斉藤ゆうこ
私は、あらかわ元気クラブとして以下4点について質問を行います。区長、理事者はわかりやすい答弁をしていただきたい。
さて、与野党250人に約1000億円の裏金が流れたと言われる佐川事件ですが、リクルート疑獄追及の最中に起こったこの事件は、自民党と大企業が癒着する政治の本質が全く変わっていないということを証明しました。今日の竹下元首相の証人喚問、私もテレビで見ておりました。渡辺弘康東京佐川急便元社長への出張尋問、それに、明日予定されている金丸氏への臨床尋問と、国会における形式民主主義としてのスケジュールはいわゆる山場を迎えています。
しかし、果たして国会の場でこの佐川急便疑惑の真相究明は本当に進むのでしょうか。この2日間の総括質疑でも、具体的な事実をもとにした追求に乏しく、肝心なことはさっぱり不明のままです。証人喚問、尋問も非公開で制限だらけ。これでは国民のいらいらは募るばかりです。おまけに、今国会で成立が見込まれている緊急政治改革案や、自民党政治改革本部の基本方針案も抜け道だらけで、その実効性には期待が持てそうにもありません。何度も繰り返される一連の事件に対して国会での議論や法規制がほとんど無力であることを、人々はよく知っています。
私は、癒着と腐敗を元から絶つために、この際、私たち地方議員も自治体の首長や職員も、足元を見詰め直し、利権との結びつきを徹底的に排除するよう、みずからの姿勢を正すべきであると思います。
こうした背景から藤枝区長に対し質問をいたします。
リクルートと佐川、相次いで起こったこの2つの疑獄事件はいずれも地方を舞台に起こっていると言えます。確かに佐川事件でも、新潟が北東アジア開発の窓口、拠点となるという関連でクローズアップされてきた面や、国鉄分割民営化など輸送問題での政策転換の関連など、国策とのつながりが大きくあることも否定できません。
しかし、首相の犯罪といわれたロッキード事件と比較してみれば、一連のリクルート疑獄は、川崎市に建設するビルの容積率引き上げのための、市助役への贈収賄、これが発端であり、佐川事件は、いうまでもなく、新潟県知事選挙での裏金の動きが大きな焦点となったのは周知の事実であり、市政や県政を金で買い取ったというのが、この2つの事件の特徴であるのは間違いありません。
それでは、なぜこのようなことが起こってきたのでしょうか。その背景は、知事、市長など、地方自治体の首長が持つ許認可権を初めとする権限が肥大したこと、そして、自治体予算が地域経済に大きな影響力を持ってきたことにあるのではないでしょうか。この権限と金をめぐって、これらの事件が起きている、つまり、地方政治は利権の温床になっていることを、この2つの事件は示していると私は考えますが、この点について区長はどのような認識をお持ちでしょうか、まずお尋ねいたします。
さらに、特別区といえども大都市東京の23区は既に大きな予算規模を持ち、さらに自治権拡充によって首長権限も拡大することが予測されています。こうした中で、今後あなたはどのようにみずからの姿勢を正していかれるつもりであるか、区長御自身の問題としてお答えいただきたい。以上が第1番目の質問です。
第2に、私は当面する区政の問題点について3つの項目を上げて質問します。この3つの問題は、いずれもバブル経済の崩壊と関連して起こった荒川区の問題です。バブル経済のもとで、東京の地価高騰とともに税収がふえて、都区財政も膨れ上がりましたが、その崩壊で税収も落ち込み、自治体財政は今後厳しい状況を余儀なくされると思います。また、バブルに踊ったリゾート開発業者、土地建物等の売買業者、そしてビルやマンション建設業者なども相次いで資金繰りの悪化が進み、経営の悪化が表面化したり、倒産という事態も起こってきています。もちろん、こうした中には、区行政に直接、間接に関わりを持つものも出てきています。区としては、これらの事態にどう対処されるのかお伺いしたいと思います。
第1番目は、第2保養所用地の選定にかかわる問題です。これは私の所属委員会の当面の課題として議論をされている最中ですが、突然浮上してきたと言えるある候補地は、バブルがはじけて業者から持ち込まれたと思われるリゾート開発絡みの土地で、土地だけで50億、施設を建てれば100億はかかるという代物です。一応4ヵ所の候補地は上げているものの、何か本命はもう決まっているかのごとき区側の手際のよい対応に不信感を感じているのは私だけではないと思います。今後、委員会でも検討をしていく予定ですが、各種の建築規制や環境アセスメントなど時間のかかる問題もそれぞれの候補地に存在しているはずで、いくら区長が来年選挙だからといって、お待たせしました、保養所ができますの宣伝文句ばかりが先行して、一体いつ建てられるのか、財政がどうなるのか先送りでは困ります。慎重な検討を行い、将来に悔いを残さないよう決定すべきと考えますが、区当局はどのようにお考えか改めて伺いたい。
