斉藤ゆうこのあらかわ日和

斉藤ゆうこ

 私は、藤枝区政3期目の方向性を問うをテーマに4項目について質問をいたします。
 9月7日の区長選挙の結果、藤枝区長が3期目の区政を担当されることになりました。今回の選挙を振り返ると、推薦政党やその所属議員、候補者などが前へ出て目立ちすぎ、その結果、藤枝区長御本人が何を実行し、今後どうしたいのか、そうした主張が一般区民には見えにくかった選挙だったという印象があります。
 区長を支持する区民団体の皆さんは活発に活動し、当選に貢献したと思われますが、「組織されていない区民」にとっては政策がわかりにくく、したがって魅力のない選挙ではなかったかと思います。
 政治不信も根強く存在しています。この間の投票率低下は政治不信が主な原因であり、ちょっとやそっとの小手先の対応では投票率は上がらないでしょう。対抗勢力の側も力量不足で、受け皿になり得ていません。6割、7割となった「選挙に行かない層」を崩せていない事実が、それを証明しております。
 また、21世紀に向かう荒川区をどうするのかが争われるべき重要な選挙にもかかわらず、争点がはっきりせず、盛り上がりに欠けた感があります。対立候補の側も教育、福祉といった部分的な批判にかたよりがちで、地域産業政策を中心にして今後、荒川区をどう発展させていくのかという区政の戦略的な総路線が争われなかったことは、残念だったと思います。
 区長は昨日の本会議で、これまでに引き続き、今後も力を入れていく課題として、福祉、商工業振興、街づくりの充実に加えて、行革を挙げられました。私たちの会派も同様の認識であります。この8年間、あらかわ元気クラブは、福祉、産業振興の立ちおくれを一体どう取り戻すのか、厳しく迫ってまいりました。行革については発想の転換を求めてきました。
 そして21世紀、荒川区の真の活性化で市民が希望を持てる新たな基本構想の策定や、地域経済が力をつけて、区民が豊かになり、区の財政力を強化する戦略づくりを提案してきました。
 もちろんこうした問題は、地方だけで解決できるわけではありません。バブル経済の崩壊以降、悪化した経済情勢や財政環境、財政構造改革や規制緩和を中心とした経済構造改革、その上、社会保障構造改革、こうした橋本内閣の6つの改革は、容赦なく国民生活や地方財政を圧迫するでしょう。こうした国の動向のもとで、私たちのまちはどう生きていくのか。藤枝区政3期目の初めに当たって、改めて問いたいと思います。

