斉藤ゆうこのあらかわ日和

暑い夏、元気に過ごしましょう。

 残暑お見舞い申し上げます。
このところ『ポスト小泉』をめぐる9月の自民党総裁選が注目を集めています。「靖国参拝をするか否か」というより、その根っこにある日本の政治指導者の歴史観や戦争認識が今ほど深く問われている時はないと思います。同時に『格差社会』を生んだ構造改革政治の是非についても、はっきりさせる時期にきたと痛感しています。
 先日、荒川区役所の警備業務委託会社が、賃金の一部不払いや休日なしの勤務ローテーションなどの『労基法違反』で、労働基準監督署から是正するよう指導を受けました。安い契約が働く人にシワ寄せされた形ですが、シンドラー社のエレベーターやふじみ野市営プールの事件などを見ても、低価格の入札・契約や『官から民へ』の歪みが表面化してきたのではないでしょうか。
 区議会では、「介護保険法」や「地方税法」改正、「障害者自立支援法」などの国会成立による条例改正が相次いでいます。しかし、どれも大多数の区民にとってプラスになる内容とは言えません。国はアメリカに従い、地方自治体は国に従い、そのシワ寄せは住民に…。「法律が通ったから仕方ない」では、余りに知恵がありません。
 『社会保障目的税』を口実にした消費税の大増税もついに出てきました。「年金や医療の財源が足りない」「社会保障のためだ」というなら、高齢者や低所得者をイジメる消費税増税は本末転倒で、輸出や株で儲かっている大企業と高額所得者に沢山税金を納めて『愛国心』を示してもらうのが一番です。そう言える政府をつくるために、私はこの夏も汗を流したい!と思います。
 暑さの厳しい毎日、どうぞお元気にお過ごし下さい。

所得の多い人も少ない人も税率が10%に!
地方税法改正による区税条例の改正に反対しました。

お金持ちには減税、低所得者には増税の条例改正。

●今回の区税条例改正で、これまで所得に応じて3段階だった住民税(区民税・都民税)が、来年4月から所得の多い少ないに関わらず一律10%になります。

課税標準額(納税義務者) 今までの税率(区民税・都民税) 来年4月からの税率
200万円以下
(約57,000人) 5%(3%・2%) どなた様も一律10%
(区民税6%・都民税4%)
700万円以下
(約30,000人) 10%(8%・2%)
700万円超
(約3,700人) 13%(10%・3%)
(注)課税標準額とは、総所得(給与所得者なら給与収入から給与所得控除を引いたもの。個人事業者なら総収入から必要経費を引いたもの)から、さらに社会保険料や各種の控除を差し引いた額のこと。課税標準額が700万超の人は、サラリーマンの場合だと総所得で900万前後と推定される。

 「えーっ!私の住民税、倍になるの?」そうです。5万7千人に上る区民の皆さんは住民税の税率が倍になります。でも、数少ない高額所得者の方は税率が3%減ります。一律化によって、地方税にも「少数のお金持ちには減税、大多数の低所得者には増税」というやり方を導入したのが今回の法改正です。

●1989年(平成元年)に消費税導入と引き換えに実施された『法人税の大減税』『所得税の最高税率引き下げ』以来、国税ではこういうやり方が主流となってきました。財界の強い要請を受け、税制改正のたびに大企業や高額所得者に有利な『税率段階の簡素化』や『フラット化(一律化)』がすすめられてきたのです。
 政府は「住民税は住民サービスに対する『応益負担』だから一律でよい」と言います。しかし、住民サービスに対する『応益負担』なら、施設の使用料や交付書類の手数料という形で徴収されているのですから、その上、住民税を一律化する必要はありません。

低所得の区民から税を取り立てる役目は荒川区に。

●この3年間、勤労者や高齢者の家計に打撃を与える『実質増税』が次々とすすめられてきました。
[一昨年]厚生年金・共済年金の保険料、引き上げ、配偶者特別控除の廃止
[昨年]公的年金控除額の縮小、老年者控除の廃止、住宅ローン減税の縮小、雇用保険料・国民年金保険料の引き上げ、住民税の配偶者特別控除上乗せ廃止、個人住民税の均等割改正
[今年]定率減税の完全廃止
 この実質増税で、一年後に届く請求が5倍や7倍になった高齢者世帯もあります。どこの自治体の窓口にも苦情が殺到しているというのに、また住民税も増税だなんて!