そして、もう1つ、これらの候補地がそれぞれに政治的なひもつきであるとの話が、この5階界隈ではまことしやかにささやかれております。私などの耳に入るのですから、既に大方の方は御存じのことでしょうが、現に、おれが区長に口をきいて紹介したなどとおっしゃる方もいるとかで、もし仮にこうしたことが事実であるならば大変な問題であると思います。議員が区長に特定の候補地を持ちかけるなどということ、程度の差こそあれ、これは重大な誤解を生む問題であり、これこそ第1番目の佐川問題の質問にもかかわる、姿勢を正すべき問題ではないでしょうか。我々議員の側においても厳に慎むべきことですが、こうした政治的な絡みを背景として候補地選定が進められるようなことがあるのかないのか、区側にもはっきりした態度を求めたいと思います。区民の憩いの場としての第2保養所ですから、あくまで区民の長期的な利益に立って慎重に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第2に、現在区の経済課が業務を行っている中小企業プラザについてです。この建物、コリンズ38ビルを区が賃貸するに当たっては、私はこれまでも所属委員会や予・決算の委員会で、民間ビルの賃貸は不適当ではないかという質問を重ねて行ってきました。3年前、荒川区がこの民間ビルに一部業務を移し、賃貸契約をした際は、1400万もの保証金と月々約120万もの家賃を払って民間ビルを借りるなど、他区に例があるのかと質問しましたが、他区には例を見ないとのことでした。
その後、このコリンズビル株式会社の脱税が読売新聞に大きく報道されるに至り、社会的に問題を起こした企業との契約解除を求めましたが、助役のお答えは契約更新時に改めて検討するとのことでした。
ところが、昨年2月には新たに7階のフロアまで借りるに至り、私は内心あきれ返っておりました。昨年6月には契約更新も行われ、合計2フロアを現在も2つのセクションが賃貸しています。既に御存じのように、このコリンズ38ビルは、コリンズビル株式会社のノンバンクである株式会社オールコーポレーションに対する債務不履行によって約20億の債権額を請求され、債権差し押さえ命令によって38ビルの賃貸料を、10月分から月々東京法務局へ供託せざるを得ないという事態に陥っています。民間ビルである以上、当然これらのことは起こり得ることであり、万が一、立ち退きなどで業務に支障を来すことがないと言い切れるのかどうか。
私は現在のような状態は不正常な事態と思っていますが、今回のような経験を経て、今後も区行政が民間ビルを借りるような方法を取り続けるつもりなのか、もうやめたらと思いますが、御見解を伺います。
3番目は、荒川8丁目に建設予定であった渡久建設のマンション建設用地についての今後の区の対応についてです。この問題は、去る9月18日の建設委員会で浅川議員が質問され、その後現地視察も行われたと聞いておりますが、私も関心を持つ一人として質問をしたいと思います。
この問題もバブル倒産の関連で、去る7月、ことし最大規模である総額1500億円という負債額を抱えて倒産した渡久建設株式会社が、荒川8丁目24番地に計画していたマンション用地が宙に浮き、その後、残土業者によるトラブルが起きているという問題です。国庫補助3分の1を受ける水辺居住整備事業との関わりもあり、区としてはどう対処していくつもりなのか、簡単な経過と今後の方針を伺いたいと思います。
さて、3番目の質問は、昨日も幾つかの会派から質問が出されております、今回の不況についてです。今回の不況は、ごく最近の調査でも、業況判断指数が、オイルショックや円高不況の際の指数を超えて出口のわからない、本当に長期の不況ということで、人々の生活を不安に陥れています。バブルがはじけ、長期不況の到来で、過剰生産調整のツケを回された下請の製造業も、企業で働く労働者も、そして商店街もこれから厳しい年末を迎えようとしています。
私は、この夏以降、会派として区内の不況実態調査を始めましたけれども、自動車関連の下請の状況や皮革産業、そして各商店街の状況にも、私が予想した以上の厳しさを実感したところです。
政府は総合経済対策などと言いますが、土地や株の値上がりで散々もうけた金融機関の損失穴埋めに国民の税金を使うなどという道理があるでしょうか。大企業や金融機関にのみてこ入れをする国の政策と異なり、足元の自治体のとるべき対策は地元の中小零細企業の立場に立ったものでなければなりません。区内の中小自営業者を直撃している現在の不況に対して、区としての対策を伺います。