 まず初めに、法制化に向けてタイムリミットを迎えた都区制度改革について、区としての態度を伺います。昨日からこの点についての質疑が続いていますので、端的に私の考え、立場を申し上げて区の見解をただしたいと思います。
 19日の労使交渉は合意に達せず、20日の法案件名、要旨の提出期限を過ぎてもなお膠着状態というのが現在の状況です。このような状況になった原因は、94年12月15日の覚書にあります。自区内処理の原則、各区での清掃工場建設に加えて、直営車の車庫整備、用地の取得、その後、用地周辺の地元住民との合意協定書の締結と数々の条件が問題となって、各区とも今日を迎えております。
 私は答申を受けて、都が7月30日に明らかにした清掃工場建設計画の見直しを待つまでもなく、既に清掃工場の増設は時代おくれで誤ったものになったと考えます。ましてや直営車の車庫整備に15億円もの財政を投入するなど、むだの骨頂であると思います。
 この間の大きな変化は、何よりも環境影響に対する状況の変化、認識の変化、そして財政状況の変化であります。ごみ減量、資源循環型施設への転換は当然のことであろうといえます。
 私はそもそも、94年12月の覚書締結に無理があったと思っています。自治権拡充、法制度上の市並みの自治体になるという大義名分だけが先行し、本当の意味での地方の自立や自治とは何かがないがしろにされ、議論されないままに覚書締結が行われ、今日まできました。
 区移管というなら、自区内処理だと主張した清掃労組も問題ですが、そのハードルを越えればいいんでしょうとばかりに認めて越えようとした特別区長会にも責任があると私は思います。このような都区制度改革で地方自治の未来は果たしてあるのでしょうか。
 藤枝区長は、今年3月の予算委員会でこの問題に触れて発言をされています。「23区が一つ自治体として自主性を高める。自主性を高めるということは自前のお金で自前の仕事をしていく。そういう独立性を高めることでございます。そういうことと区の財政が豊かになるということは全く相反していることでございまして、自主性を高めようとすればするほど、財政は苦しくなる。一時、23区が自立するという状態になったときは、荒川区は恐らく財政再建団体に指定されて、自治省の管理下に置かれるんじゃないか、そういった心配もございます。私も本当に今、矛盾を感じております。自主性を高めるということと財政を豊かにすることは相反することでございます。」このように発言されています。
 また、自区内処理というハードルについても「大変厳しい」という発言をされております。私はこれは極めて率直な本音の議論であると思っています。建前や形式にとらわれた議論に終始し、それに振り回されてきた感があるこの特別区制度改革。この際、形式的に法改正にこだわり続けるのではなく、23区にとっての自治権拡充とは何か、歴史性や特殊性も考慮した自立のあり方を議論すべきときだと思います。
 清掃事業の広域性や資源リサイクル、環境問題を考え、焼却型清掃工場の建設中止と、財政負担の大きい車庫整備用地取得を白紙に戻すことを荒川区として自主的に決断すべきと思いますが、お考えを伺います。
 さらに仮称・自治会館についてお尋ねいたします。千代田区飯田橋の病院跡地を171億円で取得し、23区が自治会館を建設すると7月に新聞報道され、各区で論議を呼びました。23区の議員有志でつくる政策研究会「23区民自治の会」は、去る9月9日、区政会館を訪れて、特別区協議会の大場会長に対する公開質問状を提出いたしました。新聞4紙にも報道されております。総工費350億円というこの事業、さぞかしゼネコンも注目してきたことだろうと推察されますが、各区議会への充分な情報提供もなく、議論もされない中でのこうした状況は、地方自治、地方分権に逆行し、自治体や議会を軽視しているのではないでしょうか。
 現在、各区が財政難を理由に住民サービス見直しなど行革を進めている最中のこの建設事業は、到底区民の理解を得られるとは思えません。また、清掃事業の移管による事務量増大を建設の理由に挙げておりますが、先ほど述べましたような移管をめぐる推移の中で、現在、事務量を予測することは不可能であります。
 また、基金の取り崩しも安易に行われるべきではないと思います。第2都庁とささやかれる特別区協議会は、民法34条を根拠とする財団法人であります。この財団法人がこうした決定の下書きをし、事を進めること自体、区に対する越権行為であると思います。仮称・自治会館建設と特別区協議会のあり方、またそれに対する区長会の主体性はどこにあるのか、お伺いいたします。

