斉藤ゆうこのあらかわ日和

荒川区政は刷新されたか。
日本は暮らしやすくなったか。

 もう師走。皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。
 荒川区は昨年、助役と区長の相次ぐ逮捕という激震に見舞われ、11月の区長選挙で西川区長が当選しました。それから1年、荒川区政の『刷新』はどのようにすすんだのでしょうか。不正防止委員会が設置され、公益通報制度などが取り入れられ、職員の倫理規定や区長の声明、幹部の「連判状」も出されました。
 再び事件をおこしてはならない、という自己規制が働き、制度化がすすんだ面もあります。また、職員自身の努力で、長年組織の中にあった一部幹部職員と特定企業との癒着が一掃されつつある部署もあります。
 その反面、議員と企業・業者の関係には一向に思い切ったメスが入りません。契約改革による安値入札が横行し、経営が立ちゆかなかったり、従業員への適正な賃金支払いがとどこおる例も出てきました。弱い立場の人たちにシワ寄せがいく『刷新』では本末転倒です。
 政策経営部と総務部を統合した組織改正には無理があり、業務の停滞が見られます。強い権威を持つ区長に対する幹部職員の追随ぶりは藤澤区政以上、との評判も聞かれます。区民の皆さんの評価はいかがでしょうか。
 9月の総選挙で小泉自民党が圧勝してはや2ヶ月。小泉構造改革は国民を幸せにしない!と信じてる私としては忸怩たる思いですが、規制緩和と増税と憲法改正で国民の暮らしが良くなるとも思えません。
 という訳で、元気クラブは来年も『健全野党』として益々頑張ります。寒さの折、皆さんご自愛下さい。

決算委員会 私の質問

●商店街がさびれたら街はつまらない。あらかわTMOに支援を。
 (株)あらかわTMO(タウン・マネジメント・オーガニゼーションの略。まちづくり会社の意)は中心市街地活性化法にもとづき、区内の商店主が中心となって2002年(平成14年)に設立した、街の活性化を推進するための会社です。区と区議会が挙げて支援を決定し、荒川区が資本金の一部を出資、3年間限定で補助金を出して支援してきました。
 ところが、TMOの財源だった南千住自転車駐輪場の管理運営について監査委員から不備が指摘され、今年度から委託は中止、TMOは活動の財源を失うことになりました。この経過については議会にも報告はなく、TMOは『ハシゴを外された』状態になってしまいました。
 TMOは『行政と市民の協働の組織』ですから、こういう問題は双方に責務があります。区の指導は充分だったのか、という私の質問に対し、佐藤産業経済部長は「設立当初から地元事業者を中心に毎月2回の勉強会で夜遅くまで熱心な議論をしてきた。その積み重ねで、つくばエクスプレス開業に合わせた取組みに地元商店街が力を合わせられた。南千住の商業振興、地域の活性化に果たすTMOの役割は重要。今回の件は区として充分な指導監督ができなかったと深く反省している。これまで以上の支援に努める」と答弁しました。
 自分の店の商売、商店街活動、その上にTMO活動する商店主と、区は一緒に汗を流してほしいと思います。最近の内閣府の調査では「新たな大型店は不要」が60%で「必要」の40%を上回り、出店規制が必要との意見も60%に。商店街がさびれたら買い物が不便になる、と地域商店街の価値が見直されています。絶滅の危機にある商店街にしっかり支援を。

●ある議員と業者の関係は公然のヒミツ?
 高野不正防止監にこの間の取り組みを聞きました。職員の側の倫理規程はつくったけど、議員と業者の関係にはメスが入っていない、というのが私の印象です。
 管理職対象の調査を見ると『口利き(働きかけ)の文書化』『議員接触メモの共有化』などの規程整備が必要だ、という意見が目立ちますが、まだ具体化はされていないとのこと。(区のホームページに全文が掲載されています)
 あるサイトに荒川区の区議会議員と業者の癒着が実名入りで書かれている、と記者から私の所に問合せがあったので不正防止監に質問しましたが、この辺りが一掃されないと『刷新』と言ってもまだまだです。

●頓挫した町屋北再開発。区の体制に問題があった。
 16年の歳月と5千万円の財政を投入した町屋北地区の再開発事業が暗礁に乗り上げ、準備組合が解散しました。前例のないことなので、区としての現時点での総括を質しました。
 「区の指導が適切でなかった」という反省が出され、荒川都市整備部長は「職員の推進体制が決して万全とは言えなかったと感じている」と答弁。
 私は、未同意者に「Tというコンサルの言うことは信用するな」と言って回った職員がいること、合意形成に努めるべき職員がこういう態度を取り、それが放置されたことに、ただでさえ難しい再開発事業が混乱した一因があるのではないか。この職員は退職してN設計の子会社にいるが、N設計がかつてA元助役と密接な関係にあったことは庁内では周知の事実ではないのか、と述べ、職員の問題も含めてきちんと総括し、区の責任にけじめをつけてほしい、と要望しました。
 巨額の財政を投じる再開発。これを機に企業との癒着を一掃してほしい。

