河内ひとみのあらかわ日和

2014年11月27日 2014年11月27日

斉藤ゆうこ

 私は、あらかわ元気クラブとして4点について一般質問を行います。理事者の皆さんは率直でわかりやすい答弁をお願いいたします。
 町田区政の10年が終わり、9月17日の選挙で新区長が誕生しました。荒川区における町田区政の10年を一体どう評価するのか、評価の基準をどこに置くのかで、いろいろと物差しはあると思いますが、私は荒川区はこの10年間本当に活性化したと言えるのかどうか、この点を基準に据えたいと思うのです。
 人口減少と高齢化が23区の中で5本の指に数えられる荒川区、そして、産業のまちの中核をなしていた大規模工場の移転の後、ここ数年の円高で何らかの影響を受けた区内企業は約6割、構造不況や地場産業の衰退は区内の中小零細企業にも、商店街にも大きく影を落としてきました。こうした中で、地域の活性化は、政治的立場の違いを超えて共通の課題であり、目標であったし、これからも同じであると思います。
 しかし、何が活性化なのか、この点では明確な対立がありました。東京一極集中が進む中で、情報・金融産業のための街づくりを積極的に担おうとする川の手新都心構想を旗印とし、民間活力導入で開発を進めることが活性化であるとした町田区政に対して、私はこの2年半異議を唱え続けてきました。大企業が参入する再開発プロジェクトの行き着く先は、区内2ヵ所へのリクルートの進出でした。定住対策とはほど遠い、法人ばかりが購入する1億円前後のマンション建設でした。
 そして、こうしたやり方で進められた再開発は、地域を愛し住み続けてきたごく普通の区民を再開発難民と化したのです。これで本当に荒川区の活性化と言えるのかどうか、私たちの区にとって真の活性化とは何なのか、だれが活性化の担い手なのか、真剣に問い直すときであると思います。
 そこで、荒川区の活性化のかぎを握ると思われるいくつかの点について、新区長の見解を伺いたいと思います。
 活性化の担い手、それは区民自身であります。区民が、このまちのよさや問題点について自分たちで考え、どうしたらこのまちを発展させることができるのか、行政とともに行動していく、こんなふうに区民が広い意味での街づくりに立ち上がることができたら、活性化の問題は半分解決したと言えるのではないでしょうか。
 基本構想にもうたわれている「開かれた区政の実現」と住民参加は、一層進められるべき課題であると思いますが、区政に関する情報を広く区民に提供し、区政のチェックや参加を進める前提となる情報公開制度に対する区長の姿勢を改めてお伺いします。
 また、各種審議会、懇話会、委員会などへの区民公募を何らかの形で行っている区がかなりありますが、荒川区でも任命による委員の偏りを廃し、積極的な問題意識を持つ区民の参加を進めるために、公募方式をする考えはないかお尋ねいたします。