 質問事項の第2番目は、地域経済活性化と産業政策の具体化についてです。藤枝区長、3期目の区政の初めに当たり、どうしても決断していただきたいのがこの産業政策の具体化です。「本格的なまちおこしへ」の問題として、明確な意思を持って対応していただきたいと考え、お尋ねいたします。
 それはこの数年間提起してきたとおり、区民を豊かにし、財政も安定することが荒川区にとって、もう一歩も待てない問題であり、事業者や区民の意識も相当に高まってきているからです。
 本年2月の第1回定例会一般質問で、元気クラブの今村真弓が、仮称・福祉のまち荒川構想を提案いたしました。荒川区を福祉のまちとして宣言し、技術や人材が集積している荒川区の条件を生かして福祉機器の開発と製品化を行ってはどうか、高齢者や障害者、その介護者、看護者など、医療福祉の現場に携わる人々との連携で、きめ細かい開発が可能となるのではないか。また、都立医療技術短大など区内の教育機関との協力で、福祉ボランティア教育もできる。雇用の機会も生み出せる。こうしたネットワーク化に行政は支援をというのが、その趣旨であります。
 その後、荒川区内で取り組まれた異業種交流グループが都立航空高専で勉強会を開き、共同で異業種交流会を発足させようとしている旨の新聞報道がなされました。
 区民文教委員会では、自民党の北野議員がこの問題に注目し、行政の総合的な支援と現場への視察等を要望されました。区内での福祉機器開発については、同じく自民党の浅川議員も本会議で質問されているような経過もあり、議会内の関心は高いものがあります。
 私たち元気クラブの、仮称・福祉のまち荒川構想とのかかわりは重要であると考え、おととい9月24日、航空高専で行われた発足準備会と講習会に私たち、参加いたしました。
 ここには30社を超える区内企業の方々が参加され、熱心に議論をされていました。この会、仮称・荒川テクノネットワークについて、行政は「サロン的な異業種交流会ではなく、新製品、新技術開発など積極的に取り組み、荒川区の産業界をリードするネットワーク組織をと考えている」と位置づけをされ、担当者のコメントが付されておりました。
 また、「福祉機器や環境リサイクルなどのビジネスチャンスに対する企画を提案していきたい」とも述べております。非常に重要で積極的な問題意識ではないでしょうか。
 高齢社会の進展の中で、福祉、介護機器の開発、製品化は大きな市場となっています。こうしたビジネスチャンスを大手企業にすべてゆだねてしまうのではなく、中小企業がきめ細かな対応ができるネットワークのよさと、地域に密着して仕事ができる利点とを生かして、積極的に事業として取り組んでいくことが大切だと考えます。
 荒川区にはその条件があり、今後の産業政策の大きな目玉となるコンセプトであるばかりではなく、区としてのイメージアップや活性化につながると確信しています。
 しかし、それにはそうした心構えをもった行政の支援が不可欠です。事業者の皆さんの積極性を生かしてネットワーキングを行い、提案ができるコーディネーターとしての役割を果たしていくつもりがおありになりますでしょうか。
 また、部品製造に多く携わってきた区内事業者には製品化、そして販路拡大という困難もあります。さらには資金面での問題をどうクリアするかも恐らく出てくるでしょう。現在、中小企業の間で関心を集めている中小企業創造活動促進法に基づく資金の活用などを視野に入れ、認定を受けるための手続なども含めて支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。区内の中小企業が活躍できるビジネスチャンスを逃さず、荒川区の地域産業活性化のコンセプトとして大きく立ち上げていくことを期待したいと思います。現在、事業者の動向についての区長の認識と支援策についてお考えを伺います。
 さらに商業についての支援策をお尋ねいたします。荒川区は先ごろ、大型店出店に関する環境規制要綱をつくられました。「やっと」と私は思っていますけれど、要するに規制緩和による大型店出店ラッシュとの闘いの結果、その産物として生まれたのが、この要綱であります。紛争の教訓と言うこともできるでしょう。私たちはこの間、全国的な地方議員との交流会や23区の仲間の議員たちの間で、この要綱を紹介してきましたところ、大変注目され、送ってほしいという要望もかなりありました。
 各地で規制緩和による出店が相次ぎ、地域としての対応を迫られているという現状があるということのあらわれだと思います。区はこの要綱を今後どのように大型店対策に生かしていかれるのか、お伺いしたいと思います。
 さらにこれは緊急の課題として問題を提起したいと思いますが、昨今の経済状況によって生み出されている区内商店街の新たな危機とも言える状況にどう対応するのか、お伺いします。
 景気の落ち込み、これはもう深刻なものがあります。日本の経済は多国籍企業の利益と、国民経済の利益とがすっかり乖離した状況を呈しています。富の偏在、格差の拡大。国の金庫はまるっきり空っぽですけれども、多国籍企業の金庫、それもその金庫も外国にあるのかもしれませんけれども、そこにはお金がうなっているという有様であります。
 個人消費の落ち込みは、石油ショック以来となりました。この4月からの消費税増税に加えて、リストラによる雇用不安、失業が拍車をかけていることが原因です。この個人消費の落ち込みは、区内の商店街を直撃しています。今、倒産、閉店と無縁でいられる商店主は一人もいないというくらいに物が売れない、本当に売れない、こういう状況です。
 今、区内商店街をおそっている個人消費落ち込みによる新たな危機に対してどう対処するのか。放っておけば、将来、荒川区の商業活性化や街づくりの主人公になるべき後継者の皆さんや若手商業者の皆さんが、この危機を乗り切れずに、つぶされていってしまいます。
 もちろん根本解決は国の政策にあります。雇用労働者の賃金をきちんと引き上げ、内需拡大を保障することこそ、景気対策で今一番切実に求められていることなのですが、国は一向にその本質問題に手をつけようとはいたしません。
 こうした中で、区としてどのような緊急支援策ができるのかお考えを伺い、速やかな実行を求めたいと思います。

