斉藤ゆうこのあらかわ日和

斉藤ゆうこの区議会レポート 2014年3月第80号
気がついた時には戦争はもう始まっている。
 ようやく春らしくなってきました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 2月19日から通年議会が始まりました。来年度予算案には荒川2丁目複合施設の整備費25億円、小中学校全校へのタブレットPC導入に8億円、サンパール荒川の大規模改修費10億円などが盛り込まれ、前年比68億円の増。過去最大規模となるこの予算をどう評価するのか、予算委員会でしっかり議論していきます。
 さて、安倍内閣は消費税8%を4月1日から実施します。増税しても景気対策と称して5兆円も投入するのでは国家財政の足しにもなりません。結局は輸出大企業への「還付金」が増えるだけ。4面をご覧下さい。
 経済金融危機は収束せず、世界中で資源と市場をめぐる国同士の争いが激しくなってきました。日本の周辺も、いつ戦争が起きてもおかしくない情勢です。安倍首相の「戦争準備運動」への批判は、外国に言われるまでもなく、私たち日本の国民自身の役目ではないでしょうか。

あらかわ元気クラブ区議会議員 斉藤ゆうこ

ゆうこのひとりごと
●今年は大雪で各地に被害が出ました。2月の都知事選挙投票日の前日も大雪…。安倍首相と舛添新知事が「国家戦略特区」で何を狙っているのか、3面に書きました。それにしても「都知事選で政府の原発政策が支持された」とは!「自民党支持層の44%が原発に反対」との世論調査もあり、脱原発は国民多数の声です。
●どこの会合でも「特定秘密保護法」の評判はすこぶる悪い。「アベノミクスは原材料の高騰ばかりだ」「駆け込み需要なんて少ない」との声も。とりわけ、「テレビでアベさんの顔が映るとチャンネル変えるワ」「靖国行って『国益』損なったよね」と中年の商店主婦の皆さんの辛辣なこと。アベ政権はいつまで持つのかしら?
●「賃金が上がらなければ失敗」と政府自らが言う通り、消費税増税でアベノミクスの先行きは不透明。危ない橋を渡っても消費税を上げる理由はどこにあるのか。4面に書きました。一昨年の国会集会で「税務署から『消費税が払えないような商店は止めたら?』と言われ、悔しくて涙が出た」と中小事業者が訴えました。「潰される前に潰そう」は今も生きる消費税反対の合言葉です。
●新防衛大綱・中期防衛力整備で「対中国の最前線」と名指しされた沖縄では、際限ない基地増強危機感がつのる。元県議会議長で自民党を離党して名護市長を応援した仲里利信氏は「安倍政権のやり方は戦争まっしぐらだ」と批判する。
●「沖縄は米軍の軍事植民地として放置された。主権もない、民主主義もない。今回の基地建設はなんとしても止めないといけない」という沖縄県の戦争体験者・仲里氏の言葉は日本人みなで受け止めないといけない。私たちは「属国ボケ」している場合ではありません。

町と政治のキーワード

日暮里区民事務所建て替え
 東日暮里6丁目の日暮里区民事務所は2008(平成20)年と2009(平成21)年に荒川区が裏の土地2件を取得し、建て替えにともなう地域活性化施設が期待されています。
 昨年3月の予算委員会で「だいぶ時間が経ちましたが、いつ計画が具体化するんですか?」と質問。その後5月、総務・企画委員会に考え方が提案されたことは、前号の区議会レポートでお伝えしました。
 今年に入り、「日暮里区民事務所は築30年以上経過して老朽化が激しく、耐震補強もしていないため、4月中旬に仮移転して取り壊す」との発表がありました。区民事務所は近くの東日暮里6丁目の防災広場に2階建てプレハブを設置してこれまで通り業務を続けますが、近隣の環境を考えて演劇や音楽の練習など音を伴う利用を禁止し、「区民ひろば館」としての貸し出しは休止することになりました。但し、町会などの地域団体は会議に限って2階の会議室を使用できます。
 さて、問題は日暮里区民事務所の建て替えでどんな施設が実現できるかです。日暮里駅にほど近く、区外から多くの人々が訪れる「にっぽり繊維街」は、荒川区の人気スポットのひとつです。私は繊維街の中に住んでいるので、服飾関係のデザイナーや専門学校の学生、ソーイングが趣味の主婦など、色んな人たちを見かけます。伝統ある「布の街」として全国でも珍しい集積を誇る「にっぽり繊維街」が益々楽しいスポットとして発展すれば、日暮里地域だけでなく荒川区全体にプラスの効果となるでしょう。
 その拠点となる施設には、この街に集まる人たちが買い物の合間に休憩したり、立ち寄って布に関係する情報を得たり、趣味の活動をしたり…そんなことが出来ればいいな、と思います。集会室や身近な防災拠点としての機能はもちろん、「布の街・にっぽり繊維街」が活きる施設にしたいものです。
 区は今年4月からの基本計画の策定に入り、2015(平成27)年工事に着工、2018(平成30)年には新たな施設が完成の予定です。にっぽり繊維街を愛好する人たちのアイディアを取り入れ、地域の未来に貢献する事業になることを期待しています。