 次に、「活気ある産業のまちづくり」として、基本構想に描かれている商工業振興対策と消費者行政について区長の見解を求めたいと思います。
 冒頭に述べたように、円高、地場産業の不振、人口減などによる商店数の減少など、荒川区の商工業を取り巻く情勢は非常に厳しいものがありますが、こうしたことは、中小企業のまちである東京全体、とりわけ下町地域には共通の課題であり、何とかこうした状況から抜け出したい、展望を見出そうと、商工業者も、行政も双方が努力してきたと思います。
 私は、おととしの一般質問で、墨田区の産業振興政策に触れ、荒川区での積極的な対策を求めましたが、今回はお隣の台東区での取り組みを紹介してみたいと思います。
 ここに、隣の台東区の東京商工会議所台東支部、台東区の商店街連合会、そして台東区が共催をしました「台東区商業者生き残り作戦セミナー」というものの報告書があります。大変おもしろい報告書でした。この中身を少し紹介したいと思いますが、88年の9月からことしの2月にかけて合宿研修を含む10回のセミナーを展開して、その中で情勢の分析、そして戦略、どうしたら商業者が生き残れるのか、そうしたことの研究をこの3者が共催して行ったわけです。この報告書は、「昭和63年度小規模企業能力開発事業報告書」としてつくられております。
 この中で、商工会議所の代表はこのように述べています。「台東区内の商業環境におきましても、人口の減少、大型店の出店、後継者難、商店の減少、さらに流通の大きな流れの中で深刻な状況に直面しています。また、4月以降も、消費税の導入、大型店の規制緩和問題等々、商店街を取り巻く環境に大きな変化が予想されます。そのような危機意識の中から生まれてきた発想が今回の台東区商業者生き残り作戦セミナーであるわけです。今回のセミナーの基本的な観点の一つは、商店街というのは、自分たちの問題は自分たちの手で解決していく自力集団、自助集団であり、さらに商店街というのは、自分たちで強い自己主張をしていく集団であるということです。毎回のセミナーではその点を確認し、何らかの形で自店の経営、商店街の運営について考える機会を設定したものとなっております。ともすれば目先の対応にのみ目を奪われがちな中で、時間をかけてじっくり考える訓練をしていく、そうした商店街の経営に役立てられたものと思っております」、こんなふうに商工会議所の代表は冒頭のあいさつの中で述べています。
 そして、この中には、この合宿研修を含む10回の研修に参加した人々の感想が述べられています。「こうした中で、安上がりな安直なノウハウのセミナーを排して、手段や方法よりも、どう考えていったらいいのかということのねらいのもとに行われた新しい試み、これが台東区の商業の活性化にとって大変重要なインパクトを与えた」ということが書かれています。興味を持たれる皆さん、ぜひ読んでいただきたいと思うのです。
 こうした中には、講師に防衛大学の助教授を起用するなど、大変画期的な方法をとっています。主催者側としては、今回のセミナーはがちがちの商店主の頭を刺激し、自分の頭で戦略を考える力を身につけてもらうのがねらいだが、目的はほぼ達成できたと語っているそうです。
 また、浅草の地域では、地域を活性化し、商店街そのものを活性化するために、若手2代目の経営者の任意のグループが誕生しています。この人たちは活発に活動し、行政に提案をし、文字どおり地域を引っ張っている、そうした人々の提案を受けて、行政は積極的にこれを実行している、そんな姿がお隣の台東区にはあります。大いに参考になるのではないでしょうか。
 そこで、商工業行政の基本姿勢についてお伺いします。
 商店街の活性化、中小企業の活性化は、商工業者自身の意欲や立ち上がりが不可欠だと思います。活力が低下している現状では、大変困難はつきものですが、それを克服して、みずからの営業からまちづくりにまで積極的になろうとする商工業者を育成し、援助するための方策がまず必要ではないでしょうか。活性化のきっかけをつかむ方法としてお伺いをしたいと思います。
 そして、そのためには、「ともに考える」セミナーなどの開催で、商工業者の活性化のための学習や啓発の機会を持つべきではないでしょうか。また、若手を中心に問題意識を持った人々と行政とが忌憚なく意見交換ができ、行政の押しつけではない、商工業者自身の発想を大切にした議論を進めるための場づくりが必要ではないでしょうか。こうした内容のことを事業化し、ぜひとも予算措置をとっていただきたい、そんなように考えております。この点についての御所見を伺いたいと思います。
 そして、日米間協議で取り上げられ、方向づけをされている、流通の市場開放と言われている大型店規制の緩和に対しても、行政の意見をお伺いしたいと思います。
 具体的には、これまで期限の定めのなかった出店の際の地元への事前説明期間や、各地の商店街を初めとする利害調整を図る期間を、それぞれ最長8ヵ月以内とし、これまで最悪の場合10年以上もかかっていた出店実施までの期間を原則2年以内に抑えるというのがその主な内容です。こうした大型店の規制緩和の動きに対して、地元の小売業者を抱える自治体としてどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
 そして、産業振興の拠点としてのセンター建設の現段階、今後の計画、基本構想策定の審議会のあり方についても同時にお伺いいたします。
 そして、消費者行政についてです。
 消費者運動が大変低調だとの評価を行政は行っていますが、消費者行政の幅を広くとり、行政側から意識啓発をする必要があるのではないでしょうか。例えば、悪質訪問や通信販売に対して、根本解決のため、行政側からのPR活動をするなど、また、ごみ問題など環境問題についても同様だと思います。こうした意識啓発の取り組みの必要はないかどうかをお尋ねします。
 そして、産業振興センターの中に消費者センターを併設し、行政と消費者団体の活動の拠点とするつもりはないかどうかについてもお伺いいたします。

