斉藤ゆうこのあらかわ日和

国難とも言える事態に、地方議会も緊張感を持ち政策と事業への厳しい検証が必要

2011年6月23日  あらかわ元気クラブ 斉藤ゆうこ

爆発直後の福第1原発3号機原子炉建屋
 あらかわ元気クラブの斉藤ゆうこです。3月11日の東日本大震災と福島原子力発電所事故は、被災地をはじめとする全国の国民生活に大きな打撃を与え、日本の経済・政治・社会のあり方が根本から問われる状況になりました。被災地では地方議員の仲間たちや自治体職員の不眠不休の活動が続いています。全国に及ぶ雇用や地域経済の危機の打開、安全第一の国づくり・街づくり、復興財源、エネルギー政策の転換など、政治が解決すべき課題が山積する現状です。

 政局が混乱をきわめる中、区民の利益を守るために荒川区と国の政治をどのように転換するべきか、私たち地方議会も真剣に議論する時だと思います。そのような考えから、今日は『東日本大震災・福島原発事故をふまえた荒川区の政策変更と施策の拡充』について4点にわたり当局の見解を質したいと思います。

 さて、この1年、日本を取り巻く国際環境は一段と厳しいものとなりました。アメリカによる巨額の金融緩和によって投機市場にはドルがあふれ、新興国はインフレの危機にあえいでいます。この間も、北アフリカや中東諸国の相次ぐ動乱、米中対立の激化がおこりましたが、BRICSが台頭し、アメリカの衰退と世界の多極化が一段と進みました。各国が自国の進路を模索する中で、日本は依然としてアメリカに追随する政策を変えていません。政権交代も誠に空しいものがあります。このような時、東日本大震災と津波が2万5千人余の命を奪い、農漁業をはじめ地域の産業は壊滅的な被害を受け、多くの人々が働く場や生活の糧を失いました。福島原発の事故は収拾のメドが立たず、追いつめられた農業者の自殺が相次いでいます。

 影響は被災地にとどまらず、部品供給網の寸断、電力不足、消費の減退、放射能汚染が全国各地に及びましたが、大企業はリストラや海外移転で対応、リーマン危機から回復できない地域経済や住民の暮らしはいっそう深刻なものとなりました。政治はこうした国民の苦難に応えていません。政府はいち早く大銀行に大量の資金を供給、財界の提言に沿って被災住民の代表が参加しない復興構想会議を設置し、復興財源に大増税を提案しました。宮城県は野村総研のシナリオに基づいた復興計画を策定、企業に漁業権を与える『水産業復興特区』を提案し、漁民や与野党の県議が激しく反発しています。財界の主導で被災地の苦難の上に大開発の青写真を描き、少数者の利益と繁栄を追求する「復興計画」では、被災地の大多数の住民は救われません。

 また政府は、この機に「社会保障と税の一体改革」や「TPP(環太平洋経済連携協定)」への参加をすすめようしていますが、このような政策は地域経済と暮らしを悪化させるばかりではないでしょうか。 国難とも言える事態に際して、地方議会も緊張感を持ち、今日も明日も「きのうまでの政策の続き」で本当に良いのか、根本にかえって政策と事業の厳しい検証が必要だと思います。そこで伺います。

【1】 まず、安全な荒川区に向けて、街づくり政策の検証と見直しが不可欠と考え、当局に見解を伺います。

 あらかわ元気クラブは震災発生の翌12日、緊急に荒川区内を回り、「被害実態調査」を行いました。外壁や塀が大きく崩れ落ちたり、老朽家屋の破損も見られました。
 荒川区の被害調査リストには、3月21日時点で75カ所への対応が記載されていました。そこには、日暮里駅前再開発ビルの中層階にひび割れが多発、大門小学校などで壁の崩れや水道管の破裂などが生じ、建てたばかりの汐入東小学校でも各所に歪みやプールの異常が見られたと報告されています。

 まず、地震で被害を受けた家屋等の取り壊し、建て替えを支援し、安全な街づくりをすすめるための助成等は現状のままで良いのか、伺います。

 老朽家屋や危険箇所の撤去や建て替えにはお金がかかるため、躊躇する区民も少なくありません。私たちの調査では、実際に「取り壊さなければ危険だと判っていたが、景気が悪く、お金がかかるので二の足を踏んでいたら崩落してしまった」と話した区民の方がいました。ここは、取り壊しに当たってアスベストがある事も判明し、相談を受けましたが、担当部局に問い合わせると「アスベスト撤去費用の助成金はすでに打ち切られている」とのことでした。