●今回の法改正の背景は『三位一体改革』。国からの交付税と補助金をカットし、地方に税源移譲するというのが建前です。この3年間にカットされた荒川区への補助金は以下の通り。どれも区民生活にかかわりの深いものばかりです。

[一昨年] 公立保育園の負担金など ▲6億6400万円
[昨年] 特別養護老人ホームの負担金など ▲9700万円
[今年] 児童手当・児童扶養手当など ▲3億7900万円
[3年間の合計] ▲11億4000万円
 一方、条例改正で低所得層に増税すると、見込まれる増収分は約12億1千万円。区当局は補助金の減とプラスマイナスでトントンだと言いますが、大多数の区民のフトコロを痛めて荒川区の税収を増やす、という笑えない話です。地域経済が潤い、区民のふところが豊かになって荒川区の財政が潤うという本来の財政健全化ではありません。
 「所得税と合わせると個人の負担する額は変わらないよう調整した」なんて言うけど、結局国は取りやすい高額所得層から所得税を取り、地方自治体には低所得層に増税した住民税を取立てる役目を押しつけただけ。「地方への税源移譲」と言うけど、徴収できるかどうかわからないのですから『取らぬタヌキの皮算用』です。

ついに姿をあらわした消費税2ケタの増税計画。

●7月7日の臨時閣議で決定された「骨太方針」では、今後大幅な増加が見込まれる社会保障給付の安定財源として『消費税の社会保障目的税化』を上げ、また、政府税調会長も、9月の中期答申に「消費税を10%以上に引き上げるべき」との見解を盛り込む、と表明しました。
 消費税の2ケタ増税は財界の『悲願』です。多国籍企業中心の日本経団連は「消費税を早く15%から20%に」と政府に繰り返し迫ってきました。タイミングをうかがっていた政府は、来夏の参院選があるので実施時期は明言しないものの、基礎年金の国庫負担が引き上げられる2009年をメドに、一気に消費税を2ケタにしようという考えです。

誰に増税するか、って? 儲かってるヒトに決まってるでしょ!

●「年金の財源や国家財政の借金がタイヘンだ!」と言うなら、空前の収益を上げるトヨタのような大企業や株の配当増で潤った高額所得者に法人税と所得税を増税すれば、消費税を増税しなくても立ちどころに解決します。
 法人税・所得税等の国税収入はピーク時の1990年度には約60兆円でしたが、昨年度の見込みでは約44兆円に減少しました。不況の影響だけでなく、年平均10数兆円にも及ぶ大企業や高額所得者への法人税・所得税減税を続けたことが大きな原因です。政府は国家の財源調達機能を後退させてまで財界にサービスしてきたのです。
 ところが、昨年度決算では、法人税と所得税は見込みを5兆円上回って49兆円となりました。これはトヨタなど減税の恩恵を受けてきた多国籍企業の収益が好調なことや、株の配当などで利益を得た人たちの所得が増えたことの反映です。減税してもそれを上回るほど儲かっているというでしょう。

●憲法に定められた『応能負担の原則』にもとづく累進課税(所得に応じて段階的に課税を強化する税制)を緩和し続けた結果、税による所得の再配分機能はすっかり低下し、富が集中して「お金持ちはよりお金持ちに、低所得者はより低所得に」なりました。
 格差拡大が社会問題となった今こそ、大企業や高額所得者への減税をやめて累進課税を強化すべきです。このままでは国民は干上がってしまいますから。

夏の商店街イベントを行く

★7月23日、2つの商店街イベントをのぞきました。『川の手もとまち』は呉服屋さんや子ども服の店、自転車屋さんや床屋さんなどが揃い、お好み焼、割烹料理、地元型の喫茶店もある小さいけどカワイイ商店街。ハワイ直輸入の衣料・雑貨の店もあって楽しい。私も浴衣でダーツやってお菓子をもらいました。
★三河島駅前から三菱銀行の先までの2つの商店街が合同で続けてきた『縁日大会』。以前、私の事務所とお店があり、一番身近なご近所の商店街です。金魚すくいは一番人気。子どもが群がって水面が見えません。100円のクジをやろうかと迷っていた小学生の女の子は、欲しいもの当たったかな?
★この日は夏休みに入ったばかりの親子連れで大賑わい。大型店に購買意欲が湧かない体質の私は、こういう商店街が若い世代にも愛され、繁盛してほしい、とつくづく思います。
★29日は「おぐぎんざ商店街」の「納涼バカ市」と「熊の前カーニバル」を見学。おぐぎんざ、熊の前、川の手もとまち、尾久本町、冠新道の5商店街は、毎月第2日曜に持ち回りで『星の市』を開催しています。「大変だけど存在感を示さないと地域商店街は埋没してしまう」という危機感で続けられてきました。「お店の売上に直結する訳じゃないけど、お客さんに喜んでもらわなくちゃ商店街じゃない!」という心意気で頑張る『星の市』を応援したい。
★「ホントは顔なじみの地元の商店街で買い物したいけど、残業して帰るとお店は空いてない」と働く主婦たち。働かされ過ぎだよー。こんな消費生活の変化も区内の商店街に影を落としています。土台、地域の個人商店が巨大資本の大型店と対等に競争できる訳がありません。市場原理だ!というなら荒川区の商店街など、ひとたまりもない。それで良いのでしょうか。存続がかかる地域商店街のために荒川区は何をするのか。もう、時間はありません。