 第3番目は、行革の方向性についてお尋ねいたします。藤枝行革はどこへいくのか。私たちの2つの提案は、既にこれまで本会議の一般質問や予特、決特の中で申し上げてきたことですが、改めてお考えを伺います。
 藤枝区長は行財政改革について「行革のための行革ではない」「ただ削る、減らすではなく必要な区民サービスは充実させる」と繰り返し述べてきました。しかし区民は今、本当にそう受けとめているでしょうか。
 私たち元気クラブは、行財政改革には、もう発想の転換が必要、あれも減らす、これも減らすでは、まちの元気が失われてしまうと主張してきました。区民団体の活動に影響するような予算をちびちび削って、みんなに嫌な思いをさせるようなやり方は本当によくないということを申し上げておきます。
 そこでお尋ねいたします。民託が進む学校給食直営校で学童クラブ、高齢者給食のモデル校づくりに取り組んでいただきたい。2年間で6校に拡大した学校給食の民間委託。安上がりかどうかばかり考えるのはもうやめて、残っている直営校の学校給食を地域に役立てたらどうでしょうか。
 学校は一番身近な施設です。お年寄りへの会食サービスや学童クラブの子供たちの夏休み給食を実施したら、どんなに地域に喜ばれるかわかりません。モデル校を指定して始めたらいいと思います。
 子育て支援や高齢者支援のレベルアップ事業として、全庁的検討をお願いしたいと思いますが、まず教育委員会の御所見をお伺いします。
 2番目に、財政負担の大きいがんセンターは速やかに転用し、保健所跡地の活用をという問題についてです。この問題は、同じく第1回定例会で今村真弓が申し上げました。第三セクターでありながら、がん予防センターの人件費や管理運営費3億5000万円、これは区の単独財源であり、ほとんど直営同然です。
 もちろん開設にかかった経費について、備品費についても区の独自財源で22億7000万円投資、こういうがんセンターですけれども、がんセンターの事業である予防や研究は、そもそも保健所業務であります。
 ちなみに現保健所の建物は延べ床面積1981.9平米、がん予防センターはその2.5倍であります。さらに保健所の土地も、都から移管されたときに用途指定が20年間ついておりましたが、今はそれも切れております。保健所跡地とこれまた老朽化した裏の身障センターを含めて、周辺地域と一体化した有効利用を考え、長期的に区民のためになる土地利用の施策の種地にしたらいいと思います。
 仮称・総合健康保健施設は、地域医療福祉計画の中で休日夜間救急診療センター併設の保健所機能の施設計画ですが、区の現在の財政状況であれば、新たな施設建設は厳しい状況です。そこでがん予防センターを転用し、もともとの健診業務を医師会などにお返しし、健康づくりや予防、保健施策の面からも、財政の面からも、大胆な事業の見直しとしてこの問題を提案し、改めて区の見解をお伺いしたいと思います。

