斉藤ゆうこのあらかわ日和

 私は、あらかわ元気クラブとして1994年度荒川区一般会計決算の認定に反対の討論をいたします。
 この年度の予算編成に当たり、藤枝区長は経済の低迷、景気回復の兆候が見えないばかりか、雇用調整の拡大などで戦後最長の不況となることを冒頭に述べ、厳しい経済環境の中での予算となることを強調しました。
 そして、都財政では、都税収入の大幅な予算の割り込み、財調交付金の減額を余儀なくされる中で、最大課題である不況対策、住宅対策など、ファミリー層の定住化促進策、高齢社会化への対応、清掃事業の区移管を踏まえたリサイクル推進の4つの柱を予算編成方針の中心とされました。
 さらに、新たな視点からの事務事業の見直しと経常的経費の節減で簡素で効率的な区政運営を図ると述べられました。
 昨年、ことしと不況は長期化によってますます深刻となり、区内の事業者にとっても、また、区内在住の雇用労働者の家庭にとっても、生活面、営業面でのっぴきならない状態となってきました。バブルで財政が潤っていた時期とは打って変わり、最も身近な自治体として、また区内最大の事業者としても存在している荒川区の予算執行のあり方が厳しく問われるときだと言えます。
 さて、この年度、「生活者重視」を掲げた細川政権の予算編成は、自民党政権にも増して反国民的でありました。国民の怒りの的であったゼネコン汚職にふたをし、新幹線や道路建設、空港建設には大盤振る舞い、軍備費では、緊縮予算を言いながら、アメリカの言いなりにAWACSやパトリオットミサイルをつけ払いで買い入れ、在日米軍駐留経費は241億円の増額、こんなことをやっているから戦後50年たってもアメリカになめられるんです。沖縄での暴行事件の根っこは、こういう政府の姿勢にあるんですね。
 さらに、大企業とお金持ち優遇の総額6兆円に上る特別減税、このおかげで荒川区は約22億円もの歳入減をこうむりました。この減税は、大多数の国民、荒川区民にとって全く恩恵のないものだったことを見れば、景気対策とは無縁だったと断言することができるでしょう。
 不公平な税制をただす会の試算によれば、大企業に租税特別措置を是正、手直しするだけで21兆4000億円もの財源になるそうです。だれのための税制改革なのか、この点が間違っています。そして、総合経済対策とこの予算で、政府は公定歩合の引き上げを初め不良債権買取機構をつくるなど、公的資金を投入し救済策をとり続けてきました。そして相次ぐ公共料金の値上げ。こういう国の予算編成にあらわれる経済政策が、不況に苦しむ国民の怒りを買ってきたわけです。国民の苦境をよそに、身勝手で自分本位な行動をとり続けた政党に対する怒りと不信もまた高まるのが当然だと言えると思います。
 長々とこの年度の国の予算について述べたのは、要するに国の財政運営が間違っている、それなのに、なぜこのしわ寄せを地方自治体が一身に受けなければならないのかということです。相次ぐ補助金のカット、一般財源化、行革の強要、こんなふうに国の地方に対する締めつけは強くなる一方ですが、今後、地方自治体としては、予算編成に当たって一般的な国への要望にとどまらず、対策や措置を講じていく必要があるのではないか。私はこの2年間、改めてそのように感じています。
 こうした中で、厳しい環境のもとだからこそ、どういうまちをつくるのかは、より明確でなければなりません。荒川区をどういうまちにしていくのかの将来構想、コンセプトがなければ、私たちのまちは生き残っていくことができないだろうと思います。
 あらかわ元気クラブは、町田区長時代に目指した活性化は、その路線が間違ってきたと主張してまいりました。産業政策、中小事業者の手による産業活性化策を中心とした新しい区民自身の手による活性化の路線をつくることが藤枝区政の使命だと私は考えています。もう待ったなしにその全体構想を示すときだと考えますが、残念ながら、この決算の議論を通じてその展望は見えてきません。
 この時期、不況の対策、行財政の対策に追われることなく、真の活性化のための街づくり構想を示し、それを予算に反映させるべきであると考え、この決算に反対をいたします。今後4年間にわたって、私たちあらかわ元気クラブは町田区政にかわる新たな荒川区活性化の路線、構想を提案し、議会の皆さんや区長、行政職員の皆さんとともに大いに議論を闘わせていくことを表明しておきます。
 さて、決算の各項について、既に決算委員会等でも質疑をいたしましたが、改めて申し上げておきたいと思います。
 まず、現在の大きな焦点である行財政改革の問題について。
 この年度、新たに行われた行財政懇談会と、これらを通じて藤枝区長の新たな行財政改革の理念がどのように実行され、どのような結果を招いているのか。その評価は、今後の区政評価にかかわる重要問題であると私たちは考えています。