 次に、緑に関する区の施策と、旭電化跡地の文化教育施設についてお尋ねします。
 荒川区基本構想のテーマは「心ふれあう 活力あるまち あらかわ-水と緑の豊かな暮らし-」となっています。また、基本計画が参考資料としている86年11月の第13回区政世論調査では、荒川区から転出したい人の理由として、住宅事情、公園や文化施設の不足、防災、緑、町並みに大きな不満という点、荒川区に対する評価を寄せています。これからの荒川区に対しては、若い世代では、緑と水と文化施設の整ったまちが望まれている、こんな結果が出ています。まさに緑に関してどんな施策を持つのかが活性化と深く結びついていることを示していると思います。
 先日出された「緑と土のネットワーク計画」策定のための「荒川区自然環境調査報告書」を興味深く読みました。この最後には、荒川区の自然環境の回復に関する可能性と課題、提言がまとめられており、緑の確保と充実対策の検討として、開発用地における土地利用進展の際の緑地の計画的確保が必要として、旭電化跡地と南千住広場での重要性を述べています。こうした内容を踏まえ、区として、緑にかかわる施策を進める上で、旭電化跡地をどう評価し、位置づけているのか、また、回復した自然を跡地利用計画の中にどう生かすお考えかを伺います。
 さらに、区としての緑に対する施策の総合計画である「緑と土のネットワーク計画」策定が準備中という段階で、この10月から都の緑化地区指定を受けるわけですが、今年度の補助金の額と、その具体的使途についてもお尋ねします。
 さて、教育・文化施設についてですが、私は、旭電化跡地によみがえった自然は大変貴重なものであり、これを生かし、一体感を持った教育・文化施設をつくるべきだと考えます。珍しいトンボの産卵が見られ、サギが集まり、昆虫や鳥の群れがそこここに見られる旭電化跡地は、今、全国の熱いまなざしを浴びています。東京の下町荒川区にこんな情景が見られる、荒川区で自慢できるものがこんなところにもあるのです。
 教育・文化施設の素案として、株式会社西洋環境開発の調査を取り入れた内容が提案されておりますが、私はこれに反対です。劇場、商業施設、プール、ホテルなどをひっくるめた都市型文化施設、シティリゾートなどと表現されているこの素案ですが、集客力といったとき、なぜこのような発想しか出てこないのか、これも活性化に関する観点の違いのあらわれです。
 さきに挙げた「緑と土のネットワーク計画」に向けた重点的取り扱いとして、都市生活の中での自然の必要性、自然とともに生きることのできる価値の普及、つまり価値観の形成が大切だと述べています。私は、都有地であるからこそ、子供も大人も、都民が自然環境維持の大切さを学習できるような自然科学資料館などをつくるのがこの場所に最もふさわしく、都民にも貢献できると思いますが、どうお考えでしょうか。

