河内ひとみのあらかわ日和

2014年12月3日 2014年11月27日

斉藤ゆうこ

 私は、あらかわ元気クラブとして、4点にわたって質問をいたします。区長と理事者の皆さんのわかりやすい答弁をお願いしたいと思います。
 この7ヵ月間、世界を揺るがし、また、日本国の進路をも揺るがした中東湾岸戦争は、戦闘が中止され、停戦の状態に入りました。しかし、戦後の復興だとかパレスチナ問題の解決を含めた中東地域の平和と安定をどうするのかという問題は、まだ未解決のままです。藤枝区長が施政方針説明で述べられたとおり、経済や区民生活への影響から見ても、こうした問題は密接に地域社会と結びついています。平和は地方自治の基礎であります。平和がなければ地方議会もありません。私も、一自治体議員として、ここにおいでのすべての皆さん同様に、今回の戦争に心を傷め、日本の進路を憂えてきました。
 では、どうしたら中東に真の平和が訪れるのでしょうか。私は、決して大国がちからで押さえつけるようなやり方では問題の解決はないと思います。イラクのクウェート侵攻という、同じ民族同士、2国間の問題であった地域紛争、それに介入し、世界を巻き込む大規模な戦争にしてしまったアメリカの責任をなぜ誰も追及しないのでしょうか。イラクという人口1700万の国家に対して、地球の裏側から50万人もの軍隊を派遣して包囲し、同盟軍を募り、他国に資金を出させ、国連を使ってまで戦争を拡大したのは、正義のためなどではなく、アメリカの石油支配のためではありませんか。
 我が国が、原油輸入の70%をペルシャ湾に依存する国だからこそ、中東のすべての国々と平和的で互恵平等の友好関係をつくるという当たり前の外交をする必要があります。それには、アメリカに追随して中東の人々のものである石油を力ずくで押さえて手に入れる、そういうことではないはずです。
 石油や金やダイヤモンドや木材など、資源の豊かな第三世界の人々は、これまで数百年にわたって列強に押さえられ、貧しい生活を強いられてきました。地球上で圧倒的多数の第三世界の人々の犠牲の上に成り立つ反映はそう長くは続かないでしょう。大国による力の支配などという時代おくれな幻想は捨てて、中東諸国の人々と互恵平等の関係をどうやってつくるのか、それをつくることこそ、資源小国日本の進むべき道ではないでしょうか。日本はアメリカに意見する国にならなくてはなりません。国際化ということが繰り返し言われてきた私たちの自治体や議会ですけれど、民族、風習の違う人々への理解はこんなときにこそ試されます。平和なときは国際理解、戦争になったら第三世界蔑視ではだめですよね。
 とにかく、今回の戦争は我々に大きな教訓を残しました。地方自治の基礎である平和を築くため、日本の国がどの道を進むべきなのか、真の中東貢献、平和外交について、地方議会の中からも議論が必要であると思います。

