斉藤ゆうこ
私は、あらかわ元気クラブとして、今回は教育行政と再開発行政について質問します。理事者の答弁内容によっては2次質問、3次質問も行いますので、理事者は明確な答弁をしてください。
今回の一般質問のテーマの一つである教育のあり方については、今、子供を持っている親たちを中心に区民の関心が非常に高い問題の一つです。関心というよりは、なぜ学校はこんなふうなんだろうとか、子供たちは一体どうなるのかしら、そして、親としてどうしたらいいんだろうかという困惑や不安、不信感と言った方がいいかもしれません。
私たちは、昨年、4つのテーマを設けて、「元気クラブのいきいき町づくりシンポジウム」を開きました。このシンポジウムは、荒川区の真の活性化のためにはどうしたらよいのか、区民の皆さんや専門家とともに考え、政策づくりを進めるというのが目的で、行政の方からの参加もありました。第1回目は、「大店法規制緩和と町づくり」をテーマに、地元の商業者と消費者、勤労者が、売る側、買う側としてひざを交えて話し合い、小売商団体、消費者団体の全国代表にも報告をしていただき、討論に加わってもらいました。2回目は、「ごみとリサイクルを考える」ということで、目黒区の行政担当者と地元の再生資源業者の方たちをお招きしてお話を伺いました。第3回目は、「土地・住宅・再開発と定住を考える」で、東京の土地問題、自治体の住宅政策、そして、高齢者、障害者や外国人にとっても暮らしやすいまちとは何かということをテーマに、荒川のまちをどうしたらいいのか、専門家を交えて話し合いをしました。
そして、4回目のテーマが「荒川の教育を考える」でした。このテーマは、ぜひやってほしい問題だと若いお母さんたちを中心に要望の強かったものでした。この日は登校拒否・不登校の問題、安全でおいしい学校給食の取り組み、在日外国人の子供たちの本名就学を進める問題、小中学校統廃合の経験について、そして、日の丸・君が代問題と、5つの問題について取り組んでいるお母さんや教職員をパネリストとして話し合い、いろいろな意見交換をいたしました。学校という枠の中で突き当たっているそれぞれの問題を、立場は違うけれど、一緒に掘り下げていくという中から今の教育の現場の姿が非常に鮮明に浮かび上がってきました。
受験戦争の弊害、管理教育というふうに一言で片づけてしまえば簡単ですが、生身の子供たちが人間として育っていき、最も基本的なことを身につけ、人格を形成していく大切な時期を過ごす小中学校が、果たしてこんなふうでいいのだろうかと考えずにはいられませんでした。
私がこのシンポジウムを通じて最も痛切に感じたのは、学校現場に人間らしさを取り戻し、教育への信頼を回復することが今一番の課題だということ。既に子供たちの中からも、親たちからも、教職員の中からも警鐘が発せられているのではないでしょうか。私の周辺でも、小中学校や高校に子供を通わせているお母さんやお父さんたちが集まれば学校の話が尽きません。学校へ行かなくなった子供の話はもうだれにとっても他人事ではなくなりました。教師による体罰も表面化してきています。子供たちの中にさまざまな差別が見え隠れするのも気になります。大人の社会の価値観の反映でしょうか。
友達が外国人でも障害者でも、またその他いろいろ理由があっても、友達として大切にしていくことを教えてほしいのです。子供たちも親も悩んでいます。教師や学校に対する信頼感が薄れてきているのが、話を聞いているとはっきりわかってきます。地域に存在する学校への不信感、教育に対する批判を教育委員会はどのように受け止めているのでしょうか。
うちの子供も、荒川の保育園、小学校、中学校を経て高校3年生になりました。この間、親しい友人たちの間で一番問題だったのは、高校のあり方と子供たちの生き方の問題でした。荒川の中学生の大多数が進学する都立高校、この中でもいわゆる底辺校と呼ばれる高校があります。偏差値で振り分けられ、やっと入った高校では授業がよくわからない、おもしろくない、学校をサボる。学校から、非行だとか落ちこぼれだとかいうレッテルを貼られる。酒、たばこ、ときにはシンナー。楽しかったはずの高校生活は何だったんだろうか。こうした子供たちの心の中には、どうせ自分たちは落ちこぼれなんだ、学校も自分たちを目の敵にしているんじゃないか、やっと入った高校だけど、この先に一体何があるんだという思いが共通しているようです。