 最後に、婦人問題に関する施策について伺います。
 行政は、女性の自立を助け、参加を進める立場にあるわけですが、荒川区の半分を支える女性たちが生き生きと働き、生活し、区政に参加することは荒川区の活性化の重要なポイントです。88年3月から14回にわたって開かれた婦人問題懇話会がことしの3月提言をまとめました。この場にいらっしゃる皆さんはもちろん全員お読みになっていらっしゃると思いますが、念のために内容に触れてみたいと思います。
 この提言では、男女平等教育の推進、就業環境の整備、そして健康の増進、高齢化社会への対応、地域社会活動への参加促進、学習活動の活性化、そして婦人問題に取り組む体制づくり、女性の登用と、8項目について提案をしています。最後に強調する点として、婦人センターの役割を果たす施設づくりの検討、婦人問題担当の窓口の設置、その他のことが述べられています。
 さて、それではこれからの問題は、この提言を受けて、行政のさまざまな分野に及ぶ婦人に関する施策をどのように行っていくかです。例えば、豊島区においては、85年から87年の2年間、学識経験者、団体の推薦者、一般公募による懇話会を開きました。87年の10月に提言を出し、これは広報の特集号を出して区民にPRをしています。88年の1月には、助役を委員長とする婦人行動計画策定委員会の設置をいたしました。そして、その9月、行動計画の原案を提示しました。89年から10カ年にかけて諸事業を実施するという、そういう内容を持った行動計画です。こうした経過をたどっています。 荒川区では、今後どのように提言を受け、施策を具体化するのか、行動計画づくりが不可欠だと思いますが、どのように考えるかお伺いしたいと思います。
 このような実行を保障する体制づくりとして、国際化・婦人主査を4月から設置していますが、今後の仕事量等を考え、専管窓口として分離、独立させ、婦人対策室へ発展させるよう考えるべきではないでしょうか。お考えを伺います。
 さらに、婦人会館建設について、こうした機能を持つ施設を今後建設する建物の中に併設するお考えはないかどうかを伺います。
 以上4点、御答弁を承りたいと思います。

区長(藤枝和博)

 「活気ある産業のまちづくり」のための商工行政、消費者行政のあり方についての御質問にお答えを申し上げます。
 まず、荒川区の商工業の現状認識と活性化についてでございますが、荒川区の商工業の現状を見ますと、みずからの企業家精神を発揮して、その旺盛な企業活動を活発に進めていると認識をいたしております。
 しかしながら、その反面、活力の低下が見られる企業もあることもまた事実でございます。
 荒川区は、職住一体の産業社会を形成し、発展してきた経緯、あるいは産業の活性化が区民の日々の暮らしを保障し、豊かな地域社会を実現する基礎であるという観点から、従来より産業振興を区政の重点施策の柱として掲げ、その対策に積極的に取り組んでまいっているところでございます。
 また、活性化のきっかけをつかむための施策につきましては、従来より、商工相談、企業診断、さらには融資相談等において積極的に取り組んでまいりました。特に商業においては、「生き生きショップ顕彰事業」あるいは「商店街ジャンプアップ事業」など活性化のための方策を推進してきたところございます。
 こうした施策は、商工業者自身が問題点を厳しく見つめ、新しい土壌づくりを進める機会を提供する、新たな観点からの指導、援助として進めてきたところでございます。
 今後も、本年7月開設いたしました荒川区中小企業プラザにおいて実施いたしております各種の研修、セミナー等の充実を図るとともに、各産業相互、あるいは産業人との交流を積極的に図り、自由な発想のもと、荒川区の産業振興を進める場として提供するなど、区内の産業活動を積極的にバックアップしてまいりたいと存じておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、産業振興センター建設についてでございます。
 産業振興センターの建設は、既に区の基本計画の中に位置づけ、早速、今年度より、各自治体の産業振興施設等の調査を行うなど、その実現に向け歩み始めているところでございます。
 来年度からは、実施計画の中にもございますように、地域の産業人や団体、学識経験者等で構成する「産業振興センター基本構想策定協議会」の設置をしたいと考えております。
 具体的には、区内の商工業者の視点から、産業振興センターの備えるべき機能と施設内容、管理運営方法等について幅広く御検討いただき、荒川区にふさわしい産業振興センターの基本的指針を明らかにしてまいる所存でございます。
 いずれにいたしましても、早期建設に向けまして、用地取得の問題とあわせまして努力をしてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどをお願い申し上げます。
 他の質問につきましては関係の部長からお答えを申し上げます。

総務部長(浜中清志)