 質問の最後に、興隆するアジアとの友好、交流を大切にする荒川区をというテーマでお伺いをしたいと思います。米中対峙の構造の中で、日本はどうするのか。世界の主な情勢、こんなふうに動いています。私たちは昨年実行いたしましたアジアへの海外視察の中で、もう既にアジアは無視することのできない大きな経済的力、政治的な力となったということを実感いたしました。
 歴史認識の問題があります。私たちはこの問題についても中国各地を見てまいりました。撫順の戦犯管理所にまいりました。ここは橋本首相が先日、戦後初めて日本の首相として中国東北を訪問し、「歴史の重さを受けとめなければ」と発言した瀋陽、そしてその隣の撫順、こういった地域の中にあります。
 ここに1冊のパンフレットがあります。これは中国帰還者連絡会の皆さんがお出しになっているパンフレットでございます。ちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。
 日本罪悪史観の最悪の根源は帰還者の手記だった。証言者は共通の利益のために口裏を合わせてうそをついた。あるいはほかの何者かの意思のもとに、全員が虚偽の証言を強要された、あるいは誘導されたと中帰連を名指しにして藤岡教授などが批判をした自由主義史観研究会。この問題について、編集後記で中国から帰還された皆さんは大変心を痛め、そして怒りをあらわにして書いておられます。
 これからこの中帰連を通して、みずからの肉体に刻み込まれた歴史の真実を語りつぎ、彼らの悶を正していきたいと言っています。戦犯の証言は強要されたもので信用できないとか、洗脳されたのだという偏見から出発している。こうした問題について、彼らは自分たちの体験を通して訴えたい。そして平均70歳になる元戦犯である帰還者の皆さんたちは、このパンフレットを発刊されることになりました。
 歴史の事実に目を背けようとしない皆さんは、ぜひこのパンフレットを読んでいただきたいと思います。このパンフレットの中には、戦争の事実、加害者は黙して語りたがらない、それは当然のことだ。かつて日本を出る前にはごく普通の農民であり労働者でありサラリーマンであり学生であった者が、戦争の中で中国に渡り、侵略者として中国人の上に君臨し、ある者は武器を手にして奥地まで進入し、殺戮と略奪を行ったと述べていますが、こうした経験は加害者の口からはなかなか語られることではない。そこを撫順の戦犯管理所から帰られたこの方たちは、みずからの体験として語っていこうと決意をされたわけです。
 歴史認識の問題、非常に重たい問題だと思います。橋本首相の発言を待つまでもなく、こうした中国との関係、過去を踏まえて未来どうしていくのかがまさに問われております。ことしは日中国交正常化25周年に当たります。そして来年は平和友好条約締結20周年に当たります。区内に中国人の皆さんも増加してきています。区内の外国人の人口の第2番目は中国人。
 先日も区内で中華料理店を営む新しく瀋陽からいらした皆さんと交流する機会がありました。積極的に日中友好を地域で進めたいとおっしゃっていました。
 こうした中で昨年、私は日中関係打開のためのシンポジウムに参加いたしましたが、その中で元副総理の後藤田正晴さんがこんなことをおっしゃっていました。
 「今、日中関係で心配なのは若い人の中での交流、理解が意外と少ないことだ。中国の側は革命後3世代目を迎えて若返っている。日本も古い井戸を掘った先覚者はもう第一線にいない。私は何としても次の代につなぐ日中間の橋渡しができる人たちを若い人の中に増やしたい。コミュニケーションを絶やさないように、人と人の交流を盛んにすること。経済で双方をわかちがたい関係に置くことが大事だ。青少年の交流が非常に大事だ。」ということを発言されています。私も同様の認識です。
 そこでお尋ねしたいと思いますが、この日中国交正常化25周年、平和友好条約締結20周年という問題を地域に引きつけて考え、私たちの区でも青少年交流の取り組みを開始することはできないでしょうか。お考えを伺います。
 最後に、食糧危機に瀕する北朝鮮への緊急な人道的支援への対応についてお尋ねいたします。今、北朝鮮では2年続きの大水害で深刻な食糧不足が起こり、数百万の人が飢餓に直面するという事態になってまいりました。現地に赴いたNGOの方の報告によれば、人々の栄養状態は日に日に悪化しているということで、特に子供たちの生命は一刻を争う状況です。
 国連は10月の収穫期までに少なくとも80万トンの米が必要としています。最近、日本政府は支援の検討を表明していますが、まだその時期は定かではありません。
 国連の報告によりますと、水害対策委員会との協議をし、農民や子供たち、そして被災者を中心に食料を配布している。軍隊が物資を略奪しているというような一部の報道については、根も葉もない作り話だときっぱり否定をしております。
 こうした中で、荒川区は先般の第1回目の水害のときには物資を送られました。非常に政治的な問題が云々され、その中で日本人妻の里帰り問題などが実行されようとしております。この機会に私たちのまち荒川区、最も在日外国人の中で在日韓国・朝鮮人の比率が高い、こうしたまちです。この皆さんは当然納税をし、区民として生活をされています。
 そして恐らく帰国された方々、そして帰国者の縁故の方も多いと思います。この区民である在日韓国・朝鮮人の皆さんが北朝鮮の水害に心を痛めている中で、荒川区として緊急の支援に取り組むことはできませんでしょうか。お考えをお伺いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

