斉藤ゆうこのあらかわ日和

景気後退、原油の高騰で国民生活の危機。
アメリカと財界の言うなりでは荒川区民は豊かになれない。

 梅雨明けが待たれる日々、お元気でお過ごしですか。
 このところ原油の高騰がすさまじい勢いですすんでいます。1バレル200ドルまで行く、と言われますが、これが続けばガソリンや食料品ばかりか電気・ガス料金なども値上げになり、漁獲や野菜の生産も今以上に打撃を受け、国民生活全般に深刻な影響が出てきます。
 原油価格吊り上げの犯人は『投機マネー』です。アメリカのサブプライムローン破綻で世界に波及した金融危機に対処しようと、各国の金融当局は大量に資金を供給。これが投機マネーとして一気に原油や穀物に流れ込みました。もともと原油の価格は1バレル50ドル程度。差額は需給のせいではなく、投機によるものです。
 スペインやフランス、イギリスでは燃料価格の高騰に抗議する漁民やトラック、タンクローリー運転手のストライキが相次ぎ、韓国やタイでも大規模なデモ。日本のイカ釣り漁民は『全国一斉休漁』で「マジメな漁民がマネーゲームの犠牲になるのは納得できない!」と怒っています。政府に対策を迫る行動が必要です。
 さて、『後期高齢者医療』で国民は「元凶はコイズミ構造改革だった」と気がつきましたが、足元の荒川区政はどうでしょうか? 2・3面と4面もご覧下さい。
 アメリカの力が低下して世界は多極化、日米関係を変える好機です。フツーの国民を犠牲にしてきた対米追随政治をやめ、経団連の代理人でない政党を国会につくりたい。先日、区内の商店主の方から「ゆーこさん、もう限界。新党はまだですか」と言われてしまいました。力不足でスミマセン。頑張りますので応援して下さい。

今年の予算委員会から

日暮里舎人線が開業。
地域活性化をどう支援する?

●日暮里・舎人ライナーが、昭和60年(1985)年以来23年の年月を経て開通しました。この間には、平成8(1996)年の都市計画決定をめぐって、尾久地域を中心に『一部地下化』を求める運動もありました。
 平成9(1997)年12月に工事が着工したものの、開業が4年延期となり、沿線住民は実に11年の長きにわたって工事の騒音や振動に悩まされ、生活や商売への影響も様々ありました。
●そもそも日舎線は、足立区の交通不便の解消を目的とした東京都の広域交通政策。荒川区は通過地点ではないか、特に尾久地域は工事の負担や景観・プライバシー・バス路線変更など問題ばかり多くて、プラスにはならないのではないか、という思いが強く、手放しで喜べない気持ちがあります。
 日舎線の開業が「地域にプラスになった」と実感されるには、一過性でなく、継続的に問題解決や地域活性化支援にあたる必要があると思い、区の考えを聞きました。

【倉門 都市整備部長 答弁】
 開業までには、ご指摘の『地下化』問題をはじめ、西日暮里での暫定開業など様々な問題があった。特に開業時期の見直しに伴う建設工事の長期化は、沿線の方々の日常生活に多大な影響を与えてきた。こうした中での3月開業は、沿線にお住まいの方々のご理解とご協力の賜物と強く認識している。
 開業イベントを一過性にせず、地域活性化につなげる、という点では全く同様の認識を持っている。開業を契機に地域の方々が主体となって街の活性化につなげていくことを期待している。

●期待する、じゃなくて、駅から商店街へのルート表示や案内板もお願いしますね! 『地域活性化』とはベンリな言葉ですが、再開発や新交通が「見せかけの近代化」に終わらないよう、誰の利益になるのか、良~く考えていかねばなりますマイ。

ふえる非常勤職員。
待遇改善にどう取り組むか。

●荒川区は昭和58年度から昨年度までの25年間に853人もの職員を削減しました。削減率35%、23区平均の約3倍です。
 「良くやった!」と思われますか? でも、この『削る、減らす』行革の穴埋めは安い賃金の非常勤職員の採用でまかなわれてきました。あなたの娘サン、息子サンかもしれません。
●現在480人を超える数となった非常勤職員は、「補助的な仕事」どころか段々に職員と変わらぬ仕事をせざるを得なくなり、専門性の高い『図書館司書』や『栄養士』『幼稚園教員』などの職種でも、その数は増えるばかり。勤続年数の長い人も多くなりました。
●現行法では、非常勤職員の給与は年齢や勤続年数で加算されません。年収200万円代、主任でも300万円超の30代の非常勤職員が60歳を迎える時もこのままの年収だとしたら、果たして西川区長が常日頃言われるように「誇りをもって」荒川区職員の仕事を終える事ができるでしょうか?
 たとえば、区内の図書館では常勤職員は館長ひとりで、あとは全員が非常勤です。区民サービスの最前線に立ち、専門性の高い仕事をこなしていますが、長く区民のため、地域のために働いても、このままの待遇では仕事にふさわしく、報われるものにはなりません。
●西川区長は「『働く貧困層』を増やすことには加担しない!」と言いますが、それでは現状をどう変えるつもりなのでしょうか。当局に質しました。
 まず、賃金改善のネックとなる法律をどうするか。また、『家賃助成』などの方法で住宅費の負担を軽減できないのか。(注:非常勤職員は『住宅手当』などの手当支給が認められていない)。
 生活がかかった、切実な問題です。