 区民に開かれた行政の実現についての御質問にお答えいたします。
 まず、情報公開のあり方についてでございますが、我が区の情報公開制度は、東京都荒川区情報公開条例に基づき、本年1月1日から施行いたしたところでございます。申し上げるまでもなく、この制度は、区民に区の保有する情報の公開を保障するとともに、区民の区政への参加の促進と、区民と区政との信頼関係の強化を図り、もって、公正で、より開かれた区政を推進することを目的とするものでございます。
 制度の施行から現在まで、既に11件の公開請求がございましたが、この間、区民への一層の定着を図るため、区報等を通じて制度の周知徹底を進めているところでございます。
 いずれにしろ、より開かれた区政を展開するために策定した制度でございます。制度の運用に当たりましては、今後も区政を区民の身近なものとする一層の努力を続けていく所存でございます。
 次に、審議会のあり方についてでございますが、既に昭和58年において、条例により設置された附属機関及び要綱等により設置された協議会等について、不要なものの廃止、委員の構成の変更等を行い、適正化及び効率化を図ったところでございます。
 これらの機関は、行政執行の前提として必要な調停、審査、調査等を行うことを職務とするものであり、そのあり方については、専門性及び公平性とともに、区民の意見を徴する他の機会の確保を図りながら、効率的な運営も求められているところでございます。
 構成員の選出方法につきましては、今後、婦人委員の増加等を図り、より一層区民の意見を反映することのできるよう、あり方の検討を進めてまいりたいと考えておりますが、御提案の公募制につきましては、抽選制に伴う問題点等を十分勘案の上、そのあり方について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。

地域振興部長(中村昭雄)

 「活気ある産業のまちづくり」のための商工行政、消費者行政のあり方についての御質問のうち、大型店の規制緩和につきましてお答えいたします。
 大型店は、集客力にすぐれ、商業集積地の核として地域の活性化に寄与することが期待されるとともに、消費者にとって品ぞろえのある店での買い物が可能となり、区民生活にとって種々の利便が期待されると考えております。
 しかしながら、その出店に際しましては、各地域の商店街に対する影響が大きく、当区におきましても同様な状況があったことは否めないところでございます。
 したがいまして、今後の大店法のあり方につきましては、区長会におきましても、国に対し、規制緩和の運用の適正化に当たりましては、中小小売業者の不安を解消し、理解と協力が得られるよう慎重な配慮と対応を要望しているところでございます。
 また、区といたしましても、今後さらに国等の動向を見きわめながら、慎重に対応してまいる所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。
 続いて、消費者意識の啓発と消費者センターの設置についての御質問にお答えいたします。
 区における消費者行政につきましては、物価や食品問題、さらには不当表示のほか、社会的な問題となっております訪問販売等のトラブルの解消と、消費生活にかかわる広い分野での問題に対処するため施策を展開しているとともに、消費者の一人一人の意識がみずからの日常生活の中で高まっていくよう、消費者意識の啓発などを積極的に進めております。
 このため、今後も、賢い消費者の育成や、消費者団体の活動への支援などに務めるとともに、消費者被害の救済問題解決への対応策を積極的に進めてまいる所存でございます。
 具体的には、荒川区中小企業プラザは、産業振興とともに消費生活施策の推進拠点として、消費者相談の実施や消費者団体の活動の場といたしております。また、消費生活展やリサイクル運動、フリーマーケット事業など数々の取り組みを進めてまいっているところでございます。
 次に、消費者センターを産業振興センターに併設したらどうかということにつきましては、産業振興センターを建設する際に検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。
 次に、婦人問題懇話会の提言を受けての行動計画策定と、その体制づくりについての質問にお答えいたします。
 本年3月に、荒川区における婦人問題とその関連施策のあり方につきまして、婦人問題懇話会から提言をいただいたところでございます。
 その内容は、御質問にもございましたように、男女平等教育の推進など8項目からなっております。これらの提言を生かすための計画化と体制づくりについてでございますが、本年4月から文化青少年課に婦人担当主査を設置し、体制の整備を図ったところでございます。
 婦人施策は、区政のあらゆる分野に関係いたしますので、現在、関係各部課の婦人関係施策を調査し、婦人施策の展開を図っていく上での問題点の把握に努めているところでございます。
 今後は、関係各部課と打ち合わせを重ね、基本構想や基本計画、実施計画との整合に努めながら、早い機会に婦人施策の体系化と計画化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、婦人センターの設置につきましては、昨年、生涯学習の場といたしましての町屋文化センターが開設されたことや、本年4月から各地域公共施設を区民に開かれたひろば館としたことなどから、婦人の学習の場や情報交換の場づくりなどでの活用できる施設も多くなってきておりますので、こうした施設での婦人に関しての利用状況などを調査しながら、婦人の地域活動、学習活動の拠点として、また、各種婦人団体相互の連携・交流の場となる施設についても検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

