河内ひとみのあらかわ日和

2014年11月27日 2014年11月27日

斉藤ゆうこ

 私は、あらかわ元気クラブとして、藤枝区長に対し6点を質問いたします。
 ことし9月の区長選挙に立候補を表明し、18万荒川区を代表して、引き続き区政を担当する意欲を示される藤枝区長ですから、長期不況と政治腐敗に疲れ切ったまちに元気を回復し、区政に信頼を回復するために、どのような基本的立場に立たれて仕事をなさるつもりであるのか。地方自治体の長として、国に言うべきことは言い、自主性を持って区民とともにあるのかどうか。あなたの姿勢をはっきりお伺いしておきたいと思います。
 とりわけ政治腐敗、政治不信が深刻な状況です。地方自治体の長も、地方議会も、このことと無関係なはずはありません。みずから姿勢を正すべきだと私が昨年4定の一般質問で申し上げたとおり、まさに我々自身の問題でもあります。
 リクルート事件が国民の怒りを買ったのは、まだ記憶に新しい4年前のことですが、にもかかわらず、今回の佐川急便事件、金丸逮捕と続く一連の出来事で、大企業と政治家、官僚が癒着して進める日本の政治の仕組みは、今や国民のだれもが知るところとなりました。大企業のお金で政治が買われる体質は一向に改まっていません。政治腐敗をなくすには、大企業と政治家、官僚の癒着を断ち切ることが先決のはずですが、国会でのこの間の議論は、いつの間にか政治制度改革にすり替えられています。
 もちろん、そのねらいには、政治改革に名をかりた小選挙区制の導入、それによる安定議席の確保でしょう。自民党の一党支配に限界を感じ、新たな受け皿づくりを焦っているのでしょうか、財界は盛んに選挙制度改革にハッパをかけ、小選挙区制の導入を急げと号令をかけております。まさに、国民主権どころか財界主権、そして国民不在であります。
 こんな永田町の政治に、人々はすっかり愛想を尽かして元気をなくしています。不信はまちの中にも深く広がっています。地方自治体の長として、資産公開のみならず、肥大化した自治体財政と企業との関係を厳しく戒め、みずから姿勢を正して区民の信頼を回復していただきたいものだと思います。
 もちろん、私たち議会も同様であります。地方議会をあのような永田町の下請議会にしないことが区民の信頼にこたえることですが、きのうきょうの区民不在の茶番劇を見ていると、暗たんたる気分になってきます。情勢に対する自覚の欠如ではないでしょうか。
 自民党の派閥系列化が進み、そのためにする争いが地方議会全体に影響を及ぼすなどとんでもないことです。政治不信をなくすどころか、ますます増幅させる役割を荒川区議会が果たすことにならぬよう、態度を改めるべきだと思います。
 さて、もう1つ、この間の大きな関心事と言えば、カンボジアにおけるPKO活動の問題です。2人の命が失われたカンボジア現地は、まさに内戦とも言うべき状況でした。こうした状況を知りつつ、昨年6月、国民多数の反対を押し切って強行成立させたPKO法は、まさに憲法違反の法律であり、カンボジアへの派兵は、現行憲法のもとで自衛隊員となった多くの隊員にとっても、少なからぬ動揺をもたらしたと新聞は報道しました。
 街頭に立っても、区民の関心は極めて高く「国際貢献だ、国益だという政治家の言葉に振り回され、戦場へ駆り出されて死んでいくのはいつも庶民だ。これでは太平洋戦争のときと同じだ」という年配の人たちの心配の声が聞こえてきます。「政治腐敗でごたごたして、自分の頭のハエも追えない日本が、よその国の選挙どころではないのではないか」とある新聞のアンケートに寄せられた意見は述べていましたが、まさにそのとおりという以外ありません。
 この国際貢献を口実にした自衛隊の海外派兵は、憲法を変えようという動きにまでなってきました。カンボジアで犠牲者が出て反省するどころか、国会では、PKFへの参加凍結を解除するなど、PKO法を強化して自衛隊が交戦できるようにすると主張する人も少なくないようです。
 こうなると、区民も元気をなくしているどころではありません。今のうちにとめないと、日本はかつての道に逆戻りすると危機感を持つのは私一人ではないと思います。区内の、とりわけ戦争を体験した女性たちの多くの中からは、強い不安の声が出されています。
 こうした国の政治の動きに対し、藤枝区長は、地方自治体の長としてどのような見解をお持ちでしょうか。まず、憲法9条を守る姿勢を明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。そして、自衛隊の海外派兵は憲法9条に違反するものだという認識をお持ちなのかどうか、荒川区民に対し、この2点をはっきりさせていただきたいと思います。地方自治体の存立の基礎は平和であります。国の動向に準じるなどという下請的発想ではない区長自身の信念をお答えください。

