斉藤ゆうこのあらかわ日和

斉藤ゆうこ
 あらかわ元気クラブの斉藤ゆうこです。最近の国と荒川区政をめぐる情勢と課題に関連して、4点質問を致します。
 まずはじめに、昨今、我が国と近隣諸国との間におこっている様々な摩擦、そのことをふまえまして、日本の真の国益につながる外交と地方自治体の事業について、どのようなお考えをお持ちか、西川区長にお伺いしたいと思います。
 今年の2月19日、ワシントンで『日米安全保障協議会』いわゆる『2プラス2』が開催され、日米安保体制を中核とする、アジアでの日米共通の取り組みが規定されました。この『2プラス2』の合意文書では、中国、台湾海峡、朝鮮半島問題を地域の戦略目標として掲げ、自衛隊と米軍との役割分担と、米軍の再配置をおこなうことが取り決められました。この内容はアジア各国、とりわけ日本の近隣諸国の間に大きな波紋を引き起こし、緊張と警戒感を呼び起こしました。
 摩擦の発端は、どうもこのあたりにあるようであります。こうしたアメリカのアジア戦略につき従い、協力を惜しまない態度の我が国政府に対し、中国と韓国は、小泉首相の靖国参拝や「竹島問題」、歴史教科書問題、そして国連安保理常任理事国問題など、一連の問題を引き金に、明確な批判の声を上げ始めました。
 これらの問題は、決して一朝一夕に片付く問題ではありません。また、勇ましい言辞を弄して済むような問題でもありません。なぜならば、それは将来にわたる日本の国益、つまり国民大多数にとっての利益を展望し、独立国としてどのような国の進路をとるのか、それにふさわしい独自の外交や経済などの諸政策を実行するのか、という、きわめて戦略的な問題だからです。
 私は、近隣アジア諸国との経済的、政治的な共生は、未来にわたる日本の国益である、と考えています。個別の領土問題など、未解決の問題はしばらく棚上げすればよい、それよりも、誠実な態度で近隣諸国との摩擦の解消につとめるべきで、それが「日本の誇りある姿勢」というものではないのか、と思います。
 この問題については、おととい、河野洋平衆議院議長が歴代総理大臣との懇談会をふまえ、小泉首相に靖国参拝を中止するよう進言したことが報道されました。これまで、日本の歴代内閣総理大臣は、中曽根総理の靖国参拝中止という政治判断を踏襲してきました。しかし、最近では、この問題を『内政干渉だ』などという、国際関係を理解しない、幼稚で的外れな見解が「流行」し、幅をきかせるようになってきました。『強きを助け、弱きを挫く』のでは日本人の美意識が泣こうというものです。「毅然とする」矛先がちがうのではないでしょうか。日本人はそんな狭隘な民族であってはいけません。
 今回の河野議長の中止進言について、「国益を考えた行動が必要だ」「相手方に対する思いやり、というものもあろう」との発言が報道されていましたが、これこそ『日本の保守の良識』であると思います。
 さて、この間の中国、そして韓国の言い分はいかなるものなのか、という点についてマスコミは客観報道をほとんど放棄しました。連日、反日デモといった表層の報道に終始し、また各政党も挙げて暴挙だ、暴挙だと非難を繰り返すのみ。革新政党を標榜される政党も競って同様の見解を展開しておいでになりました。
 中国の唐家旋国務院委員はインタビューに答えて「中日両国は近隣の国として、協力すれば両方がともにそのメリットを得ることができるが、衝突すれば両方がともにその害をこうむる、ということはすでに歴史によって立証されている」「日本の教科書問題における立場は日本の将来ならびに世界の人々の心の中の日本に対するイメージとかかわるものである」と述べています。
 また、韓国の廬武鉉大統領は3月23日の国民への談話の中で「将来を見通し、持続的に対応していきます」と語り、「これらは決して容易なことではありません。他人の過ちを指摘するということは困難であるばかりか、気まずいことでもあります。お互いに顔を紅潮させて、対立することも多くなるでしょう。他国の人々の前で、互いをけなし争う姿を見せることは非常に心苦しいことでもあります」しかし、「国家として必ず解決すべき問題のためには、耐えねばならない負担も、毅然と背負わなければなりません」「一部の国粋主義者らの侵略的意図を決して容認してはなりません。だからといって日本の国民全体を不信や敵対してはならないということです。日本と韓国は宿命的に避けることのできない隣国です。両国国民の間に不信と憎しみの感情が芽生えれば、再び途方もない不幸を避けることができないでしょう」と語っています。