荒川を学区域に含むある都立高校では、昨年450人の1年生のうち、120人を単位未了で留年させ、そのほとんどは退学の道をたどっていったそうです。都内のこうした学校は、ガラスが割れ、ロッカーが壊され、荒廃しているところも多いようですが、荒廃しているのは建物ばかりじゃない。子供たちの心には希望がなくなっています。どうせ自分たちはと考えてしまった子供たちの行き先に、一体何があるでしょうか。これでは教育とは言えません。この子供たちの姿は荒川の中学生の未来の姿です。高校になって具体的に現れてくる暴力、飲酒、喫煙その他さまざまなことの芽は、既に中学時代に形成されているのではないでしょうか。中学までは義務教育だからとりあえず卒業はできるけれど、高校になったらそうはいきません。高校生の中にあるこの深刻な現状は、中学教育の重要さを物語っています。子供たち一人一人が大切にされ、生きていく基本をつくっていく教育が小中学校の現場に求められていると思います。
だれにとってもかけがえのない少年少女時代を伸び伸びと過ごすこと、現在の社会は子供のそうした権利を奪い、息苦しさを強いている社会であると言えます。さまざまな社会のしわ寄せが教育に反映されている中で、今、学校現場で解決すべき問題の核心は何か、教育委員会の認識と対応をお伺いします。
また、教育委員会は最近、人権尊重教育推進協議会をつくられたと伺っていますが、会の目的や活動内容についてお聞かせください。
さらに、性教育の取り組みについても質問いたします。先ほども述べた高校生の現状、その中でも、高校生の性の問題は見過ごしにできない大切な内容を含んでいます。妊娠や中絶、出産という問題も起こってきており、これは即あすの中学生の問題と言えます。アメリカなどで見られるように、セックスを経験する年齢は次第に低年齢化し、日本でも中学生の妊娠というような事実も増加してきております。性教育の基本は人権です。大人の中にも相手の人格や尊厳を否定するような性が横行していますが、性の問題はそのとらえ方によっては差別を助長し、人権を犯しかねない問題であり、そういう意味で、男女平等社会の基礎をつくる上での重要な問題です。
青少年健全育成という言葉がよく使われますけれども、禁止や規制を繰り返すと言うだけで根本的な解決を得られないと思います。小中学校でのカリキュラムを組み、真剣に性教育に取り組んでほしいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、昨年8月末に教育委員会が行った「通学校に関するアンケートのお願い」についてお尋ねします。このアンケートは指定校に通学しなかった、つまり区域外に越境したり、私立へ進学した子供たちの父母に対して教育委員会の学務課から郵送されたアンケートです。このアンケートの趣旨、結果についてお聞かせください。
最後に、第2次小学校統廃合についてお尋ねいたします。ここまで申し上げたとおり、荒川の教育の現場には問題が山積しています。こうした問題に真剣に取り組み、全力を尽くしていくべきときに、第2次統廃合を持ち出して、学校現場に無用の混乱を引き起こすべきではありません。教育委員会の第2次統廃合に対する見解をお伺いいたします。
以上で第1回目の質問を終わります。
教育長職務代理者(奥川真弘)
本区における学校教育の課題とその推進に関する質問にお答えいたします。
本区学校教育におきましては、生涯学習の基礎を培うという視点から、豊かな心を持ち、たくましく生きる児童生徒の育成を目指し、教育内容の充実と教育環境の整備に努力しておるところでございます。
しかし、不登校の問題等、児童生徒の健全育成にかかわる問題が生じておることは御指摘のとおりであります。
各学校において児童生徒一人一人の心をとらえた温かい指導を基盤にした人権尊重の教育を推進し、合わせて学習指導の改善充実、健康・安全指導の充実等を図ることが、これらの諸課題を解決する基本になると考えております。
今後とも、家庭や地域社会との連携を一層深めながら、すべての児童生徒が生き生きと意欲的な学校生活を送ることができるよう学校教育の充実に努めてまいりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
次に、本年度設置いたしました人権尊重教育推進協議会についてお答えいたします。
あらゆる差別や偏見をなくし、一人一人の児童生徒がかけがえのない人間として尊重されるよう、人権尊重教育を進めることが本区学校教育の大きな課題であります。教育委員会では、同和問題や民族差別、本名就学、男女差別、体罰の問題等、学校における人権尊重教育推進上の諸問題を解決し、人権尊重教育の一層の推進を図るため、人権尊重教育推進協議会を設置いたしました。目下、小中学校の校長会、教頭会の代表と、教育委員会事務局で構成し、人権についての教員の意識啓発や人権尊重教育の内容や方法等について研究、協議を進め、さまざまな角度から諸問題の解決のための方途を探っておるところでございます。
