斉藤ゆうこのあらかわ日和

荒川区の『契約改革』はこれで良いのか。
新年度予算に反対しました。

 新緑の季節、万物に生気がみなぎる良い陽気です。皆さん、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
 3月10日に区議会第1回定例会が終了し、新年度の予算が決まりました。私はこの予算が西川区長が公約に掲げた『区政の刷新』に叶ったものなのか、私たち元気クラブがめざす『大多数の勤労区民のための区政への転換』と方向を同じくするものなのか、を賛否の判断基準に吟味しましたが、昨年に続き予算に反対しました。
 西川区長が「区政刷新」の第一に掲げた『契約改革』は、結果として多くの安値に偏った契約を生み出しました。そのシワ寄せは区内の事業者やそこで働く区民に及んでいます。また、昨年の組織改正で生じた問題が解決されないまま、今年も「理念なき組織いじり」がくり返されました。保育園の給食まで民間委託し、障害者施設に指定管理者を導入したことにも疑問が残ります。
 区民の暮らしの安定にプラスになるような方向をめざして、目下のまちづくり行政や、4月から変わる介護保険についても区のしっかりした対応を求めました。2・3面の記事でご覧下さい。
 さて、沖縄、岩国、神奈川、百里など各地の自治体で米軍再編への反対が相次いでいます。政府がこの計画を受け入れれば、自衛隊が米軍と一体となって戦争をすることになります。(4面に記事) 国民生活の根幹にかかわる『日米関係・安全保障・憲法』。これから皆さんともっと議論しながら、地域で運動していきます。
 季節の変わり目、どうぞおからだを大切に。

【予算委員会 私の質問】

●『契約改革』に弊害あり。
 中小事業者に適正利益を、働く人に暮らせる賃金を。
 今回の予算委員会では、西川区長の「区政刷新」の目玉、『契約改革』について重点的に現状を質しました。というのも、この1年荒川区の契約がかなりの安値で落札されるようになり、事業者や働く人に影響が出ているからです。
 ご存じのように区の契約は土木・建築などの工事、備品の購入や印刷製本、施設管理・清掃、学校給食の業務委託など多岐にわたり、区内の中小事業者への発注も多いため、区民の仕事や賃金や工賃を左右している現状があります。
 「納税者にとって税金のムダは許されない」「契約は低く抑えれば良い」と言う議論がありますが、中小事業者の適正な利益と働く人たちの適正な賃金の確保はムダ遣いでしょうか。行革で『民』にお願いした仕事がただ安値一辺倒では、地域経済にも、税収にもプラスになりません。
 区当局はこうした弊害に気づいているのか、改めるつもりがあるのか。昨年の本庁舎の巡視・警備委託契約を例にとって質問しました。

[表:昨年度の巡視・警備委託契約]
区の予定価格(公表) 33,180,000円
最低制限価格※(66%) 21,898,000円
落札したN社の金額 22,302,000円
※談合やダンピング、契約不履行を防止する目的でつくられた制度。平成14年3月の自治法施行令改正で工事や製造以外の請負契約にも適用可能となった。予定価格の80%~66%の範囲で制限価格が設定され、下回れば失格となる。

 本庁舎の巡視・警備、清掃、受付の3業務は、高橋前助役と癒着関係にあった新光ビルシステムが長年にわたり独占受注していました。事件後の昨年はこれを3分割、最低制限価格を66%に設定して一般競争入札を行いました。
 結果は31社が応札し、最も低い金額で入札したN社が落札。これまでよりはるかに安く、最低制限価格の最低ラインの66%に合わせた金額です。
 人件費が中心の巡視・警備の仕事をこんな安値で落札して、適正な利益の確保や適正な賃金の支払いは本当に可能なのでしょうか。こうした安値入札・契約のいきさつと弊害について区当局の考えを質しました。
 契約課長は「この時は予定価格を事前に公表してしまった。最低制限価格の範囲は規定で示しているので、事業者の読み次第(掛け率は最低の66%だろうと読んだ)でこうした金額が入ってしまった、という反省がある」と答弁しました。昨年の区の姿勢が安値契約の引き金となった事は否めません。
 「反省点を踏まえ、今後指名や最低制限価格の入札は予定価格を公表しないよう改めた。ダンピングで支障がおきる低価格契約は抑えていきたい」として、
1.人件費の内訳書提出
2.守るべき労働法令などを業者に個別配布
3.国の公益通報者保護制度や区の条例が契約企業の労働者にも適用されることを知らせる
-との答弁がありました。
 最後に西川区長は「入札制度の見直しを選挙公約の一番に掲げた私の立場も理解してほしい」としながら「適正であり、働く人たちの立場も擁護でき、中小・小規模企業の競争力を培えるような環境にし、安全性が確保でき、納税者にも納得してもらえるように、との予算委員会での超党派の議論は尊重していく」と表明しました。 荒川区では歴代助役が特定業者と癒着して契約を歪めていました。これが西川区長の『契約改革』の動機なのですが、事業者の適正利益や働く人への適正な賃金支払いが損なわれたのでは、役所の行革は格差社会の拡大に手を貸す、ということになってしまいます。これからも区民が豊かになる視点で弊害を取り除いていきますので、皆さんのご意見をお寄せ下さい。