●住宅や出産・子育て手当で若い世代を応援しよう。
 結婚しない、パラサイト、少子化などの背景に低所得の若い人たちが増えている問題があります。若年層の二極化がすすみ、最近の統計では200万から300万円の所得が多数派です。
 夏に視察した京都府園部町では子宝条例を制定、町が出す『出産祝金』が第1子から第3子まで、それぞれ5万円、10万円、30万円。『すこやか手当』が月額3千円、4千円、6千円。そして出生率は1.85人に上昇!転入してくる世帯も増えて、ついに学校を増設しました。現金給付は大事です。
 かつては、若い時に子どもを産んで多少生活が苦しくても、いずれ賃金が上がるという状況がありましたが、今はそれも一部の大企業と狭き門の公務員の話。低所得の若年層を底上げ支援して自立を助ける住宅支援策や、子育て世帯への給付を真剣に考えないと。

●郵政民営化でどうなる? 簡保からの借入金
 荒川区はこれまで簡易保険から資金を借入れ、学校、公園、高齢者施設や常磐新線などに活用してきました。これまでの評価と、民営化でどうなるのか、大渕収入役に聞きました。
 現在、荒川区が簡保資金から借り入れている金額は約64億円、特別区債の中に占める割合は17.7%で荒川区の必要不可欠な施策に利用してきたと評価しましたが、今後のことは不明。
 簡保は全国の地方自治体に21兆円を貸し付け、町や村の基盤整備の安定財源となってきました。自治体や住民にとって民営化は無用です。

その他、
●市区町村が50%出資し、新たに介護度認定調査を行う法人について、地域包括支援センターについて聞きましたが、区は方針未定。
●京成ガード下立退き問題で出張相談所を要望。工場や商店の再入居を認めるよう働きかけを。
●東尾久地域の新たなふれあい館建設を急いで。
●頑張る『星の市』と雇用マッチング事業への支援について質問。
持ち時間はしめて23分!

このままでいいのか、介護保険会計。
元気クラブが3つの提案

1.給付削減と保険料値上げが将来にわたって繰り返されるのではないか、というのが国民の率直な不安です。保険者である区と、先行き不安を抱える区民に対する議会の責任を果たすため、介護保険会計の集中審議を提案しました。

2.法改正で、保険者である荒川区は国に振り回されて様々な事業の手直しを強いられ、新たな負担が発生します。来年4月までの特別な措置が必要です。

3.荒川区は、法改正のたびに条例改正で追随するのを止め、制度そのものの抜本的な変更を国に求めるよう提案しました。税で賄ってきた日本の福祉を複雑にし、保険者を地方に押し付けたのがマチガイの元。保険制度をやめて税で賄う制度に戻すべきです。

【ゆうこのひとりごと】

●11月16日夜、サンパール大ホールに職員960名を動員して開かれた『西川区長就任1周年集会』。〈責任野党〉を自認する私は、議会から唯ひとり一部始終を拝見させていただいた。演出は翼賛的な匂いが濃厚だった。この責任は誰にあるのか。「刷新」を標榜する幹部職員の責任を問いたい。
●環境行政が調査目的のドイツ視察に、所管外の部長が同行。行革推進の責任者が自らはビジネスクラスで出張したことに対する批判が庁内にある。西川区長の「一致結束」の掛け声にもかかわらず、この庁内の不協和音はなぜなのか?
●建築構造計算書の偽造事件は大問題に発展。国や区の保障だけでなく、不正な利益追求に走った企業の責任を徹底的に追及すべきだ。この際、建築確認を規制緩和した国の責任や制度自体の問題点を建設環境委員会で解明したい。でないと庶民の悲劇はなくならない。
●保育園給食の民間委託が提案され、区有施設には民間の指定管理者が続々。荒川区の行革と民営化はこれでいいのか。区民の利益になるのか。検証が必要だ。
●この1年、大波に翻弄され続けた区役所職員。民間が不景気だと、とかく公務員にばかり国民の風当たりは強くなるけど、その陰で大企業やら政治家の巨悪がはびこっていないか。構造改革を叫ぶ小泉サンを支持して『既得権益』攻撃をする人々は敵をまちがってはいないか。来年も問い続けたい。

「収賄はなかった」と藤澤前区長は無罪を主張。
職務権限は誰にあったのか?(2)

●新光ビルのスポーツセンター受注の指揮をとった高橋前助役は、タイへの接待旅行を認める証言。
 いったい誰の収賄事件?
 荒川総合スポーツセンター見積書について当時の総務部長は、「締め切りは2時だった。新光以外の3社の見積りが出揃った1時に高橋助役から電話があり、金額を聞かれたので3社の金額を書いたメモを渡した。その後、1時20分に新光の手書きの見積りが上がってきた」と証言。新光関係者の証言とは食い違いがありますが、これが真相だと思います。
 高橋前助役は、ゴルフ接待や商品券にとどまらず、新光ビルとタイ旅行に行き、現地での滞在費等を賄ってもらったことを認めました。