次に、本区における性教育についてお答えいたします。
本来、性教育は、児童生徒が、人間尊重、男女平等の精神に基づいた正しい異性観を育て、生涯にわたって人間としてどう生きていくかという生き方を学ぶもので、人格の完成、豊かな人間性を目指すものであります。特に、中学校時代は思春期という多感な時期でもあり、性にかかわる悩みや問題行動も生じやすい時期であります。それだけに、生徒の成長、発達に応じた適切な性教育を行うことが極めて重要であります。
区内の小中学校では、学級活動や保健体育、理科、家庭科の中で、生命の誕生や男女差、性的な事象等の学習が行われております。それらの学習を通して、自他の性に対する認識を確かなものにし、自己を大切にする心や相手を思いやる心がはぐくまれております。
教育委員会といたしましては、このような性教育の一層の充実を目指し、教師向け性教育の手引を作成しております。平成2年度に小学校版が刊行され、平成4年度には中学校版が刊行される運びとなっております。
次に、私立学校等へ入学した児童生徒についての調査でございますが、今後の区立学校の運営に資する目的で実施したものであります。最近の私学志向は、教育ニーズの多様化と中高一貫教育への志向が反映されたものと思われますが、教育委員会といたしましても、この傾向については強い関心を持っております。
そこで、私立小中学校へ入学した児童生徒の保護者に、区内の指定校ではなく、私立等の学校を選んだ理由や、その結果の満足度、区教委区委員会への要望などをお尋ねしたのが、この調査でございます。その結果、区立学校の教育内容や施設整備について、私立学校との対比で大変率直な御意見を伺うことができましたので、今後の参考にしてまいる所存でございます。
次に、小中学校適正配置第2次計画案についてでございますが、小中学校適正配置第2次計画案は、先に実施した第1次事業の成果と反省点を踏まえた上で、さらに小中学校の適正規模の確保と適正配置を実現することにより、よりよい教育を行うための条件整備を行うことが目的であります。
御指摘のように、学校教育をより充実させて魅力あるものにするために、適正配置計画以外に教育委員会として取り組むべき課題、解決すべき課題が数多くあることも事実でございますが、これらは決して選択的に実施すべきであるというものではなく、教育内容の充実と教育環境の整備とは、あわせて実現していくべきものと考えております。
適正配置計画は、次代を担う子供たちのためによりよい教育環境を確保するという長期視点に立った事業であり、区民の皆様に御理解をいただけるよう、努力してまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
斉藤ゆうこ
きょうは2つしか質問ありませんから、まず教育の問題についてお伺いしたわけなんですけれども、今の答弁ですと、要するに、私が申し上げた、いろいろ学校現場に山積している問題、それも重要だし、統廃合も重要だし、どっちもやるんだと、選択的な問題ではないんだというのが御答弁の趣旨のようですね。私はそれは違うというふうに申し上げたいんです。私が申し上げた学校現場に山積している問題と、統廃合は、それ自体が矛盾しているということなんです。幾つかの点を挙げて御質問しますので、回答していただきたいと思います。
まず、小規模化の背景になっている指定校変更、区外への越境、私立志向という問題についてなんですが、きょう、たまたま毎日新聞の朝刊にも、都教組が行った私立志向についての調査の結果が載っておりました。けさのテレビでも報道があったようで、私のところにも電話がかかってまいりました。私立中学への進学率、これは東京都の平均だと思いますが、14%だそうです。受験率は23%。3年前と比較しますと、進学率の方が5.3%増加、受験率は何と8.1%も増加しているということなんですね。そして、新宿、文京、渋谷、豊島の4区では進学率が26パーセントに上っている。つまり4人に1人の子供たちが私立へ行っているということなんです。こんな実態が出てきています。
こういう実態について、先ほどの御答弁の中では、多様なニーズだとかいうことを言っていますが、そうではなくて、これは実際には、今の公立の小中学校に対する、区立小中学校に対する批判ではないのか、その中身を一体どう受け止めているのかをお伺いしたいと思います。