最後に、国際化行政に反する千住大橋のたもとの八紘一宇の石碑の撤去について伺います。
八紘一宇という言葉、この言葉の持つ意味について区としてどう認識されていますか。歴史的経過を含めてお答えください。そして、この石碑がいつごろ、だれが、どういう経過で建てたものなのか。そして、区内にも同種のものがあるかもしれないというふうに思いますが、この点についての調査はいかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。
以上で第1回の質問を終わります。
区長(藤枝和博)
地方政治は利権の温床になっていないかとの御質問にお答えいたします。
申し上げるまでもなく、現行地方自治制度のもとでは、議会と首長の間には相互牽制作用が働く仕組みとなっております。本区におきましても、予算案及びその執行については、予算、決算の特別委員会、あるいは各常任委員会などにおいて慎重な御審議を賜っているところでございます。また、議会審議をいただいた後の予算執行は、本来長の専権事項とされておりますけれども、重要な経済行為につきましては、区民の代表の意思に基づいて行われますように、特定の契約の締結、財産の取得等は、地方自治法、条例の定めるところによりまして議会の議決をお願いしているところでございます。さらに、外部委員の加わった第三者機関の委員会で審議を受けるなどのチェック体制をしく一方で、職員の綱紀粛正についても周知徹底を図っているところでございます。
このように、二重三重のチェック体制を実施しておりますので、本区におきましては、御質問のような懸念はないものと確信をいたしております。
また、区長は姿勢を正していくべきだとの御質問でございますけれども、私は、今御指摘のような、これから姿勢を正さなければいけないような行動は一切とっておりませんので、念のため申し上げます。
地域振興部長(遠矢徹)
私から3点お答えを申し上げます。
まず第1点は、第2保養所用地の選定と、その背景についてということでございますけれども、近年、週休2日制の普及等による余暇時間の増大や、生活水準が向上する中で、区民の余暇活動に関する関心は一層高まっております。また、今日の健康づくりに対する関心と相まって、保養施設に対する需要は増大するものと思われております。このことは、現在のグリーンパール那須及び金湯苑の通年にわたる満室状況や、抽選倍率の高さからも推測され、新たな保養施設の整備は、重要、かつ緊急の課題と考えているところでございます。
このような背景の中で検討を重ねております保養施設は、豊かな自然と良好な環境に恵まれた場所に整備し、その中で健康の増進を図り、区民が楽しみながらくつろげる魅力ある施設でなければならないと考えております。
候補地の選定に当たりましては、各県庁の関連部署等に照会するほか、民間企業等の情報提供の中から、一定の基準に合致した候補地を詳細調査してまいったところでございます。その結果につきましては、御案内のとおり所管の委員会に御報告を申し上げ、候補地の実地調査をお願いし、現在、委員会におきまして慎重に御検討をいただいているところでございます。
御質問にありますようなうわさや疑惑につきましては、まことに心外でございまして、先ほど区長から御答弁申し上げましたとおり、公正に検討を進めてきたところでございますし、今後もこの姿勢で臨んでまいる所存でございます。
今後とも候補地につきましては、議会の皆様の御意向を十分伺いながら、最終的に選定をしてまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
地域振興部長(遠矢徹)
2点目の、差し押さえられたビルの中の区行政と、こういう質問でございますけれども、現在、経済課が業務を行っておりますコリンズビルの入居の経過につきまして、まず御説明を申し上げます。
区内の中小企業の皆様の研修と情報の提供などの機能を持った中小企業プラザとして事務事業を展開していくため、一定のスペースが必要でございまして、本庁舎の中にありましては物理的に無理でございました。そこで、本庁舎の近くに適当な建物を探しましたところ、明治通りに面していることなどから、区民の皆様にもわかりやすい場所であると判断し、入居に至ったものでございます。
さらに、平成2年度には、中小企業における福利厚生事業を推進するために設立をいたしました荒川区勤労福祉サービスセンターの設置に当たり、全区的サービスを展開する施設がばらばらに存在することを避けまして、7階を契約したところでございます。
このような状況の中で、去る9月10日付で、株式会社コリンズとその融資会社との間で、賃料に対する債権の差し押さえ命令申し立て事件が発生をいたしました。荒川区はその第三債務者として現在、東京法務局に供託を続けているところでございます。