 さて、今回の私の一般質問ですが、この4つのテーマはすべて「元気クラブのいきいき町づくりシンポジウム」として、昨年の8月から4回にわたって開いてきたものです。このシンポジウムでは、荒川の本当の活性化、荒川らしい発展とは何だろうかということで、区民の皆さんが専門家を交えて熱心に議論しました。この中で出されたさまざまな意見や疑問、もっとこうしたらという積極的な提言を踏まえて、私の質問をしたいと思います。
 まず第1番目は、区内の多数派とも言える商工業を営む小さな自営業者の皆さんへの支援策についてです。まず、小規模工場や家内工業を営む人々への支援策について伺います。
 地価高騰、工場も住居も狭い、立て替えにもいろいろ規制があってできない、第一お金がないというふうに、荒川区内の小さな工場、作業場を抱える方々の悩みは深刻です。もともと不況に弱く、厳しい状況にさらされやすい立場の下請企業、零細企業ですが、工場、作業場と住居の老朽化、作業環境の悪さが従業員の人手不足にもつながっていくなど、立地や建物、設備の面でのプレッシャーは大きく、転廃業の引き金にもなっています。東尾久だとか荒川のまちを歩くと、本当に小さな工場がひしめき、有機溶剤の臭いが立ち込めていたり、暗いところでの作業を続けていたり、切り子や粉じんが舞っているような中で一生懸命働く人の姿があちこちに見受けられます。産業の活性化と言うと美しいですけれど、荒川ではちょっと手を貸してあげればどんどんのびるという企業もさることながら、こうした圧倒的多数の本当に規模の小さい工業者の実情を知り、支援に取り組むことがまちを変えることではないでしょうか。そこで、工場、作業場と住居の両面から小さな工業者を支援し、経営基盤の充実を図っていくための施策について質問します。
 品川区、大田区、北区、板橋区、墨田区など、23区の中で工業集積率の高い区では、既にどこでも実施している工場アパート建設について、区はどのような計画をお持ちなのでしょうか。ちなみに、荒川区は23区中、墨田区に次いで2番目に工業集積率が高く、33%強であることから考えれば、既にもっと早く実施していてよかった施策であると思うのですが、なぜこんなにおくれたのか、どうやっておくれを取り戻すつもりなのか。また、実効のないことをやってもお金の無駄遣いですから、ポイント、つまり荒川区での特色は何だというふうに考えていらっしゃるのでしょうか。私はこの4年間、小規模工場の経営者や従業員の方、家内工業の方たちから異口同音に、「荒川区にはこういう事業はないの、やらないの」と質問されてきました。きょうはぜひとも具体的な計画を伺いたいと思います。
 また、荒川区の場合は、工場といっても規模が小さく、住居と作業場がくっついているのが特色で、まさに職住一致です。こうした状態を考えて、隣の工場と共同で建てかえをして、その上を住居にしたり、平面的にも共同化して職住の環境を改善することも可能だと思いますが、いわゆる工場アパートだけでなく、荒川の特色を踏まえて、住むことと一体化した建てかえ支援などはできないものでしょうか。
 さらに、作業環境の面ですが、換気、照明や採光など、安全衛生面での改善も急務だと見受けられますが、現行どのような対策をしているのでしょうか。区民の健康づくりが言われる今日、働く区民の皆さんの健康問題としても見過ごしにできない問題であると思います。産業経済の中に健康を位置づけて検討し、実情に合った支援策を急いで行う必要があると思いますが、いかがでしょうか。
 商業の問題についても質問します。地域小売商店主の皆さんが、後継者問題に悩まされながらも生き残りに必死に取り組み、地域のお客さんとともに心の通う商店街づくりをやろうということで頑張っている、それはもう言うまでもありません。しかし、昨年5月の大規模小売店舗法の規制緩和に次いで、今国会で行われようとしている法改正は、前回の措置を一層進める第2段階として位置づけられており、2年後の大店法見直しが明記されようとしていることも含めて、地域小売業者の方々の努力に対する政治的圧力となり、転廃業に追い打ちをかける結果になることがもう既に予測されています。
 こうした措置と引きかえに、「大店法改正に伴う商業基盤の整備」として、約100億円の予算が組まれています。しかし、私の友人のある商店主は言っていました。「この補助金を商店主への弔慰金、商店街への花輪にしてはならない」と言っていました。そんなふうに言っています。補助金だけで問題が解決していないということを強調しているわけなんです。
 今回の質問で、私はあれこれの商店街に対する補助だとか支援の細かい内容を伺うつもりはありません。融資にしろ助成にしろ、それはそれで積極的にやっていただいたらいいと思いますが、もっと根本的なところでの自治体としての姿勢を伺いたいのです。つまり、今回の中間答申で言われている「地方公共団体の独自規制の抑制」ということに対し、区としては一体どう対応するのかという点です。いわゆる横出し・上乗せ規制は、国の基準を上回って自治体が要綱等を設け、まちの商業者の方たちへの公正な商売の環境を守るということのみならず、交通渋滞だとか景観、まちの環境そのものを維持していく、そういう主体性を示したものです。大型店がこれ以上必要かどうかは、我がまちが決めるという姿勢のあらわれなのですが、国はこうした自主規制をすべて違法だときめつけてきています。これは自治体としての自主性にかかわる問題だと思うんです。さっきは国の自主性ということを言いましたけれど、どちらも大切な問題ですよね。
 現在、街づくりの観点から、商業者だけでなく、消費者も自治体自身も、地域生活者としての観点から、自分のまちのことは自分で決めるというルールづくり、つまり街づくり法をつくることが小売商業者の団体間で検討されております。海外視察をしてきた皆さんは既に御存じかもしれませんが、フランスのロワイエ法を初めとして、西欧諸国では既にこうした街づくり法が実施され、大型店のあり方については地域や自治体が厳しいチェックを加えています。大企業に依存しないで発展できるまち、これが荒川の活性化の一つの目標になり得ると私は思います。
 そこで、現在国が出している地方自治体の独自規制廃止の方向とは真っ向から対立することは承知の上で、区長に、これから私たちのまちで大型店の出店の是非を住民の方々の参加のもとに地域で決める新しいルールづくりをするつもりはないか、そしてまた、こうした方向を都や国に対して働きかけていくつもりはないか、あえてお伺いしたいと思います。
 もう1点、これに関連してぜひ見解を伺わなければならないことがあります。それは、町屋中央地区での再開発事業の中で、赤札堂がキーテナントとして出店するという問題です。商業調整としてのみある大店法の落とし穴がこんなところにもあるなと私は痛感したのですが、再開発事業の中で計画された大型店の出店は、他方の、区としての商店街振興や商業政策という面がすっぽりと抜け落ちたまま、いわば再開発の地権者、担保であるという考え方からのみ進められてきたのではないでしょうか。こんな進め方では、近隣商店街から強い反対が出るのは当然のことです。今回の経過について、再開発行政の側は商業政策、大型店の影響という点から検討が欠けていたということをどのように考えておられますか。反省すべきこと、また、今後どう対応していくのかについて、見解を示してください。

