河内ひとみのあらかわ日和

2022年5月9日 2022年5月9日

第70号議案 令和4年度荒川区一般会計予算の反対討論をいたします。
荒川区の納税義務者のうち所得層が300万円以下の区民が75.9%占め、
そのうちの国民健康保険加入者のうち92%が旧ただし書き所得、300万以下となっています。
そのような収入状況で新型コロナ感染症が終息をせずに人々の生活をおびやかしています。個人事業主さんから小麦やあぶらなど仕入れの値段が上がり国民健康保険料や介護保険料の支払いが毎年上がり、どうやって支払うのかと、督促状が来て区に相談に行くと「支払わないと差し押さえすると」おどかされ、心臓が苦しくなると話されました。申告の時期ともなり収入から支出差し引くと手元に残るのはわずか4万5千円しか儲けがない状態です。自宅の家賃など支払う余裕がなく娘から借金して商売を続けているそうです。
病気やけがをして医者に行きたくても簡単に行けない。こういった現状の多くの人がいます。
75歳以上の年収200万以上の後期高齢者についても保険料が値上げし、
10月からの窓口負担が2割となります。介護保険料は3年ごとの値上げ改正ですし、介護サービスの利用者にとっては今年の10月から介護職員の処遇改善が利用料金に上乗せされます。更なる料金負担と物価の上昇や光熱費の値上げ等で、預金を取り崩しても、年金では暮らせなくなる人が大勢出てきます。
そのような状況下で命と生活を支えるための予算の使いかたなのか大事な判断が必要です。
保健所の統廃合により2ヶ所あった保健所は1か所となり、他の課も公務員の職員数を減らしてきました。
コロナ災害がおきた結果、入院もできない在宅支援も間に合わないという状況がおきました。私はこの災害は人災と思っています。
 いつ来てもおかしくない大規模災害とコロナ感染症及び新たな感染症などへ対策への体制をしっかり整える必要があります。無料検査体制や受診・治療・ワクチン予防接種対策が迅速にしっかり行えることが今後も重要です。
次に生活困窮者対策です。コロナ禍によって社会保障の制度が行き届かない生活困難者が拡大しています。
非正規雇用やフリーランスや一人親世帯など複合的な困難を抱える人も少なくありません。生活保護受給者数は減少傾向にありますが実際には生活困窮者は増加しています。その背景を知りながら来年度の生活保護費が2億6千6百万も削減されていることは納得いくものではありません。相談件数が増えているにかかわらず生活保護受給まで至っていません。保護申請の扶養照会が緩和されましが、保護申請だけはしたくないなど、生活保護申請に抵抗があるなどまだイメージの回復に至っていません。
啓発のためのポスターを貼ったり、保護のしおりをコンビニや区民事務所ふれあい館など設置をするなど啓発が必要と思います。
在宅サービスでは、ヘルパーはじめケアマネや訪問看護師も不足しています。
処遇改善を一人9000円と新政権は2月から始めましたが、実際に計算するとそこまでの賃上げにはなりません。
会社員の平均年収が440万に比べ常勤ヘルパーの平均給与は年収300万から370万と言われ70万から140万の格差があります。しかも訪問系ヘルパーの75%は非正規です。
人材確保をするには、思い切った補助金が必要ですがわずか9000円以下の補助金ではほかの職業に転換するのも当然なことと思います。
また、町屋さくらバスの廃止に当たり、都バスのバス停や電停までいけない交通弱者に対する政策も検討を本格的にするべきです。医者に行けなくなった、買い物に行けなくなったなど生活に密着するものです。
行けなくなれば往診やヘルパー派遣などの医療費や介護保険料がもっとかかってきます。廃止ありきではなくほかの支援策を検討してからの代替え案を検討すべきです。

西日暮里駅前開発は、反対する住人の陳情が後を絶ちません。管理組合で勉強会をすればするほど問題点が表出し、計画の見直ししたほうが良いと思うしかありません。
駅前の商業施設については専門のコンサルタント会社からは商業面積が、
 3万㎡→1万㎡が望ましいとお話が出ています。開業しても買いのもに来る人が減少すれば撤退する店舗も出るはずです。
都内でも大きな都市開発が進められている中でわざわざ駅を出て反対側の駅前施設まで出向くのでしょうか。初めは物珍しく立ち寄るでしょうが、他に良い商業施設ができれば用事がない限り素通りするようになるでしょう。
また、1000戸の住居スペースですが、都内に住んでいなくてもリモートで仕事ができる状況です。地方の広くて便の良いタワーマンションが即刻完売したとニュースがありました。都内の高額なマンションより地方の手ごろなマンションが売れている時代です。IT化も進み都内に住む理由がコロナ禍によって大きく考えが変わったと思います。
もし、開発が進んだ場合、保育園や学校、高齢者のサービス計画がしっかり示されないまま再開発ありきで計画が進んでいます。本当にこの計画のまま進んでよいのか安心材料が見つかりません。またマンションが売れ残れば予定通りの管理費や修繕費が入らない。大規模改善のための費用が捻出できなければ最大権利者の荒川区からの税金が投入されます。
本来の道灌山中学跡地をどうするか、抜本的な計画の見直しをする大きな変更に舵を向けるべきと考えます。
財政負担のことを考えるとこのままでは永遠的に区の負担が続きます。日暮里駅前開発の二の舞になることだけは避けていただきたいと思います。

医療的ケア児の支援対策については初めての整備計画のためかなり大変なことと思います。看護師・保健師等の人材不足のなかでの新規事業です。各保育園や幼稚園学校ごとの看護師の整備に対して補助金が出ますが、補助金が出たとしても長く働けるような処遇にしなければ人材は集まりません。
看護師が休んでも代替えの看護師が派遣できるよう基幹型支援センターに常勤看護師の整備も必要と思います。また、レスパイトのために状況に応じた医療施設やレスパイト受け入れ整備が必要です。
しっかり先進的取り組みを行っている自治体と協力しながら荒川区らしい寄り添った支援体制の整備をお願いします。
清掃事業費では退職補充が一切行われずとうとう常勤雇用をしない区が23区中5区のみになってしまいました。足立区は来年度雇用する予定のようですのでのこり4区となります。
災害時のごみ処理対策や超高齢化に伴うゴミの戸別収集やプラスチックごみのリサイクル事業が始まり業務負担が増しているにも関わらず人員を増やさないということは何かあったときの区の体制の遅れとなって結果区民に迷惑をかけることになります。清掃現場の職員は高齢化してきております。ベテラン職員のノウハウを若者に継承することも重要です。

教育関係においては複雑化する家庭や貧困化の中でスクールソーシャルワーカーの役割はかなりの業務負担になっています。
相談件数から考えると各学校ごとの常勤配備が必要ではないでしょうか。
また、東京都が実施する入試に加算するスピーキングテストは、問題点が多く廃止にするべきと考えます。
他の区でも東京都への廃止の申し入れを検討しているようです。
子どもたちが所得格差や障害によって不利にならないように廃止の申し入れを都に行ってほしいと思います。

以上、令和4年度一般会計においてに低所得層への負担増や不利になる予算には反対とします。