●暴露された警視庁の予断による見込み捜査と違法な取り調べ。
 8月23日の冒頭陳述で、弁護人は次のように『無罪』を主張しました。

《事件の背景》
1.昨年5月、藤澤氏の逮捕をねらい、別件でSK氏を10日間任意で取り調べたが立件できず、その後の6月、高橋前助役逮捕で押収した行動予定表から新光・石崎氏との会食記録を発見、藤澤氏を贈収賄で立件しようと、見込みと予断で逮捕した。
2.石崎氏は捜査官から指名停止期間が長い『競売入札妨害罪』適用を示唆され、また他の幹部社員の逮捕や同業者の立件もあると言われ、自社の経営と業界に多大な損害が及ぶことを恐れて捜査官の圧力に屈し、『贈賄』という虚偽の自白におよんだ。
3.第1次、第2次に分けて逮捕し、40日間の拘留で自白を可能にしようとしたが、44日間にわたる取り調べの脅迫的、侮辱的な罵詈雑言にもかかわらず、藤澤氏は自白しなかった。

《公訴事実の不存在》
1.「重箱」で新光ビルの石崎、荒川と会食したが、50万円を受け取った事実はない。後援会費などは毎年振り込まれており、「藤澤氏と疎遠になり、契約から外される危機感を抱いた」という主張は全く事実に反し、贈賄の動機も存在しない。
2.区長応接室で石崎氏と面会しているが、扉は開放状態であり、100万円収賄の事実はない。受注の便宜をはかったのはは高橋前助役であり、藤澤氏は契約に助力、貢献しておらず、従って謝礼はない。
3.贈収賄の立証には「原資と使途の特定」が必要だが、どちらも特定できない。「金庫内にあった現金云々」という石崎氏の説明はあいまいで漠然としており、具体性がない。使途も不明である。
4.新光ビルは長年にわたり高橋前助役と極めて親密な関係にあった。指名業者選定委員会の実質的な権限は助役にあり、石崎氏はそれを知って高橋助役に接待攻勢をかけ、親密な関係を築いた。高橋前助役は自己の権限を最大限活用するため、他の幹部職員を「カヤの外」に置いて関与させず、藤沢氏も事実を知らなかった。

《結論》
以上により、被告人は無罪である。

●藤澤氏自身が語った苛酷な取り調べ
 藤澤氏は「『重箱で金をもらっただろう。もう区長はおしまいだ』『お前の目はウソの固まりだ』『ウソつき、サギ師、負け犬、税金ドロボー』などの暴言が繰り返され、『娘の会社、家族、職員にも捜査の手が伸びるんだから一刻も早く自供しろ』と連日責められた。『あんたの言ってることは全部ウソだ。区民と後援者に対してサギ師だ』と言われ、侮辱に耐えかねて黙秘した。『警視庁に対する挑戦だ。黙秘すれば余計に捜査は厳しくなる』『お前は慶応のバカなお坊っちゃんだ』『目黒の薬師寺区長は迷惑をかけまいと自殺した。お前は黙秘なんかして恥ずかしくないのか』と毎日のほとんど深夜までの取り調べが続いた。机を叩く、蹴とばす、耳元で大声を出す、目の前にいきなり手を出すなど肉体的に恐怖を与えるやり方だった」と苛酷な取り調べの実態を証言しました。

●立件できなかった三河島再開発などの嫌疑。
 捜査の発端となった三河島再開発について、自民党本部元職員MK氏から謝礼をもらった事実はないと藤澤氏はと否定。この件、私の側聞したところではMK氏が「藤澤区長が便宜をはかる」とある業者から金を受け取って自分が着服し、相手から詐欺で告訴されているとのこと。またSK氏は、藤澤氏名義の会社の借金返済が賄賂だと追及されたが、実質的な経営者はSK氏であり、賄賂には当たらないと反論しました。

 弁護人は新光からの政治献金の銀行口座への振り込み日時を示し、政治資金規正法改正後も政党に対する企業献金として合法的に処理されていることを強調しました。また、藤澤氏は区長選立候補の動機について「区の幹部や議員が連日クラブにたむろし、士気が低下していた区政を建て直そうと考えた。藤枝区長からも依頼された」と答えました。
 藤澤前区長の逮捕当時、「新光は区長じゃなくて助役でしょう?」、そんなの常識、と言わんばかりの職員の声がありました。藤澤氏の公判はまさにそれを裏付けた形になりました。検察側は「石崎証言の信憑性」と「区長の職務権限」を根拠に懲役2年6ケ月を求刑、12月16日には藤澤氏の最終弁論で結審を迎えます。この裁判の結末に注目したいと思います。