 次に勤労者も、高齢者、障害者も住み続けられる住宅政策について質問します。
 私たちが開いたシンポジウムの中でも、広くどんな層にも関心が高かったのは、やはり土地・住宅政策でした。今回の一般質問の中でも、多くの同僚議員が取り上げています。いわば住宅政策の立ち上がり期であるので、当然のことと言えますけれど、私は今後策定される住宅マスタープランの中で、区民がこのまちに住み続けられる住宅政策をどのように考えているのか、荒川区の特徴を踏まえた構想を伺いたいと思います。

 3番目は、消費者行政の充実とリサイクル推進についてです。
 リサイクル事業についてなんですが、今年度の予算の中には、分別回収の実施、3町会をまずモデル町会として週1回の回収を行うということになっているようですけれど、具体的な計画はどのようなものなのでしょうか。回収品目や体制はどうなっているんでしょうか。まだ明らかになっていないと思いますが、具体的にお示しいただきたいと思います。
 それから、荒川7丁目にリサイクル活動推進センターをつくるという計画のようですけれど、リサイクル事業への高い関心、そして環境問題への区民の意識の高まりを考えたとき、リサイクルのみに限定せず、消費者行政の充実と、消費者団体の活動の拠点としての消費生活センターをつくるところへ連動させていくようなお考えはないのでしょうか。この2点を伺いたいと思います。