 隣国が我が国に何を問うているのか。心ある日本の政治家であれば、耳を傾ける余裕があってしかるべきではないでしょうか。
 中曽根総理の靖国参拝中止について声明を発表した当時の官房長官・後藤田正晴氏は、かつて歴史認識問題にふれて「確かに謝り外交というのは一日も早く清算しなくてはならない。そのためには、厳しい歴史認識の上に立って謝るべきは謝る。そのかわり、未来志向で堂々と国際社会を歩いていけばいい。厳しい事態に遭遇したとき、それを乗り越えるだけの強さを民族が持っていなければだめだ。その強さの根源がどこから来るかというと、過去を率直に見るだけの勇気のある態度が大事ではないか。過去の事実を正しく認識することで、初めて未来が拓ける」と語っています。
 また、外務省の高官として各国大使を歴任された中江要介氏は、1998年、超党派でつくった荒川区議会のアジア調査研究会で講演された折、「隣の国同士は引っ越せない」と前置きされて「戦争の反省も、戦争の評価も、戦争認識も、日本の中でお互いに冷静に反省するということをしないで『よかった』『悪かった』という論争ばかりしている。アジアの日本の軍国主義化に対する不安は、まさしく、日本の中の戦争に対する反省のけじめがなかったからだ。冷戦終結時と、戦後50年と2度のチャンスがあったのだから、それを生かして自ら歴史認識を確立すべきだった。これを欠いておいて、アジアに『あの戦争は良かった』などという考えをさらけ出す。それがそもそも日本がなかなかアジアで信頼されない理由ではないか」と話されました。
 しかし、こうした見識ある論調は最近目立たなくなってきました。私がお付き合いのある外交官や知識人の方たちの中にも、その言論を理由に、正体の分からない相手から執拗な攻撃や嫌がらせにさらされているという方が何人もいます。このような攻撃に屈する訳ではないでしょうが、こんな状態では、やはり世論というものの萎縮は否めないのではなかろうか、と思います。とりわけ、若い人たちの中に、主観的で観念的な主張が目立つのは残念なことだ、と思います。
 島根県議会での「竹島問題」決議や、東京都知事の一連の言動、埼玉県知事の人事などの例をあげるまでもなく、地方議会や自治体、首長の発言や行動も国際関係に影響を及ぼし、無関係ではありえません。ひとり小泉首相の去就にとどまらず、国政に携わる政治家も、自治体の長も、緊張感をもって国益を意識した態度をとり、また事業を行うことが肝要であると思います。
 さらに、自治体が行なう国際交流事業は、草の根の人的交流や相互理解に役立ちます。国家間の緊張緩和や国民レベルの友好促進につながる積極的な意味もあります。そして、荒川区には多くの歴史的経緯を持つ在日外国人の区民がいることも忘れてはならないと思います。
 かつて西川区長は、1994年のいわゆる朝鮮半島核危機に触れて、ある場所で次のような主旨の発言をなさいました。「私の師である石田博英先生は、世界には100の国があるが、それぞれの国には100通りの生き方がある、と自分に言われた。現在の国際情勢を見るとき、大変大切な考察だ」。私は、政治家としての西川太一郎氏の見識をあらわす言葉として、いまも大変印象に残っております。
 西川区長は国会議員を経て区長になられましたが、昨今の情勢を意識し、自治体の首長としてどのような態度を取られるか。あわせて荒川区が行う事業についてどのように認識されるか、お考えを伺います。

 次に、介護保険の見直しについて伺います。
 介護保険法改正案は去る5月10日、自民・公明・民主の賛成多数で可決されました。今回の改正は、2004年4月の介護保険発足以来初めての大幅見直しとなりますが、これまで行われた単位数の変更や調整とは異なり、制度自体の方向性を変える内容を含んでいます。そしてその動機は当初から予測された保険給付の増大を押さえることにほかなりません。利用者の負担増とサービスの削減に矛盾を転嫁する制度の改悪そのものです。
 多国籍企業は国際競争に勝つために身軽になりたい、と『社会的コストの削減』を要求しています。仮にこれらの企業が国際競争に勝った結果、国民の大多数がその配分によって共に豊かになるのなら、そうした要求も納得しようというものですが、実際にはこれらの企業の『ひとり勝ち』。しかも、自分が身軽になる代償を国民大多数に払わせようというのですから、構造改革などという言葉は眉にツバをつけて見なければなりません。すでに相当化けの皮がはがれてきましたが、年金や郵政民営化など、改革、改革と言ってはばからない。高齢者や家族を苦しめる元凶はこういう政治にある、ということをはっきりさせておきたいと思います。