 地域コミュニティの強さなど、総合的な安全性では評価が高いとしても、昨日の萩野議員の指摘のように、区内に危険箇所を多く抱える荒川区は街づくり面の弱点克服が課題です。区当局は、先日の震災対策特別委員会でも、昨日の答弁でも、「耐震補強の申請件数が増えている」、また「荒川区の助成のレベルは最高の水準だ」とお答えになっていますが、震災の被害を契機に取り壊し、建て替えを決断する区民が増えている今こそ、アスベスト撤去費用の助成金を復活させたり、助成制度を区民が使いやすいものになっているのか検討し、さらに拡充して区民の負担を軽くしてほしいと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、区の施設、区が補助金を出して建てた建造物の被害状況、原因究明、責任の明確化について伺います。

 新たな地震の可能性が言われる中で、子どもたちや地域住民の身近な拠り所となる学校の安全確保が急務です。屋上プールなど各所に歪みが生じたとされる、もっとも新しい学校・汐入東小学校について、具体的に説明して下さい。特別委員会では「躯体にはなんら問題ない」とのお答えでしたが、では歪みの原因と責任は特定できているのですか?
 地盤が弱い地域だと推測されますが、液状化の影響はない、とお考えか? 伺います。

 巨額の補助金を投じて建設した日暮里北地区再開発ビルの被害についても区民の関心が向けられています。私も現場を見てきました。同様に原因究明、責任の明確化がどのようにすすんでいるか、伺います。

 また、超高層・高層の建物が増え続ける荒川区では、地震による落下物の危険性も見逃せません。直接、地震とは関係ないものの、安全性という点では『風害』も同様に対策が必要です。予算委員会では「今後、区の要綱などに風害対策を反映させるなど検討していく」との答弁でしたが、落下物や風害の危険性についてどのようにお考えか伺います。

 今回の地震・津波を教訓に、再開発で高層化を推進してきた荒川区の街づくり政策を安全性の面から見直し、隅田川の津波や液状化の可能性もきちんと調査・検証し、区民にとって安全な荒川区にしていかなければなりません。地震・津波・原発事故はどれも『想定外』ではなく、経済性・効率性を優先して想定を低く見積もったことが原因にほかなりませんでした。2005年の耐震偽装問題を思い出しますが、震災を契機に、安全性を軽視して規制緩和がすすめられてきた日本の建築行政、街づくり行政を、きのうまでとは違った気持ちで見直す必要がある、と都市整備部、土木部の専門家の皆さんに申し上げたいと思います。

【2】 第2点目に、災害弱者である子ども、高齢者、障害者への安全対策について伺います。

 まず、荒川区民のみならず、多くの小さな子どもを持つお父さん、お母さんたちの最大関心事となっている放射線の影響について。

昨日の本会議では「測定機器の精度、測定技術、専門的知識の必要性などの見地から、今後も東京都健康安全研究センターの一括した調査と公表が望ましく、区の独自調査は行わない」との見解が繰り返されました。私は、荒川区のこうした頑なとも言える態度は、不安な日々を過ごし、まさに『幸福が実感できない』状態にある子育て世代の親たちの気持ちと大きくスレ違い、失望を招いているという事をはっきり申し上げておきたいと思います。

 さらに、「測定値を公表すると風評被害が出る」「大丈夫なんだから殊更騒ぐ必要はない」、さらには石原知事のように「原発ヒステリーだ」などという発言を聞くにつけ、私は『国民を信用しない愚民政治』の匂いを感じます。大丈夫かどうかを決めるのは行政ではありません。国民が、区民がひとりひとり判断することです。避難させるのか、外出を控えるのか、数値が高いところでは遊ばせないのか、はたまた現状では日常生活に支障なし、とするのか、その判断と対処も人によって違います。

 いま区民の中には、この間の政府の二転三転する対応や情報操作に対する不信感が募りに募っています。これは小さな子どもを持つ親ばかりではありません。町会や地域の団体の中からも、「荒川区はどうして独自測定をしないのか?」という声が聞かれるようになりました。区民の心配に配慮して独自測定を行なう身近な行政の態度が上策、この一言につきます。したがってこの局面では、区もそうした態度を取り、「大丈夫」と言う前に、独自の測定の実施・公表・情報提供を徹底的におこなって区民の信頼を得るべきではないでしょうか。