 第2点目は、地域経済の元気を回復するために地方自治体として何ができるのか、不況対策を考えるときの区長としての根本的な姿勢の問題をお尋ねしたいと思います。
 複合不況と言われる景気の低迷に、荒川のまちは疲れ、すっかり元気をなくしています。「バブルの恩恵どころか、円高不況の後、やっと一息ついたと思ったら今度の不況というのが実感だ」と部品工場のおじさんはため息まじりに言いました。
 荒川にも数多くある自動車の下請企業をはじめ、印刷や縫製など小さな自営業の密集した私たちのまちは、長期不況の影響でどこも大変です。商店の売り上げも、軒並み30%から40%と前年比を大きく割り込み、毎月赤字を出しながらどこまで持ちこたえられるのかという苦しい状態ですし、会社で働く人たちだって、残業がなくなってボーナスが激減、人員整理に不安を感じるという毎日、これが区民の実態です。
 不況だから仕方がない、本当にそうでしょうか。政府は、銀行や証券会社には、国民の税金を10兆7000億円も使ってしっかりてこ入れをしましたが、深刻な状態の中小企業は後回し。大企業ばかりが中心のこんな政策をほうっておかずに、小さな自営業を抱える自治体と地方議会は国に対して文句を言っていかなければだめだと思います。荒川のまちに元気を回復させるには、区独自でできる支援策の充実だけでなく、こういう役割を果たすことが大事です。
 「区内でお買い物を」キャンペーンや、公的企業に対する区内発注の要請行動、そして、緊急不況対策特別融資、圧倒的多数を占める区内の小さな自営業支援に何の手も打たず、衰退に手をこまねいて見ていただけと私が批判してきた以前の状況から見れば、ずいぶん努力の跡が見られると思います。
 しかし、この5年間の商店数の減少率は23区で3番目です。倒産件数も、昨年比で10件以上の増加。「結婚して以来初めての深刻な不況、仕事が本当に底をついている」と洋服のプレス屋さんの自営業のお母さんが言いました。不況の影響は本当に厳しいんです。
 地域経済の疲弊は私たちの想像よりも色濃いことを行政はもっと知るべきだと思います。やはり、ここでも国の中小企業軽視の政策が問題になってきます。権限の限られた区として、できることを最大限やるというだけでなく、深刻な現実を目の当たりにする地元自治体が、合同して国や都に実情を訴え、対策を求めたり、大企業中心の産業政策を転換させるために行動を起こすべきでないか。見解をお伺いしたいと思います。