 介護保険の導入によって、明治以来、また戦後を通じて積み上げてきた日本の福祉は破壊されて姿を変え、お金で介護を買う、という別の物差しにとって代わりました。日本の伝統、文化を大切にせよ、という人がいますが、構造改革とアメリカンスタンダードの導入こそ、日本の伝統、文化の破壊者に外なりません。
 そもそも、介護保険は1995年(平成7年)に大蔵省の諮問機関である財政制度審議会答申の中で示されたもので、高齢者の福祉向上のためではなく、財政問題解決のために出された制度です。また、福祉分野への企業の参入、市場開放をすすめたい財界の意向もありました。成り立ちからして動機が不純なのです。
 見直しの論議が始まった昨年4月に経団連がまとめた意見の概要、というのがありますが、今回の改正法案とそっくりの内容です。いや、厚生労働省が経団連の主張を口写しにしている、というのが正しいと思います。
 地域医療福祉に従事してきたある医師は、専門紙に次のような意見を寄せています。
 「第1に、介護保険は医療費の抑制も大きな目的だった。医療費はねらい通り減少しているのだから、介護費用が少し位上がったからってガタガタ言うことはないはずだ。第2に、給付の上限を設け、超えれば自己負担なのだから、人数だけが問題であり、高齢者の増加にともなう介護費用の増加なら想定の範囲内のはずだ。第3に、ムダな給付をなくす、と言いながら予防給付を加えるという。それこそムダな給付ではないか。予防活動は専門の保健部門にまかせるのが最も効果的で、介護給付を肥大化させるべきではない。」実にもっともな反論だと思います。
 先日、介護事業所の関係者たちにヒアリングをしました。「『要支援』や『要介護1』は、当初在宅で支援することで社会的入院や社会的入所を予防する、という建前だったハズだ。それなのに今度は『ヘルパーが自立を阻害している』という。結局利用者が多く、給付が増えて困るから反対の事を言い出したのだ。利用者もヘルパーも怒ってる」「荒川区がコロバン体操やってるのはいいけど、その送迎に介護保険使えません、っておかしくない?」「筋トレなんて馬鹿みたい。荒川区は地域包括支援センターとマネジメントをどうするつもりなのか」「軽度の利用者を対象から外せば、結局は自分ができないために家の中が汚れる。食事もおざなりになる。今でも衣替えは対象外だけど、着たきりすずめになる。お風呂にも入らなくなり、外出もおっくうになってくる。それは『自分の人生を捨てる』、ということだ。早くお迎えが来ないかな、という気持ちになる。『生活の質の向上』なんてキレイごと言ってたけど、『生活の質』はお金で買って下さい、ということ。お金のない年寄りは部屋の中で朽ち果てていく、ということか」など、笑えない話になってきました。なんだか怒りが湧いてきます。
 そこで、今回の改正に関連して3点伺います。
 まず、施設入居者とデイサービス利用者の負担増の予測について。
 今回の改正で10月1日から施設入所者の居住費、食費は保険給付対象外となり全額自己負担になります。デイサービスは食事が自己負担となり、全国平均で一人当たり3万円強の負担増です。減免制度適用は全体の36%しかなく、このままだと減免制度を利用しても81%が負担増となります。少ない年金のあらかたをつぎ込んできた人も、もう賄うことは不可能になるでしょう。当然、生活保護の増加にもつながります。
 法改正で荒川区民がどれくらいの影響を受けるのか、人数や負担増の予測をお出し下さい。また減免対象者以外の入居者、利用者への対策があれば伺います。
 次に、在宅サービスにおける区分の見直し、『新予防給付』に関連して伺います。
 『介護予防重視』と言いますが、『要支援』『要介護1』の利用者は在宅への保険給付の35.2%を占め、859億円にのぼります。今回の認定区分見直しはこの削減がねらいです。『新予防給付』の導入で家事援助などが制限される利用者は150万人から160万人という数字が出されていますが、現時点で予測される、荒川区の対象者数や、給付額など実態と影響、また市区町村が主体となるとされる地域包括支援センターやマネジメントについての今後の対応を伺います。