荒川2丁目複合施設
 いよいよ、来年度予算に荒川2丁目複合施設の整備費25億円が計上され、荒川区は建設工事に着手します。今年度の補正予算には、またまた隣の印刷工場の土地を2億900万円で購入する費用が提案されました。この補正予算には、ほかに「商店街プレミアム付きお買い物券」への補助や、道路用地の取得など、賛成できる事業も含まれますが、私は荒川2丁目複合施設の事業に反対なので、補正予算に反対しました。
 荒川区は土地開発公社を通じてメッキ工場跡地の一部購入の予定を全部購入し、隣地、さらにはその隣の印刷工場と複合施設用地を買い足してきました。区議会レポートを良く読んで下さる読者の方々に申し訳ないくらい、私はここ数年何度もこの問題を書いてきました。私のパソコンは「荒川」と入力すると「2丁目複合施設」と変換するくらいです。
 しかし、その問題提起もむなしく、ついに計画は変更されずに着工となりました。
 老朽化し、現在地で建て替えることが困難となった荒川図書館(荒川4丁目)を地域図書館としてこの地に建設することには何の文句もありません。工場跡地を全て買わず、図書館だけでよかったのですが、「土地を買ってしまった以上、何か有効に活用できないのか」と考え、それなら、この地区にもともとあったのに区が廃園にしてしまった峡田幼稚園に替わる幼稚園を併設すべきだと提案した次第です。
 複合施設には、吉村昭文学館が入ります。日暮里生まれ(当時は荒川区ではありません)の吉村昭先生ゆかりの文学館は、日暮里にあることに意義があり、価値があると何度も主張しましたが、これも聞き入れられません。
 この計画は、将来、「不要不急の箱モノ」だったとのそしりを免れられるでしょうか。これなら区民も納得できるという組み合わせに変更し、限られた財源を有効に使っていくべきでしたが、本当に残念です。
 私は、日暮里駅に近い再開発ビルの中に区がスペースを取得し、史跡・観光案内とともに置けば地域文化の面からも望ましいという考えを捨てていません。いずれ、日暮里図書館が老朽化し、これまた老朽化している日暮里ひろば館と合築して吉村文学館を移設する日が来るかもしれません。なんか歳取りそう。

図書サービスステーション
 世代を越えて区民に利用されている図書館。現在、荒川区には南千住、荒川、尾久、町屋、日暮里と地区ごとに5つの図書館があります。これを補い、図書館から遠い地域でも本や資料の貸し出しが便利なように、と考えられたのが「図書サービスステーション」です。
 でも、汐入に1か所、冠新道に1か所設置されたものの、他の地域になかなか設置がすすみません。区内で一番図書館から遠い地域はどこでしょうか。委員会に提出された教育委員会の資料では、東尾久3、4、5丁目辺りがもっとも図書館から遠く、利便性が悪い地域になっています。
 東尾久の各商店街からは「是非、ウチの商店街の中に」という声が聞かれますが、ネックになっているのは、区が決めた設置条件に合う物件が見つからないことです。
 区が当初決めた要件には「区内に存在する店舗・作業場・事務所等用の賃貸物件の1階部分であること」「建築基準法や消防関係法などに適合していること」「買い物や通勤・通学等、区民の利便性が高い地域であること」のほかに、「床面積が100平米以上」「本と本棚の重さが(平米500kg程度)に対応できること」などの条件があります。
 また、利用者用の駐輪スペースや本を配送する車の停車スペース、建物内のトイレや水回りの確保、光ファイバーが使用可能なこと、なども必要とされています。
 区民の期待に応えられる充実した図書サービスステーションにする必要があるので、簡単に条件緩和はできませんが、なんとか折り合いのつく物件を見つけて、尾久地域に設置を進めたいと思っています。お知恵を貸してください。

