斉藤ゆうこのあらかわ日和

 私は、あらかわ元気クラブとして、平成17年第17号陳情「保育園給食調理業務の見直しに関する陳情」の採択に賛成、委員長報告に反対の討論を致します。

 4月からふたつの保育園の給食を直営から民間委託にする、という計画が当該のひぐらし保育園と三河島保育園の保護者に通知されたのは昨年の10月末のことでした。区が実施を予定する4月までに半年もない、というこの切羽詰まった計画発表に保育園の保護者たちがとても驚き、不安になったことは想像に難くありません。
 しかも、ひぐらし保育園と三河島保育園は0才児保育と延長保育を行なう園ですから、小さな産休明けの赤ちゃんたちが生活し、夕方6時15分以降の保育も引き受ける園として離乳食があり、昼食やおやつに加えて延長食も提供する園です。なぜわざわざ、こうした食の比重が高く、しかも質の面からも回数の面からも、難しい園を初めての民間委託導入園に選んだのか、この点の当局の判断も大いに理解に苦しむところです。

 こうした経過の中で出された保護者からの陳情は、大きく2点を訴えています。
 その第1点目は『区として公立保育園に次々と委託を拡大する計画であるなら、全体像を全園の利用者に説明してほしい』というものです。
 2点目は『サービス向上というなら、計画を延期しても利用者の意見を反映した対応をしてほしい』というものです。
 今回の問題は、これまで歴史的に直営で行なってきた区立保育園の給食を民間に変えていく、という大きな政策転換であるといえます。学校給食業務の民間委託という実績があるにせよ、当局のおっしゃるとおり保育園給食は全く質のちがったものですから、より慎重な検討経過と利用者参加が必要だったのではないでしょうか。
 こうした政策転換に対する対応としては、あまりにもお粗末だったのではないか。したがって、陳情者の訴えはしごく当然のことではないのか。私は今回の経過について率直にこのような印象を抱いています。陳情者のふたつの訴えについて-結果は不採択ではありましたが-多くの議員が会派を超えてそのような印象を抱き、含意に共感をおぼえたのではないかと思います。

 いま、区の業務はなだれをうって民間へと移行しています。西川区長はこの間、「民でできることでも官(公)でやるべきことは公でやっていく」という見解を述べておられます。では、今回の件はどうなのか?「民にもできるから、民でよい」のでしょうか?
 区としての政策転換、しかも、将来を担う子育て世代に対する区の政策の転換が、たった5カ月で、しかもサービス向上という謳い文句の保証はなく、押し切られるとすれば、区民の失望、落胆は大きいと思います。「既定方針だった」とおっしゃいますが、保護者にとっては寝耳に水、であります。その既定方針を再検討することも、新区長にはできたのではないでしょうか。大変残念な結末です。
 現在、学校給食や保育園給食の業務委託をめぐっては、委託契約のあり方、派遣・業務請負事業の適正化と委託先で働く労働者の就労条件の確保の面から、様々な問題が出されています。
 また、当局は今回『現在の給食よりも質の高い給食を提供してサービス向上になる』ということを謳い文句にしました、そうおっしゃる以上、これが単に行革、つまりお金と人を減らして安上がりな給食にする計画ではない、ということを事実をもって示していく責任があります。『直営給食の向上』という責任を放棄して、安易に人事管理も含めて民間にそっくり投げてしまいたい、などという動機でないことも証明していただきたいと思います。
 私は、荒川区は保育園の小さな赤ちゃんの給食まで、どうしても民間委託にするって、そこまでやる必要ないじゃないの!と思っています。「民間でできても公でやること」のひとつに数えられるんじゃないでしょうか。

 この間の民間委託、指定管理者などの評価、契約改革が区民の生活権侵害になっていないか、また、労働法制などの観点からどうなのかは、予算委員会で行ないたいと思います。
 民間開放、民間委託という仕事の流れは「時代の流れ」ではすまされない問題です。公務員の賃金を下げても、溜飲は下がるかもしれないけれど、民間の賃金や生活水準は上がりません。区の仕事、特に現業の仕事の評価は軽々しく行なってはならないと思います。今回の経過の中には、区として反省すべき点が多くあるのではないでしょうか。
 以上申し上げて、陳情の採択に賛成、不採択に反対の討論と致します。