斉藤ゆうこのあらかわ日和

斉藤ゆうこの区議会レポート 2012年10月第78号
日本の政治は危険水域。区政は区民に向き合っているか?

 秋空が心地よい季節になりました。皆さん、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
 景気は日に日に悪くなる実感ですが、皆さんのご商売や会社はいかがですか?「増税の話が出ただけで景気が冷え込んだ。ロクなもんじゃない!」「オリンピックも悪い、夏が暑かったのも悪い」「世界経済が危機なんでしょ?見通し暗いねえ」と巷にいい話はありません。
 4年前のリーマン・ショックは、それまで最大の消費地として世界経済を牽引してきた米国を先の見えない不況に陥れました。危機は世界に拡散し、欧州への中国の輸出は低迷し、ついに新興国の成長も鈍り始めました。お互いに危機を押し付け合い、国内にも問題を抱えながら、国同士の緊張や対立が高まる様相です。
 領土問題で争いが起きるのもそのひとつ。戦略なき日本の政府には危険が一杯です。力の低下著しい米国がアジアを抑える道具に使われてしまいます。
 東北の復興や原発事故対策は遅々としてすすまず、震災復興財源の流用など不愉快なニュースばかりが伝わってきます。政治がなっていません。11月の区長選挙が目前となりましたが、荒川区政は区民を向いているでしょうか。

ここが問題 西川区政2期8年

 2008年のリーマンショックから4年。荒川区は急激に変化し、産業構造も区民の姿も変わり、区民の要求も多様化してきました。西川区長は2期目から区議会の圧倒的多数に与党」として支えられることになりましたが、この弊害も大きくなっているのではないか、と思います。批判やチェックが効かない区政になれば、やりたい放題になるからです。3期目の審判を受ける西川区政にはどのような問題があるのか、見てみましょう。

かたくなに放射能測定を拒んだ西川区政の東電・経産省との「密接な関係」

昨年3月に東北一帯を襲った大震災と福島原発事故は深刻な被害を引き起こしました。原発事故の直後、金町浄水場の水が放射能で汚染されて乳幼児の摂取制限が行われ、東京都が飲料水を配布したのは記憶に新しい出来事です。危機感を感じた区民は数多く、特に小さな子どもやこれから生まれてくる子どものお母さん、お父さんたちは身近な区政に助けを求めました。しかし、荒川区は東京都で唯一、最後まで放射能の測定を拒み続けました。こうした西川区長の『信念』は区民感情を逆なでしました。

■子どもを守ろう、と区民は行動

かたくなに放射線測定を拒んだ荒川区に対し、小さな子どもを持つ親たちを中心に4千筆の署名が西川区長に提出され、9月議会で「放射能測定を求める陳情」が趣旨採択されました。10月15日の東京新聞の記事を皮切りに連日テレビが「測定しない荒川区」を報道、10月26日、区はついに「測定を実施する」と発表しました。
 その後も区内の小・中学校の親たちが連名で「学校給食等の安全を求める要望書」を教育委員会に提出、12月には「食品の放射能測定を求める陳情」が趣旨採択されました。この署名には子育て世代ばかりでなく、商店街や町会など多くの地域の人たちが協力、区民は「西川区政は経済産業省や東京電力と結びつきが強い」との印象を持ち、荒川区政は区民の不興を買いました。

22戸中20戸が要綱違反の建て売り住宅(町屋5丁目)

■区の事業や講座に東電が

 9月議会では、清里少年自然の家・高原ロッジの指定管理者に、東京電力の一00%子会社である尾瀬林業が選ばれました。この2年前に日暮里再開発ビルに引っ越して来たそうですが、私の質問に対して西川区長をはじめ区の幹部職員は紹介や関与を否定しました。この時期に、東京電力のグループ企業を事業に参入させるような区は他にありません。しかし、この条例への反対は私ひとりでした。
 東京電力は、西川区長夫人が代表を務める団体の提案で教育委員会が主催した「東日本大震災から学ぶ中学生講座」にも登場。ここでは「正しく安全な原子力エネルギーの利用方法」(どんな?)の授業を行った首都大学・福士政広教授とともに東電社員自身が「講師」をつとめています。