【藤田 管理部長 答弁】
 非常勤職員の待遇改善については、「是非すすめていきたい」という事で平成19年から始めた。今までのあり方から比べれば大きな改革だと思うが、これからめざす役割を果たしてもらうのにふさわしい処遇については、今後考えていかねばならない課題と思う。
 ご質問の法律との関係は、その中で大きな要素を占めるものだ。一自治体だけで出来るものなのか、大きな課題だ。現行の人事委員会の制度の問題も幾分ある。両面とも研究し、具体的に折衝していきたい。
 家賃等の問題点は、今まで我々の視野には入っていなかった。いまは休暇等の制度について、常勤職員に準じた制度を完備して働く環境を整備したいと考えている。

●戦後、各区は若くて収入の低い職員向けに職員住宅を作って人材を確保した歴史があります。当時、公務員の給与は民間の半分くらいだったからです。今なら非常勤の若い人たちに家賃の安い職員住宅を開放するのが上策でしょう。これなら、区の「職員住宅条例」を改正すれば出来ることです。

なぜ非常勤になった?
区立幼稚園の3歳児保育。

●10年の試行を経て、4月から全園で実施された区立幼稚園の3歳児保育。決断するにあたっては、人件費がいくらかかるか充分吟味したハズなのに途中から雲行きがアヤしくなり、予算委員会では「16名の非常勤職員を採用して実施します」との説明が…。
 当初からそのつもりだったのか、どの時点で変わったのか、経過を聞かせてくれ、と質問しました。
●川嵜教育長は「予算査定の中で、区全体の総合予算の中で有効にやることになった」と答弁。当初、教育委員会は常勤職員での実施を考えていた事がうかがえました。
 非常勤にした事で人件費は1600万円削減され、一方で私立幼稚園への補助金は2400万円の大幅増額であることもわかりました。
●つまりは、全園実施を決めたものの私立幼稚園からの反撥が強く、区当局も、3歳児推進に動いた与党も「予算を有効活用」して『気配り』したという事でしょうか。
 「非常勤でも何でも、やれば子育て世代は喜ぶんだろ」という開き直りの声も聞こえます。こういうのを『×民政策』と言うのでは?

保育園給食の民間委託
削減効果は170万円。職の安全が心配ないま、6園委託が最善の策か?

●昨年は区が提示した金額が低すぎたため契約が成立せず、今年いきなり6園も拡大する、と発表された区立保育園の給食民間委託。
 当局は『経費削減効果』と『栄養士の配置でサービス向上』を謳い文句にしていますが、「食育」をすすめる役割の非常勤栄養士は待遇が悪いせいか、すぐ辞める人が続出しています。
●一昨年民間委託した2園について、こうした検証も充分に行わないまま強行しようという当局に対して、保護者は「ただ安上がりにしたいだけ?」と不信感を抱き、「反対!」の声が上がっていました。
●予算委員会では「1園170万円の経費削減」という答弁。栄養士の人件費を増やせば削減効果はさらに小さくなります。食品偽装が相次ぎ、危険な輸入食品が給食の食材にも及ぶ昨今、この程度の金額を『効果』と言い張り、既定方針にこだわり続ける当局の政策判断は誤っています。これでも荒川区は小さな赤ちゃんの給食まで残らず民間委託するの?

西川区長は「ただ削る、減らす行革ではない」と言うが、
これまでとドコが違うのか?
 これが私の率直な感想です。つかの間の財政好転ですが、これをどう使うのか、産業振興策も含めて戦略的視点がないのは残念なこと。予算に反対しました。