 第3番目は、消費税の税率アップに関する問題です。
 消費税の税率アップに関して、新聞で盛んに報道がされています。私も、注意してこの報道の幾つかを拾ってまいりました。4月18日付の新聞では、首相が夏から税制論議ということで、直間比率の見直し、所得税の減税を検討しつつ、同時に、抱き合わせで消費税の税率アップをセットで考えていくということが報道されています。こうした報道は、もちろん区も御存じのことかと思います。
 この問題は、大型間接税に反対する国民の大規模な反対があったからこそ、ことさら慎重に持ち出し方を検討し、とにかく総選挙前にはそのことに一言も触れないように、ひたすら隠したいというのが政府・自民党の意向のようです。政府税調の動向にも、そのことがあらわれています。
 大型間接税である以上、一旦導入されれば、当然次々と税率をエスカレートさせることが可能であり、だからこそ、限りない増税のシステムであるとして多くの反対があったことを踏まえ、以下についてお答えいただきたいと思います。
 まず、中小零細の工場、商店の多い我が区にとって、転嫁がスムーズに行われず、経営を圧迫するのではないかという点が自営業者の方々の反対の大きな根拠となっていました。4年間の運用の中で、どのような実態になっているのか把握されているのかどうか。また、簡易課税、売上3000万以下の業者への非課税を含む段階控除など、現行消費税は極めてわかりにくく、税制として公正さを欠くのではないかという指摘が一貫して行われてきました。
 心ある中小小売商団体の中からは、いわゆる益税を発生させる現行消費税に対して、お客様を欺くものであり是正が必要だという声も上がっています。地域自営業のこうした運用実態をしっかり把握すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 さらに、年金生活者、生活保護受給者など、収入の少ない社会的弱者にも否応なく消費税の税負担が押しつけられる、これが消費税です。税率アップが行われれば、真っ先に犠牲を強いてられるのは自明のことですが、区民の中の消費税に対する負担感をどのように把握されているのかお尋ねしたいと思います。
 さらに、区民のみならず、地方自治体にとっては減収につながり、自治体の財政自主権を侵害するものとして、消費税の影響を我々は議論してきました。このような区財政の面から、消費税の4年間の運用をどのようにとらえているのか伺いたいと思います。
 1988年11月11日、消費税の導入を目前に控えた私たちの区議会には、たくさんの、消費税導入反対の陳情・請願などが寄せられました。11月10日には、衆議院の税制特別委員会が、野党欠席のまま自民党単独で税制6法案の強行採決を行いましたが、この翌日、私は忘れもしませんが、区議会の区民衛生委員会で、区民の方が出された4本の陳情・請願の審議を行いました。
 この中で、区当局は「競争力の弱い業者ほど価格転嫁が困難なのは事実である。非課税業者でも仕入れに上乗せされる税額の影響は当然受ける」というふうに答え、業者にとっての消費税の問題点をはっきりとお認めになりました。また、区財政の影響についても「独自試算を行ったが、歳入での減収、歳出での支出増は消費譲与税でカバーすることはできず、差し引き10兆6000万円のマイナス」というふうに答弁をされています。
 こうした88年からの経過を踏まえ、4年間の運用をどのように把握されているのか、改めて伺いたいと思います。
 いずれにしろ、消費税の税率アップの問題が近々浮上してくることは必至です。区は、国の下請に甘んじることなく、地域経済、地域財政への打撃に反対する立場から、実態把握に努めて国の政策へ反映させる義務があると思いますが、区長、いかがでしょうか。