2番目に、なぜ小規模校はいけないんでしょうか。この問題は、第1回目の統廃合の中でも大きな争点になって、論争のもととなってきました。今、小規模校こそすばらしいというふうに私は言いたいと思います。それは、先ほど申し上げたように、山積している問題、不登校だとか、いじめだとか、そして体罰の問題だとか、そして子供たちの学力の問題も含めて、小規模校で一人一人の子供たちを大切にして、没個性教育や受験戦争の弊害からの脱却を図る、そのことが今この数年間の中で求められてきた新しい課題なんじゃないでしょうか。これは、第1次統廃合を行ったときの背景とは違っています。ここ3、4年間の間で、荒川の議会の中でも大きく問題になった登校拒否の問題を初めとして、先ほど申し上げたような、いろいろな問題が学校現場にはあるんです。その結果、親たちも子供たちも、学校や教育に不信感を持っているというのが現状なんです。
そういう中で、小規模の学校、これがなぜいけないのか。このことは、きのうの一般質問の中でも言われましたけれども、今新しい問題になっていることなんです。
荒川の小中学校が与えられている、たまたま小規模になってきたというような、その条件を生かして、一人一人の子供を大切にする教育が本当に求められているときなのではないでしょうか。これは、統廃合と、私が先ほど挙げたさまざまな教育現場の問題とが矛盾しているということの一つのあらわれです。
1つ例を挙げてみたいと思います。埼玉県の大規模校から荒川区のある小規模校、中学校ですが、そこへ転入してきた体育の教師のお話です。この先生は、最初あまりにも中学校が小規模なので、戸惑っていたようなのですが、しばらくしてお母さんに言ったそうです。「最近子供が本当にかわいいと思えるようになりました」。このことは何を物語っているんでしょうか。マンモス校では生徒を、一人一人個人として認めたり、かわいがったりすることができない。子供の個性を認めることができない。そういう中で、教師と子供の信頼関係も失われていっているんじゃないでしょうか。不登校の問題の中にもこういうことの芽は見ることができると思います。なぜ小規模校ではいけないのか、この問題について改めてお伺いしたいと思います。
そして、3番目には、タイムリミットを決めて見切り発車するというやり方です。もう既に第2次統廃合の期限については明確に指定をされています。しかし、今回の第2次統廃合の中でも、各小学校・中学校で行われた説明会の中で、とりわけ町屋の中学校2つ、そして第一峡田小学校などでは非常に強い反対の意見が出されたということが明らかになっています。これは文教福祉委員会でも報告を求められて、教育委員会が反対の意見が強いということを率直にお認めになっている。そしてまた、ある中学校の説明会の中で御答弁をなさった教育次長が、きょうの説明会のみんなの感触をどのように受けとめますかという質問に対して、おおむね反対というふうに受け取っています、中にはうんと小規模化が進んだら仕方がないんじゃないかという意見もありますがというふうに総括なさっているそうです。
こうした状況があるにもかかわらず、なぜ第1次統廃合であれだけ混乱を引き起こしたようなタイムリミットを決めて見切り発車するやり方をとるのでしょうか。このことを改めるつもりがないかどうか、3番目にお伺いします。
そして、4番目ですが、校地拡張できなかったひぐらし小学校が今どんなに不都合な学校になっているか、このことを申し上げたいと思います。
校地拡張ができなかったひぐらし小学校、もしあのとき校地拡張を待って、校地拡張が終わった後で設計をしたのならば、全く別の向きの、全く別の仕様の学校が建っているんですね。この中で、設計上もいろいろな問題があり、そしてものすごく急いで学校を仕上げたためにいろいろな矛盾が起きています。学校のお母さんたちから聞いた話だけでも、いろいろなところにわけのわからない段差がある。そして、水飲み場が保育園の子供のためのように低い。御存じのように、小学校6年生ともなれば、もう相当のいい体格をしています。小学校1年生でも低いもの、そういう水飲み場に上向きの蛇口がついていない。子供は腰をかがめて蛇口から水を飲んでいるそうです。こうした水飲み場。ドアノブも大変低い位置にある。一体何を考えて設計したんだろうか、こんなことがお母さんたちの中からも出ています。そして、風通しの悪い体育館。あいにく体育館には冷房がついておりませんので、この暑い体育館で、地域の方たちも、多目的利用と言われる中で学校を使わなければなりません。そしてカーテンが閉まらないというような問題もあるのだそうです。なぜか閉まらないカーテン。これはカーテンを閉めるところに手が届かないからだそうです。