■西川区長の消せない過去

 原発事故で福島県民をはじめ多くの人々に甚大な被害を及ぼし、社会的責任が追及されている企業をなぜ荒川区は登用するのでしょうか。
 西川区長は二〇〇一~〇三年に経済産業大臣政務官、副大臣を歴任。二〇〇二年の東京電力データ改ざん事件で柏崎・刈羽と福島原発が安全点検のために全基停止となった際、経産省の副大臣として原発の運転再開に積極的な役割を果たしています。
 この時、県民の命を守るために国とやり合って東電管内の原発を停止させ、後に贈収賄事件で逮捕されるという弾圧を受けた、当時の佐藤栄佐久・福島県知事と西川区長は、福島原発をめぐり、国と県という対極の立場にいた事になります。東電にとって西川区長はいわば「恩人」。そう考えれば、昨年3月の『計画停電』の際に西川区長が東電を怒鳴りつけたのも、うなづける気がします。

■「原発・正力・CIA」

 皆さんは「機密文書で読む昭和裏面史」と副題がついたこの本を読みましたか?戦後日本のエネルギー政策はアメリカが握り、左右してきました。食料とエネルギーをアメリカに依存してままでは独立国とは言えないと私は思います。
 政府と電力会社、これに連なる政治家、学者は「原子力発電は最もクリーンで低コストなエネルギー」と宣伝してきました。この人たちが責任を取ることも不可能な今、国民は途方もなく高い代償を払うことになりました。荒川区は今でも「市場に流通する食品は安全」との『信念』を変えていません。

保育園に入れない!幼稚園も足りない!子育て世代は幸福を実感できない。

「消費税にモノ申す」超党派議員(幡ヶ谷駅)

 区立保育園に入れなかった子どもは418人と昨年を上回り、南千住153人、日暮里96人と特に多くなっています。区は「増設中だから来年は解消に向かう」と言いますが、個々の家庭にとっては、この年度に子どもが保育園に入れるかどうかが死活問題です。
 指数が20以上、つまり保護者が現に雇用契約が継続中であり、常勤・フルタイム勤務のケースは特に深刻です。南千住で71人、日暮里で28人がこのケースに当たります。育児休業明けで入れると思っていた保育園に入れず、1ヶ月後に迫った職場復帰に支障をきたすかも知れないお母さん、お父さんの不安と焦りは大変なものがあります。
 小さな子どもを抱えた若い世代が保育園入園をめぐって同じ状況の人たち同士、競争を繰り広げなければならない現状は尋常とは言えません。『人口20万を超えて保育園足りず』。この状況に、「子育てしやすい区」と荒川区を選んで転入した新住民や、荒川区で生まれ育ち、子育て世代となった多くの区民の中には、強い怒りの声があります。「この現状では、とても『幸福を実感』するどころじゃない」と私は子育て世代の人たちから真顔で苦情を言われました。
 4月に区立の認可保育園に入れず、認証保育所もすでに満員、なんとか保育ママに預かってもらえたが、保育時間が勤務時間と合わない。保育ママがお休みの時には緊急一時保育の空き枠を探して申し込み、確保しなくてはならない・・・・と保育ママではカバー仕切れない問題にぶつかって悩む人も見かけます。
 幼稚園不足も深刻で、区外の私立幼稚園に送迎バスで通う子どもは九〇〇人を超えています。90年代に保護者の反対を押し切って区立幼稚園を2園廃園したのは間違いでした。
 保育園建設や誘致の立ち遅れの原因は、適正規模人口の検討なく民間マンション建設を呼び込み、小規模戸建て住宅建設を野放しにしたこと、ファミリー世帯の流入・定住による税収増と保育園・幼稚園・学校・学童クラブなどの施設建設・整備にかかる費用との財政バランスの検討が欠けていたことにあります。適正人口を考えることが必要で、区の政策的責任は否めません。

100億円の土地購入と箱モノ建設は区民の利益か?荒川2複合施設に幼稚園を

 この5年間の用地取得は約100億。この財源はどうなっているのでしょうか。財源構成が確定した約72億円のうち、国の補助金10億円、都の補助金4億円、都市計画交付金2億円、財調19億円が入り、実質的な区負担は約37億円。補助金は全て道路とグリーンスポット対象で、ふれあい館用地についてはゼロ。つまり区単独での財政負担を覚悟して土地を買った、という事です。
 上物のふれあい館建設工事は全て予定価格の97~99%と高い落札率で3つの工事を1社が、2つの工事を別の1社が受注しています。これで「広く区民にプラス」になっているのでしょうか。