 次に、地域福祉計画についてお尋ねします。
 福祉・保健・医療のネットワークを充実し、安心して暮らせる荒川区をつくることが区民のだれもの切実な希望です。地域福祉計画を具体化する過程で、この計画をもっと血の通ったものにしていくことが大切なんです。例えば、訪問看護ですが、私は、所属委員会の集中審議でも、申請した人だけでなく、必要な人すべてにサービスが行き渡る体制、そして、医療行為ができないなどという壁を乗り越える努力をして、除外されているケースをなくすことを要望いたしました。
 福祉部と保健衛生部の連携の問題、それから、区と公社を含む民間団体や民間の医療機関などとの連携をどう改善して現在のシステムを変えていくのかお伺いしたいと思います。
 2番目に、従来から要望してきた小規模特養ホーム、例えば、50床以上のホームに対しても建設に補助金を得られるよう制度変更を求める点、さらに、今回の計画に入っている介護支援センターを地域のサービス提供を必要とする人をすべて把握して、ヘルパーや看護婦を派遣できる実践的な機能を備えたものとすることなど、地域密着型で質の高い施設を建設する方針を持つべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 次に、教育委員会のあり方について伺います。
 偏差値偏重教育が学校をむしばみ、社会の価値観をゆがめている今日、受験戦争は幼稚園まで低年齢化が進み、親も子も、学校のことや進学のことで頭を痛めています。教育委員会は、地域の教育の現状について活発に議論をしているのでしょうか。地域のこうした悩みとかけ離れた教育委員会のあり方が根本的に問われていると思います。
 そこで、区民に開かれた教育委員会を実現し、形骸化した教育委員会を活性化させるために次の点をお伺いしたいと思います。
 教育委員会として、議会の委員会と同様に公開制をとり、常時区民が自由に傍聴できるようなシステムに変えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、会議録を速記録として、区民の求めに応じて情報公開をすべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、日暮里・舎人線の一部地下化についてお伺いします。
 まず、日暮里・舎人線の導入について、先般の予算委員会の中でも議論が行われました。
 この中で、区は委員の導入に対するメリット、デメリットをどう考えるかということに対して、メリットのみを答弁するということに終始しました。それでは、一体現行の日暮里・舎人線、皆さんも御存じのような形で導入されるあの方法が東尾久のまち、ひいては荒川の街づくりに何もデメリットがないというのでしょうか。私は、改めてこの導入におけるデメリットの面をどう認識しているのかお尋ねしたいと思います。
 2番目に、地下化に向けて住民から強い要望が出されています。この問題は、東尾久のまちを分断する、そして、日陰の問題、騒音、振動の問題など、大変な影響をもたらすこととして、東尾久の人のみならず、他人事ではないという気分を持たせる、そんな問題に発展をしています。
 一体、区は地下化に向けてどのような努力をされたのでしょうか。改めて伺いたいと思います。そして、何がネックで地下化ができないのか、このことについても繰り返し議論がされてきましたが、改めて現時点で地下化できないネックについてお答えください。
 3番目に、この問題が現在のような状況に発展しているのは、区民に対する情報提供や周知の努力不足なのではないか、私はそのように考えます。都の計画であるとはいえ、一体区は責任を持ってときどきの情報を区民に提供し、地元住民に周知徹底の努力をしてきたのでしょうか。その認識と今後の対応をお伺いしたいと思います。
 それでは、第1番目の質問を終わります。

区長(藤枝和博)

 最初に、自衛隊の海外派遣についての御質問にお答えいたします。
 昨年のPKO協力法の国会審議の際は、新聞やテレビなどマスコミの積極的な報道もあり、全国民を巻き込んだ議論が展開される中で、国民世論を踏まえ、法案審議はもとより、憲法論議も長時間にわたって行われ、PKFの凍結、派遣の事前承認等の措置を講ずる修正があり、成立いたしましたことは御案内のとおりであります。
 このことによりまして、我が国は、人的な協力についても国際協調の一歩を踏み出したものであると理解をいたしております。資金面の協力とあわせて、国際社会の一員として国際貢献に寄与しておりまして、各国もこのことを評価しているものと考えております。世界平和の実現、世界経済の発展のため、国際協力は必要なことであり、これからも国際貢献に努めていくべきものだと考えておるところでございます。

区長(藤枝和博)

 次に、不況対策に関する御質問にお答え申し上げます。
 生活関連財製造業を中心とする中小零細企業から成り立っている本区にとっては、このたびの景気低迷が区内企業に大きな影響を及ぼしたことは御案内のとおりでございます。
 この状況を踏まえまして、区では、昨年10月から緊急特別不況対策融資を実施したのを皮切りに、本年早々総合不況対策に取り組み、一自治体としては可能な限りの景気対策を展開してまいりました。
 御存じのとおり、こうした事業は、直ちに目に見える効果をもたらす性格のものではございませんが、区といたしましては、今後とも区内中小企業経営安定のため、より有効な施策を展開してまいる所存でございます。
 次に、国に対しての要望でございますが、これまでも中小企業の支援策につきましては、工業立地規制緩和の促進や中小企業勤労者福祉制度の充実など、区の立場から、国に対してもさまざまな要望をしてまいったところでございます。
 今後とも、区内中小企業の支援、育成のために同様の姿勢で臨んでまいり、できるだけの努力を尽くしてまいる所存でございますので、御理解のほどお願いいたします。
 他の質問につきましては担当の部長から御答弁申し上げます。

区民生活部長(山崎利恭)