 最後に、今回の見直しに対する当局の問題意識を伺います。
 はっきり言って、高齢者も、事業所やそこで働く人たちも、保険者である市区町村も、厚生労働省の『被害者同盟』ではないですか。上部団体である国に遠慮せず、これじゃ困る!とか、できない!とか言った方がいいのではないでしょうか。高齢者や事業所はそのことを期待していますよ。

 3番目に、本定例会に条例提案される、22件に及ぶ区有施設への指定管理者制度導入について、当局の見解を求めます。
 あらかわ元気クラブは、国の規制改革の一環として推進され、地方自治体が所有する膨大な数の施設の管理運営を、2年以内に直営か指定管理者制度かに振り分けよ!と命令した指定管理者制度そのものに反対をして参りました。これまた、経団連の要求書にしたためられた市場明け渡し要求でありまして、もう、地方分権もなにもあったもんじゃない。とにかく、大急ぎで明け渡せ、というのであります。この制度については、-
・これまでの業務委託でさえ、契約先の人件費、つまり労働者に賃金などがいくら支払われているのかの実態は判らないが、この制度で益々不透明になることが懸念される。
・指定管理者を選定する際には、相手方企業の実績や企業としての考え方などに対する厳密な調査と検討が必要であるが、その運用は個々の自治体任せである。
・直営から第3セクター、業務委託、管理運営委託、貸与、そして指定管理者制度へと民間への仕事の委譲や契約が果てしなく広がる。これがいい加減ならば、丸投げとのそしりはまぬがれない。
-と、反対の理由を述べてまいりましたが、包括条例もつくらずに、22もの施設管理をいきなり個別に投げ売りする条例を2定に提案した荒川区の態度は乱暴この上ないと思います。本当にこんなやり方で良いと思っているのですか?
 他区では、施設を名指しするのに先立って、『公の施設に係わる指定管理者の指定手続き等に関する条例』などの名称の条例がつくられています。せめてまず、他区で制定しているような包括条例をつくるべきではないかと思います。今からこの2定で荒川区の考え方や手続きを示した包括条例を追加提案なさるつもりはありませんか? 当局の見解を求めます。あんまり乱暴だと思いますよ。

さて、最後に、『契約改革』のあり方についてお伺いします。
 まず、一連の事件の反省と責任の所在について伺います。
 荒川区政を混乱に陥れた昨年の事件で裁判が続行中です。贈賄側の石崎氏は容疑を認め、すでに2月14日、懲役1年6ケ月執行猶予3年の判決が出ました。これに対して藤澤氏は容疑を全面的に否認、東京拘置所に拘置されたまま、無実を主張して裁判が続いています。歴代助役との癒着が次々と明らかになる中、検察が『贈収賄』として立件した現金の授受は本当にあったのか。対立する主張の真相は何なのか。私はこの事件の真相を最後まで見届けたいと思っています。
 石崎氏の『自白』だけが唯一の証拠というこの裁判で驚いたのは、新光ビルが「平成13年の区長選挙で荒井元助役に500万円を供与していた」、と証言したことです。政治資金規制法違反の疑いが濃厚です。さらに石崎氏は担当者を配置、社員名簿を提供して選挙を応援したと証言。あの選挙は荒井氏を区長にすることに利害をかけた人たちの闘いだったのであります。
 また、新光のパートナーである高橋前助役は日常的接待を受けていました。高橋前助役に接待ゴルフや商品券を渡し、高橋氏は入札予定価格を教えたり、政策変更をアドバイスしたり、と証言内容はとても生々しいものでした。
 さらに、石崎氏の証言から、新光と高橋氏は、『価格調整』に乗らない2業者を指名から外し、新光に有利な特記事項を仕様書に入れ、やりたい放題だった実態が明らかになりました。スポーツセンターの契約では、決定印が押され二本線で消された別の業者の見積書と、『手書き』の新光の見積書まで出てきました。「79を切れば」と高橋氏が予定価格を教えたのはこの件であります。後で金額を書き直したのではないか、と思われます。弁護人は入札妨害罪を示唆しました。
 この裁判で次々に暴かれているのは、藤澤前区長自身の問題ではなく、荒井、高橋という歴代助役への権限集中と、それと結び付いた一部の企業によって、不正や契約を歪める行為がなかば、この荒川区役所で公然と行われてきたという事実です。

