斉藤ゆうこのあらかわ日和

頌 春
あらかわ元気クラブは今年20周年を迎えます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

 『百年に一度』の世界的な激動の中で新しい年が明けました。
 アメリカ経済の崩壊は証券・金融大手の相次ぐ破綻、ビッグ3の経営行き詰まり、と早いスピードですすみ、1944年以来のブレトンウッズ体制、ドルを基軸通貨とするアメリカ中心の世界資本主義に『終わりの始まり』がやってきました。
 そのアメリカ市場への輸出に依存し、自動車や電気製品を売るのと引きかえに農業や流通を売り渡してきた日本。今後の実体経済への打撃は計り知れません。売上減を口実にまず派遣や期間工の解雇が始まり、年末だというのに工場からも社宅からも労働者が容赦なく放り出されました。荒川区にもどのような影響が出るか心配です。
 この不安定な状況は、解散総選挙で誰が勝っても変わらないでしょう。政権交代、と言っても、相変わらずアメリカと財界に左右される政府では国民生活は良くなりません。求心力を失ったアメリカから独立して日本の政治を根本から変える以外に道はないと思います。大きな試練ですが、その意味ではチャンスではないでしょうか。
 昨年11月の選挙で西川区長が再選されました。私は今村まゆみと共に現区政の問題点を明らかにし、区長選挙を思い切り闘いました。皆さんのご支援と激励に心から感謝し、力をつけたい!と願う新年です。本年も倍旧のご支援をお願い致します。

【ゆうこのひとりごと】

●非正規雇用労働者の解雇が全国で3万人を超えた、と厚生労働省。麻生首相が失言しない日はあっても、派遣労働者が工場の門前でビラをまいたり、労働組合が会社と交渉する様子が師走のTV映像に出ない日はなかった。半導体メーカーも減産が始まった。川下に行くほど影響は深刻と言われる。自動車産業の下請けが多い荒川区の地域経済はどうなるのか。弁護士、労働組合などの専門家と連携して『仕事と雇用の緊急相談』を始めます。困った事は泣き寝入りせずにご相談下さい。
●年末の商店街は景気を敏感に反映して、売る人、買う人の嘆きの声が交錯していた。「商店街振興ができるならノーベル賞がもらえる」と西川区長。ぜひ今年は授章式に行ってもらいたいものだ。荒川区の基金は300億円に垂(なりな)んとする。一般会計が800億なのに300億の基金はいかにも多い、と町屋駅前で演説したら、通りかかった女子高校生たちから「多すぎ~!」の声。多過ぎだよねえ、と応えたら「超・多すぎ~!」、だそうですよ。荒川区の基金の55%は区内の金融機関に預金しています。「区長は貸し渋りをやめるよう申し入れてほしい」と今村まゆみが公開討論会で発言したら「たかが150億で銀行が言うこと聞くワケがない」と西川区長。これも実現したらノーベル賞?
●昨年10月25日、10周年行事を翌日に控えた諏訪台中学校で40代の男性用務主事が清掃作業中に転落死した。痛ましい事故でショックを受けた。日暮里地区の4校を1校に統合した諏訪中は、新たな用地取得が出来ず、旧十中を建て替えた。今回の事故は狭い面積にギリギリ校舎を建てた危険箇所でおきたと私は思っている。区長選挙前、なぜか余り報道されなかったが、職員が命を落とした見過ごせない事故だ。調査結果を報告したい。
●2期目の西川区政は議会の大半(33/40)が『相乗り』与党となった。民主党は区議会では「賛成ありき」の完全与党のようで自民党となんら変わらない。共産党は「西川区政に8割賛成」のようで元気クラブとは立場が異なる。区長選挙ではふだんは聞かれない多くの区民の皆さんの声が聞かれた。医療・介護現場の声もたくさん聞き、事業者や働く人たちの気持ちがわかった。これからの糧にしたい。今年は大きな地殻変動の入口の年。政治を根本から変えるために力を尽くしたい。

1年に総理大臣がふたりもヤメた日本国。
「アナタとちがうんです」は昨年の流行語大賞になりました。
一方、区長選挙をはさんで荒川区でも色々なコトがありました。
ちょっと振り返ってみましょう。

昨年の議会から
倒産・廃業が23区最多の荒川区。
荒川区の産業振興策はこれでいいのか!

