斉藤ゆうこのあらかわ日和

地域の元気と区民の暮らしは果たして良くなったのか。
昨年度の決算に反対しました。

 秋たけなわ、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 区議会は9月から10月にかけて昨年度の荒川区決算を審議しました。一般会計760億、3つの特別会計が計480億。この財政を使って区民の暮らしは良くなったでしょうか。そして、地域の元気は回復したでしょうか。
 私は、西川区長就任以来「一般競争入札を原則にした『契約改革』の結果、『安値契約』が横行し、区内事業者を泣かせたり、生活できない賃金を生んでいないか」と質してきましたが、その心配の通り、区役所庁舎の警備業務委託会社が賃金不払いと最低賃金法違反で労働基準監督署から是正勧告を受ける事件がおきました。
 区は再発防止を表明しましたが、どうもこの件は氷山の一角で、ほかにも『安値契約』のシワ寄せで泣かされている区民がいるようです。今後も解明していきます。このほか、介護保険制度はこのままで良いのか、路上駐車と荷捌きスペースについて、空き店舗対策と商店街活性化、区財政の状況と行革で削減した事業の見直しについて質問しました。
 さて、安倍内閣が発足して2ヶ月。中国、韓国訪問で「関係修復」と見せつつ、北朝鮮の核実験を口実に船舶検査や集団的自衛権、果ては核武装を主張して東北アジアを緊張させるこの内閣を、皆さんはどうごらんになりますか。国民が格差にあえいでいても日本は世界の経済大国です。その日本が軍事大国になって国民は幸せになるのか、アジアは平和になるのか。60年前を思い出して深く考える必要がありそうです。

【介護保険】
介護保険法の大改正。「思想的に破たんしている」と西川区長。

 昨年の国会で、自民・公明・民主の賛成により成立した介護保険法改正の波紋が広がっています。厚生労働省が『給付の抑制』をはっきりと目的に掲げて法を改正し、保険料を改訂し、介護報酬を改訂したことで、介護保険制度は区民にとって「保険料は上がるけどサービスは保険対象外」という制度になってしまいました。
 「自立をさまたげるから」と称して介護度の低い人の生活支援のヘルパーに時間制限はするわ、介護ベッドは引き上げるわで、自立をさまたげてるのはどっちなのよ!と言いたくなる改正ですが、それもこれも「給付の抑制」のため。『新予防給付』を一手に引き受けることになった地域包括支援センターはパンク状態の所もあり、『介護難民』が出る状態で、区民からも事業所からも不満がつのっています。
 わが国の社会保障行政は、かつて『生活の質の向上』と『家族介護の負担軽減』を理念に掲げましたが、今回の大改正で介護保険制度は建前すら崩れ、破たんしてきたと思います。
 そこで9月11日、あらかわ元気クラブは「介護保険に関する緊急要望書」を区長宛に提出しました。内容は-

1.『給付の抑制』を目的とした今回の法改正の主旨を撤回するよう、厚生労働省に働きかけてほしい。特に生活支援への時間制限や、大規模事業所に有利な加算措置など、問題のある点を見直すよう申入れてほしい。
2.この際、介護保険制度そのものを根本的に見直し、保険による制度を廃止して税でまかなう制度に発展解消するよう検討を開始してほしい。

 決算委員会での私のこの質問に対し、西川区長は「思想としてもう破たんしていると思う。現場の責任者になって率直に言ってもうやっていけない。国に現場の声を上げる時期に来ている」と答弁。今後は、区長も、事業者も、利用者や区民も一緒になり、荒川区を挙げて、国に対し介護保険の見直しを真剣に問題提起していく必要があると思います。

【委託契約】
労働基準法違反の再発防止を。

 昨年度予算は、西川区長の「一般競争入札を原則とする『入札改革』」が色濃く反映した予算でした。
 この年度の『区役所本庁舎警備・巡視委託契約』は通常より約1,000万円安い金額で落札されましたが、相手先企業が労働基準法違反と最低賃金法違反で、今年5月に労働基準監督署から是正勧告を受ける事件がおきました。
 重大な事件なので、契約当事者としてどう考えるのか質問しました。藤田管理部長は
「労働基準監督署からは、
1.日勤業務で最低賃金を下回っていた。
2.時間外労働に対して25%以上の割増賃金が支払われていない。
3.時間外労働の協定届け出がない。
との勧告があった。その後、このN社に、是正しなければこの契約も含め区としての対応を考える、ということで折衝し、是正の報告があった」と経過を説明。「今年の契約では人件費を元に計算して最低制限価格を決めるよう改善した。問題があった場合は区として契約の立場からある程度関わって是正を求めていくことが必要だ」と答弁しました。
 西川区長からは「荒川区がお願いしている業者が人を大切にせず、利益を追求して最低賃金さえ守っていなかったのは遺憾なこと。今後、そういう業者と再契約するかも含めてきちっと対応すべきと思っている」と答弁がありました。
 私は、こうした事件の再発防止のため、西川区長が3月の予算委員会で超党派の質疑を受けて示した、
1.公平・公正であること、
2.働く人の立場に立つものであること、
3.中小事業者の厳しい環境にも配慮があること、
4.納税者にも納得のいくものであること、
5.安全性が確保できること。
を盛り込んだ『総合評価制度』を再度要望しました。
 休日や夜間の庁舎を守る警備員さんたちが、仕事にふさわしい待遇を得られるようにしたいものです。