 最後に、教育行政です。統廃合よりも、登校拒否を出さない学校づくりについて質問します。
 7月からオープンする旧真土小学校の空き教室を利用した生活相談室についてなんですが、登校拒否や統廃合の子供たちへの生活相談室という名前になっていますけれど、今行われている九中のオープン学級とどのように違っているんでしょうか。現在問題なのは、短期間の登校拒否の子供たちは比較的この九中オープンへ通い、その取り組みを通じて早いうちに学校に戻れるという効果が上がっている。ところが、登校拒否が長期化してしまった子供たち、まだ登校拒否が出始めの頃に対処を誤ったために大変深刻な事態に陥って、何年間も学校に行かれないでいるような子供たちの問題については、単にどこかの過程を経て早く学校へ戻したいというような指導だけではどうしても効果が上がらないという問題があります。
 今、長期化している子供たちは、地域や家庭の中でも孤立して、居場所がないということが悩みになっているんです。こうした子供たちに対して、単なる、義務教育であるから何とか学校へ戻さなくてはいけないということだけを眼目にした指導ではなく、子供たちの居場所、長くこの子供たちを見て、最終的に学校に戻れるということはあっても、焦らずに指導して、子供たちの悩みに相談に乗ってあげられる、そんな場所が必要だと私は思うんです。生活相談室がぜひそのような場所になってほしいというのは、深刻な不登校の子供たちを抱えた親たちの願いだと思います。どんな場所にこの生活相談室がなっていくのでしょうか。単に子供を学校へ帰すという目的に追われるのではなく、長期的な視野で、場づくりをしてほしいと思います。
 そして、そのことと同時に、教職員の問題があります。現在、退職校長を登用するというようなことのようですけれども、それだけではなくて、教員の中からやる気と熱意のある人を募集すること、そして、区の職員の中でも、福祉関係や保育所や学童クラブの職員など経験のある人たちを登用することはできないのでしょうか。何も教員に限ったことはないと思います。そして、お母さんたちの中だとか、地域の中から民間のボランティアを登用するなどということは考えられないのでしょうか。いずれにしても、子供たちを本当に指導するということの重要なポイントは、人の要素です。教職員をどんなところから採用するのか。そして、教員という資格に限らず、どんな人たちでこの生活相談室を運営していくのか。お母さんたちと相談する体制はどうしていくのか。そのようなことについて具体的な見解を伺いたいと思います。
 以上で質問を終わります。

区長(藤枝和博)

 区立住宅等検討調査についての御質問にお答えいたします。
 近年の地価高騰等を背景といたしまして、深刻化する住宅問題に対し、区としても本格的に取り組んでいく必要があります。具体的には、区立住宅の建設、借り上げ住宅の供給、家賃補助の実施などが考えられますが、いずれの施策も研究しなければならない問題点が数多くございます。
 例えば、一般区民を対象とした区立住宅を本格的に整備していくことにつきましては、財政負担、用地取得の可能性、借り上げ住宅や家賃補助など他の施策との効果の比較など、総合的に検討していかなければなりません。
 また、用地取得や費用などの点で有利な借り上げ住宅につきましても、入居に伴う公平性の確保など、実施に当たっては困難な課題も少なくありません。
 家賃補助につきましても、他区での実施例はありますが、同様の問題がございます。
 区立住宅等検討調査は、こうした問題点について調査検討していこうとするものでございます。4年度に策定を目指しております住宅マスタープランとの整合性を図りながらまとめていく所存でございます。よろしく御理解を賜りたいと存じます。
 他の質問につきましては、関係部長から答弁いたします。

地域振興部長(中村昭雄)