一体こんな学校を何でつくったんでしょうか。見切り発車の問題もありますけれども、ゆっくりと校地拡張を待ち、そして校地が確定した後に設計を進めるということで、こんなことにならずにクリアすることはできたのではないでしょうか。このことで、鉦や太鼓入りで教育委員会が行ってきた多目的利用、地域に開かれた学校ということにも大変な困難が生じているそうです。こうした管理上の責任、不行き届きはすべて学校側の管理責任になる。ですから、学校側は大変です。開かれた学校というふうに言ってきましたから、たくさんの団体が、体育館を使いたい、あの教室を使わせてくれ、オープンスペースはどうだろうかなどと言ってきます。ところが、こうしたことの管理上、入り口が別なわけでもない。管理体制が別なわけでもない。普通、多目的利用だとか、そういうふうに言われる学校というのは、1階から3階までが学校ならば、4階から上は社会教育施設、または、文京区のように、合築をして高齢者のための通所センターと小学校が同じ敷地にある場合にも、入り口が別、管理も別であります。こういうのを多目的利用と言うんです。
こうした設計上の問題も引き起こしている中で、新しいすばらしい学校を、新校を、統合校を建てるというふうに言っておりますけれども、そんな保証がどこにあるのかお伺いしたいと思います。
そして、跡地利用の問題です。跡地利用を明確にしていただきたい。これまで、第1次統廃合の中でも、一体真土小学校の跡地は、南千住中学校の跡地は何になるのかが、計画上、最初から明らかにされずに進められてきました。この問題は重要な問題です。今回の第2次計画の中で、廃校される小学校や中学校の跡地を何に利用されるのでしょうか、明確にしていただきたいと思います。
そして、冷房校舎、南千住第二中学校の冷房の問題は毎日新聞にも報道されました。子供が冷房をぜいたくだなんて言うけれど、どこの家庭にだって冷房がついているじゃないかというふうに学校は言っています。そして教育上、授業に集中するためにも冷房が必要なんだということが言われています。本当にそうでしょうか。私は冷房校舎は子供の健康を破壊するものだというふうにはっきり言っておきたいと思うんです。大体今の冷房は行き過ぎです。省エネだとか言いながら、何でこんなにがんがん冷やす必要があるんでしょうか。そうした大人の社会を子供の学校にまで持ち込んでいくことは、子供の健康上の大問題だということが小児科医からも指摘されています。ぜいたくだとかなんだとかいう問題ではなくて、子供の体温調節の問題、健康の問題なんです。こうした冷房校舎はもうつくる必要はありません。このことについてもお考えを伺いたいと思います。
以上6点申し上げました。具体的に御回答いただきたいと思います。
そして、きょうの私の2つ目の質問なんですが、先ほど関議員も申し上げられたように、町屋の中央地区の再開発の今後についてお尋ねをしたいと思います。
9月17日付の朝日新聞、「荒川町屋の市街地再開発、予定の中核店舗出店辞退」という大きな見出しで記事が出ております。皆さんも既に御存じのとおりであると思います。賃貸料の増額が折り合わない、建築費の高騰が直撃しているというふうに書かれています。こういう経過の中で赤札堂が撤退を決めた。大分長い経過があった中での判断のようですけれども、まず第1番目に、この決めた経過の中での問題ということを私は再三会議の中でも質問をしてまいりました。なぜ再開発事業の中に安易に大型店の出店を決めてきたのか。キーテナントというけれども、つまり家賃を払ってくれる人、再開発の保証、担保という角度からしか大型店をとらえていないのではないかという問題についてです。つまり商業行政は置き去り、地元の商業者の方たちに対して商店街振興という立場をとっている区の行政が、一体商業行政の側から、こうした再開発事業の中での安易な大型店出店という問題について、どのような反省を持たれているのか。赤札堂の撤退が決まった今、この点についてお伺いしたいと思います。
2番目に、キーテナントとして予定していた赤札堂が撤退した後、この後、区としてはこの中央地区の再開発事業にどのような方針を持って取り組まれるのか、方針転換の内容について明らかにしていただきたいと思います。
最後に、公共施設としての利用を含む計画変更を積極的に進める考えはないかということをお伺いしたいと思います。
