『格差拡大』に歯止めをかけて
区民が豊かに暮らせる荒川区を。
春の足音が近づいてきました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
区議会は来年度予算の審議を終え、14日に閉会しました。この予算には、4月からの区民税増税と国会で改悪された医療制度等が含まれています。商店街振興策や保育園給食民間委託などの政策にも異議があるため、私はこの予算に反対しました。
西川区長は「区民の中に格差を拡大してはならない」と表明しています。私も同感ですが、では、荒川区はそのために何をするのでしょうか。
格差拡大は、強いもの、大きいものばかりを支援してきた政治の結果です。歯止めをかけるには『弱い立場の人への支援』だけでなく、『強いものへの規制』も行わないと効果は上がりません。
『弱きを助け、強きを挫く』のなら、小さくて弱いものを「頑張れ!頑張れ!」と叱咤激励するばかりじゃなく、強いものを抑える政策も必要ではないでしょうか。
区は格段の努力が必要だと考え、新たな基本構想にあえて退席しました。裏面に『元気クラブが提案する基本構想』を載せましたので、どうぞご覧下さい。
4月の改選も間近です。全力で頑張りますので、応援して下さい。
【略歴】
■1953年12月26日藤沢市生まれ、B型。
■東京教育大学(現・筑波大学)付属小・中・高校卒。ベトナム反戦運動で多感な高校生時代を過ごす。
■21歳から荒川区在住。当時三ノ輪橋にあった、じゃがいも共同保育所に娘を預け、区内の工場で働く。保育園父母会、学童クラブで荒川区と施設充実の交渉。
■東日暮里6丁目にあった丸善(株)日暮里工場に勤務。手づくりの労働組合でパートの待遇改善などに取り組む。
■1987年、33歳で区議会議員に初当選。〈あらかわ元気クラブ〉で既成政党とは一味ちがう議会活動、地域活動を展開。「働くひとのかけこみ相談所」で区民の身近な相談相手として共に悩み、問題解決に奔走してきた。
■家族は荒川郵便局に勤務した夫、昭和3年生まれで俳人の母、真土小・十中・上野高校・都立医療技術短大に学び、区内の介護事業所で働く娘。
■現在、地域政治団体〈あらかわ元気クラブ〉代表。会派はひとりから2人になり、またひとりに。零細企業の社長の悲哀を痛感。
■政務調査費を使わず発行してきた「斉藤ゆうこの区議会レポート」は20年間で通算67号。お金も力もないけど大政党に負けない心意気で頑張る。ストレス解消は洗濯することと、PPMから夏川りみ、都はるみまで、唄うこと。
【これまでとこれから】
〈これまでの活動〉
●中小零細事業者を応援する「中小企業振興条例」を提案し、一昨年条例化。
大型店出店に対する規制緩和に反対して地域商店街と一緒に活動。
●消費者グループを結成し、無農薬野菜の共同購入、安全な食べものや石けん洗剤の普及、リサイクル・容器規制、原発問題、環境問題に取り組む。
●たび重なる学校統廃合計画に対し、地域の声を反映して教育委員会と交渉。
「高齢者と学童クラブに直営で地域に役立つ学校給食を」と提案し、現在、民間委託の『お達者ランチ』として実現。
●日暮里・舎人線の一部地下化、尾久本町・宮地の葬祭場問題、西日暮里場外馬券場問題など、地域環境を守る住民運動を強力に支援。31階超高層マンション問題では、住民が直接請求した「高度制限地区条例」に会派として唯一『賛成』。
●百億円の裏磐梯保養所計画の凍結、がんセンターの廃止を提案し、真の行革に貢献。非常勤職員や、区の契約相手先などで不安定な条件で働く人たちの待遇改善に取り組み、一歩ずつ前進。
●かつての『領収書なしの政務調査費』に会派として唯一『反対』し、今回の条例改正でやっと改善にこぎつけた。
〈これからの目標〉
○地域商店街の一員として、消費者と商店街の結びつきを強め、元気な商店街をつくるため、ともに汗を流す。
○あらかわTMO、おぐコム星の市など、頑張る地域商店街の活動を応援。
○特別用途地区を活用して、建築物の立地を規制する『荒川区まちづくり条例』を区民の合意の下でつくる。
○多額の補助金を投入する日暮里駅周辺再開発、三河島駅周辺再開発が区民の利益につながるよう、チェックを続ける。
○にっぽり繊維街から三河島駅周辺に回遊する楽しい街づくりをすすめる。
○日暮里・舎人ライナーの安全対策を求め、尾久地域の活性化につながるよう取り組む。
○学校が抱える様々な問題解決に取り組む保護者と子どもたちをサポートする。
○ふれあい館建設を急ぎ、区民要望で地域に役立つ施設づくりをすすめる。
○地方議員の全国ネットワークをつくり、介護保険制度・障害者自立支援法の抜本改正、大増税反対などで、国に対する直接行動をおこなう。
○専門家と連携した相談活動を継続。必要な課題は超党派で解決をめざす。
区民が豊かに暮らせる荒川区をめざして
あらかわ元気クラブの『荒川区基本構想』
荒川区の新しい基本構想が策定されました。これまでの基本構想から7年、果たしていま荒川区が抱える問題を解決する構想になっているでしょうか?