区長(藤枝和博)

 最初に自治会館建設についての御質問にお答えいたします。
 自治会館の建設は、昭和63年に区長会総会で建設の必要性が提起されて以来、区長会や議長会を中心として長年にわたり取り組みを続けてきたところでございます。
 新たな会館を必要とする理由は、現行の区政会館が狭隘の上、耐震補強など大規模改修が必要でありまして、さらにOA化のための設備改修が難しいことのほか、特別区制度改革実現による共同処理事務の増大への対応が困難であるなど、多くの問題を抱えているところでございます。
 そのため、昭和63年に基本構想を策定し、各区に新たな負担をかけないための財源対策として、宝くじの収益金で運営する東京都区市町村振興協会の積立金を活用する方法の検討を行ってまいりました。
 さらに区長会、議長会が合同で用地確保について4回にわたり都知事に対して要請活動を行ってまいったところでございます。
 その後、平成7年の都知事への要請の中で、区側での用地確保が求められ、民有地を含めた新たな候補用地の選定が必要となってまいりました。さまざまな用地についての検討がございましたが、ことしの6月になって千代田区飯田橋の日本医科大学用地の取得の目安がついたことにより、議長会、区長会に対し、特別区協議会より報告が行われ、了承に至ったものでございます。
 しかしながら、民有地の交渉途中においては、議会等へ報告が難しい状況もありまして、情報提供の不足を御指摘いただいたところでございます。今後、会館の建設におきましては、議会との意思疎通を充分図ってまいりたいと存じますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
 次に、特別区協議会についてでございますが、特別区協議会は、設立の目的として、特別区間の連絡調整を図ることのほか、自治体賠償保険事業等の実施、さらに制度改革の推進や各区の法律上の紛争の援助等の機能を果たしております。
 実際の運営面におきましては、各区の主体性が充分に生かされて運営されておりまして、特別区協議会の調整機関としての機能と相まって、自治会館問題や特別区制度改革といった困難な課題に対して適切な対応がなされているところでございます。
 こうしたことから、御質問のような御心配はございませんので、御理解のほどよろしくお願いいたします。

区長(藤枝和博)