今、荒川区は、きのうの自民党の議員の質問にもありましたように、実に必要な施設に対して土地が不足しています。あらゆる手段を講じなければ必要とされている施設、高齢者の施設を初めとして建設を進めていくことができません。こうした中で、大変高い単価であるとはいえ、最も荒川のまちの中心たる町屋というところに何か重要な、しかもまち全体を活性化させることができる、街づくりの中心となるような公共施設を持ってくる。そうしたことで再開発を成功させていくという考え方はないのでしょうか。積極的な御答弁をお願いしたいと思います。
以上で第2回目の質問を終わります。
区長(藤枝和博)
再開発事業と大型店出店に関する考え方についての御質問に私からお答え申し上げます。
まず、再開発事業でありますが、申すまでもなく、再開発事業は、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用を図って、都市機能の更新と魅力ある都市空間の創出を目指そうとするものであります。こうした再開発事業が行われる場合に、事業成立性等の面から、商業床をつくり、そこに大型店が出店するケースは、大都市、地方中核都市に共通してよく見られる現象であります。
大型店の出店は、既存の中小小売業者からなる地元商業にとって、これまで保ってきた安定と均衡の商業環境に大きなインパクトを与えるものであり、また、道路交通への負荷が増大するなどの、既存のインフラへの影響や地価上昇等、都市問題の面でも地元自治体にとって対応を迫られる問題であると認識しております。
したがいまして、地元商業者みずからの経営努力は言うまでもないことでありますが、再開発事業や大規模な土地利用転換が行われる場合、大型店の進出が予測される時点で、行政の果たすべき役割は多々あると考えております。
いずれにいたしましても、大型店の出店が予想される場合には、法令に基づく出店調整が行われることは当然のことでございますが、区といたしましても、地域の生活者に及ぼす影響などを十分に調査検討し、結果として好ましい状況がつくり出せるように、今後組織的な対応を図ってまいりたいと考えております。
他の質問につきましては担当部長から答弁いたします。
都市整備部長(神原宏司)
私から、2番目の、町屋中央地区再開発事業の今後についてのうち、2点目の、中央地区再開発事業におけるキーテナント出店辞退後の方針変更についてということの御質問のお答えを申し上げます。
ただいまの御質問の中にもございましたけれども、中央地区のキーテナントとして予定しておりました赤札堂が、店舗位置や経済コスト条件等を理由に、残念ながら出店を辞退することになりまして、その後の計画の見直しにつきましては、現在、再開発組合の中で検討を続けておるところでございます。
現在の再開発を取り巻く諸情勢、諸条件を踏まえてまいりますと、キーテナントとして新たに大型店を導入することは非常に困難な状況にございます。こうしたことから、施設建築物の現在の見直し計画につきましては、高層部は従来通りの住宅施設といたしますが、キーテナント用商業施設を予定しておりました中層部分は、主として業務系の施設にかえていきたい。また、低層部につきましては、地権者を中心とした専門商業施設という方向で検討を進めておるところでございます。
今後は新たな基本計画を固めながら、専門商業施設についての地元地権者の合意形成、あるいは業務床の処分等についての検討を進めていく予定でございます。
区といたしましても、この事業の推進に向けまして、より一層適切な指導、助言等、支援をしてまいる所存でございますので、よろしく御理解のほどをお願い申し上げます。
企画部長(浜中清志)
町屋中央地区の再開発に、公共施設として区が入る考えはないかとの御質問についてお答え申し上げます。
改めて申し上げるまでもなく、公共施設の整備、充実は、区民の福祉向上を図るための、区の基本的な責務であります。区民の要望に的確にこたえ、きめ細かな施設の配置を計画化するには、地域バランスや、それぞれの施設の性格に合わせた立地条件、整備に当たっての財源計画及び開設後の運営計画等が必要になります。
町屋駅前地域の公共施設の整備でございますが、整備促進の視点からは、ビルの床を取得するのも一つの手法かと思います。しかし、駅前である立地条件や、床取得に当たっての財源の確保、ビルの途中の階であるために生ずる構造上の制約など、詰めるべき問題も多々ございます。これらの問題点も踏まえ、検討してまいりたいと思いますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。