【商店街】
空店舗活用事業は地元商店街のアイディアで。

 商店街振興では予算執行上の消極性が目立ちました。生き残りをかけた我が町の商店街の現状を考えると、いかにももったいない気がします。
 商店街活性化を支援する上での『策』が定まっておらず、支援の感度が合っていないのではないでしょうか。
 『空き店舗活用事業費』は執行率がゼロで事業は具体化されていません。当事者と意識とのズレがあり、施策の独り歩きではなかったかと思います。空き店舗に外から何かを持って来て補助金を出すようなやり方ではなく、各商店街自身が企画したアイディアに対して、区が補助するような形に改めるべきだと提案しました。
 商店街自身が汗を流してお客さんと付き合う企画になって初めて、地域の商店街が将来の顧客を獲得していく持続的な基盤の強化になる。地域のお客さんと商店街が結びつきを強めるための支援を望みたい、と質問。高野産業経済部長は「基本的な考え方は斉藤ゆうこ委員とちがっていないと思う」と答弁しました。ホントに?(笑)
 最近の世論調査では「大型店はこれ以上必要ない」「地域商店街の存続を望む」が半数を越えています。地域にとって、区民にとって、将来必要とされながらも、衰退を続け、危機に瀕している商店街を本気で底上げ支援していきたいと思います。

【区財政】
苛酷な行革で減らしたヒトとサービス。見直すべきものは見直しを。

 いま、荒川区の財政はどんな具合なのでしょうか。大渕収入役は昨年度決算の状況について「歳入は都区財政調整交付金が好調であり、住民税も3億円の増収」と財政状況の好転を説明しました。
 荒川区は、これまで12年間の長きにわたって予算に『マイナスシーリング』(概算要求の基準で前年度を下回るようにすること)を掛けてきました。全ての部の予算を一律削減する、こうした荒川区の苛酷な行革路線を今後どうするのか、考え方を聞きました。
 塩田財政課長は「平成7、8年度は10%、平成9~14年度は5%、平成15~17年度は4%の削減を行った。全庁一丸となった行政改革によって17・18年度は2年連続で基金を取り崩すといった特別な財源対策を取らずに収支均衡型の予算を組むことが可能となったので今年度から12年ぶりにゼロシーリングを実施した」と答弁しました。
 荒川区は苛酷ともいえる行革を推進してきましたが、財政好転の反面、歪みも顕在化してきました。職員削減の下で生じた非常勤職員の待遇や格差、安値の委託契約や指定管理者制度の問題点は、今回の決算委員会でも浮き彫りになりました。区民にもガマンをと、補助金カットやサービスを削減し、廃止したファミリー層や高齢者世帯への家賃補助のような事業もあります。
 区財政の安定の一方で、医療や介護の負担増や実質増税で区民生活がひっ迫してきた現在の社会情勢を考えると、従来型の行革の見直しが必要ではないか、と思います。「財源不足が見込まれる状況の中で行政改革に取り組んできた訳で、決して理不尽な行革をすすめた訳ではない。しかし、個々の具体的な事例については、斉藤ゆうこ委員はじめ皆様からのご意見を真剣に受け止め、充分調査・検討し、対応していきたい」と三ッ木総務企画部長は答弁しました。効率性の反面、おこってきた問題も数多くあります。改めるべき点は改め、待遇の改善や事業の復活を決断してほしいと思います。

あらかわ、そして未来へ。
産業の町、住みやすい町が調和した区民が豊かに暮らせる荒川区をつくろう。
(元気クラブの来年度予算要望書から)