 小さな自営業者の活性化の支援についての御質問にお答え申し上げます。
 御案内のとおり、荒川区は、大工場とその周辺に立地した中小零細企業と、そこに働く人々の住宅を中心とした住工混在地域として、産業の発展とともにありました。
 荒川区では、街づくりに当たっては、住工混在の実態と利点を重視し、総合環境と住環境の調和がとれる方向を目指して進めていくべきであると考えており、従来より、作業所の改善等につきましては融資制度の充実等に努めてきたところでございます。
 さらに、平成2年度におきましては、東京都と協力して、町屋地域において「住工混在地域総合整備モデル調査」を実施し、来年度はその整備計画の策定を行い、住工の調和のとれたパイロット施設の検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、大型店の出店は地域が決めるシステムづくりをとの御質問でございますが、いわゆる大店法は、消費者の利益保護に配慮しながら、大型店の事業活動に規制を加えて、大型店周辺の中小小売業の事業活動の機会を適正に確保するため制定されたものでございます。大店法では、出店予定者は、中小小売業者、消費者に事前説明を行い、国や都はその実施内容を随時報告させ、また、必要に応じて出店予定者、中小小売業者、消費者から意見を聴取することになっており、地元の意向が取り入れられ、地元の意見が反映される機会が確保されていると認識しているところでございます。
 また、国におきましては、昨年5月の「大店法の運用等の適正化」通達におきまして、地方公共団体にすら行き過ぎた規制の是正を求めているところでございます。したがいまして、御質問にございます、大型店の出店は地域が決めるというシステムは、この大店法の趣旨を逸脱するものとなると考えられます。
 いずれにいたしましても、区といたしましては、区内の中小小売業者の方々を支援していくことが極めて重要であると考えておりますので、今後大型店の出店に際しましては、影響度調査、関連の融資、商店街振興のための専門相談員の派遣などの施策に積極的に取り組んでいく所存でございます。

地域振興部長(中村昭雄)

 次に、リサイクル推進についてお答え申し上げます。
 リサイクル推進事業につきましては、単に資源の有効利用といった立場からだけでなく、地球環境を守るという観点から、行政として全力を挙げて取り組むべき重要な課題であると認識し、平成3年度より区内にモデル地区を3ヵ所選定し、町会等の御協力をいただいて、アルミ缶、瓶等を対象に分別収集を行うものでございます。収集は、区から委託された業者が巡回し、回収を行うものでございます。行く行くは、モデル地域での実施状況を見ながら区内全域に広げていきたいと考えております。
 次に、リサイクル活動と消費者問題は密接な関係がございますので消費者センターとリサイクルセンターを一体的に設置すべきであるとの御意見でございますが、消費者センターにつきましては、検討すべき課題も多々あり、一方、リサイクルセンターにつきましては、その対応の緊急性から、独立して設置するものでございます。よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

都市整備部長(小山陽山)

 私から、小さな自営業者の活性化を本気で支援し、大企業に依存しない街づくりのルールについてのうちの、町屋駅前地区再開発事業の商業施設についての御質問にお答えいたします。
 町屋駅前地区の再開発は、みずからのまちをみずからの手でつくるべく、地区内の商業者や地権者が主体となって立ち上がり、今日に至っているものでございます。
 再開発の目標としまして、良好な居住環境の形成、防災性の向上、道路など公共施設の整備、新しい魅力のある商業施設づくりなどを目指して計画づくりが進められてまいりました。
 商業施設に関しましては、近隣の商業関係者などの意見を聞くため、施設の計画段階に説明が行われ、その後も周辺住民への説明会が催され、商業施設も含む整備計画内容で都市計画決定がされております。
 核となる商業施設の具体的出店者につきましては、準備組合の段階より出店に関する意向調査を重ね、詰めてきたものであります。現在、区内商店街の方々に出店計画の説明を行っているところでございます。
 今後、周辺商店街との話し合いを進め、その上で、核となる店舗が円満に出店することが望ましいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

教育長(風巻磊蔵)