荒川2複合施設来年度予算

 『荒川2丁目複合施設』については、3月の土地開発公社評議員会で、都営住宅跡地の譲渡によって老朽化した荒川図書館を建て替えよう、と始まった計画が、基金を取り崩してメッキ工場の土地を全面取得する計画に発展し、これが子ども関連施設・吉村昭文学館を含む複合施設へと次々に膨れ上がった経緯が出されました。今年度も複合施設の拡張用地として隣の土地を購入していますが、買い足しを重ねる当局は、さらに新たな隣地を購入するための費用を土地開発公社の来年度予算に計上しました。土地取得が先行した不要不急の箱モノ建設です。
 多額の区財政は特定の偏った分野に費やされ、リーマンショック後の景気悪化で疲弊する区民を広く潤す政策にはなりませんでした。
私は『荒川2丁目複合施設』に廃園した峡田幼稚園復活の意味で不足する幼稚園をつくり、吉村文学館は日暮里図書館建て替え、駅前再開発ビル、区民事務所裏に購入した土地など、吉村先生の生誕地・日暮里につくるよう、計画変更を求めています。

日暮里再開発に補助金133億 高齢者や障害者にとって 荒川区は安全な街か?

●日暮里再開発は西松建設

 町屋、南千住、日暮里と駅前再開発には300億近い補助金が投入されてきました。中でも日暮里再開発については、

日暮里再開発補助金133億内訳

と巨額です。大手ゼネコンや不動産業者にとって荒川区は格好のビジネスの舞台だったかもしれませんが、果たして区民に利益はあったのでしょうか。
 この事業の中心に座った西松建設の受注額は再開発組合発注が約280億円、区が発注したデッキが2.5億円でした。西川区長は「西松からの政治献金は全く受けていない」と言いますが、西松建設からの突出した政治献金が明らかになった二階俊弘氏の政治団体「新しい波」から西川区長の政治団体にも寄附が行われています。西川さんと言えば二階さん、二階さんと言えば西川さんと区民も良く知っています。今度も選挙の応援に来るのかしら?

●高層ビルの周りは危険がいっぱい

 高層の建物が増え続ける荒川区では、地震による落下物や『風害』の危険性に対策が必要です。津波被害や原発事故は、経済効率ばかり優先して想定を低く見積もったことが原因のひとつでした。今回の地震を教訓に、再開発で高層化を推進してきた荒川区の街づくり政策を見直し、隅田川の津波や液状化の可能性もきちんと調査・検証して弱点を克服しないと区民の命は守れません。

効果が見えない商工業支援策 消費税増税は存亡の危機

東京の統計データを調べると、23区で事業所数も従業者数も共に減っているのは荒川区1区だけだということが判ります。零細企業が多い荒川区の苦境がにじんでいます。

荒川区事業所の推移

 しかし、深刻な業種別の動向や厳しさの原因が分析され、支援策が打ち出されているのでしょうか。私は、地域経済の生き死にに関わる問題であり、荒川区政の肝心要の問題だと思っています。
厳しい経済環境の中、区内の多くの中小企業経営者は従業員の雇用を守ろうと必死に努力を続けていますが、中には従業員と家族、下請けの生活を守るより、自分の資産を守ることに熱心な経営者も出てきました。「偽装破産」が疑われる区内御三家と言われる西日暮里の印刷会社では、億の資産を持ちながら同じ建物にある子会社の従業員を退職金も支払わずに全員解雇。こんなことを認めれば地域の雇用は崩壊します。企業のモラル、社会的責任を果たさない企業に対しては、健全な中小企業経営と雇用を所管する区として厳しい指導が必要です。
さて、法律で『事業者を納税義務者』と定める日本の消費税は、事実上の「事業税」です。この間、長期デフレの下で利益を縮めながらギリギリの状態で営業を続けてきた中小事業者は、たとえ経営が赤字でも、借金をしてでも毎年消費税を納税しなければなりませんが、他方で輸出大企業には巨額の還付金が支払われています。不公平極まりない仕組みが区内の中小事業者が痛めつけていることを区は理解しているでしょうか?増税は荒川区の中小・零細事業者の死活問題!『幸福実感』どころじゃありません。