私は、この件について情報公開の手続きをとり、2002年(平成14年)2月26日付の「荒川総合スポーツセンター管理運営等委託」の各社見積書など、関係資料を入手しました。そこには、決定印が押され、縦二本線で消された日本体育施設運営株式会社の7990万円の見積書と、決定印が押された新光ビルシステム株式会社荒川支店の7880万円と金額が手書きで記入された見積書がありました。また「業務内容」の項に「監視業務では、・・・・遠隔監視等のシステムを導入し、業務の効率化を図ることを妨げない」と書かれた仕様書も存在していました。
 すでに公判冒頭から、石崎、高橋双方の警察調書で「79を切ったら大丈夫ですよね」と言った、それに応じて高橋助役が笑ったのでこの線だと思った、などという証拠が示されていましたが、3月31日の公判では、この契約の当事者である新光ビル荒川支店長の荒川洋氏は、平成14年の見積提出期限の当日に他社の見積り額について高橋助役に電話を入れた、と認めています。「お昼か、お昼過ぎに電話し、電話の後、事務員に手書きで書き込ませて役所に持参した」と荒川氏は証言していますが、本当にそうかどうかはわかりません。社判を押した空欄の見積書があらかじめこの庁内にどこかに預けてあり、他社の見積りが出揃った後に、それより低い額を誰かが記入したのかもしれません。一部始終を知っている職員がいらっしゃるのではないでしょうか。
 それにしても、いったん別の会社の見積書に決定印が押され、二本線で消されているのも大変露骨であります。単純なミスだなどと誰が信じるでしょうか。見積り競争と契約をめぐるこのような不明朗ないきさつが明るみに出た以上、区当局として解明に乗り出すのは当然ではないですか?
 さらに、低価格の契約で赤字で取っても、2~3年後には利益が出る、といった問題についても、実際に翌平成15年の契約更改からは、それまで分離発注されていた清掃と施設の管理運営委託とが統合されることになりました。高橋助役は、新光ビルにいったん低価格の契約で取らせ、後に利益回復させている訳です。このときの手続きがどのようになされたのか、取材をしてみましたが、荒川遊園のスポーツハウスが同様の変更をしたことにともない、教育委員会にスポーツセンターも同様にしたいとの話が高橋助役からあったようで、教育委員会は難色を示したが、財政課のレベルでそのように決着がなされたようです。荒川自然公園の健康器具設置のいきさつとそっくりではありませんか。
 また、タイ旅行については、航空券は高橋助役が自分で購入し、現地で荒川氏が10万円を高橋助役に渡し、2泊3日の滞在費に当て、との具体的な証言がありました。商品券についても、『荒川区役所あて』の名義で会社に請求したものを女性に渡したり、自分で使ったり、と接待を口実にした着服行為もあったことが証言され、この人たちの金銭の扱いにルーズな資質をのぞかせました。また、この業界の価格調整、いわゆる談合についても、生々しい実態が証言されました。
 そこで、最初に戻って伺います。区当局は裁判を傍聴していますが、これらの経過を把握していますか。逮捕され、判決が下った高橋前助役だけではなく、このような経過に関与した職員もいるのではありませんか。裁判の進行や司直の判断とは別に、当事者として真相を解明し、問題があれば適切な処分を行うつもりがあるのか、見解をお伺いします。
 別件ですが、幹部職員6名が企業による接待の国内旅行に行った、という話も庁内でささやかれております。刷新といっても、解明され、反省と処分がなされていない事柄があるのではないでしょうか? 職員の不信感を一掃するためにも、厳しい姿勢を示していただきたいと思います。
 ここまでで第1回目の質問を終わります。

区長(西川太一郎)
 斉藤ゆうこ議員のご質問にお答えします。
 ただいま、斉藤ゆうこ議員から、最近の近隣アジア諸国との関係に関する見識についてのご発言がありました。私も、ひとりの国民として、こうした国際関係に関する考え方や意見を持っておりますが、それは即ち、平和が何より尊いものであり、戦争がいかに悲惨なものであるか、ということに代表される見解であります。
 また同時に、19万を超える荒川区民の方々の中には、多くの外国籍の方々がこの荒川区にお住まいであるということも充分承知を致しております。
 私は、現在のような困難な状況にある時こそ、地方自治体が先頭に立って、草の根とも言うべき国際交流に取り組むべきだと考えております。国家 対 国家という構図ではない、住民レベルでの交流として、双方の国民が自然体でより多くの時を共に過ごすことを通じて、わだかまりを解消し、ごく自然な形で友好と信頼の輪を強くしていくことができると考えております。