国家戦略特区
 毎年、都知事が交代する都政にウンザリの方も多いと思いますが、その陰で東京には巨大な利権が渦巻いているみたいです。「オリンピックを追い風にした『国家戦略特区』(官邸資料)」で東京がどう改造されようとしているのか、誰の利益なのか、知っておく必要がありそうです。
 3期目の石原都政は野田政権の「成長戦略」に基づいて、都の長期計画の中心に『アジアヘッドクォーター(アジアの司令部)構想』を位置づけました。当初予算は3年間で2兆2000億円。欧米企業の対日直接投資を狙い、減税や規制緩和で500社の外国企業を誘致し、外国人ビジネスマンの生活環境支援を計画。「中国、韓国に負けるな!遅れを取り戻して東京を日本再生の起爆剤にする」と息巻いたものの、外国企業はたった2件しか来ず、失敗に終わりました。「アジアに君臨する国際金融都市・東京」はアジアの国や地域との力関係から見て石原知事の妄想に過ぎず、実現不可能な目標になりました。
 そこで今度は安部首相をトップに推進する「国家戦略特区」を猪瀬知事が打ち出しました。12月7日に国会で議決された「国家戦略特別区域法」の要綱には「経済社会の構造改革を重点的に推進…産業の国際競争力を強化…国際的な経済活動の拠点を形成…もって国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与する」とあります。

国家財政特区
尾久の商店街で街頭演説

■東京に治外法権の外国人居留地が出現
 基本理念には「地方公共団体及び民間事業者その他の関係者が、国と相互に密接な連携を図りつつ、これらの施策を活用する」とありますが、提案しているのは誰でしょうか。
 ・・・まだまだあります。東京を舞台に儲けようとする特定大企業の提案が目白押しです。
 特区で行われるこれらの事業は「指定金融機関から必要な資金の貸付けを受けて行われる」と決められており、不動産、ゼネコンなどの開発系大企業に加え、東京を本拠地とする3メガバンク(三菱UFJ・みずほ・三井住友)を初めとする金融資本も大いに潤う仕組みになっています。
 東京都自身も「世界で一番ビジネスのしやすい国際都市づくり特区」を提案、「外国企業のための減税特区」「英語で医療・教育が受けられる街」「地下鉄の運行時間拡大」などを打ち出しました。
 「思いやり予算」の米軍住宅じゃあるまいし、日本の首都・東京に米国人特権の「居留地」を作るなんて!同時に1%に満たない特定大企業の要求に応じて都民の土地や都財政を公然と提供することになります。1300万都民の東京を1%の連中の餌食にしていいんでしょうか?

■東京が狙われている。
東京都の財政は一般会計だけでも約6兆円、特別会計も含めると約12兆円にのぼります。この間、法人住民税の国税化や法人事業税の暫定措置などで東京の財源を国が取り上げましたが、アベノミクスで薄氷を踏み、4月に消費増税の試練を控える安倍首相にとって国家財政の赤字は深刻な課題で、潤沢な都財政はノドから手が出る魅力的な財源です。直系の知事をつくって都財政と権限を握りたい、首都・東京を直轄地にしたい、と最後まで「お友だち」の候補者を立てようとしたのですが上手く行かず、舛添氏応援で妥協したようですよ。でも、アベノミクスの破綻で首相の命運が尽きるのが先かもしれませんね。