なお、今回の事件は、経済活動に伴って通常生じ得る民事事件でございまして、区としての責任等が生じることはございませんので、よろしく御理解をお願いいたします。
地域振興部長(遠矢徹)
3点目の、中小商工業者に対する不況対策についての御質問にお答えいたします。
区内の中小企業の状況につきましては、景況調査や企業相談員の巡回等により、常時的確に把握することに努めておるところでございます。そして、御質問にありました中小商工業者を直撃しております現在の不況の深刻な実態につきましては、区といたしましても十分認識をし、大変憂慮をいたしておるところでございます。それゆえに、即効性のある不況対策といたしまして、10月1日から、中小企業の全業種を対象といたしました緊急特別不況対策融資のあっせんを実施し、既にたくさんの御利用をいただき、不況の影響を直接受けている企業の経営の安定を図っております。
その他、中小企業診断士等の専門家による経営診断や経営指導を初め、商工相談、下請企業の受発注の指導、あっせん、情報の提供など、既存の施策をきめ細かく活用することによって、中小企業の経営者の方々が現在の不況を乗り切ることができますよう機動的な対応をいたしておりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。
地域振興部長(遠矢徹)
4点目の、千住大橋のたもとにございます八紘一宇の石碑の問題でございますけれども、御質問にありましたこの石碑の設置の経緯につきましては、石碑に刻まれております文字から推しはかる以外に、現在ではつまびらかではございません。設置場所が国道であることから、国の管理下に属しますけれども、一般にこうした石碑は財産管理上の明確な処理をせずに、歴史的な経過の中で設置されていることが多いようでございます。
「八紘一宇」といいますのは、全世界が一つの家であると、こういった意味合いでございまして、太平洋戦争の時期に日本の標語として用いられた言葉でございます。
国際化の進む現代におきまして、地域における国際化の推進のためには、日常生活の中で世界とのつながりを理解し、みずから国際性をはぐくんでいけるような住民の学習や交流活動を推進していくことが重要であります。
しかしながら、御質問の石碑につきましては、外国の方々などに誤解を生じる可能性もございますので、当面、設置の経過等について、区内にある同様の事例の確認も含めまして調査をいたしてまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
開発計画部長(高橋祥三)
私から、荒川8丁目のマンション予定地であった土地に関する御質問にお答え申し上げます。
この土地は、平成3年度に建設大臣の承認を受けた水辺居住整備事業のエリアに属しておりまして、隅田川のスーパー堤防と一体となった住宅系の開発計画が、民間事業者によって進められていたところでございます。
しかしながら、御質問にもございましたように、開発事業者が本年7月に不渡りを出し、事実上の倒産となったために、この開発計画が中断をされ、その後、債権者による競売申請が出されております。また、その直後に、賃借権を主張する他の事業者による残土の搬入等が行われ、続いて東京地方裁判所による残土等の撤去命令が出され、現在は裁判所の保管下におかれ、物件保存のため鉄線のさくに囲われている状況にございます。
今後の展望についてでございますが、区といたしましては、所定の法的手続きにより、この土地の所有者が新たに決まった時点でその開発動向を見きわめた上、良好な水辺環境を有するスーパー堤防と一体となった地域環境がつくれますよう誘導してまいりたいと考えております。よろしく御理解のほどお願い申し上げます。
斉藤ゆうこ
再質問をいたします。
リクルート疑惑を徹底的に追求しようということで私なども街頭に立ちまして、89年には訴えてきました。そういう経緯を考えると、本当に一体この佐川問題というのは何だったのだろうと、ばかばかしい感じを持つわけなんですね。
この当時、荒川区にはリクルートが2ヵ所進出していました。私や、ほかの会派の皆さんも88年12月の区議会の決算委員会で、リクルートが建設している南千住6丁目の億ションに対する補助金の打ち切りという要求をしました。この翌年の4月に区としては補助金の交付をやめたというわけです。そして、町屋の方も非難を浴びまして、リクルートは中央地区再開発事業から撤退したという経過があるわけです。
