河内ひとみのあらかわ日和

2014年11月26日 2014年11月26日

(斉藤ゆうこ)
 17年度決算の締め括りとして、長年マイナスシーリングを掛けてきた荒川区の予算のあり方について、当局の総括的な見解と、今後の行政改革推進の考え方を伺います。

 まず、財政課長に、マイナスシーリングを予算の基調としてきた過去の経過を伺います。また、今年度の予算編成に当たってマイナスシーリングをやめたと思いますが、長年の基調を転換することになった動機や考え方についてもお聞きします。

(塩田財政課長)
 シーリングについて2点ご質問いただきました。はじめに、マイナスシーリングの経過についてのご質問でございますが、平成7年度から平成17年度まで毎年実施してきたところでございます。
 各年度のシーリング削減率ですが、
   平成7年度、8年度予算が10%、
   平成9年度~14年度予算までが5%、
   平成15年~17年度予算までが4%
となっております。
 次にゼロシーリングにした考え方についてですが、ゼロシーリングは12年ぶりに18年度予算から実施しております。ゼロシーリング実施の考え方でございますが、これまでの全庁一丸となった行政改革の積極的な取り組みによりまして、17年度予算と18年度予算、2年連続で財政調整基金を取り崩すといった特別な財源対策を取らずに、収支均衡型の予算を組むことが可能となりました。こうしたことから、私共は財政の健全化に一定の成果が現れてきましたので、ゼロシーリングを実施したものでございます。

(斉藤ゆうこ)
 荒川区は苛酷ともいえる行革を推進してきました。「それで財政が好転したんだ」と主張する向きもありますが、その反面、歪みも顕在化してきたのではないか、と思います。
 職員削減の下で生じた非正規職員の待遇や格差問題、安値の委託契約や指定管理者制度についての問題点は、今回の決算委員会でも議論になりました。また、区民にもガマンをしていただくということで、補助金カットやサービス削減もありました。サンセット事業でやめてしまった、というような事業も幾つかあります。
 財政の現況や、現在の社会情勢を併せて考えると、従来の基調については、やはり是正すべき所はもう是正した方が良いのではないか。私はそのように思っていますが、担当部長はどうお考えでしょうか。お考えを伺います。

(三ツ木総務企画部長)
 平成12年度の予算を編成しました時に、財政担当が試算しました所、各年度50億、5年間で250億、というような財源不足が見込まれる状況にありまして、このまま放置するならば区役所全体のサービスを維持することも出来ないというような状況にありました。
 こうした状況の中、これまで行政改革に取り組んできた訳でございますけれども、私共は区民の皆様の貴重な税を使わせていただく者として、経費の節減とか、区民サービスの向上をめざして行政改革に取り組んで参りました。そういう中で、効率性とか、効果性とか、あるいは公平性、あるいは受益と負担の適正化をめざすというような観点から行政改革に取り組んできたものでございまして、決して理由のない、理不尽なことを実施してきたという風には考えておりません。
 但し、個々、具体的な事例について、斉藤委員はじめ委員の皆様からのご意見につきましてはですね、真剣に受け止め、充分調査をし、あるいは検討をし、対応をしていきたい、という風に答弁させていただきたいと思っております。
 先日、委員からお褒めをいただいた荷捌き駐車場の設置のような取り組みを数多く積み重ねることによって、もろ手を挙げて委員にもご賛成いただけるような行政改革をしていきたいという風に思っておりますし、そのための調査・検討については充分実施させていただきますので、よろしくお願い致します。

(斉藤ゆうこ)
 残念ながら三ツ木さんのそういうご期待にはお応えしかねると思いますが、三ツ木部長とはこの間、効率性の問題、公平性の問題を議論してきました。「効率性の反面、出てきた問題があるのではないか」ということを私は申し上げているので、考え方で改める点は潔く改めていただきたい、ということを再度申し上げておきます。
 公平性、とおっしゃいましたけど、「何が公平なのか」ということは暮らし方によっても、立場によっても、意見の違うことだと思います。ぜひ、今後お考えいただきたいということを申し上げて質問を終わります。