土木部長(小口眞)

 緑に関する区の施策についてお答えいたします。
 緑は、最近話題となっております地球的規模での環境問題から、身近な生活環境を保全するという問題に至るまで、私たちと深くかかわりのある、なくてはならない環境要素であります。
 荒川区では、これまで緑が少ない状況下にあって、積極的に緑化に取り組んでまいりましたが、折しも来月1日には荒川区全域が都条例による緑化地域に指定される運びとなっております。これを契機に、当区といたしましても新たな緑化施策に取り組んでまいりたいと考えております。
 当区では、現在、緑の行政の指針となるべき「緑と土のネットワーク計画」を策定中でありますが、事前調査として自然環境調査を昨年度実施いたしました。その報告書によりますと、当区のように市街化が進んだ地域においても、さまざまな動植物が生息していることが確認されております。特に旭電化跡地においては草原や水辺に生息する動植物が多く確認されております。
 旭電化跡地は、再開発事業が進んでいる白髭西地区とともに、当区にとりましては残された貴重なオープンスペースであり、その早期整備は区民の皆様が期待するところであります。これから造成される本跡地の公園においては、本調査報告書が示している草原や水辺のさまざまな動植物が生息し得る環境を有した緑の拠点として、また、最近とみに区民の要望が高まっておりますスポーツや屋外レクリエーションの場として整備していくことが必要であると思われます。
 当区といたしましては、当跡地における公園が緑の拠点としてより多くの区民の方々に親しまれ、利用される場となるよう、東京都と鋭意協議してまいりたいと考えております。
 次に、緑化地区指定と「緑と土のネットワーク計画」との関連についてお答えいたします。
 緑化地区の指定は、都条例に基づくもので、都の緑化施策の一つとしてなされるものであり、地区の指定に当たっては、基本的には、都が東京都全域を見回した中での緑化の必要性に応じて行っているものであります。
 当区としては、これまで早期に緑化地区の指定されるよう都に要望してまいった次第でありますが、このたびようやく指定の運びとなったものであります。ちなみに、23区中11番目でございます。
 「緑と土のネットワーク計画」は、これまで個別に行ってきた公園の整備や緑化事業等の緑の施策全体を体型づけ、達成目標を明確にすることによって、これまで以上に緑の事業を効果的かつ総合的に実施しようとするものであり、従来から行ってきた事業もこの計画の中で位置づけを明確にするとともに、新しい事業も盛り込み、緑の施策の充実を図っていきたいと考えております。したがいまして、緑化地区指定に係る事業も、この計画の中の緑化施策部門の一つとして位置づけ、推進していくつもりでございます。
 なお、補助金についての御質問でございますが、本年度は5000万円の補助金が参る予定でございます。来年度から5年度までの4年間は、年に400万円が参るということになっております。
 よろしくお願いいたします。

企画部長(青山昌春)