そこで、あらかわ元気クラブは独自に荒川区の将来像を描き、6つの方面について政策をつくってみました。区民の皆さんのご意見をお寄せください。
はじめに-
荒川区が抱える課題
●戦後、隅田川沿いの大工場を中心に〈ものづくりの槌音が響く町〉として栄えた荒川区。1980年代後半からの産業構造の変化と、中小企業を大事にしない政府の経済政策の下で区内企業は廃業や倒産に見舞われ、事業所数が減少し、景気の悪化から消費は活性化せず、大型スーパーの進出に押されて地域商店街の衰退も続いています。
●一方、大工場の跡地や駅前再開発がすすみ、荒川区は〈都心近接の住宅地〉として注目されるようになりましたが、反面、中小工場跡地などのマンション建設をめぐる紛争が増え、区の現行ルールが問われるようになりました。
荒川区の将来像は
『地域の産業と暮らしやすい住環境が調和した町』
●減少したとはいえ、荒川区は製造業の集積地で産業の拠点に変わりなく、「将来も必要」と区民アンケートで再評価された地域商店街が今も残る町。これが東京のほかの町には見られない特色です。
●旧来からの区民の基盤である製造業や地域商店街の可能性を引き出して地域経済がもっと潤うようにし、そのことが、新たに住まいを求めてきた区民の「住んで良かった」という暮らしやすさや満足につながる。-そんな将来像をめざします。
1.産業振興
〈ものづくり・地域商店街・住宅〉が共存する活気ある下町・荒川区を。
●荒川区の技術を『使われる技術』に。経験あるシニア世代の区民をコーディネーターに、都立産業技術高専・首都大学東京・芸大・東大などと連携。
●区内ものづくり産業による発展途上国からの研修生受入れを区が支援する『技術の里親制度』を。
●荒川区の魅力ある地域商店街を本気で残そう!大型店などを立地規制する『地域商店街を未来に残すまちづくり条例』の制定。
●商店街の空店舗に『親子カフェ』を!子育て世代が、おにぎりやお惣菜など商店街の食べ物を持ち込みできるスタイルで。空店舗で「読み聞かせ」や「子育て相談」も。
●『日曜もやってる商店街キャンペーン』『9時までやってる商店街キャンペーン』で、消費者に支持される商店街への区の支援制度を。
2.子育て支援と教育
子育て世代が「住んで良かった!」と満足する荒川区に。
●所得の少ない若年層向きの単身者・世帯用区民住宅を。
●家賃助成の復活、出産祝金で子どもを産み育てる環境を応援。
●産褥期のお母さんを精神面・健康面でやさしくサポートする『ママ・プログラム』。
●小さな子どもたちの保育園は民間の競争でなく区の直営で。給食も直営で『安心・安全』に。
●環境の良い学童クラブの増設。
●区の施設を活用し、専門職員を配置した『子どものための地域シェルター』を。
●区立幼稚園の3歳児保育を拡大、選べる環境を整える。
●クラス人数や教員配置を弾力化し、学校規模による教育環境の格差をなくす。
●不登校やいじめ問題を放置しないネットワークづくりと『学校と保護者とのトラブル解決機関』の設置。
●人権意識を培い、子ども自身が暴力から自分を守る『CAP』の普及。
●英語教育より、国語力を大切にする教育課程に改善。
3.街づくり政策
「川と原っぱのある町」荒川区。高層化しない心やすらぐ町並みを残そう。
●特別用途地域や地区計画を活用した『荒川区まちづくり条例』で町並みと住環境を守る。
●路地裏・祭り・落語・伝統工芸などの下町文化を生かし、若者に住みたい魅力を提供。
●にっぽり繊維街から三河島駅周辺へ回遊する新たな観光ルートで地域の魅力を全国に発信。再開発ビル内に『観光案内ステーション』を設置。
●日暮里・舎人ライナーの安全確保と、尾久の原公園・荒川遊園・都電と地域の商店街を結ぶ尾久地域の活性化。
●南千住、町屋地区の大規模再開発の検証。