 消費税についての御質問にお答えいたします。
 総選挙後に予測される消費税率のアップに対する見解はどうかとのお尋ねでございますが、消費税率につきましては、さまざまな立場からいろいろなご意見が述べられておりますことは新聞報道等で承知しているところでございます。しかしながら、現段階では、まだ税の改正が明らかになっていないことでもございますので、見解を申し述べることは大変難しいところでございます。
 また、4年間の運用実態と区民各層への影響についてのお尋ねでございますが、消費税につきましては、これまでにも国民各層からさまざまな問題点が指摘されてまいりました。そのような背景のもとに、平成3年5月、消費税法の一部改正がされ、逆進性の緩和、益税の是正、運用益の是正などが行われたところでございます。
 しかし、その後においても、非課税範囲の問題を初めとする幾つかの問題点をめぐりまして、国民の間でさまざまな論議がなされていることも事実でございます。
 いずれにいたしましても、消費税に関する問題は区民生活に直接影響を及ぼす問題でもありますので、今後とも、中小零細業者等が多い区の実情を踏まえて考えていく必要があると認識しております。御理解のほどよろしくお願い申し上げます。

福祉部長(鈴木紘一)

 地域福祉計画についての御質問にお答えいたします。
 まず、福祉・保健・医療等との連携についてでございますが、計画に定めた事業目標達成のためには、保健医療サービスにせよ、福祉サービスにせよ、供給主体は異なっても、サービスを必要とする者が、住みなれた地域で自立した生活を送ることができるような包括的なサービス供給システムを確立させなければならないと考えております。
 地域福祉計画では、保健、医療と福祉の連携について特に取り上げまして、高齢者サービス調整会議及び高齢者サービス調整チームの充実、障害者保健、医療、福祉連絡協議会の設置並びに必要なサービスを調整する福祉と保健、医療等との各部門を網羅したチームの設置をそれぞれ計画化いたしまして、包括的なサービスの提供を図ることといたしました。
 今後とも、御協力いただく民間や各関係機関の方々とも十分協議いたしまして、保健・医療・福祉にかかわる各種のサービスを総合的に調整、推進するための組織体制の整備に努めてまいりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
 次に、小規模の特別養護老人ホームの設置についてでございますが、現在の特養の設置基準では、一施設50人以上の規模となっておりますが、都市部においては、これに見合う用地の確保が困難な実情にあり、小規模化する考え方もございます。
 しかしながら、今後設置する特別養護老人ホームの規模につきましては、運営の効率性をも踏まえまして、適正な規模で想定しているところでございますので、よろしく御理解のほどをお願いいたします。
 次に、在宅介護支援センターについてお答えいたします。
 在宅介護支援センターは、在宅介護に関する相談に応じ、各種の保健・医療・福祉サービスが総合的に受けられるよう関係機関との連絡調整を行い、地域の要介護高齢者及びその家族を支援するものでございます。
 区では、在宅介護支援センターを平成6年度までに、区内の各地域に特養及びサービスセンターと併設して5ヵ所設置いたします。開設後は、相談、指導、助言などを行い、また、関係する機関や施設と連携をとり、包括的な在宅福祉サービスを展開し、在宅高齢者通所サービスセンターとあわせて、地域の在宅福祉の拠点とするものでございますので、よろしく御理解をお願いいたします。

教育長(中村昭雄)

 教育委員会会議の公開についての御質問にお答え申し上げます。
 教育委員会の会議につきましては、教育委員会規則で原則として公開としております。また、会議の傍聴につきましては、委員長の許可と委員の紹介を要する旨、規則で定めているところでございます。さらに、会議録につきましても、請求があれば公開することとしております。
 他区の傍聴手続を見ますと、委員会に申請するものが1区、委員長に申し出、または届け出るものが2区で、その他の区は、本区と同様に委員長の許可等の手続が必要な取り扱いとなっております。
 今後、より開かれた教育行政とするために、傍聴手続の簡素化などについて検討をしてまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。

開発計画部長(高橋祥三)