 戦後、隅田川沿いの大工場を中心に、町中に〈ものづくりの槌音〉が聞こえる町として栄えた荒川区。1980年代の後半から産業構造が変わり、中小企業を大事にしない経済政策の下で区内企業は廃業や倒産に見舞われ、事業所数の減少が今も続いています。景気の悪化や働く環境の変化から消費は活性化せず、大型スーパーの進出におされて地域商店街の衰退も続いています。
 一方、大工場の跡地や駅前再開発、最近では中小工場の跡地にもマンションが建ち、荒川区は〈都心近接の住宅地〉として注目されるようになりました。時代の波の中で姿を変えつつある荒川区の発展をどう描くのか、地域経済活性化の力をどこに見い出すのか。『あらかわ元気クラブ』の来年度予算要望書から幾つかご紹介して、皆さんとご一緒に町を元気にするヒントにしたいと思います。

〈ものづくり・商店街・住宅〉が共存する活気ある下町・荒川区をめざす。
 減少したとはいえ、今でも東京の下町は製造業の集積地、産業の拠点です。そして、将来も地域に必要、と再評価される地域商店街が今も頑張っている町です。東京のほかの町には見られない特色が荒川区にはあります。製造業や地域商店街の可能性を引き出して地域経済が潤うようにし、それが、ここに住む人の「住んで良かった」という暮らしやすさや満足につながる。そんな将来像をめざしたい。そのためには『用途地域の見直し』や『荒川区独自の規制』も必要です。〈弱肉強食〉の経済政策も変えないとね。

『総合評価制度』で〈安全・安心〉な契約を。
 建築工事、学校給食や保育園給食の業務委託、増える区民施設や学童クラブ、高齢者施設などの指定管理など、区民に関わりの深い区の契約を〈公平・公正、安全、適正利益・適正賃金〉で納得がいくものにするため、請け負う事業者の〈質〉を総合的に評価する制度が急務です。

〈新たな観光スポット〉を発信して 元気な町・荒川区を創る。
 東京にひとつしかない〈都電・荒川線〉と〈荒川遊園地〉。ほかにも、区外からの来客で賑わう〈布の街・日暮里繊維街〉、若い人たちに人気の〈三河島の焼肉&韓国・朝鮮グルメ〉、工場跡地によみがえった自然と遊ぶ〈尾久の原公園〉などの楽しいスポットがあります。日暮里、三河島の再開発ビルに観光案内ステーションをつくって、荒川区の魅力を全国に発信しよう。

厳しい状況にある子どもたちの〈シェルター〉をつくって応援する。
 〈子育て支援〉は、厳しい状況に置かれた子どもたち、親たちにも行き届かなくてはなりません。病気やハンディキャップがある子どもたち、親が病気になったり、一時的に不在になった子どもたちもいますが、いま、地域には受け入れる場所がありません。場所と人を用意して暖かく支援できる体制を。

早くつくって! 地域の拠点〈ふれあい館〉。
 現在の〈ひろば館〉を統合し、19館に整備・再配置する計画は、まだ5館が完成したのみ。新しい〈ふれあい館〉は様々な世代に活用され、地域の拠点になっています。区民の活動を支援するためにコピー機や印刷機、ビデオやDVDなどの設備や備品も必要です。地域活性化の交流拠点として建設を急いでほしいと思います。

【ゆうこのひとりごと】

●国が法律を変えるたびに、区民へのシワ寄せを緩和するために区が財政を肩代わりするとしたら、地方に負担を押しつけたい政府の思うツボだ。国の制度は財源も国がまかなうのが筋で、大幅収益増の自動車・電機系の大企業や『新富裕層』に応分の法人税、所得税を納めてもらえば解決する。せっかく持ち直してきた区財政を国の尻拭いに使うのではなく、荒川区を元気な町にして区民を豊かにするために使いたいものだ、とつくづく思う。
●日本の国は地域間格差が拡がり、地方と国の対立は深くなる一方だ。東京の中にも格差はある。現状を変えたい、と考える地方議員が超党派で集まった全国交流会で「社会保障構造改革をやめるように厚生労働省と直接交渉を」という話が出た。区民の痛みに一番近い地方議員は、国会議員をあてにせず、政党を超えて、国と闘っていける力だと思う。
●秋晴れの一日、町会の運動会に参加しました。ムカデ競走もヤリマシタ。「ゆうこさん、足引っ張るなヨー」「足結わくヒモ、長さ足りないんじゃないの?」寄ってたかってなんてヒドイこと言うの! それでもウチの部はまた優勝しました。区議会レポートの原稿書くの遅くなったけど、楽しかったあ。暖かい地域のつながりは元気の源です。ストレスを解消して、また頑張るノダ。ストレス太りも解消したいんだけど。