河内ひとみのあらかわ日和

2015年1月21日 2015年1月19日
4月1日から実施される消費税増税に対する疑問

 平成26年2月27日、あらかわ元気クラブ斉藤ゆうこは、予算に関する特別委員会の総括質疑で2014(平成26)年4月1日より実施される消費税増税について質問をしました。

■予算委員会/総括質疑

 あらかわ元気クラブの斉藤ゆうこです。
 4月1日から実施される消費税増税の影響について伺います。
 来年度予算の歳入歳出では、地方消費税交付金の増が5億5000万円、物価上昇による契約金額や物品購入の増が6億1000万円、さらには国の臨時福祉給付金等が8億8700万円含まれています。
 読売新聞の調査では、「アベノミクスの恩恵を感じない」と答えた人が77パーセントです。景気回復の実感がない中で、荒川区内の中小事業者は「消費増税は事業の存続にかかわる」と大変な危機感を持っています。
 消費税は消費者が負担する税金だと言われますが、それは間違いです。法律上の納税義務者は事業者であり、赤字でも年に1度納税しなければならない税金です。平成17年度に免税点が年商3000万円から1000万円に引き下げられてからは、圧倒的多数の小さな事業者も納税義務を負うことになり、それが廃業の引き金になりました。
 アメリカの『小売売上税』のように、お客さんが支払う代金からレジで税額分を分離して預かり、毎月税務署が集めに来るのなら、消費者が支払う税金ということになります。しかし、日本の消費税は、名前とは裏腹に、年間の売上高から仕入高を引いた粗利に税率を掛けて計算した税額を毎年税務署に納める仕組みです。
 消費税は1個1個の商品に掛けた額を消費者が負担する税金ではない、これは事業者なら誰でも知っている仕組みですが、消費者には正しく理解されていないため、「『預けている』のに滞納している」だの「益税じゃないか」などの誤解が生じて、消費者と事業者が対立させられる不幸なことになっております。
 さらに法律は、輸出の税率をゼロと定めているため、仕入れ税額を控除すると、納める納税額はマイナスとなり、輸出大企業は多額の還付金を受けています。これは明らかな『輸出補助金』で、GATT協定違反であります。
 トヨタや東芝は消費税を1円も納めないばかりか、巨額の還付金を受け取っています。税率が上がれば還付金も上がります。5パーセントで3兆円なら、10パーセントで6兆円、20パーセントなら12兆円ということになります。
 荒川区の小さな事業者が存亡の危機に陥る税率アップで、輸出大企業は還付金が増額して潤う、全く不公平じゃないでしょうか。税率を上げても臨時給付金を5兆円も出すのでは、国家財政の足しにもならず、結局、消費税増税は輸出大企業への還付金増額が目的なのでしょうか。本当に救済すべきは苦しい中小事業者です。中小企業支援というならば、小規模事業者の納税義務を免除するべきだし、国家財政が赤字だというならば、輸出のゼロ税率を廃止したらよろしいでしょう。
 区内の中小企業支援をうたう区は、そのことをご存じならば、こうした消費税の仕組みを認識しているのならば、現場から今後どのように国に進言していくのか、制度に対する発言をしていくのか、お伺いいたします。

●石原産業経済部長 答弁
 ご質問にお答えいたします。
 こういった厳しい事業者の声を国に届けるのは行政の役割の一つであると認識しているところでございます。一方で、消費増税に関しましては、転嫁対策をしっかりやるですとか、新たな補助金、あと商店街の訪問事業等を通じて、小規模事業者の経営力の向上を通じて、税金の払えるしっかりした事業をつくっていくのも重要な役割だと認識しているところでございます。