 日暮里・舎人線の一部地下化についての御質問にお答えいたします。
 この計画は、昭和59年に、台東、足立両区と連携し、荒川区としては、日暮里・尾久地区の活性化のために、この地域に新たな交通手段が必要との考えから、地下鉄方式で要望をしてきたところでございます。
 しかし、昭和60年の運輸政策審議会の答申では、予想される輸送需要から勘案して、地下鉄では採算上事業化が成立しないとの判断から、中量輸送に適した高架式の新交通システムが適当であると位置づけられたものでございます。
 その後、足立区と連携を図りながら、また、両区区議会の一致した力強い御支援を得ながら、この新交通システムの早期実現を目指し、取り組みをしてまいったことは、御案内のとおりでございます。
 お尋ねの日暮里・舎人線の導入に伴うまちへの影響に関する認識でございますが、この新交通は、駅部や渡河部などにおいて、拡幅を伴う用地買収や、沿線への幾つかの影響が生ずる部分がございます。この影響を最小限にとどめるよう、区といたしましては最大限の努力をしてまいる考えでございます。
 次に、地下化への努力という点でございますが、区といたしましても、地下化の可能性について、国や東京都に数度にわたり打診をいたしました。しかし、高架式を前提とした新交通と位置づけられた先ほどの運輸政策審議会の答申のもとでは、地下方式はあり得ないというのが関係者の一致した見解でございます。
 また、区民等への情報提供や周知につきましては、昨年来、内容を固める前の非公式な形ではありましたが、計画の考え方等について、地元の方々に、数回にわたり東京都ともどもに事前の説明をしてまいったわけでございます。今後、正式には、現在東京都が策定中の都市計画素案が公表された以降、地元説明会が行われますので、そうした場面を通じまして、十分御議論をいただきたいと考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、日暮里・舎人線は荒川区の将来にとって重要な事業でございます。区といたしましても、区民の皆様の御理解を得て、円滑な推進を図るよう鋭意努力してまいる所存でございますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

斉藤ゆうこ

 答弁が抜けていますから、質問を続行できませんから先に答弁を進めてください。議長、答弁漏れでしょう。私が質問した一番最初の問題について答弁漏れですから、質問はしませんよ。

区長(藤枝和博)

 先ほど答弁いたしました中で申し上げております。
 再度申し上げますと、憲法につきましては、制定以来半世紀を経過しようとする今日、解釈論、改憲論、護憲論と、それぞれの立場で論議がなされておることは御案内のとおりでございます。
 いずれにいたしましても、憲法問題につきましては、国民各層、各界の幅広い論議が行われまして、国民的合意が形成されますように願っておるところでございます。
 憲法9条についての見解を述べよということでございますが、区政の事業執行に直接かかわるものでございますならば私も見解を申し述べますけれども、こういう国民的な論議がなされている中で、一地方自治体の長といたしまして、憲法についての意見を述べるということは差し控えさせていただきたいと思います。(「改憲論にしようか、どうしようか考えているんだ」「改憲するに決まっているだろう」その他発言する者多し)

斉藤ゆうこ
 それはあなたの意見だ。議員の意見を聞いているんじゃないんです。地方自治体の長として…。

議長(森澤芳雄)