 旭電化跡地の教育・文化施設に関する御質問にお答えを申し上げます。
 教育・文化施設に関する区の素案の考え方は、休む、動く、遊ぶ、学ぶが、都市内にあって自然と触れ合いながら実現でき、体験できる新しい都市文化施設を創造するものであります。すなわち、都立公園と一体化させた整備を目指し、都立公園は荒川区における緑の拠点とするとともに、屋外スポーツやレクリエーションの場として機能させ、また、教育・文化施設は、学習や休養、そしてにぎわいや屋内スポーツの場として機能させる中で、幅広い年代層の人々がそれぞれのテーマを自由に追求することのできる空間としていこうとするものであります。
 こうした考え方をもとに、都立公園では、池や原っぱなどによって構成されるくつろぎゾーンを初めとする4つのゾーンを設定し、また、教育・文化施設では、劇場系や宿泊系など5つのゾーンを設定したものでございます。そして、これらの各ゾーンがそれぞれの敷地にバランスよく配置され、運営されることによって、魅力ある都市文化施設が誕生するものと考えております。
 区といたしましては、旭電化跡地の利用が地域活性化の核となるとともに、荒川区のイメージアップにも資するものと考えておりますので、現在行っております調査や区民の意向を踏まえ、素案を早期に具体化し、東京都とも協議してまいる所存でございます。
 また、こうした施設が実現することによって、荒川区内はもとより、周辺区や千葉県、埼玉県など近接する地域からの集客も期待できるところであります。
 このための交通アクセスの問題等につきましても、今後、素案の具体化とあわせて検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りますようお願い申し上げます。

斉藤ゆうこ

 ありがとうございました。
 文化・教育施設について、今、交通手段などの話が出ましたけれど、水上アクセスというふうなことが言われていますが、一体この展望はあるんでしょうか。車で人が来る場合、駐車施設や排気ガス対策を考えているんでしょうか。都の合意が得られるためには、もっと地に足をつけて考えるべきではないのかと私は思います。旭電化跡地に2つ目のラングウッドは要らないというふうに思います。この悪評高い会員制のフィットネスクラブ「マリアックス」の二の舞にならないようにということを申し上げておきます。旭電化跡地の水辺の川柳の下にでも立って、しみじみと秋風に吹かれながら発想の転換をなさった方がよろしいのではないでしょうか。
 情報公開について再質問いたします。
 現行の要綱、規定、基準などで、現在存在していてこれに基づいて仕事をしているにもかかわらず、非公開決定をしているというケースがあります。この理由がふるってます。「10月1日以降に作成したり、取得したものとしては存在しない」というふうに言ってるんです。こういう詭弁が通用するというのは非常に驚いたことです。現行の要綱や規定、基準などの中には、3年前や5年前につくったものもあるはずです。それが現在も生きている、こういうケースも当然あるはずなんですが、それじゃそういうものは10月1日以前に作成したんだから、全部出しませんというふうに言うんでしょうか。こんな運用は情報公開の正しいあり方と言えるんでしょうか。区長の見解を求めます。こうしたことを是正するつもりはないかどうかお伺いをしたいと思います。

総務部長(浜中清志)

 区の情報公開制度につきましては、区民、区議会議員及び学識経験者で構成される東京都荒川区情報公開懇話会に検討を依頼し、その検討結果を踏まえ、昭和63年第4回定例会で議決された荒川区の情報公開制度となったわけでございます。
 この条例制定の際、いわゆる公開できる文書として確定したものとしては、10月1日以降の公文書ということになってございます。
 なお、それにさかのぼった公文書につきましては整理でき次第公開するということは、再三申し上げているところでございますが、整理できない部分について公開するということは、やはり私どもとしては避けたいというのが私どもの考えでございます。

斉藤ゆうこ

 今のお答え、ちょっと違ってますよね。10月1日の以前のものをさかのぼって整理するという話を言っているんじゃないんですよね。10月1日以降に作成したり、取得したものとしては存在しない、これどういう意味ですか。こういうものはほかにもたくさんあるでしょう。こういうのを全部出さないというんですか。こんなことをやってる情報公開、ほかの区にないですよ。非常にあきれたことだと思います。ぜひ是正をしていただきたいと思うんですが、もう1回この点について見解を伺います。

総務部長(浜中清志)

 具体的にどういうケースでそのようなおっしゃり方をされるかわかりませんが、本会議席上での答弁としては、私どもとしては一般的にお答えするしかございませんので、よろしく御理解賜りたいと存じます。