●中小零細企業を見捨てる国の経済産業政策の下で、競争力のない荒川区の小さな企業や商店は厳しい状況が続いています。統計を調べたら、この5年間で倒産・廃業した事業所数・従業者数は23区中荒川区が最多。2千軒近い事業所がなくなり、9千人近い従業者が仕事をなくして職場を去った、という泣くに泣けない現実です。
 西川区長は本会議で「何もかも区のセイにされては困る!」と答弁しましたが、私はそんな乱暴な事は言っていません。先の副将軍、じゃなくて経済産業副大臣として、国の産業政策に深くかかわった西川区長だからこそ、地元区のこの惨状をどうご覧になるのか、お伺いしたまでです。荒川区の支援は果たして効果があったと言えるのか、これで充分ゆき届いているのか、と総括質疑でもシツコク聞きました。
●「ものづくり産業や商店街と住環境が調和する荒川区」をめざし、『街づくりと一体の産業振興』を掲げた前の基本構想と比べても、考え方は後退しました。アメリカ発の金融経済危機が足元に及ぶ今、国の産業政策に追随するのか、その変更を求めつつ、荒川区の産業をこれ以上衰退させないために『財政出動』して独自の産業振興策に取り組むのか。区政は正念場です。

『区財政の改善』は区長の手腕に非ず。
増税で潤った昨年度の決算認定に反対しました。

●一昨年の地方税増税は、荒川区が小泉内閣の『三位一体改革』に従い、所得の低い大勢の区民に倍額の区民税を負担させた『逆進税制』の最たるものでした。少数の高額所得者の税を軽くし、多数の所得の少ない人々の税を重くする税制を20年にわたって続けた結果、所得格差は二重に拡大しました。
区財政の好転は、昨年のこの増税に加え、近年の東京の地価上昇や大企業の収益増で固定資産税や法人住民税が増えて交付金が増大した結果果です。区民のフトコロは赤字で区ばかりが黒字、それで『区財政を豊かにした』もないモン、と思います。
●特別会計も同じです。国会で民主党も賛成して成立した「介護保険法改正」による『給付抑制』の影響はこの年の決算に現れ、荒川区が介護保険料を値上げしたこととあいまって、基金に積み立てられた剰余金は前年度の1300万円から1億2千万円へとケタ違いに増えました。
 保険料、取り過ぎ! 保険料は上がるのにサービスは自己負担。荒川区は介護保険の『保険者』ですから、保険料と制度の運用は区に責任があります。保険証には区長の名前が書いてあります。国のセイばかりには出来ません。

生活環境確保条例
『区民の迷惑』に名を借りて、罰則と警察介入に道をひらいた荒川区。
区長の権力は誰に向けられるのか。

●「猫のエサやりは罰金なの?」と物議をかもした今回の条例。発端は一昨年2定の本会議質問です。質問議員は「迷惑行為への厳しい対応を区として示すべき」として、「私有地内に廃棄物を大量にため込む」「区道を不法占拠し、建築廃材などを放置する」などの事例を上げ、自転車での携帯電話やメール使用と併せて罰則適用を含めて厳しく取り締まる『総合的な条例』の制定を求めました。また、すでにある「生活安全条例」やいわゆる「ポイ捨て禁止条例」も罰則付きで強化する事を求めました。
 質問者は、迷惑行為を引き起こす背景に「戦後60年余り、義務を教えず権利の主張ばかりを偏重した教育」を上げ、『ゴネ得』という言葉を使っています。どこかの首になった大臣と同じですね、これは。
●これに対して西川区長は「区民自らがルールやマナーを守るよう、区として啓発に取り組むことを基本としつつも、限度を越える悪質なルール違反には罰則の適用も辞さない姿勢も必要、という質問」と受け止め、「仮に罰則規定を設ける場合には、実効性や他法令との整合性の検討、関係機関との協議・調整などを十分に行うことが不可欠。何よりも、広く区民のコンセンサスを得ることが重要。そうした点をしっかり踏まえて取り組む」と応じましたが、実際には罰則規定ばかりが際立つ結果になりました。