 静粛に願います。
 質問をしてください。

斉藤ゆうこ

 質問しているんですよ、質問を。余計なこと言わないで。
 地方議会の議員がそれぞれ議員としてどういう考え方をしているかということを伺っているんではないんです。
 憲法というのは、地方自治法もそれに基づいてあるものであり、地方自治体の基礎であるという立場から、地方自治体の長が憲法に対してどういう認識をしているのかということを伺っているわけです。
 こういうことは、地方議会の中だって、繰り返し地方自治体の長は姿勢を求められてきたことなんですよ。今のようなお答えでは、とてもではないけれども、地域住民の心配をよそに国がいろいろなことを進めていることに対して地方が発言するという態度ではない。私はそんなふうに思います。
 さらに、そのことについてつけ加えておきますけれども、区長は、先ほどの答弁の中で「国際社会の一員」だとか「国連という立場」だとかいう言葉を盛んに使われました。それでは、現在の国連のあり方についてどういう認識を持っておられるのか、私は改めてお尋ねしたいと思います。
 今の国連のあり方、そして国連PKOのあり方、これが、日本が国連中心主義というふうに言って、とにかく国連の要請なのだから、当たり前の国家として協力しなければならないのだということの前提になるようなものなのかどうか、まずその点について考えなければならないと思います。経済制裁、おどかしですね。こういう経済制裁というおどしを背景にして、武力行使をちらつかせながら行われる現在の国連PKO活動は、本来の目的からすっかり逸脱して、変質しているという国際的批判が高まっていることを区長は御存じでしょうか。
 こうした国連PKOのあり方、現在のシステムの中では、安保理の常任理事国がすべてを決定するというやり方になっています。これでは世界の人口の4分の3を占める南の国々、つまり南北問題でいうところの南の国々、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど、第三世界の人たちの意見というのは反映されない、そういう国連になっています。
 こういう中で日本の果たすべき役割は何なのか。それこそ、平和憲法、かつての戦争の体験を踏まえて、憲法9条を持っている日本の自主平和外交の役割なんですよ。
 宮沢首相も、そして外務大臣もそうですけれども、日本が独自に果たすべき役割があるとすれば、こうした国連に対して、きちんと本来の姿に戻り、PKO活動も本来のような目的に沿ってやられるべきであり、小さい国であろうが、大きい国であろうが、国の大小のいかんを問わず、互恵平等の関係の中で、国連をもっと民主的な機関につくり変えるべきだと、これが日本外交のあり方なんじゃないでしょうか。私はそんなふうに考えます。
 ですから、私はとにかく今の国連中心主義という議論こそ最も危険なものだと思いますので、区長がこういう認識に陥られているのかどうか大変心配をしているところです。
 先ほども申しましたように、国連の現在のあり方について、先ほど御答弁の前提になっているようですから、区長がどういう認識をお持ちなのかお伺いしたいと思います。

 それから、日暮里・舎人線の問題なんですけれども、先ほどの答弁の中には大分問題があるというふうに私は思います。新交通を地下化で進めるということと、地下鉄という問題は別の問題だというふうに考えます。この中で、運政審答申は絶対に変えられない、ですから地下化は無理だという答弁は成り立たないんですね。この点について、もう一度明確な態度を求めたいと思います。
 そして、住民に対する周知徹底、情報をどれぐらい公開するかという問題なんですが、これほど大事な、自分のまちがどんなふうになってしまうのか、景観だとか、自分の日々の暮らしだとか、そういうことにどんな影響があるのかという大きな問題にとって、住民は、意思形成過程であっても、知りたくて知りたくてたまらないわけです。そのことによって、自分の町について、自分の財産や自分の家やそういうものについて、当然ノーという権利を持っているわけなんです。
 こういう住民との合意ということを前提に進める民主的なやり方をとるのであれば、区が責任を持って都の情報を開示させるなり、運輸省の考え方をただすなり、そういうことができたんじゃないですか。

議長(森澤芳雄)

 発言中でありますけれども、質問時間の関係上、簡潔にお願いします。

斉藤ゆうこ

 まだまだそんな時間じゃないですよ。
 そういうやり方の中では、とてもではないけれど、地元住民に密着した区が責任を果たしていると私は思えません。住民にわからない点があるならば、区が責任を持ってその情報を開示させるべきというふうに思いますが、いかがでしょうか。再答弁をお願いします。

開発計画部長(高橋祥三)

 新交通が地下化でできないということはあり得ないというお話でございますけれども、この新交通は、鉄道事業法という法律ではなくて、軌道法を根拠にした事業でございます。建設省所管の道路事業、道路の上に高架方式でやるというのが基本になっております。(「広島はどうしたんですか」と呼ぶ者あり)広島につきましては、鉄道事業法を根拠にした事業となっております。地下化の部分に関しましてはそのようになっております。つまり、制度面における位置づけから申し上げまして、新交通システムは地下化では無理だというのが制度面での整理でございます。
 それから、区民の皆様の不安をどう解消するかという努力の問題でございますが、都市計画素案というのが、事業者である東京都から今年度中には発表されると。これが、責任を持つ東京都の正確に責任ある計画という形になるわけでございまして、それが前提となって情報を提供するのが正しい情報提供という出発点であろうかと、このように考えているところでございます。

議長(森澤芳雄)

 所要時間が過ぎましたので、斉藤ゆうこ君の質問は終了いたします。