 ちなみに、お隣の足立区のホームページには、このようなコメントが掲載されています。

足立区ホームページ 放射線量の測定について
(▲6月15日付 近藤やよい足立区長「放射線量の測定について」)・・・と、このように書かれていました。

 3月11日以降、東日本全域に汚染が広がっていること、福島原発のベントが開けられた後は東京でも高い放射線の数値が確認されていること、とりわけ東京の東部には雨水の溜まる場所や草むらなどで数値が高いこと、そして、今もって収束どころか危険な状態が次々におきる福島原発の先行きを考えると、「ヒステリー」だとか言ってる方がおかしいですよ。雨が降った後のプールの水の安全性、下水処理場の汚泥の処理など、新たな問題も出て来ます。東京都が各区に貸し出す機器を活用し、区として多くの場所で測定を続け、情報の公表を行う、と発表したらいかがですか? 伺います。

 次に、食物アレルギーを持つ子どもたちへの対応の拡充についてですが、これは昨日、せの議員が詳しく全体的な質問をされていますので、私は、この先の質問は備蓄物資などの資料が出される震災対策特別委員会で行うことにし、ここでは対象者の把握などについて伺います。

 食物アレルギーを持つ子ども数とその症状などについて、どのように実態把握されているのか、ご報告願います。また、食物アレルギーを持つ子どもの親たちの会から区長宛の手紙が届いていると思いますが、どのような見解をお持ちでしょうか。多くの区民に理解を求め、この子どもたちが孤立しないようにすることが大切ですが、現時点でどのような方策をお考えか、伺います。

 さらに今回の震災では、高齢者・障害者の帰宅、避難などが大きな課題であることが
はっきりしました。特に、マンションの高層階に住む車いす、電動車いすを使用されている高齢者、障害者はエレベーターの停止で立ち往生した、と訴えています。今後の対応について、見守りネットワークの強化などをどのように行うのか、伺います。

【3】東日本大震災は都区財政調整交付金や区の財政にも大きな影響を及ぼすことが予測されます。区民も、この間の荒川区の土地購入や施設建設のあり方に厳しい目を向けるようになったと感じます。

 そこで、3番目に、現在の施設建設計画、不要不急な「箱モノ建設」の見直しについて、今回は「図書館・吉村昭文学館等複合施設」について伺います。

 私はこの複合施設が『不要不急の箱モノ』であると決めつけている訳ではありません。議会からも区民からも『不要不急の箱モノ』とのそしりを受けない計画に変更すべきではないか、という主旨で質問と提案を致しますので、お答え願いたいと思います。

 まず、東日本大震災の影響について、国土交通省から3月16日付、18日付けで「事業者、材料等の被災地への優先的対応」「公共工事等の中止」などに関する通達が出されていますが、区としてこれをどのように受け止めておられるのか、現行の事業への影響がどの程度あるとお考えなのか、伺います。23区では、区の将来の財政事情を考えて施設建設等の事業に関わる予算の見直しを決めた区もあります。この点のお考えも併せて伺います。

 また、今年度予算では基本設計の委託費7700万円が計上されましたが、現段階での進捗状況は、予定通りなのか、具体的な状況をお聞かせ下さい。私は、図書館については荒川図書館が老朽化し、現在地での建て替えが不可能な状況にあることから、特色ある地域の図書館がこの場所に建設されることに依存はありません。しかし、なぜ吉村文学館との併設なのか、まったく理解に苦しみます。むしろ、日暮里生まれの吉村 昭先生ゆかりの文学館は、日暮里駅からすぐの場所にもかかわらず空き店舗が目立つ日暮里再開発ビルの中に区がスペースを取得し、史跡・観光案内とともに置くような考え方が、地域の文化の面からも望ましいと真剣に考えています。

 この複合施設を分離させ、現在もっとも優先的に必要とされている保育園・幼稚園・高齢者施設の中から、この地域にもともとあったにもかかわらず、区が廃園にした峡田幼稚園に替わる幼稚園を併設すべきと考えます。財政が厳しくなることが予測される今日、これなら区民も納得できるという複合施設への組み合わせに変更し、限られた財源を有効に使っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

