河内ひとみのあらかわ日和

2014年11月26日 2014年11月26日

 私はあらかわ元気クラブとして、議案第36号、西尾久ふれあい館の指定管理者の指定についてに反対の討論をいたします。
 私がこの条例に反対する基本的な理由は、指定管理者制度そのものに反対であるということであります。昨年6月の地方自治法一部改正によりまして、公の施設の管理について、指定管理者制度が導入されることとなり、改正前の地方自治法の規定に基づいて管理の委託を行っている公の施設について、3年以内に条例を改正することが地方自治体に義務づけられました。いわば、国によって市場開放を押しつけられたといっても過言ではありません。これによって、荒川区もすべての公施設の事業について、直営かこの制度かという振り分けを行わなければならなくなりました。
 今回の条例は、新設するふれあい館について、荒川区が初めて指定管理者制度を導入するものであります。数ある規制改革のメニューの中で、この指定管理者制度が一気に進んだ背景、動機は、従来の公共事業という大変大きな市場を民間に開放するということだと思います。そして、その最もターゲットとなりそうなのが保育園、学童クラブそして学校などであります。これまでの業務委託でさえ、契約先の人件費、つまりそこで働く労働者に賃金などが幾ら支払われているのかの実態解明は不明でした。情報公開でも、数字は丸投げで、それが本当に労働者に支払われたものかどうかはわかりません。今回の制度でますます不透明になることが懸念されております。
 さらに、指定管理者を選定する際には、厳密な調査と検討が必要であると考えますが、今回の指定管理者の指定について、相手方企業の実績や企業としての考え方などに対する調査、検討は十分に行われたのでしょうか。議会に提供された資料や情報は極めて不十分で、行政としても十分に検討したという跡はうかがえません。直営から第三セクターへ、業務委託、管理運営委託へ、そして貸与、またこの指定管理者制度へと果てしなく広がる民間への仕事の移譲や契約、その中で選定や契約への透明性や相手方の力量に対するしっかりした検討が不可欠です。これをいいかげんにすれば丸投げとのそしりは免れません。特に西尾久ふれあい館の指定については、相手方企業が他区の事業でトラブルを生じていることから本当に大丈夫なのか心配されます。
 私は、ことし3月の予算委員会締めくくり総括質疑で、今後、荒川区としてこの制度にどのように対応されるのか、方針と考え方を伺いましたが、具体的なお答えはありませんでした。また、一昨年の決特の総括質疑では、委託や貸与等に対する評価システムの確立を求めましたところ、検討に入っているという答弁でしたが、まだ具体的な検討結果や新たなシステムは確立されておりません。
 高橋助役の収賄事件で区民の厳しいまなざしの中、契約制度の改革が求められる中であるからこそ、安易な指定管理者制度の導入は認められません。よって、第35号、36号、いずれもに反対をいたします。