●『安全・安心ステーション』を各地区にバランスよく配置する。
4.地域医療・福祉
社会保障制度の解体をやめて、『ひと』がつくる心のかよった地域医療・福祉を。
●高齢者やハンディキャップのある人の負担を増やす医療制度・自立支援法を改めるよう国に求める。
●「保険料は上がり、サービスは自己負担」の介護保険法改正をもとに戻す。
●福祉を商品化する介護保険制度をやめ、税でまかなう制度に改めるよう働きかける。
●区内の医療・福祉・介護の現場で働く人たちの待遇改善と人材確保を支援。
●DV対策、薬物依存症対策などに取り組む、専門性の高い地域の機関を支援し、連携する。
●がんセンターを転用した健康づくり総合施設に夜間・休日救急センターを設置。
5.文化・国際交流
地域の歴史と文化を輝かせ、国際理解をすすめる荒川区。
●日暮里駅周辺に『戊辰戦争記念館』を開設、彰義隊などの歴史を展示。
●ふるさと文化館に南千住の産業・文化・歴史の常設展示。
●済州市、大連市との友好都市を区民レベルで発展させる。区内の高校・大学と連携し、将来の友好につながる若い世代の交流を支援。料理・映画・音楽などの分野での区民団体との交流を支援。
●再開発ビルなどの公共スペース確保、商店街の空店舗借上げで、町の中に国際交流の拠点を設置。
●民族や出身による差別のない『人を大切にする町・荒川区』をつくる。
6.区財政・契約制度
地域経済が潤い、結果として区民が豊かになる施策が基本です。
●都区財政調整交付金との1:3の比率を克服、自主財源を増やして真の財政健全化をめざす。
●格差拡大と区民サービス低下につながる苛酷な人件費削減を改め、人に投資する政策に転換。
●『一般競争入札』『電子入札』『低価格契約』が区内事業者に不利益をもたらさないよう改善する。
元気クラブの基本構想に期待する。
■元・沖縄県副知事 吉元政矩さん■
沖縄県が策定した『国際都市形成構想』と『基地返還アクションプログラム』『一国二制度の経済振興策』は、地域の生き方を示す大事な指針です。地方自治体が国の束縛に抗してどのように未来を描くか。元気クラブの基本構想に期待します。
■全日本小売商団体連盟・元副理事長 田中利夫さん■
斉藤ゆうこさんたち〈あらかわ元気クラブ〉は、大型間接税や大店法規制緩和に反対するまちづくり運動の中で、この20年間常に私たち中小事業者と共にありました。『弱肉強食』の政治に地域からの反撃を期待します。
■十文字女子短期大学教授 橋本ヒロ子さん■
かつて荒川区で提案された『男女共同参画条例』は「男女共同参画に逆行するもの」と全国的な問題になりました。超党派の反対で『取り下げ』になったことは区議会の良識と評価しています。斉藤ゆうこさんのネットワーク力に今後も期待します。
■「在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク」会長・医師 黒岩卓夫さん■
日本の高齢化がすすみ、地域医療・福祉の重要性が増しています。全国各地で自治体と連携した実践例が数多くありますが、元気クラブもこれまでの蓄積とネットワークを生かして、荒川区の医療・福祉を輝かせて下さい。
■反差別国際運動(IMADR)副理事長 武者小路公秀さん■
地域の歴史特性や今日の国際化を考えるとき、『人権を大切にする町』をつくることは地方議会の重要な仕事と思います。心やさしい荒川区の皆さんが『ひとを大切にするまちづくり』をすすめられることを願い、元気クラブの基本構想にエールを送ります。
■弁護士 中野麻美さん■
地方自治体の中に非常勤や派遣で働く人が増えています。民間委託や指定管理の契約先の労働条件もよくありません。今後もこうした問題を議会で取り上げ、非正規雇用の人たちをバックアップしてくれるよう期待しています。