 私から、登校拒否を出さない学校づくりに関しましての、旧真土小学校に開設を予定しております登校拒否児生活相談につきましてお答え申し上げます。
 児童生徒が、生き生きと明るく、意欲的な学校生活を送ることは、区民だれしもの願いでありまして、また、その実現に向けまして努力しておるところでございます。
 教育委員会といたしましては、すべての教師が児童生徒理解を基本にした教育相談的手法を身につけ、適切に指導することが肝要であると考え、従来から、スクールカウンセラー講座や、学校教育相談員に対する研修会などの充実を図ってきたところでございます。
 しかし、近年、本区においても登校拒否の児童生徒が増加の傾向にありますことは、まことに憂慮すべきことでございます。御承知のように、本区には、登校拒否の児童生徒への対応といたしまして、第九中学校にオープン学級を設置しております。これは、学校の集団生活になかなかなじめないという子供たちに対しまして、その抵抗感を除去して、安心してゆったりと勉強できるようにし、最終的には集団生活に復帰できるようにするという趣旨で設置されているものでございます。これまで、オープン学級は、都内に設置されている10数校の中でも先進的な例といたしまして、貴重な実践を積み上げてきておるところでございます。
 しかし、最近は、オープン学級の小集団にも抵抗感を持ち、家に閉じこもりがちな子供たちもふえてきております。このことにかんがみまして、本区教育委員会では、このたび旧真土小学校校舎に仮称荒川区立登校拒否児生活相談室を開設する予定としております。これは、オープン学級の前段階として位置づけまして、相談員が登校拒否の児童生徒の各家庭を巡回したり、相談室での読書やスポーツなど自発的な遊びや学習を通じて、閉ざされた子供たちの心を解きほぐし、最終的にはオープン学級や現籍校に入級、復帰させることを目的としております。
 実際に相談員が指導するに当たっては、児童生徒との豊かな人間関係を育て、児童生徒の外面的・内面的適応の調和に配慮することが必要であり、担当する相談員の役割は大変重要であります。そのために、相談員に対しまして登校拒否児童生徒の内面的理解を進めるためのカウンセリングの技術、また、集団生活の適応指導のあり方等についての研修を実施し、相談員が個々の児童生徒に対して総合的な立場から対応できるようにしていく所存であります。
 また、この生活相談室の運営につきましては、教育センター教育相談部、オープン学級、各学校・家庭関係諸機関との連携を十分に図りながら鋭意進めてまいる所存でございます。
 今後も、各学校の教員の指導力の向上をなお一層推進するとともに、登校拒否の問題に対する調査研究を初め、効果的に施策の実施に努め、学校、家庭、地域、関係諸機関の間に効果のあるネットワークづくりを進めてまいる所存でございますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

斉藤ゆうこ

 本当に今の答弁で終わりなんですかね。私、びっくりしちゃって、ちょっと立つ気がしなかったんですけれど、小さな自営業者への支援策にしても、住宅政策にしても、「今の段階では」というふうに言っておきましょうか、大変通り一遍ですよね。住宅政策の方は、まだこれから具体的に検討されていくと思うんですけれど、何といっても、荒川区がどういう状況なのか、住み続けたいと思っている人の実態はどんなふうなのかということを調べないことには、区の住宅マスタープランというのもつくられていかないんじゃないでしょうか。その中で、先ほど長々私が時間を費やして申し上げたような小さな工業者の方、そういう方たちへの住宅政策と一体になった政策が必要だということを重ねて申し上げておきたいと思うんです。

 そこで、大店法問題のところなんですけれど、もう一度区の見解を求めたいと思います。大店法を逸脱するからそういう趣旨のことはやれないということはわかっているんですよね。私はそれはわかって質問しているわけなんですよ。大店法を逸脱するかどうかということを聞いているわけじゃありません。これからの方向性として、通産省が一手に出店についての権限を握ってしまうというやり方でいいのかどうか。地方自治体がそういうことをやって、まちの自主性をじゅうりんされていいんですかって聞いているんですよ。区長は一体その辺はどうお考えなんでしょうかね。だから新しいルールとして街づくり法のようなことが検討されているし、西欧もそうやってきた、じゃ、私たちの街づくりの上で、どういうふうにしていくのかということ、そういう角度から、権限を自治体に委譲するということを含めて、自治体の方は主張していくべきなんじゃないか。そういう姿勢をお伺いしているんです。改めて答弁をお願いします。