中小事業者や各界の人たちとの消費税反対の国会集会

戦略なき「国有化」は国益を損なった。アメリカに従属せず、大局観で自主外交を

■ 尖閣諸島は 沖縄と一体な日本の領土

 わが国は1885年から10年に及ぶ調査を行い、尖閣諸島の領有を宣言しました。当時、清国はアジア最強の国家であり、日本はそれを考慮して清国を含む近隣のいずれの国にも属していないことを確認し、慎重に編入を行いました。手続きは国際法に沿ったもので、当時の清国を含め、国際社会からの異議は全くありませんでした。
 その後、朝鮮半島をめぐって日本と清国が争った日清戦争の結果、下関条約によって日本は台湾と澎湖諸島を奪いましたが、清国の定義でも尖閣諸島はこれに含まれておらず、尖閣諸島は日清戦争で得た領土とは区別されています。したがってその後の日露戦争、アジア・太平洋戦争を経て日本が帝国主義諸国間の争奪戦争に敗北し、1952年に連合国と締結したサンフランシスコ講和条約第2条(b)項で放棄が確定した旧領土は「台湾及び澎湖諸島」で尖閣諸島は含まれていません。しかし同時に、このサンフランシスコ講和条約で尖閣諸島は「沖縄県の一部」として米軍施政下に置かれることになり、1972年の沖縄返還によって日本の領土となり、現在に至っています。
 石垣市議会は「尖閣諸島は、日本政府が明治28年に沖縄県への所轄決定をして以来、かつお節工場を操業し、漁業や林業を営んだ。また、大正8年、魚釣島付近で遭難した中国福建省漁民31人が救助された際の中華民国長崎領事の感謝状には、遭難した場所が『日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島』と記され、中国の外交文書にも日本領土と明記されている」と述べています。
 また、沖縄県議会は「尖閣諸島は石垣市に属する我が国固有の領土および本県の行政区域であることは疑問の余地がないところである」とし、「日中両国政府は冷静な外交を通じ、再発防止策を講じること」と政府に求めました。
 私は「尖閣諸島が歴史的に沖縄の一部である」との石垣市議会、沖縄県議会の立場を支持し、その沖縄の人たちが政府に求めた「冷静な外交による解決」を支持します。

■アメリカの射爆場は「購入」も「国有化」もしない石原知事と野田首相。

 私が、意見書案に反対した理由は「国有化は一歩前進」としている点です。独立国家が国土の実効支配を維持し、強めることは、一般的には当然です。しかし、今回の石原都知事の「購入宣言」と、これに呼応した野田首相の「尖閣国有化」に道理と戦略はあったのでしょうか。もっぱら中国への挑発を目的として引き起こされ、日中関係の悪化を狙ったものだったとしか思えません。
 アメリカをバックにした石原知事のパフォーマンスと、それに追随した野田政権による今回の「国有化騒動」は日本の国益を損なうものだった、むしろアメリカの国益とアジア戦略にピッタリ沿ったものだった、と思います。
 石原知事は、日中国交正常化40周年の今年4月、米国の意を受け、「向こうで物議を醸してくる」と言って訪米し、わざわざ米国のシンクタンク、ヘリテージ財団での講演で「東京都による尖閣購入」を打ち出しました。これを引き継ぐ形で、野田首相は9月11日、この3島を埼玉県在住の地権者から20億5千万円で買取り、国有化しました。
 尖閣諸島は南小島・北小島・魚釣島・大正島・久場島の5つの島嶼で構成され、このうち大正島は国有地、その他の4島は日本国政府が地主から賃借し、政府の許可無く立ち入り出来ない区域でした。わざわざ20億もの国家財政を使って島を購入する必要はないのです。
 しかも、石原知事が「購入する」と言ったのは南小島・北小島・魚釣島の3島で、久場島は含まれていません。海上保安本部の資料によれば、久場島と国有地である大正島は『射爆撃場』としてアメリカ海軍に供されており、米軍の許可なしに日本人は立ち入れない『米軍の排他的な管理区域』となっています。「日本固有の領土だ」「国の命運を左右しかねぬ存在だ」と声高に叫ぶ石原都知事ですが、米軍の射爆場である久場島には「あえて手を出さない」という事実が浮かび上がってきます。アメリカは戦後の軍事占領の間、尖閣を沖縄の一部と位置づけて射爆場に使用し、沖縄返還後も在日アメリカ海軍の管理下に置いて来ました。石原知事はそのことを承知して久場島を購入対象から外した訳で、「アメリカに物言わぬ石原知事」の姿は茶番というほかありません。
 尖閣の地権者については、事業がふるわず、お金に困って石原知事に働きかけたとの説がもっぱらで、石原知事が野田首相との会談で国による購入を持ちかけ、さらに価格が吊り上がったことも明らかです。