【解説】『後期高齢者医療制度』は誰の差し金か。

●荒川区では3ヶ月遅れて、この7月から『後期高齢者医療制度』が始まります。4月の制度発足以来、「カネがかかる年寄りは死ね、と言うのか!」と怒りの声が渦巻く中での実施となりました。なんて間が悪いんでしょ。
●私はもともとこの制度に反対ですので「制度のご説明」は荒川区に任せる事にして、なんでこういう制度ができたのか、その背景をご説明したいと思います。「知ってるよ、コイズミ構造改革だろ」とおっしゃる方もさすがに多くなってきました。コイズミさんに投票した方たちも、こぞって「ケシカラン!」とおっしゃいます。
 確かにコイズミ首相時代の法改正が直接の原因には違いありませんが、医療・介護・年金などの『社会保障構造改革』の根は深く、1996年の橋本首相の「6つの改革」、さらには1980年台にまで逆上ります。橋本サンはこれで選挙に負けたけど、コイズミさんは圧勝したのですから、私たち「抵抗勢力」も弱くなったものです。
●1985年のプラザ合意を受け、アメリカ中心の国際協調路線を受諾した(ポツダム宣言みたい)日本の政府は『前川リポート』を発表しました。これが日本の産業構造や社会の仕組みを変えるハシリです。ここから、日米構造協議が始まり、アメリカの年次改革要望書が出てきて、やれ流通を規制緩和しろ、農業を市場開放しろ、社会保障費を減らして民間でやれ、とアメリカに指図される事になりました。
●1990年代に東欧・ソ連が崩壊して以降は、「一強」となったアメリカが主導する「大競争時代」に突入。日本の多国籍企業は「国際競争に勝ち抜くためには『身軽』になる必要がある」と説き、従来からの『減税』要求に加えて『社会的コストの削減』を主張し、年金や医療保険の企業負担を減らすよう政府に求めました。アメリカも市場を欲しがり、民間開放を要求しました。これが彼らの言う『社会保障構造改革』です。介護保険制度もこうして導入されました。
●2002年には、外国企業と鍔ぜり合いを演じる多国籍企業が主導権を握る「日本経団連」が発足、トヨタの奥田 碵氏が会長に就任しました。
 奥田経団連は「財政再建を急がないと長期金利が上がって景気が悪化する。国際的にも主導権が発揮できない」と、財界の『足カセ』になる財政赤字解消のために政府が大ナタをふるう事を強く要求。ここで歳出削減のヤリ玉に上がったのが医療費と介護給付でした。
●財界の代理人のコイズミさんは『骨太方針』というヘンな名前の方針で社会保障費の削減目標を決め、構造改革に拍車をかけました。まず『給付の抑制』を掲げて介護保険法を改正し(民主党も賛成した)、次に作ったのが今回の『後期高齢者医療制度』。どちらも国民の負担を増やし、給付を減らすことが目的です。私たち元気クラブは20年間、こういう構造改革政治と闘ってきましたが、力不足でした。
●さて、皆さん! 問題はこれだけじゃありません。女性問題でクビになった政府税調の本間という会長を覚えておいでですか? このヒトは「負担増が重なれば、国民は苦しくなって消費税増税を認める」と発言しました。私は巳年で執念深いから良~く覚えてる。福田首相は「そんなに後期高齢者医療がイヤなら消費税増税で」と言わんばかり。汚いヤリ方ですねー。
●この20年、大企業は消費税と引き換えにどれだけ減税してもらったことか! 苦労してきた年寄りをこれ以上絞ろうなんてトンデモナイ事です。トヨタが栄えて荒川区の中小企業が潤い、働く人が豊かになるなら許せるけど、実際はその逆じゃないの! 話の大元は日米関係と今の財界です。これを変えないと日本は本当にダメになります。

【ゆうこのひとりごと】

●「日本のニュースを見てても情勢は解らない。世界の趨勢を知りたければBSで各国のニュースを見よ」と知り合いのジャーナリストに言われた。以前から見ていたNHKの「アジアのニュース」は0時台から深夜3時に追いやられたけど、中国・韓国・香港・タイ・シンガポールとそれぞれに興味深い。進化するアジアの中で日本はどう生きるのか、ヒントになること大だ。
●加えてアメリカや欧州各国のニュースを『徹夜の友』とし、深夜に勤しむ原稿書きの合間に見る。フランスのTVは燃料高騰に抗議するデモで高速道路の渋滞に巻き込まれた市民にインタビュー。「これは大きな問題だ。トラック運転手は正しい事をしている」と市民は答えた。「向こうでは漁業や農業が国民の食を支える、という考えだ。食を海外に頼り、食うに困らない時代が続いた日本とは意識が違う」と語る日本の漁民の声は寂しい。ここでも第1次産業を潰して自動車屋が栄えた日本の選択が問われる。
●秋葉原の事件で、孤立し、行き詰まった派遣労働者の実態がまた浮き彫りになった。その憎しみが「誰でも良かった」に向かう事に終止符を打ちたい。欧州やアジアで雇用主や政府と闘う若者の姿を見ながら、つくづくそう思う。おとなはおとなで、相変わらず身近な標的を見つけて攻撃しては溜飲を下げる行為が目立つ。これも変えないとね。