私たちの地域政治団体あらかわ元気クラブは、今年結成15周年の節目を迎えました。振り返れば結成の1994年は、自民党の単独政権が終わり、細川内閣を皮切りに連立政権の時代が始まった翌年でした。90年代の長い不況とアジア金融危機を経て、2000年以降は構造改革政治の加速によって急速に社会に格差が広がりました。そして一昨年のアメリカ発の世界同時不況で、我が国の国民生活は大きな打撃を受け、ことしの夏はこれまでの政治に対する不満が一気に吹き出し、再び政権交代が起きました。
この15年を検証するとき、内外の経済と政治の大きな変化は、我が下町荒川区にも多大な影響を及ぼし、地域と区民の暮らしは姿を変えてきたことに改めて気づかされます。
そこで私は財政当局にお願いして、この20年間の区民の暮らしの変化を、事実に基づいて検証するため、人口、年齢構成や区民の所得の変化がわかる資料を作成してもらいました。高齢化の進展、新たな住民の流入も去ることながら、1987年、バブル経済が始まる前から2008年、昨年までの特別区民税の課税状況をグラフで見ますと、区民の所得は低い層が厚くなり、荒川区民は決して豊かになっていないということがわかります。 特別区の統計で見ると、中小零細企業を見捨てる国の過酷な経済産業政策のもとで、荒川区内の小さな企業や商店は淘汰が進み、この5年間に倒産、廃業、閉鎖した事業所の数は23区1です。グラフで見ても、営業所得者の納税者数は20年前の3分の2になりました。
あらかわ元気クラブは、2007年に発表した『元気クラブの荒川区基本構想』で「地域の産業と暮らしやすい住環境が調和した町」を荒川区の将来像として掲げました。これを実現するためには、地域の産業や区民の暮らしの変化に着目し、思い切った手を打っていく必要があると思っていますが、区当局としては、このような変化をどのようにごらんになりますか。
今回、地方自治総合研究所を設立されますが、区民のどこにテコ入れし、何を支援していくのか、政策決定の前提として、区民生活の推移に着目し、大多数の区民が豊かに暮らせる荒川区を目指すべきと考えますがいかがでしょうか。お考えを伺います。
(北川総務企画部長 答弁)
(斉藤ゆうこ)