■中小企業や雇用に深刻な打撃。 日中関係を悪化させた代償は誰が払うのか。

 このような「国有化劇」によって、決定の翌日から中国では反日感情が高まり、各地で反日デモが相次ぎました。現地の日系企業の操業中止や店舗の閉鎖、貿易・輸出入の減少、観光の激減や航空便の欠航、交流事業の中止など、日本のGDPだけでも影響額は8200億円に上ると試算され、日本は高い代償を払うことになりました。この状況が続けば、中小企業や雇用はさらに大きな打撃を受けます。改めて双方にとっての日中関係の大きさを思い知る結果となった訳です。
 GDP世界第2位と第3位の日本と中国がアジアで争い、喜ぶのは誰なのか。これほど一目瞭然なこともありません。愛国者のフリをして国の利益、国民大多数の利益をアメリカに売るような人たちを許してはなりません。
 今回の「戦略なき国有化」は国益を損ないました。日中関係を犠牲にした代償は誰が払うのでしょうか。このような国有化を「一歩前進」とは評価できません。

■アメリカの対中国包囲網に加わる日本。 これでは国家主権も領土も守れない。

 アメリカは尖閣諸島の領有権が日中どちらにあるかについて、わざとあいまいな立場を取っています。日中間に火種が残ることはアメリカにとって好都合だからです。北方領土も、竹島も同じで、アメリカは「解決しないように」立ち回ってきました。そのアメリカの力に頼って中国に対抗しよう、などという考えでは、日本の国家主権や領土を守れるハズもありません。
 尖閣問題を口実に、TPPへの参加を急げ、尖閣と沖縄を守るにはオスプレイが必要だ、などの論調が意図的に流されています。意見書案には「南西諸島の防衛強化」とありますが、日米合同軍事演習を強化すれば東アジアの自主的な平和環境の構築に逆行します。  自民党の安倍総裁は「中国に対して優位に立つには、日米同盟を強固にする必要がある」と発言し、アメリカに従属して中国に対抗する道を歩むと公言してはばかりません。石原氏と言い、安倍氏と言い、なんと情けないことでしょうか。他国と対等に交渉するには、まず自らが自立しなければならず、いつまでもアメリカ頼みの外交や安全保障政策では国を守ることはできないと思います。
 月刊「世界」のインタビューで、河野洋平前衆議院議長は「欧州や中国が台頭し、相対的にアメリカの影響力は落ちてきています。アメリカを見ながら舵取りをすればいいという状況ではありません」と述べています。日本人は大局観に立ち、いつまでもアメリカに頼って問題を解決しようとする思考から脱却し、先人が築いた日中関係を発展させる独自の戦略を持つべきでしょう。

日中関係の打開をめざす都民集会

ゆうこのひとりごと

●決算議会が終わった。秋を感じるひとときである。工場や倉庫の跡地を買い取った業者による要綱違反のワンルームマンション紛争が続けざまに起きたのは、2007~8年のことだった。

●今回の決算委員会では同様の敷地に建てられた戸建て住宅の要綱違反が問題になった。敷地を分割して何棟も、時に何十棟も隣り合わせ、背中合わせに建てられる3階建て住宅は、いまや区内のあちこちで見ることができるが、近隣の住民から火災や防災上、不安の声もある。

●杉並区の一部上場の建設会社が区内各所で建て売りする住宅が、敷地面積や隣地との間隔を定めた要綱に違反し、中には隣家の署名・捺印を偽造して係争中のケースもあるとのことだ。開発許可をだまし取られた区は沈黙するのだろうか。違反業者に対する区の対応は驚くほど手ぬるく、何かあるのかと勘繰りたくなるくらいだ。

●「マイホーム」なんて言うけど、一生住宅ローンで銀行の奴隷。この経済状況下で、若い人や所得が高くない世帯のための公的住宅が必要だ。

●今年4月、中国・北京市を視察訪問し、中国国際交流協会などの諸団体と意見交換を行いました。その中で日本側は「尖閣は日本の領土だ。しかし、両国関係を悪化させる試みは日本の国益を損なうものであり、反対していく」と述べ、中国の諸団体は「歴史認識、領土問題など意見の異なる問題を強調して取り上げるのではなく、一致する問題から手を携えることが日中両国の大局的利益に合致する」と表明した。

●話し合いは友好的で互いの理解も深まった。アジアの隣国同士、角突き合わせることはお互いの利益にならないばかりか、誰かの計略にまんまと嵌ることもある、というのは歴史の戒めだ。