 次に、地域経済活性化と産業政策の具体策に関する御質問のうち、福祉のまち・荒川構想に関してお答えいたします。
 大量生産システムが見直され、他品種・少量生産による付加価値の高い物づくりへの転換が求められている現在、機動力や柔軟性を備えた中小企業は大きなチャンスを迎えていると言われております。
 こうした変化の中で、地域産業が培ってきた人材や技術を新たな視点から再構築し、地域の総合力により独創的な完成品を生み出していくことは、区内中小企業のビジネスチャンスの拡大にもつながり、今後の産業政策の重要なポイントになると認識いたしております。
 こうした状況を踏まえまして、区は先端的技術や優れた研究開発機能を有する大学等と区内の中堅企業との産学協同のネットワークの強化が重要であると考えてきたところでございます。
 このため、区は区内で積極的に物づくりに取り組む企業に「異業種交流の会」の実現を働きかけてきたところでございます。この結果、現在、25業種32企業が「異業種交流の会設立準備会」へ参加し、都立航空高専の教授からの技術アドバイスを受けまして、福祉、健康機器の共同開発の可能性について、議論がなされているところでございます。
 今後、区といたしましては、この「異業種交流の会」をはじめ、区内中小企業が将来の有望事業分野と言われております電子製品、コンピュータ、デザイン分野、あるいは医療、福祉介護、健康等の新分野に取り組めますよう、企業の環境整備に向けて、国や東京都の施策ともあわせまして、支援策を講じていく考えでございますので、よろしく御支援のほどお願い申し上げます。

企画部長(小室敏夫)

 都区制度改革実現のための清掃工場と車庫整備に関する御質問にお答えいたします。
 都区制度改革の最大の目的は、今さら申すまでもございませんが、特別区を区民の日常生活に対して、基本的な責任を負う基礎的自治体として、地方自治法上に明確に位置づけることであります。その中で区民にとって最も身近な清掃事業を特別区へ移管することは、制度改革を実現するための最大の課題でございます。
 特別区は、平成6年に基礎的自治体として一般廃棄物の収集、運搬、処理、処分のすべてに責任を負うことを東京都と合意し、自治省も都区の合意である協議案を正式に受理しております。
 つまり特別区が基礎的自治体として自区内から出されたごみに対して収集から運搬、処理、処分までのすべてに対して責任を果たすことが区の自主性や自立性の強化の点からも重要であり、そのためには直営清掃車の車庫整備や日々発生する可燃ごみの全量焼却のできる体制を整えることが必要なことであると考えておりますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。

地域振興部長(鈴木紘一)

 産業政策のうち、大型店対策と新たな危機に直面する商店街への支援についてお答えします。
 大型店に関する要綱の適用に際しましては、実際に影響を受ける住民の声を十分に反映させて出店者と協議していくことが肝要であると思っております。
 要綱制定前に計画された大型店については、要綱の趣旨を踏まえながら、出店者に協力を求めていく考えでございます。
 また、御質問の商業者が直面している新たな危機につきましては、消費購買力の落ち込みや商店の減少傾向などからも、区内商業者が厳しい状況に立たされていると認識しているところでございます。
 こうした状況の中で、店舗の共同化の研究会を開催している商店街もございます。また、情報機器を活用したポイントカードの導入、さらには商店街が統一して販売促進運動を実施するなど、商店経営者の懸命な努力がなされております。
 さらに高齢社会等を踏まえて、商店街がみずから企画、立案して商店街づくりを実践していこうとの動きも出てきております。
 区といたしましては、こうした将来の区内商業の活性化に寄与する商店経営者の自助努力に対して支援してまいりたいと考えております。
 次に、中国と青少年の交流を行うことに関する御質問にお答えいたします。
 アジアの国々との国際交流につきましては、現在、シンガポール、マレーシアへの中学生派遣などを行っておりますが、アジアの一員として、さらには今後、中国をはじめとするアジア諸国が経済や文化の面で世界における存在感や影響力を一層増していくことが予測される中で、荒川区といたしましても、アジアの国々の人々とさらに多面的で幅広い交流を行い、結びつきを強めてまいりたいと考えております。
 とりわけ中国、韓国など地理的に近く、また歴史的にも結びつきの深い国々との交流は重要であり、特にこれからの21世紀を担う青少年同士が交流し、理解し合うことは、将来にわたる友好関係を築くために意義のあるところでございます。
 今後はこのような青少年の交流を効果的に進めていくための方策をさらに検討してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。