 そのためには軍事力に代表されるような、ハードパワーを行使して国際関係を維持するのではなくて、文化や教育やまた芸術や、色々なその国がもっている、またその国が自然に醸し出し、同時に諸国を魅了して目的を達成するという外交上欠かせない、いわゆるソフトパワー、これはジョセフ・ナイJRが主張している議論でありますけれども、私はこの考え方に非常に強く共鳴を感じております。で、このソフトパワーをいかにして荒川区が発揮していけるかということも大事だ、と言うふうに考えております。
 ここは国会ではございませんので、それ以上の議論はまた個人的にのちほどさせていただきたい、と思っておりますが、ただ私は敢えて言わせていただければ、『忘れることは決してできないけれど、許すことはできる』という言葉を最近ある所で言ってましたけれども、全くそうだなと、で特に個人的にも中国や韓国に対して、日本政府を代表して何回か接触をし、また色んな仕事をしてきた観点から言うならば、私は日本だけではなくて中国にも韓国にもやはりそういう大きな気持ちを持っていただきたい。最近のハードパワーを駆使されるような外交のあり方は、せっかくみんなで仲良くやれるという雰囲気を壊しているのかな、六者協議ひとつをとっても、個別の国が主張するだけではなかなかソフトパワーは発揮できない、これは多くの国が一緒になってやるとソフトパワーは発揮しやすい、とジョセフ・ナイは言っております。私もそうだなあ、と感じております。
 議員とのお約束で長くなってはいけませんので、これで私の発言は終わらせていただきますが、私共は、民間の皆様がご努力いただいた韓国の済州島との友好協定、また最近は中国・大連市の中山区の区長が、あの大変微妙なときに荒川区を訪ねて下さって友好が深まったという事実、こういうことをしっかりとベースにしながら地方自治体として可能な限り世界の平和に貢献できるような行動、政策をとって参りたいと、そう存じております。

保健福祉部長(細川えみ子)
 介護保険制度についてのご質問にお答えします。
 介護保険制度は、発足以来5年で制度の見直しをすることとされており、現在国において介護保険法の一部改正案を国会に提出しているところであり、ご質問の施設入居者の負担増については、厚生労働省によれば、相部屋の利用で収入の低い利用者は、従前の負担に比べて増はありませんが、収入の最も高い利用者では、従前に比較して、月額で3万1000円程度の増となるとされております。
 この見直しにともない、施設入居者やショートステイ利用者等の多くの方々の負担が変わることになりますが、約1000名の施設入居者などが、今後とも必要なサービスを継続して利用することができるよう、施設などと緊密に連携を図ってまいりたいと存じます。
 次に、認定区分の見直しについてお答えをいたします。荒川区の要介護等認定者のうち、新予防給付の対象である要支援・要介護1の認定者は、平成17年4月末現在、約2700人、認定者全体に占める割合は42%程度でございます。
 また、在宅サービスにおける要支援・要介護1の方々が利用した保険給付費は、平成16年度では約15億2000万円で、在宅サービスにおける構成比は25%程度に及ぶ見込みでございます。
 荒川区といたしましても、明るく活力ある高齢社会を築くために、介護サービスを予防重視型サービスへ転換することにより、高齢者の皆様の生活の質の向上を図ることや、老後における介護の不安にこたえることができるよう、介護保険制度の持続可能性を高めることは大きな課題であると認識しております。
 高齢者の皆様の介護状態になる前から介護予防に積極的にご参加いただき、身体機能を向上させ、住み慣れた地域で安心して生活が続けられるよう、今後、適切に介護保険を運営すべく、第3期介護保険事業計画の検討を進めてまいりたいと考えております。

総合企画部長(鈴木尚志)
 指定管理者制度の導入についてお答えします。
 指定管理者制度は、公の施設の管理に民間活力を導入し、施設利用者の多様化するニーズに効果的に対応し、より一層の利用者サービスの向上と、効率的な施設の管理に寄与することを目的に、平成15年6月、地方自治法の改正により創設された制度でございます。区におきましても、すでに「ふれあい館」4館と保育園1園で指定管理者制度による管理を行っているところでございます。