 それから、町屋の問題なんですけれど、あまりにちょっと反省がないんじゃないですか。こういう、通産省が一手に商業調整の権限を握っている、再開発は再開発で全く別にやられている、こういう行政だからこそ、まちの中で今回みたいなとんでもない矛盾が起きるんですよ。それで事業が、式部さんがおっしゃったように停滞するわけなんですね。だから、方や再開発行政、もう片一方で経済課があり、こっちに再開発課があり、それが何の話し合いも-したかどうか知りませんけれど、商店主の方たちの意見も最初の段階で聞かず、再開発事業なのですということだけで大型店を呼び込んでしまったということがこういう問題を引き起こしているわけですね。今後どうするんですか。反省はないんでしょうか。もう一度答弁をお願いします。

 それから、リサイクルの問題なんですけれど、さっきちょっと気になったんですけれど、「アルミ缶、瓶等」なんていう言い方をしていますね。なぜこの品目が定まらないんですか。例えば、目黒なんですけれど、私たちが「いきいき町づくりシンポジウム」で目黒の行政の方を呼んで話を聞いたときには、目黒区はものすごい調査をしているんですね。それで、目黒区では、古紙の問題では、集団回収では市民レベルで5割が回収されている、アルミ缶はたった3%しかやられていない。でも、アルミ缶というのは御存じのようにリサイクルの効果が非常に高いものなんですね。ボーキサイトという資源は非常に貴重です。そういう中で、アルミ缶と瓶という、非常に効率は高いし、やるべきなんだけれど、市民レベルでやられていないことを行政が分担しようじゃないかということになったわけなんです。ここで行政の役割、民間とは違って、何を民間にお任せして市民にやっていただいて、何を行政がやるのかという、役割分担の方針がはっきりしているわけなんですよね。このことが一つ。その辺の役割分担のことをどう考えているんでしょうか。
 それから、ここではさっき私、体制と聞きましたけれど、住民と業者と学識経験者のアドバイザーが入って、どうやったらリサイクルをやりやすいか、時間は、場所は、出し方はという細かなことまで、リサイクル活動推進協議会というのをつくって仕事を推進しています。これが住民の側の実行部隊になっているわけですね。この方たちはボランティアですけれど、大変な努力をされています。こういう組織をつくって仕事を進めないとだめなんじゃないかと私は思うんです。緊急課題ということでやるのはいいんですけれど、どの品目を選ぶかということに対しても、研究しているのかどうか疑わしい。何しろ流行でリサイクルをやらなきゃいけないからセンターをつくっちゃうんだというようなことではないのかと、ちょっと疑ってみたくなるような姿勢なんですけれど、一体どういう調査検討をして品目を選んだのか、その中での行政の役割というのは何だと思っているのか。民間と分担して、行政が公にやるというのは何だと思っているのか、その辺をはっきりしていただきたいなと思います。もう事業は始まっちゃうんですからね。
 それから、登校拒否児童の生活相談室については、先ほど申し上げた区の中からの人員の登用、教員に限らないですよね、福祉関係の専門家だとか、保育園の保母さんだとか、学童クラブの指導員だとか、いろんな人がいると思うんです。それから、お母さんだっていいんです。そういう人たちを登用してやっていくという方向を重ねてお願いしておきます。
 それでは、2次質問した点についての答弁をお願いいたします。

地域振興部長(中村昭雄)

 まず、第1点の、小さな自営業者の活性化を本気で支援するためのシステムづくりということでございますが、大店法の趣旨にのっとりまして、消費者の利益等も配慮しつつ適正に行っていきたいと、このように考えております。

地域振興部長(中村昭雄)

 次に、モデル事業についてでございますが、この分別収集につきましては、資源ゴミの種類といたしましては、古紙、布類、金属類としてはアルミ缶等、さらに瓶、これらの分別収集を行っていきたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどをお願い申し上げます。

都市整備部長(小山陽山)