●『就任1周年集会』で問われる区長と職員の関係。
 昨年11月に職員をサンパール大ホールに動員して行った「区長就任1周年集会」について聞きました。事業の位置づけは『自主研修』だそうです。
 鈴木総合企画部長は「民間企業ではよくあること」「別に私だけが提案したわけでもない」とおっしゃいました。
 新人職員の決意表明や区長を拍手で送る演出はヤリ過ぎという声がある、と言ったら三嶋助役は「そういう捉え方もあるのか、とびっくりした。そういう職員がいるとしたら、もっと徹底しなくては」と答弁しました。
 びっくりしたのは私です。庁内の不協和音が聞こえないとは重症(失礼!)。トップの考えを聞くなら、職員を別会場に時間外に動員するより、ほかに方法があるでしょう。職員は区長の後援会ではアリマセン。意地でも毎年やる!なんて言わない事を祈ってます。

●街づくり条例で荒川区らしい街並みを。
 地域力向上につながる三河島再開発に。
 荒川区には建設紛争予防条例や地区計画制度、『荒川ルール』など、個別に色々な制度がありますが、民間の開発行為に対して行政が関与するには区としての理念を明確にしておく必要があります。新宿区は「高度制限条例」を制定し、建築物の高さ規制に踏み切りました。街づくりの考え方を示す包括的な条例の研究を要望しました。
 今年度中の都市計画決定を予定している三河島駅周辺再開発。地域特性を生かし、個性ある地域力向上につながる再開発にしてほしいと質問しました。超高層による風害などを心配する声もあるので、地権者はもとより折りを見て近隣住民の声も聞いてほしいと要望。
 再開発課長は「改札口から駅前広場へのあり方やバリアフリーな駅舎のイメージ、個々の建て替えということでなく、公共施設の配置や駐輪場の確保、区の種地である旧真土小跡地を生かす方策も必要」「再開発は地権者と地域住民の意向を反映する必要がある。節目、節目で意見を聞いていきたい」と答弁しました。

●保育園給食は『民』で出来ても『公』でやって!
 4月からふたつの保育園の給食が民間委託になりました。ひぐらし保育園と三河島保育園は0才児保育と延長保育の園。産休明けからの赤ちゃんの離乳食や夕方6時15分以降の延長食も提供する園です。なぜわざわざこういう園を選んだのか、理解に苦しみます。
 保育園給食の民間委託は区の大きな政策転換です。たった5カ月で、サービス向上という謳い文句の保証もなく押し切られたのでは、区民の失望、落胆は大きいと思います。「既定方針だ」と言いますが、保護者には寝耳に水。西川区長には既定方針を変更することもできたのではないでしょうか。
 区の業務は雪崩れをうって民間に移行しています。私は、荒川区は保育園の赤ちゃんの給食まで、どうしても民間委託にするなんて、そこまでやる必要ないじゃないの!と思っています。西川区長は「民で出来ることでも公でやるべきことは公でやる」との見解を表明されていましたが、保育園の給食は「公』でやること」のひとつに数えられるんじゃないでしょうか。

●保険料は値上げ、給付はカットの介護保険。
 この4月から介護報酬改定と昨年の法改正による給付見直しで、居宅サービスの利用者が影響を受けます。今回の法改正は『給付の抑制』がねらい。生活支援には時間制限が導入され、超えれば全額自己負担、介護用品も介護度によって保険対象外の線引きをします。利用者はお金次第で、お金のないお年よりはサービスが買えません。介護予防では、日常生活上の基本動作がほぼ自立し、状態の維持、改善可能性の高いものを『要支援2』という新たな区分に振り分けます。
 中小規模の事業所は、事業公表の義務化や第三者評価の導入に悩まされます。大きな事業所には単位数が加算されて有利ですが、区内の中小事業所は存亡の危機が予測されます。
 保険料が上がり、サービスがカットされる状況で、介護保険制度の限界が見えてきました。区民にとっては本当に災難です。政府は財政構造改革と称してどこまで財界の好き勝手なメニューに従い、国民を苦しめるでしょうか。区議会はもっと議論の場を設けて、区民のために国の制度・政策がこれで良いのか、を問わなければなりません。