教育長職務代理者(奥川真弘)
それでは、第2回目の答弁をさせていただきます。
最初に、私学志向等の問題に関する御質問でございますが、最近の私学志向に関する傾向については、先ほどもお答えいたしましたように、教育委員会としても重大な関心を持っているところでございます。今回の調査もそれらを解決するための対策の一つというふうに考えてございます。
それから、2点目の、小規模校の問題点でございますが、小規模校には小規模校だからこそできる教育現場の利点もございます。しかし、また、小規模校では到達達成できない教育上の大きな目標があることも事実でございます。
学校に配置される教員の数は学級数を基準にして定められておりまして、特に中学校においては、教科担任制をとっていることなどから、教育活動を行う上で大きな要素となっているわけでございます。時間がありませんので、これ以上の論議は省略いたしますけれども、教育効果を上げるためには、この点からもやはり適正な学校規模を確保していく必要があるものと考えております。
それから、3点目の、統合のスケジュールでございますが、統合につきましては、小規模校の現状と今後の児童生徒数の推移等にかんがみまして、早急に実施すべきであると考えております。統合の時期につきましては、第1次事業等の経験をもとにしまして、統合の準備に必要な期間を考慮して設定したものでございます。
4点目の、ひぐらし小学校の校地拡張の問題でございますが、ひぐらし小学校の用地の取得については、鋭意努力してきたところでございますが、相手方との交渉もあり、これまで実現しなかった経緯がございます。今後とも最善の努力を図ってまいりたいと考えております。
それから、5点目の、真土小学校跡地利用の問題でございますが、旧真土小学校跡地につきましては、登校拒否児生活相談室の設置や、老人センター、福祉作業所などの建てかえの一時利用、暫定使用に充てているところでございます。
第2次計画案実施に伴う跡地活用計画案につきましては、計画案の見通しを立てた上で早急に検討していく必要があると考えております。
それから、冷房の問題でございますが、今日では家庭にもクーラーが広く普及しており、日常の生活においても冷房は一般化しているのが現状でございます。空調設備を備えることによりまして、快適な環境の中で授業を行うことができるものと考えております。冷房に伴う身体への影響等の問題については、温度調節などその適切な運用が必要であると考えております。
斉藤ゆうこ
今のような答えでは、教育委員会、全然反省がないんですよね。私は、地域に根強く存在している公立小中学校不信と、そして荒川の教育に対する不信ということを取り除くことができるような教育を進めるということが、今一番問題にされていることでしょう。
統廃合は不信を増大させるだけです。何か問題が起これば、それをきっかけにわっと反発が起こってくるというのは、その背景に教育に対する不信があるからなんです。そのことをおわかりになっていないというふうに感じます。
まず計画を凍結して、反対の意見をきちんと聞いて、そして改善すべき教育内容に真剣に取り組むべきであるというふうに思います。そして、学校は子供たちだけのものでないというようなことを説明会の中でも繰り返し言っておられるようですけれども、私はまず子供たちのことを考えてほしいと言いたいと思います。
もちろん、高齢化社会で、お年寄りの施設の問題や、さまざまな問題があります。でも、仮に土地がないという中で、教育以外の施設との合築だとか、多目的利用だとかいう計画を考えていられるのではないでしょうね。その辺のことも含めて、跡地利用や、そしてどういう学校を建てるのか、なんのためなのか、その中で子供は一体どうなるのか、そういうことを真剣に考えていただきたいということを申し上げておきます。
町屋の再開発については、御答弁いただきましたが、やはり商業者のことも考え、トータルな街づくりということを考えた自治体の姿勢というのが今最も必要なときです。区長にはぜひ、よその自治体で取り組んでいる総合的な街づくりの中での商業集積のあり方、そして、地域の業者の活性化の問題、そうした問題を真剣に考えて、荒川区らしい施策をとってほしい。そして、再び、二度と、再開発事業の中に家賃を払ってくれる人として安易に大型店を持ち込む、こういうようなことは今回のようなことにつながります。反省をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。