これを前後してマスコミは、町田前区長が衆議院選出馬の記念パーティー券をリクルートが買ったということを報道しています。これについては区議会の決算委員会などでも質問されました。果たしてそれだけのことだったのかというふうに私は今でも思っています。こういう経過があることですから、やはり私たち地方議会も姿勢を正し、そして、先ほど区長もおっしゃいましたけれども、今後ともますます権限の拡充というような中で姿勢を正してやっていかなければならないんじゃないか、そんなふうに思うんです。
議会の方としては相乗りなどやっている場合ではありません。なれ合いだという国民の批判はこの点にあると思います。ぜひとも今後とも首長として姿勢を正していかれるようにということを要望いたします。この問題については、実際に私たちの間でいろいろな政治的ひもつきということが云々されているわけです。そんなことはない、まことに心外である、これまでも公正にやったし、今後もこの保養所の問題については公正にやっていく。大変結構です。もちろんそうしていただきたいということを要望しておきますし、我々議員もそのようにやっていかなければならない、これは厳にこの場で申し上げておきたいと思います。
2番目の問題ですけれども、このコリンズビルのこと、それでは一体、民間ビルを借りざるを得なくなった原因というのは何なんでしょうか。要するに産業振興施設づくりを先送りにしたからでしょう。これは実施計画上もはっきりしていることなんですね。中小企業振興を軽視してきた証拠であると、私は思っています。だから、スペースが狭くなったからといって適当な場所にビルを借りるというようなことが起こってきたわけです。このこと自体をどう思っているのか、ぜひ答弁していただきたいと思います。
そして、現状を不正常と思わないのか。先ほどの御答弁では、あくまでも何ら問題のないことというような言い方をされていますが、この点について、もう一度、本当にこういう状態が不正常でないのか、今後このような形で民間ビルを借りるということをまだ考え続けるつもりなのか、つまり何かの教訓になっていないかということを私は申し上げているんですが、再答弁をお願いしたいと思います。
それから、3番目の問題、この問題は、おっしゃったように民民の関係ではありますけれども、この際、できれば区としてこの土地を取得するように努力し、そして不足している高齢者のための施設づくりなどを含めて考えるつもりはないでしょうか。地元要望もさまざまあると思いますので、ぜひ聞いていただいて、長期的に考えていただきたいと思います。これは要望しておきます。
そして、3番目の不況対策の問題なんですが、この間の不況、そして、政府の総合経済政策というのがどういうふうに不公平なものであるかということを考えますと、いろいろな数字が出てまいります。この5年間の間に株だとか土地だとかを売って得た差益、つまりキャピタルゲイン益というものですけれども、これが何と1400兆になるそうです。私は億だか兆だか、とても想像もつきませんけれども、1400兆というんですね。ところが、片っ方、国民が汗水垂らして働いた国民総生産GNPの数字が1800兆円というんですね。ほとんど同じくらい。これを見て、国民が一体どう感じるのか。下町の庶民がどう感じるのか。全くばかばかしいなという以外の何物でもないです。
こんなふうにしてキャピタルゲイン益を懐にしてきた、まさにあぶく銭、バブルでもうけてきた、そういう銀行、金融機関などに対して政府がてこ入れをするということに対して、区民の中にも、全くばかばかしい、一体何をしているのかという批判があるのは当然のことだと思います。
区としての対応は、こうした政府のやり方とははっきりと違って、地元の業者の立場に立ったものであってほしいと私は言いましたけれども、先ほどもおっしゃいましたように、窓口での相談や各種の商工業者の皆さんたちとの会合がいろいろあると思います。そういう中で率直に今回の不況の実態、つぶさな状況をつかんで、できる限りの対策を具体的に考えてほしいというふうに思います。
私も区内不況実態調査を続けておりますので、さらにこれを進めまして、具体的な事実を明らかにしながら対応、対案を出して、区の具体的な実施を求めていきたいと思います。
中小企業、零細企業の密集区であり、不況の影響を受けやすい下請企業も多い、そして、東京の中でも工業集積率が極めて高いという荒川区として、区として、国や都に対して零細企業や中小企業を重点に置いた不況対策、そういうあり方を要望すること、そして、今、融資の問題でもネックになっている金融機関などへの強い指導を求める、そういうつもりはないでしょうか。区として、都や国に対して働きかけをするという問題についてどのようにお考えか、この点を再度答弁いただきたいと思います。