沖縄米軍基地建設
 1月19日、新基地建設の候補地・沖縄県名護市で市長選挙が行われ、基地建設反対の現職・稲嶺進市長が前回の3倍近い差をつけて再選されました。仲井真知事が政府の圧力を受けて「容認」に回り、県議会が「公約違反だ」と辞任決議を上げる中の選挙でした。
 安倍政権は、日米同盟強化、中国敵視の軍備拡張政策に走り、辺野古新基地建設を強行しようと沖縄に圧力をかけました。その結果、自民党沖縄県連は分裂し、経済界の分化がすすみました。自民党を離党した元県議会議長、経済界出身の元副知事、知事の元後援会長の財界人などが公然と稲嶺氏を応援し、公明党県本部は「自主投票」で7割が稲嶺氏に投票、こうした道のりを経て、名護の人たちは永田町と霞が関に勝ちました。
 稲嶺市長は国会内で開かれた報告会で「『オール沖縄』は壊れていない。建白書は生きている」と強調していました。小さな名護の大きな勝利です。
 「だけど、沖縄の米軍基地をなくして日本を守れるの?」
 先日こんなお電話を頂きました。背景には、安倍政権下での日中関係の悪化と緊張の高まりがあります。米国と中国は「協調と対立」の複雑な関係です。力が衰えてなおアジアから手を引かない米国は中国をにらみ、ひたすら自国の利益を第一に、巧みに日本をコントロールしています。大国を自負するようになった中国も、かつて平和友好条約を結んだ頃とは違い、強気の振る舞いで日本の国民感情を逆なでしています。
 日本と中国が互いに譲らず、「戦争も辞さず」となれば犠牲になるのは両国の国民です。緊張と対立をあおり、力で対抗する「アベ流」のやり方では米国からの自立は望めず、かえって米・中に翻弄されるだけだと思います。
 世界の人口の40%、経済の25%を占めるアジアの国々が安定し、お互いに豊かになるには、政府が外交努力を通じて近隣国との戦争回避に努め、平和な環境を維持する必要があります。自国民の生命と財産を守るのが政府の役目です。私たち地方議員も、変化する東アジアの中で、どうしたら日本が米国から独立して豊かに生きられるか、区民の皆さんと一緒に考え、責任を果たしていきたいとおもっています。

消費税増税目的は輸出大企業への還付金増額湖東京至税理士の講演から
 私たち東京の超党派の地方議員有志は「日本の消費税の仕組み」について、湖東京至税理士と勉強会を重ねてきました。一部の新聞、ラジオ、テレビに少しだけ取り上げられましたが、なにしろ消費税の輸出還付金で莫大な利益を得る自動車や電機メーカーがマスメディアの大スポンサーなのですから、真相が報道されるハズもありません。荒川区の小さな企業の死活に関わる消費税増税は輸出還付金を増やすため…。ぜひ湖東税理士のお話を聞きにいらしてください。

■消費税の納税義務者は消費者ではない。事業者が赤字でも納める「事業税」。
 消費税は「消費者が負担する税金だ」と言われていますが、これは間違いです。法律上の「納税義務者」は「事業者」であり、事業税の一種です。
 アメリカには「小売売上税」という州税がありますが、お客さんが支払った代金からレジで税額分を分離して預かり、毎月税務署が集めに来ます。これなら「消費者が払う税金」です。しかし、日本の消費税は、名前とは裏腹に、事業者が年間の売上高から仕入高を引いた粗利に税率をかけて計算した税額(これを付加価値税という)を税務署に納めます。売上高や仕入高(電気代、ガス代、自動車のガソリン代、工場の消耗品代なども入ります)は年間でないとわかりません。1年間の決算が終わらないと事業者も納税額がわからないわけです。消費税はそういう税金です。1個1個の商品に5%かける税金ではないのです。
 事業税は儲け(利益)にかけるので、赤字ならゼロになります。ところが、粗利にかければ粗利のない商売はないので、商売が赤字でも付加価値税はゼロにならない。
 消費税を納税している事業者の皆さんなら誰でも知っている仕組みですが、お買いものをする消費者の方々は知りません。そこで、「私たちが『預けている』のに滞納してる」だの「益税があるんじゃないか」との誤解が生じ、商店主とお客様が対立させられるという不幸なことになっていて、誠に残念です。