教育長(高橋祥三)

 学校給食の活用についての御質問にお答えいたします。
 御案内のように、本区におきましては、よりよい学校給食を目指し、効果的、効率的な運営を図るため、全校で調理業務の民間委託を実施してまいる所存でございます。
 したがいまして、直営校において学校給食の施設整備や従事職員を活用して新たに高齢者や学童クラブのための給食を提供することは極めて困難であると考えております。
 しかしながら、給食調理業務の委託実施校を含め、学校の施設整備や人材を他の事業展開に活用することは、今後の多様な区民ニーズに対応する上で大切な視点であると認識しているところでございます。
 今後、区長部局とも連携や調整をしつつ、事業の必要性や実施内容によって想定される教育への影響、執行体制等、さまざまな観点からの検討を行い、実行の施設整備等を御質問の事業に活用することについての是非を判断してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。

保健衛生部長(天野和彦)

 がん予防センターについての御質問にお答えいたします。
 がん予防センターは、平成3年の事業開始以来、約31万人の区民が検診を受けられております。受診率も23区の中で極めて高く、区民の生命をがんから守るという点で、大きな成果を上げているところでございます。
 また、区民の利便を図るために、昨年度から節目健診とがん検診を同時に実施する総合的な健診を行うなど、区民に身近で受診しやすい施設として、幅広く利用されております。
 区といたしましては、近隣区も及ばない高い健診実績を誇るセンターでございますので、引き続きがん検診や予防教育などの事業を継続して行っていきたいと考えております。
 したがいまして、現時点では、御提案の転用につきましては難しいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

総務部長(大渕義明)

 北朝鮮への人道的支援についての御質問にお答えいたします。
 北朝鮮に対する食料等の支援につきましては、平成7年夏の集中豪雨による大水害の際に、区として北朝鮮水災民援護対策本部を通じて、救援物資を送った経緯がございます。その後におきましても、水害や干ばつによる食糧危機が深刻化し、人々の暮らしが切迫している状況が新聞報道等で伝えられており、政府においては2700万ドル規模の緊急援助に踏み切る考えを示しているとの報道もございました。
 北朝鮮と我が国とは正式な国交はございませんが、子供たちをはじめ、多くの北朝鮮の人々が食糧危機で苦しんでいるとすれば、人道的立場から対処していくことは、同じアジアの国に暮らす者としても自然な感覚と考えております。
 現在、民間レベルを中心に支援を行う動きが起きており、こうした草の根的運動の広がりや政府の対応を視野に入れ、さらに議会の御意見も充分に伺いながら、今後の方向を検討してまいりたいと存じます。よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

斉藤ゆうこ

 時間がありませんので、自席で発言します。
 4項目の質問に対して部分的には積極的なお答えもありましたけれども、全体として21世紀、区民の期待にこたえられる区政という点から見れば、まだまだ本気が見えないという感想を持ちました。
 最後に一言申し上げます。私たち元気クラブは、この10年間、町田区政からの転換と、大多数の区民のための区政を掲げてまいりました。しかし今、私は厳しい情勢の中での選択を迫られたとき、再び行政や議会の中に地域活性化の路線や区民福祉の精神、行政手法などをめぐって、「かつての道」を選択する動きが出てくる可能性も否定できません。
 区民の大多数は町田区政時代への逆戻りを望んではおりません。今後、だれのための区政なのか、荒川区をどういうまちにするのかが一層争われることになってくると思います。元気クラブは荒川区の真の発展のために闘っていくことを表明いたしまして、私の質問を終わります。