 今回、条例改正の対象となる施設のほとんどは、すでに管理委託を行っている施設でありまして、法の経過措置期間が終了するのに伴いまして、指定管理者制度に移行するものでございます。
 包括的条例の制定についてでありますが、私共も他団体の状況等につきましても当然のことながら調査をさせていただいております。そもそも指定管理者の基本的事項は地方自治法に定められているところから、多くの対象施設をかかえる東京都や23区では、条例ではなく指針等によっている自治体が大半でございまして、条例を制定している自治体におきまして手続きを定めているものでございます。
 また、指定管理者の業務等につきましては、施設ごとにかなり異なっておりますので、各施設ごとの個別の条例が必要になってまいります。
 こうしたことから、指定管理者制度につきましては、包括条例ということではなくて、各施設ごとの個別の条例としてご提案させていただくものでございます。

不正防止監(高野政義)
 事件の反省などについてのご質問にお答えいたします。
 昨年度の前区長、前助役に関する不祥事は、区政のトップに立つ者の倫理観の欠如が最大の原因でありますが、また、事案決定過程における議論の不足や、幹部職員の事なかれ主義による不適切な事務処理が事件発生の背景にあったことも否定できないと考えております。
 その反省に立ち、各所管課においても、契約事務の公正化、事案決定過程における徹底した議論と文書化などに努め、さまざまな改善等をすでに実施しているところでございます。
 さらに先日は、区長の倫理宣言を受け、助役以下庁議構成メンバーも公正・公平な区政を推進する決意を文書として確認し、その中で区長に対して積極的に意見を具申し、必要があれば直言・諌言もいとわないことも申し合わせたところでございます。
 契約制度の見直しのほか、職員の意識改革という観点からも、こうした形で今回の不祥事に関する反省に立った取り組みを進めております。
 なお、裁判の経過については、ご質問の通り職員を傍聴に出向かせて把握をしております。裁判の過程等において、新たな事実が明らかになった場合には、区としても充分な事実確認を行った上で、必要かつ適切な措置を行ってまいります。

斉藤ゆうこ
ありがとうございました。荒川区の『契約改革』の今後の方向性についてもお伺いしたいと思います。
 低価格追求のあまり、適正利益を損なうような契約が常となれば、それは社会のあり方にも変化を生じさせる原因となります。荒川区には責任があります。荒川区の契約改革では、そうした視点を充分考慮すべきと考えます。
 2定に提案される「産業振興条例」の第4条には、
(4)区民の雇用及び事業所の人材確保の促進を図る。
(5)勤労者等の福利厚生の向上を図る。
とあります。
 西川区長は昨日、「雇用をふやす観点で」と答弁されましたが、生活できる賃金と労働条件なのか、その雇用の中身を問いたいのであります。区の契約においてもこの理念を反映した指針を設けるべきと考えますが、いかがでしょうか。
昨日から質問がこの問題に集中しておりますので、ぜひ具体的な考えを表明していただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

経理部長(藤田満幸)
 契約改革のあり方に関するご質問にお答えします。
 まず、契約改革の認識に関するご質問ですが、地方自治体が行う入札契約業務は、区民からいただいた貴重な税金を、区民サービスに結びつけるという、重要な役割を担うものと考えております。
 区では、こうした考え方のもとに、今般の契約制度の改革において、そのシステム全体を、より公正、公平かつ透明なものにするとともに、契約制度の基本でもある、事業者による適正な競争を担保する改革を進めてまいりました。
 さらには、契約を通して区内事業者の受注機会の拡大を図ることや、低価格入札への対応などについては、今後とも対処すべき課題と認識いたしております。
 次に、雇用や福利の指針を設けるべきとの質問ですが、契約履行時に適正な勤務条件や必要な資格者を確保すること、さらに社会保険や労災保険等の雇用に関する基本的な事項が確保されることは大切なことと考えております。
 このことについては、産業行政や労働行政にまたがる課題でもございますが、入札契約の中におきましても、事業者に対して労働基準法や最低賃金法、建設業法など様々な関係法令について遵守するよう、周知徹底に努めてまいります。