 今村真弓議員の一般質問で求めた藤枝行革の中間総括に始まり、元気クラブは、決算委員会総括質疑と総務費の項でも一定の議論を行い、この問題の解明に力を入れてまいりました。この中で、行財政懇談会の運営に関しては、区当局、とりわけ企画、総務といった中枢部門の幹部職員の方々からも、感想やそれなりの反省の言葉も述べられました。
 しかし、入り口は町田行革と違う、でも出口は同じだったということにならない保証がどこにあるでしょうか。
 経費削減には相手があります。区内最大の事業者である区の経費絞り込みは、区民生活を直撃することを肝に銘じるべきだと思います。また、民間委託の財政的効果については、厳密な根拠を示さなければ、区民をだますことになりかねないことは既に申し上げました。
 経費削減というよりも、面倒な仕事を契約で外部に出すのがメリットだという発想が主ではないかと批判をされています。安易な民間委託より、直営でサービス拡大を図ることが区民の信頼と支持を得る道であると再三私たちは提起をしてきましたが、今後、学校給食、調理業務の民間委託問題での論争を通じて、厳しくこの点を追求してまいりたいと思います。
 重ねて、藤枝区長の新たな理念が区民からの不信を買わないようご注意申し上げます。
 2番目に、民生費、衛生費について。
 高齢者施設は、この年度、特別養護老人ホームと高齢者通所サービスセンターの建設が進められました。しかし、施設は大変立派にできたようですが、問題の本質は、実態に見合ったサービスが展開されているかどうかです。
 自立度を高めていく支援をすべき通所センターを必要な人が利用できるように改善すること、また、区のワーカー、ヘルパーの研修等を充実し、これから予測される課題に役立ち、コーディネーターとして信頼される人材育成に努めることを強く要望したいと思います。
 さらに、がん予防センターについて申し上げます。
 私たちは、この施設と事業について、当初から疑念を持ってまいりました。「予防」と銘打ってみても、果たして一次検診の拡大以上のことが本当にできるのだろうか。そして、その事業に区が単独で莫大な財源を投じ、建設や運営をすることが本当に適当だろうか。この問題は現在も解決されておりません。というより、むしろ、財政事情が悪化し厳しくなってきた今、がん予防センターは区政のお荷物になってきたと言えるのではないでしょうか。
 もとより、がん予防センターといえば、町田区政の広告塔のような役割を果たしてきた、そう思うのは私一人ではないと思います。行政も中間的な見直しの時期と述べられましたが、この際、臨床検査技師など、がんセンター職員人件費の根本的な見直しを行うことを求めたいと思います。
 さらに、がんにとどまらず、この施設と事業を脳血管疾患、心疾患も含めた総合的な成人病総体に対する予防を目指すものに発展させるべきだと考えます。担当部局と区長の早急な決断をお願いしておきます。
 3番目に、環境改善事業について。
 決算委員会でも申し上げたとおり、長く続けられてきたこの事業も、いよいよ今年度末をもって最終年度になりました。道路ができ、集会所としてのさつき会館ができ、そして公園ができました。成果もありましたが、依然として積み残された課題もあることは、行政もお認めになるとおりです。
 住宅問題と産業支援はほとんど成果なくここまできてしまいました。そこへ阪神大震災が起こりました。同和対策室長も、総務部長も、区内の対象地域を視察されたようですが、老朽住宅の建てかえ問題は急務であると思います。1年延長だけでなく、一般事業の移行などという責任逃れをやめて、事業の趣旨にのっとった解決を急ぐよう、強く要望いたします。
 最後に、外郭団体調査で質疑をいたしました天下り人事問題について申し上げます。
 区長は、私の質問に対し「国で言うところの天下りと区の外郭団体等の問題は異なっている。特定団体に何人もの官僚を高給をとることを前提として送り込むことと区のやっていることは違う」と答弁されましたが、私は、既にそれは承知しております。かつての委員会で、報酬や退職金については質疑をさせていただいておりますから。その上で、あえて弊害は本当にないのかとお尋ねしたわけで、今後よく調査をされ、検討策を講じられることを改めて提起をしておきます。
 今年度も来年度も、引き続き不況の中での区政が続いていくだろうと思われます。藤枝区政が、今後新たな活性化の路線を示され、中小事業者を初めとする区民が生きられるまち、そして政治を目指すこと。安易な行革で町田区政と同じ道をたどらないことを強く求め、私の反対討論を終わります。