ほんの数人の区民の極端な行為や逸脱した行動に対して、
いちいち条例をつくって規制するのか。

●今まで、やれ「私権の制限につながるから規制はできない」だの、「区が訴えられるから条例はなじまない」だのと言って、街づくりや大型店出店に対して強制力を持つ条例づくりを渋ってきた荒川区が、どうして今回に限って積極的に条例制定に乗り出したのでしょうか。私はとても疑問です。
 例えば一昨年のワンルームマンション条例は決して「2、3の悪質な業者を規制するもの」ではありません。ワンルームマンション紛争は、法改正によってJ-REIT市場(不動産投資信託市場)がわざわざ作られ、不動産が投機の対象となった事の反映として、おこるべくしておこった事態でした。むしろ条例による規制は遅きに失しました。
●地方自治体の長はひとつの大きな権力です。強制的な処分を行う権限を持つことも当然あります。因果関係がはっきりしていて、「広く区民生活に影響が及ぶ事態」を防ぐためなら積極的に権力を行使して区民を守るべきでしょう。しかし、ほんの二、三の極端な事例に対して、いつもならなかなか作らない条例をあえて作り、「区民を取り締まる」などという事は厳に謹むべきではないでしょうか。その権力、誰に向けているのですか?

この問題に巻き込まれて『迷惑』をこうむったのは、
『地域猫』活動をしているボランティアの区民だった。

●今回、とばっちりを受けたのは、捨て猫が増え続けて地域環境が悪化するのを防ぎ、動物愛護を実践する『地域猫』活動でした。法令や荒川区の他の施策との整合性が十分検討されていれば、今回のように区が支援する捨て猫対策を行う区民が嫌がらせを受ける条例にはならなかったハズです。
 住民に身近な荒川区には有能な職員も沢山いて、『地域猫』活動への誤解を解くために職員が良い役割を果たして感謝されています。周辺住民とトラブルが起きたケースには、罰則付き条例ではなく、区の職員が粘り強く対応して解決する方法を取るべきでしょう。
●区の『地域猫』活動支援と明らかに整合性を欠く条例をこれからどうするのか。西川区長はこれからも罰則と警察介入に道をひらく条例を制定するのか。今後の課題です。

【付録】
2008年をふりかえる。

1月
原油高、株価下落で景気後退が予測される年明け。
2月
米軍再編をめぐり岩国市長選挙。
沖縄で米海兵隊員による性暴力事件。
◆東日暮里三南マンション紛争、管理協定交渉始まる。
3月
米証券大手ベアスターンズが経営破綻。
石原都知事、新銀行東京の経営危機で4百億円投入。
横須賀で米兵がタクシー運転手を刺殺。
4月
G7開催。サブプライムローン危機解決に打つ手なし。
後期高齢者医療制度に怒り高まる。
◆日暮里舎人ライナー開業。
5月
中国四川省で大地震発生。
EU、減反政策を完全撤廃。
欧州各国で原油高騰に対する漁民の抗議行動が拡大。
◆東尾久にもマンション開発の波。三東町会で説明会。
6月
岩手・宮城沖地震おこる。
漁民が初めての全国一斉休漁で原油高に抗議。
トラック、酪農業者の行動相次ぐ。
韓国で米牛肉輸入再開と自由貿易協定に対し、大規模な反政府行動おこる。
7月
洞爺湖サミット開催。燃料食料高に対策示せず。
日本経団連、2011年までに消費税10%を要求。
消費者物価が16年ぶりの高水準。社会保障費削減に反対し、医師会などが集会開く。
◆築地市場移転反対でデモ。全国地方議員交流会開く。
8月
北京オリンピック開催。
ロシアとグルジアが南オセチアで武力衝突。
共和、民主両党米大統領候補決まる。政策に大差なし。
三笠フーズの汚染米転売が発覚。
9月
福田首相辞任。麻生内閣が発足。
米証券会社・リーマンブラザースが破綻。金融危機が一気に拡大。
新テロ特措法閣議決定。
10月
米金融安定化法可決後も、金融危機回避ならず。米欧相次いで巨額の税金投入。
日経平均株価が26年ぶりに7000円を割る。
トヨタが期間従業員2千人解雇。企業倒産増加、負債は過去2番目に。
米原子力空母ジョージワシントン横須賀に入港。
11月
米大統領にオバマ氏。
金融サミット、打開策なく各国は米を非難。日本だけが米を擁護。
いすずが非正規社員1400名に契約年内打切りを発表。
◆荒川区長選挙。
12月
イスラエルがパレスチナ・ガザ地区を空爆。
日比谷公園では『年越し派遣村』。
麻生政権支持率2割。民主・小沢代表はまた「大連立」。どっちもどっちの年の暮れ。