■輸出補助金を出すため消費税が始まった。
 税金に間接税と直接税があるのはご存じと思います。間接税に該当するのは、国税では酒税、たばこ税、石油税などです。直接税に該当するのは、所得税、法人税、相続税などです。消費税はどっちでしょうか。間接税だと思っている人がほとんどですが、本当は「直接税」です。この税金に「消費税」と名をつけているのは日本だけです。
 フランスにルノーという車がありますが、輸出が弱いので、フランス政府は企業に補助金を出しました。しかし、1948年に「公平な自由競争のために、政府は輸出補助金を出してはいけない」というガット協定ができました。「ガット協定に違反しないでルノーに補助金を出せないものか」とフランスの大蔵大臣は考えた。そして、付加価値税を入れる際に、分類をごまかして「間接税」の扱いにしました。直接税を企業に還付すれば、ガット協定違反ですが、間接税なら違反にならず、還付ができることになりました。
 企業に輸出補助金を与えたいフランス政府は、この「仕入税額控除方式」で驚くべき方式を思いつきました。
 輸出企業はまんまと還付金の名で輸出補助金を受け取れることになりました。この輸出補助金を出すやり方が企業にうけて、ヨーロッパの国はすべて、付加価値税を導入しました。日本の財界は太平内閣、中曽根内閣で激しい反対にあったため、「税率はいずれ上げられるから3%でもいい」と竹下内閣で「消費税」を導入し、輸出○税率=輸出還付金制度が始まりました。輸出還付金は明らかな輸出補助金でガット協定違反です。こんな制度許していいのでしょうか。

 ある企業の国内売上が500億円、輸出が500億円、仕入が800億円あるとします。税率を5%とします。輸出は外国のお客さんから税金をとれないという理屈で輸出売上に0%をかけます。そうすると、企業が納める税額の計算は次のようになります。

国内売上の税額 500億円×5%=25億円
輸出の税額   500億円×0 =0
仕入の税額   800億円×5%=40億円
納税額     25億円+0−40億円=▲15億円

納税額がマイナスとなり、15億円は企業の受け取りです。

輸出企業は納税せずに還付金を受けている。
 トヨタは1円も納めないばかりか巨額の還付金を受け取ります。税率が倍になれば還付金も倍近くになります。だから、財界は早くドイツ並みの税率にしようと消費税増税に執念を燃やしているのです。財界は「消費税率をヨーロッパ並にしないと、わが国の輸出産業が負ける」と主張して、この25%を目標にしています。還付金は5%で3兆円です。10%なら6兆円、20%なら12兆円、25%なら15兆円になります。われわれ国民が苦しむ消費税増税に、なぜ財界と政府が一所懸命なのか。その秘密のねらいがここにあります。
 輸出大企業が還付金で潤う反面、小さな事業者の経営は大変厳しいです。滞納は、免税水準が3,000万円から1,000万円に下がった平成17年度以後は60万件を大きく超える発生件数が続いています。これほど厳しい取り立てでも減らないのは事業者に「お金がない」からです。裁判でも争われましたが、裁判所も国税庁も消費税は「預り金ではない」と認めました。

税率が上がると輸出還付金はどれだけ増えるか。

輸出還付金のために管内の消費税収入が赤字になる税務署

■消費税でなくても財源はある。
 輸出還付金制度を廃止するだけで3兆円以上の増収になります。廃止する方法は簡単で、「間接税だと言われている消費税は直接税である」と定義を変えればいいのです。そうすれば、ガット協定違反で還付できません。富裕税というのもあります。フランスとスペインでやっておりまして、一定額以上の資産がある人に課税します。
 それでも財源が足りないと言うのなら、不公平税制を是正すればよいのです。「不公平な税制をただす会」が行った「不公平税制是正による増収試算」では、さまざまな不公平をなくせば、国税で16兆7308億円、地方税で11兆3800億円、合計28兆1108億円の増収が見込めます。いっぺんにはできないにしても、不公平をただせばこれだけの財源はあるのです。全然心配することはありません。

中小事業者や各界の人たちと消費税反対の国会集会

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