 町屋駅前の再開発の商業施設でございますが、この決め方といいますか、計画のつくり方に反省はないのかという御質問でございますが、先ほど、どういう経緯でもってこの商業施設が計画されたかということをお話申し上げたわけでございます。それで、反省という話になりますと、まだ着工していないわけでございますから、できてないものを反省するということは、やめてしまうなり小さくする、あるいはまた別な施設にしてしまう、こういうことになろうかと思いますが、現在のところは、地元の権利者がこういう商業施設を入れた再開発ということでもって周りの方々とお話し合いということでございます。したがいまして、先ほど御答弁しましたように、今後とも円満に話し合いを進めて、その上で事業の実施を図られることが望ましいと、かように考えております。

斉藤ゆうこ

 大店法の問題は大変難しい問題なんですけれど、今のような型どおりの、つまり大店法という通産省が取り仕切っている法律があって、そのことの下請として自治体があるというようなことではなくて、やっぱり新しいシステムで、私たちの自治体が自分たちのまちをどうするのかということの中に、大型店がこれ以上ふえた方がいいのか、そうじゃないのか、総合的に考えるという考え方が必要で、そのうちの一部に商業者の人たちの利害ということが入ってくると思うんですよね。ぜひとも新しいそういうルールづくり、これから出てくると思いますので、区長も、今後そういう既成概念にとらわれずに、まちのことはまちで決めるんだということを自主性を持ってやっていく、そんなことの一つとして、街づくりの中、住民が自分たちのまちをどうするのか、大型店がこれ以上必要かどうかはまちで決めるんだという、そういう意気込みを持っていただきたいというふうに強く要望をしておきます。
 それから、リサイクル事業についてですけれど、やっぱり本当にこんなことで進めちゃっていいのかなと思います。私はぜひリサイクルを推進してほしいという立場で、自分自身もいろんなことを取り組んでみました。瓶を集めるとどうなるのかなとか、アルミ缶を回収するとどういうふうになっていくのかなということも、みずから自分の事務所にポリバケツをおいて実験をしてみました。そんな中から牛乳パックの回収運動なんかが進んできて、みんな意欲的に頑張っていますよね。ところが、行政が今みたいな感じで本当にいいのかどうか、私は非常に疑問です。
 例えば、さっきも目黒区のことをいいましたけれど、どうもブームで行き当たりばったりの仕事をしているんじゃないかなと、言い方は悪いですけど、そんな感じが否めません。目黒では、ごみの内容の調査、それから再生資源業者の方たちが目黒にはほとんどいないんですね。「荒川は条件いいですね」って言われました。こういう方たちとの話し合いをどうやって詰めているんでしょうか。それから、区民団体づくり、そして10カ年計画の予算というふうなことまで立っていて、これは全部事細かに予算が立っているんですね。ですから、そういうきめ細かで計画的な施策をやっているわけなんです。もっと行政と民間の分担ということもはっきりさせた上で、独自の検討が必要じゃないでしょうか。そうじゃなければ、荒川7丁目にリサイクル推進センターをつくっても、区独自の、住民の力を本当に生かして、再生資源業者の方たちにも力をかしていただいた、本当にいい取り組みというのはできないんじゃないかと思います。ぜひ再検討をお願いしたいと思います。
 そして、私はこの質問の締めくくりに、藤枝区政の予算について一言申し上げておかなければなりません。今私が質問したような4項目、どれにもいろいろな予算がついてきます。特に、高齢者福祉だとか、産業振興だとか住宅政策、そして教育と、どれをとっても、人の要素というのは欠かせないと思うんです。でも、実際には、メニューはそろった、高齢者福祉なんかそうですね。いろいろなメニューはそろったけれども、仕事を保障する人、人材がないということが区民からも職員からも指摘されていると思います。こういった点を検討しつつ、住民と行政が意見を闘わせながら、本当のパートナーとなって進める街づくり、時には都や国と争うことも必要です。そんな街づくりを要望して、私の質問を終わります。