【4】質問の最後に、特別区区長会の会長になられた西川区長に、原子力発電、エネルギー政策についての見解をおたずねします。

 原子力発電は「最も低コストで、かつクリーンなエネルギー」と宣伝されてきました。しかし今、それとは正反対の状況が現出し続けています。レベル7となった福島原子力発電の事故は、かつてない最悪の事態と称されるまでになってしまいました。日本の安全神話は崩壊しました。これまで、チェルノブイリやスリーマイル島の事故にもかかわらず、「事故は100万年に一度の可能性」だとか「安全、安全」と繰り返してきた電力会社と政府に、この責任を取ることは不可能でしょう。今回の大災害・原発事故は『想定外』と言われますが、実際には津波も原発も「経済性」の面から危険性を低く見積もった結果、国民の命が大きく失われた面があることはすでに申し上げましたが、原発はその最たるものです。

 原子力発電は政府の「成長戦略」に欠かせない輸出の重要品目となっており、財界のこだわりもひとしおです。廃炉しないために海水注入を遅らせた事は『人災』と言われても仕方ありません。地震列島の上に54基もの原発をつくり、これだけの被害を出しながら、経団連会長は「政策変更の必要なし」と発言。海江田大臣は「浜岡原発は例外で、それ以外の原発を順次稼働させる」と明言しました。ここまで日本のエネルギー政策が原子力発電に依存してきた背景には、日米関係が深く関与しています。時間の関係で詳しく紹介出来ませんが、新潮新書の「原発 正力 CIA―機密文書で読む昭和裏面史」という興味深い本があります。著者は有馬哲夫氏、早稲田大学教授でメディア論がご専門です。すでに読まれた方もいらっしゃると思いますが、時間の関係で詳しく紹介できないのが残念です。日本に原子力発電を定着させた経過に、アメリカが深く関与しているという事実は大変示唆に富んでいます。

 また、私は去る4月15日、区議会選挙告示の前々日に開催された「東日本大震災緊急討論会」で、前福島県知事・佐藤栄佐久さんのお話を伺う機会がありました。佐藤前知事は冒頭に、「私は現在最高裁で係争中の身であるので、余り人前で話をすることはしないことにしているのだが、この大震災と原発事故がおこり、私がお話ししなければと思った」と前置きされ、福島原子力発電所をめぐって国と対立してきた経過をお話しになりました。佐藤前知事は「『知事抹殺』―つくられた福島県汚職事件」という本を書かれ、「私はなぜ殺されたのか」、東京地検特捜部の検事に「知事は日本にとってよろしくない。いずれ抹殺する」と言われた事など、いきさつを述べています。

 私は、原子力発電に依存したエネルギー政策を転換し、全ての原発を止めて『脱原発』の日本をめざすべきと考えています。これは今日、世界的な潮流となってきました。日米関係が背後にあり、反対すれば抹殺される、ということもあるので大変ですが、区長のお考えはいかがでしょうか。原子力発電に依存してきた我が国のエネルギー政策に対し、地方自治体の長としてどのような見解を持ち、また国に働きかけていくのか、西川区長のお考えを伺います。

【西川区長/答弁】

 大変多岐にわたってと申しますか、いろいろ斬新な御意見もあって拝聴しておりましたが、必ずしも斉藤ゆうこ議員のおっしゃることが全部正しいというふうに私は思いませんが、それについてはまた、いろいろお話をする機会もあるというふうに思います。私は、よその区に比べて荒川区の行政が劣っているようなことは決してないという自負を持っております。したがいまして、そのことについても、またいずれゆっくりお話をする機会もあろうかというふうに思います。そこで、エネルギー政策に対して、自治体の長として、特に原発の問題について、どういうふうに考えるのかと、こういうお尋ねがございました。答弁書を離れて率直に申し上げます。まず、福島の原発がこれだけ国民の皆様に迷惑をかけ、そして今後想定されるであろう危機に対しての備えというものを、国が基本的なエネルギー政策の見直しの中で、きちんと明確な方針を立てていくことは当然だというふうに思います。