そして最後の問題ですけれども、今後、区の国際化行政との関連で、具体的な解決を私は要求していきたいと思います。先ほどの答弁の中で、太平洋戦争に使われた標語と言われましたけれども、太平洋戦争の侵略に使われた用語であることは明らかです。それを受けた側、その側にとって、どういうふうに感じているのかということ、御答弁の中にもちらと感じられましたけれども、こういうことがアジアとの信頼関係という面で、実際に私たちの区ができる具体的なことなんですよ。ぜひともこの言葉の持つ意味を深く受けとめていただいて、ほかにも、区にこうした石碑のようなものがないのか、関連のものがないのか、調査するということでしたけれども、今後も具体的な解決を求めていきたいと思います。
それでは、再質問した点についての答弁をお願いいたします。
地域振興部長(遠矢徹)
幾つかの再質問がございましたけれども、まず、区が現在借りているビルを今後も借り続けるのかという再度の御質問にお答えを申し上げます。
民間ビルを借りました理由につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、庁舎の狭隘から生じたものでございまして、将来にこれにかわるスペースが確保されるならば、契約を継続する理由はないわけでございます。
次に、商工振興の中で、こういう産業振興センターが早くできるならばこういう問題は解決されると、こういう御趣旨でございますけれども、確かにそういう面がございます。私どもも鋭意、これについて努力をしてまいりたいと考えております。
それから、商工振興の関係で、現在の不況対策についての御質問でございますが、昨日も御答弁申し上げましたように、融資に関する各金融機関及び信用保証協会、あるいは東京都の関係部署等に私どもも極力働きかけてまいる所存でございます。
斉藤ゆうこ
もう少し時間があるようですから、3回目の質問をしたいと思います。
コリンズビルの問題なんですけれども、産業振興施設づくりに努力すると。これは当たり前のことなんですよね。当然計画にも盛られていることなんです。こういうことを先送りしてきたという関連から起こってきたことではないのかという点をはっきりさせて、反省していただきたいというふうに私は質問しているわけですから、この点をお答えいただきたいと思います。
それから、今回のようなことを教訓にするというような意味でお伺いをしたんですが、他の施設についても、さらに今後こういうことが予測される、民間ですから当然こういうことが起こりうるということは区も先ほど述べられているわけですけれども、こういうことを続けるつもりがあるのかということです。この問題は大変大きい問題だと私は思っています。この間いろいろと問題があったにもかかわらず、コリンズビルをずっと借り続けてきた。しかも、ワンフロアだけでなくて、スペースを拡張して借りてきたということですけれども、これは一体どういうことなのか。私はその辺にも大変不信感を持たざるを得ないというふうに思っています。ぜひこの辺の点についてもう一度明確な答弁をお願いしたいと思います。
これで私の質問、3回目まで終わります。今回の質問では、今、本当に問題になっている佐川急便事件、国会任せということではなくて、自分たちが自分たちの力で、私たちの足元でも、できるところから身を正していかなければいけない問題として、地方議会にも、そして地方自治体にも、地元の方たちからは厳しい批判の目が向いていると思います。これは自民党だけではありません。野党に対しても同じことです。こうした政治不信のもとを断ち切るということに対して、私たちが区政の一つ一つの中で、区民に疑問を持たれない、ガラス張りの政治を実現するということ。そして、たとえ地方自治体であっても、地方議会であっても、企業との結びつきについて厳しい審査を行っていくこと。議会と自治体とのなれ合いは許されないと思います。そういう点で、我々もきちっとした姿勢で臨んでいくことが必要であるということを述べて私の質問を終わります。3回目の答弁をお願いいたします。
地域振興部長(遠矢徹)
3回目の御質問にお答えをいたします。
趣旨は、こういう民間ビルを借りざるを得なかった背景と。要するに、産業振興施設の建設を先送りしているから、こういう事態を招いたと、こういう御趣旨であろうかと思いますけれども、私どもは、荒川区が抱えておりますいろんな事務事業、これは質、量ともに大変な拡大をしているわけでございまして、全体の量の拡大から、たまたまこういう問題が生じているというふうに理解をしているところでございます。それから、もう1階、ワンフロアふやしたではないかという御質問でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、勤労者福祉サービスセンターの設置と、こういう理由からでございます。