから続いていくわけですが、どうも今の答弁を聞いていますと、本当にこの価格転嫁の問題などを含めて中身がよく理解されているのかなという気もします。ぜひ理事者の皆さん、具体的に地方自治体に与える影響、そして、地元の業者に与える影響について勉強し直していただきたいとも思います。
 これで私の質問を終わります。

区長(町田健彦)

 先ほどの連合の発言につきましては、言葉足らずであったと思います。正確に発言をいたしますと、連合の事務局長は論文の中で賛成をしているという論文を読んだ気がいたします。