 ドイツが脱原発を図る、スイスもそうだ、イタリアも追随する、だから日本と、こういうことに私はならないというふうに思います が、しかし、一方で、私は経産副大臣、またはその前の政務官のときに、バックエンド対策について強く主張してまいりました。原発は確かにクリーンであって、効率が高いという点については、これは事実であります。しかし、核燃料をフランスに運んで、再利用が可能な状態に戻して、そしてそれを日本で使う。しかし、半減期というものは気の遠くなるような長い時間がかかるわけでありまして、それに対するバックエンド対策、すなわち全体、建物も含め、作業員の衣服も含め、そういうものが汚染をされて、その処理、処分について、実は、私は六ケ所村のガラスで固定化をし、水の中に沈めてある、その上にガイガーカウンターを首からぶら下げさせられて、十五分間その上に立たされた、ある種の人体実験をさせられた政府の一員でありました。したがいまして、そういうような後処理についての財政的な蓄えもなく、技術もないまま、これを続けていき、そこから核廃棄物が出てくるということ、アメリカのような広大な地域は、ニューメキシコでありますとか、そういうところの砂漠の地下に、これを埋めたりいろいろする、しかし日本には、そういう余地がない。したがって、青森にお願いするというようなことを、直接目の当たりにしてまいりました。

 今度のようなことが起これば、これはもう国民の感じとしても、知識としても、もう原発は過渡的なエネルギー源であるなというふうに、少しずつ、そういう世論が起こっていることは間違いないと思います。しからばそれにかわるものは何か、これは遠い未来を言えば、電磁波を活用して、そして超伝導で電気の缶詰をつくって、大型発電所は一切要らなくなるとか、地域のスマートグリットで、ガスを主としたエネルギーで起こすとか、または自然由来の太陽光、風力、地熱、波動、また廃棄物などを活用しての発電ということは当然あると思います。そうしたものが本当に国民の経済、暮らし、文化、または医療を支えるエネルギー源になるということが確実になっていくまでは、私は原子力発電が、現在安全な管理のもとで稼働している範疇については、長期的にこれを廃止するということはあり得るけれども、直ちにこれを50数基を一気にシャットダウンして、日本の経済や産業や、ある意味で国防自体も十分保全ができるとは、今は首長でありますが、かつて政治家の一人として、そんな軽率な思いを私は持っておりません。しかし、いずれにしても、安全を旨とする自然由来のエネルギーを主流にしていく時代は、そう遠からず来るだろうと思うし、それに向かって、自治体は十分対応可能な努力ができるというふうに思っております。お尋ねの点で、わざわざ私の席までおいでいただいて「原子力を続けるのか、続けないかを、大事なポイントだから、そこを言え」と、こういうことでございましたので、私ははっきり言って、今の国民感情で新しい原発や危ないと言われている地域の原発を使うことはやめたほうがいいだろうと。友人の福井県知事もそういう意見でありました。しかし、今すぐ稼働しているものを止めて、それにかわる経済混乱やエネルギー不足を招来するというのは、もう少しきちんとした代替エネルギー策を講じてからでも遅くないと、そういう意見であります。ほかのことについては、担当理事者から御答弁を申し上げます。

【倉門彰 都市整備部長/答弁】

 地震で被害を受けた家屋等の取り壊し、建て替えを支援し、安全な街づくりをすすめるための助成の拡充についてのご質問にお答えします。
住宅の建て替えに対する支援につきましては、現在、区では「住宅建設購入あっ旋制度」を行っているところでございます。また、建て替えようとする住宅が、昭和56年5月31日以前に建てられたものである場合には、「耐震建替え工事支援事業」により、耐震化に資する建て替えに係わる費用の一部を補助する制度があり、補助額については23区でも最高の額となっております。
区といたしましては、この助成制度について、更に周知に努めてまいります。

 続いて、ひぐらしの里北地区再開発ビルの被害状況などについてですが、共用廊下の壁や天井に使用している石こうボードの一部にひび割れが発生しておりました。しかし、設計者・施工者が建物の構造体などを調査したところ、構造体などに被害はなく、建物の安全性は問題ないとの報告を受けております。

 次に、災害時における高層建築物からの落下物と風害についてお答えします。
高層建築物を建てる際には、区の通称マンション条例や指導要綱において落下物の防止を指導しており、風害につきましては、建築後の風の影響を軽減させるため、建物形状の検討や樹木の設置などを行っているところでございます。区といたしましては、今後も建築主の責務として落下物の防止や風に関する事前調査を十分に行うよう指導してまいります。