移転費用に75億ドル!?
米軍再編は日本の国益に反する-地方議員が国会に行きました。

●4月以降にズレ込んだ最終合意。
 日米両国政府は3月28日、30・31日にワシントンで行う予定だった在日米軍再編の最終報告を延期しました。ちょうどその日、私たち米軍再編に反対する地方議員522名の代表が国会に行き、防衛庁、外務省などに米軍再編関連法案の提出をやめるよう要請しました。そのセイで延期になったって訳じゃないでしょうけど…。
 是が非でも3月末に最終報告を取りまとめる!と強気だったコイズミさんですが、ご存じのように沖縄の普天間基地移設が決着つかず、神奈川県や岩国市などの反対に加え、自衛隊の百里基地を抱える地元市議会が全会一致で反対を決議するなど各地で抵抗に合い、強引な対応もできない状況に追い込まれています。

●超党派の地方議員が国会へ。
 私たち地方議員の中には、「これは『地方 対 国』の争いだ。地元の反対を押し切ってアメリカと合意なんて一体ドコの国の政府だ」という声、「座間に統合指令部か。これで自衛隊は米軍と一緒に戦争することになるね」という危機感、そして「なんで米軍の移転費用に日本がお金出すの? 自分の都合(アメリカの「不安定の弧」戦略)でしょう?」という意見がありました。しごくモットモ。全国の地方議員による米軍再編反対の共同アピールへ署名が500名を超え、そうだ、みんなで国会行こう!ということになりました。
 おりしも予算議会の最中。「その日は本会議だよ。なんで28日なんかに行くの?」「だって政府がどーしても3月末に最終報告出すって言うんだもん!」と電話で押し問答、首都圏の議員を中心に超党派で30人が集まりました。

●「沖縄等基地問題懇談会」の国会議員と一緒に防衛庁、外務省等に要請。
 その後、12名の超党派の国会議員と意見交換。地方議員側からは「自衛隊と米軍が共同の戦争態勢に入る今回の米軍再編は日米安保を大きく変質させる」「国会で公然と国民の目に見える形で米軍再編について論戦してほしい」と意見・要望が相次ぎました。
 地方議員が超党派で行動する機会はあまりない。一党一派では国政の重要課題が動かせず、地方組織と国会議員とで意見が違う、という今の状況を考えると大事な試みだったと思います。

●いま日米関係を問い直すとき。
 日米関係は本当に不健全だな、と私は思います。2国間だけの安全保障がこんなに長期間続くのは世界に例がないそうですが、戦争に負けて60年以上経ったのに、そのまま駐留軍が居座ってるというのもオカシイ。
 日米安保は東西冷戦が終わった1990年代に見直すべきでした。その後、アメリカは刃向かう国を次々に敵国、仮想敵国に仕立ててきました。国民保護法は近隣国への敵対心をあおるための法律で、外交の妨げになります。
 『集団的自衛権』(同盟国への攻撃が想定されれば共同で戦闘に入る)を行使するために憲法を変える、という動きが米軍再編と表裏一体ですすみはじめたいま、安保から牛肉まで日米関係を考え直す時が来ているようです。

【ゆうこのひとりごと】

●虎(トラ)はネコ科の猛獣で、シベリアから東北アジア、インドまで広くアジアの森林に棲息する動物です。「虎の尾を踏む」という言葉がありますが、しっぽが90センチもあるので気をつけないとウッカリ踏んで虎は逆上します。
●「虎の威を借る」というのもあります。有力者の権勢をカサに着ていばるキツネをよく見かけますが、あまりカッコ良いものではありません。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」のたとえもあります。危険を冒さないと成果は上げられないというわけ。ナルホド、どれも日常生活の風景です。
●偽メール問題で、MR.コイズミのパートナーのマエハラ氏が辞任。小沢民主党で政界再編が言われます。二大政党制は財界にとっての安全弁だけど日本には条件がありません。来年は統一地方選挙。地方から政治にキチンと発言できる勢力をつくりたい。