【新井基司 教育部長/答弁】

 汐入東小学校の被害につきましては、壁の細いクラックの発生とプールに装備した可動床の損傷でございました。建物本体や内装に問題はないとの調査結果でございました。また、プールの可動床の被害につきましては、貯めてあった水が、可動床とその支柱等に損傷を与えたことが明らかになりました。今後、プールの維持管理方法について検討を行って参ります。汐入東小学校の耐震強度は、耐震基準の1.25倍であり、地震災害時の対策に万全を期しているところでございます。今後とも、子ども達が安全で安心して過ごせる施設整備を進めて参ります。

【岡本壽子 環境清掃部長/答弁】

 放射線量の測定にあたっては、正確な値となるよう十分に配慮しなくてはならず、そのためには測定技術、測定設備機器及び放射線に関する知識が十分に備わっている専門機関が行う必要があると考えています。現在、都内では多数の専門機関による放射線量の測定が行われており、東京都健康安全研究センターでは、「現時点においては、健康に影響を与える数値ではない」としています。特別区長会として西川区長が東京都に対し放射線量測定の充実について要請しました。この要請を受けて、荒川区内では、6月16日に荒川公園において測定が実施されました。公表された結果は、東京都健康安全研究センターによると、いずれも健康に影響を与える数値ではないとのことでございます。東京都に対しては引き続き、今回の測定を東京都が継続的に実施すべきこと、測定の結果を東京都が専門的知識と見解により統一的に発表すべきこと、などを要請してまいります。

【金田麻里子 健康部長/答弁】

 食物アレルギーを持つ子どもたちへの支援についてのご質問にお答えします。
 保健所では、日ごろからアレルギー疾患の予防と重症化防止に重点を置き、乳幼児健診の場等での個別の相談や講演会の開催などを実施しております。また、保育園や小中学校において食物アレルギー児に対しては除去食や代替食などを提供し、それぞれの現場で適切に対応しているところであり、平成22年度の実績は、区立保育園で120人・全体の6.5%、小学校で203人・2.5%、中学校で60人・1.9%となっています。今後も区として正しい理解と対応ができるよう、さらに普及啓発に努めてまいります。

【和気剛 福祉部長/答弁】

 災害時における高齢者、障がい者の支援体制の強化についてのご質問にお答えします。
 東日本大震災後、直ちに安否確認を開始し、高齢者や障がい者など災害弱者の方々の状況確認と個別の支援を、区職員と地域包括支援センター、介護事業者、さらには民生委員が連携し、行ったところでございます。区といたしましては、このたびの災害で、大規模災害時における人的支援の重要性を再認識いたしました。こうした状況を踏まえ、高齢者や障がい者に対する災害時の支援体制を強化してまいります。

【北川嘉昭 総務企画部長/答弁】

 公共施設は、様々な行政目的に応じたサービスを提供する場であり、行政需要の動向や財政状況、緊急性など、様々な観点から検討を行い、計画的に進めて参りました。築49年を経過して老朽化が進み、バリアフリー化がされていないなどの課題がある現在の荒川図書館は、早期に建て替えが必要でありますが、接道などの条件から、現所在地での建て替えは困難な状況にあります。
また、荒川区出身の吉村氏の資料や著書を区の内外にご紹介することは、より多くの人に荒川区を訪れていただくという観点からも重要であります。
 一方、子ども達におきましては、交流や子育て支援の拠点整備が懸案となっておりました。このように様々な行政需要がある中、荒川2丁目に用地が取得でき、道路の拡幅等の整備により、災害時の延焼回避も期待されます。この複合施設は、3つの機能を有機的に結びつけ、単独施設ではなし得ない効果的な事業展開を可能にする施設であり、区民にとっても必要性が高い施設であります。区では、7年間で、認可保育園、認証保育所等の合わせて約1300名の定員拡大となります。区立幼稚園3歳児保育の実施や、定員枠の弾力化、特別養護老人ホームと、障がい者地域生活支援施設の整備など、必要な施設整備を積極的に進めて参りました。今後も、行政需要と財政状況などのバランスを十分に図りながら、必要な公共施設の整備を進めて参ります。
なお、複合施設については、延期しておりましたプロポーザルの選考を開始する状況にあります。国の指針については、適切に受け止め、対処してまいります。