横須賀方式から添田方式へ
地方切り捨てをやめて均衡ある国土の発展を
2006 全国地方議員交流会に行きました。

●7月26・27日の両日、福岡市で開かれた「2006全国地方議員交流会」に参加しました。初日の講演で、経済同友会終身幹事の品川正治さんは「憲法9条の旗はすでに(解釈改憲で)ボロボロになった。でも国民はその旗を放さない」と日本の戦争世代が自らの体験を通じて二度と戦争をしないと誓った現在の憲法の重さを語りました。
 「アメリカの資本主義と日本の資本主義は価値観がちがう」と明言する品川さんは「地域格差が大きくなったら税制や財政を使いながら是正してきた日本流のやり方があった」と、『修正資本主義』という言葉を使って説明し、『市場原理主義』を手本とする小泉首相がこれを変質させるのは間違い、と処断しました。長く自らの身をおいた日本の財界を見つめる厳しい目が印象的でした。
●つづく、小池加茂市長の記念講演に会場は終始笑いが。「小泉内閣の経済政策は日本を不幸にした」と歳出削減、緊縮財政で国民と地方自治体を苦しめる『構造改革政治』を痛烈に批判。「国はドンドン財政出動して景気回復につとめればいいんデス。国家財政は地方自治体やご家庭の財政とは違うんですヨ」と堂々たる『借金財政こわくない論』を展開。日頃、合併や補助金・交付税のカットに悩む私たちは、「その通り!」とストレスを解消しました。官僚の間には『横須賀方式』『添田方式』という言葉があるそうで、「まさか『小泉方式』と露骨には言えないから出身地で言ったんでしょ」と小池市長。ちなみに『添田方式』とは、全国町村長会会長として小泉改革に断固反対を唱えた山本・添田町長のことだそうです。
●私は日本を地方の町村の衰退の上に一部の都市の繁栄を築くような国にしてはならないと思います。「『国土の均衡ある発展』を重視して地方自治体に潤沢な資金を回してきた日本のやり方を変えれば国を滅ぼす」と断じる小池市長は『イラク派兵反対、日本の国是は専守防衛』との質問状をコイズミ氏に送ったことで知られる、元防衛庁の教育訓練局長でもあります。
 品川さんと小池さんの講演からは、日本の保守層の中に内政・外交の両面で『ふたつの異なる路線』が存在することがはっきりと感じられました。
●2日目の分科会「国政と地方政治の矛盾、地方からの発信」で、私は『日米関係を背景に地方を犠牲にする国の改革政治。これとどう闘うか』と題して報告しました。
 夕張市の財政破綻が問題になっていますが、ことのはじまりは1989年の日米構造協議でした。日本はアメリカに1990年からの10年間で640兆円の地方公共投資を約束。自治省は「借金してでも公共投資を」と迫り、地方自治体は箱モノ建設をすすめ、多くの自治体が財政を悪化させました。その上、コイズミ・タケナカ改革で地方交付税と補助金がカットされ、財政破綻に陥る自治体も出てきたというのが、この間の経過です。
 コイズミ改革で、国と地方との矛盾はかつてなく高まっています。自民党も民主党も内部に路線の違いがあり、国会議員と地方組織には意見の違いがあることがはっきりしてきました。地方議員が所属政党を超えて集まり、政府に対して行動をおこすことができれば、政治を動かす有効な手立てになると感じた地方議員交流会でした。

【ゆうこのひとりごと】

●友好都市10周年でウィーン市ドナウシュタット区に行きました。モーツァルトとサウンドオブミュージックのザルツブルクにも行って楽しかった。ホームページの「ひとりごと」に紀行文と写真を載せました。見てね。区民ツアーですから、もちろん私費で行きました。だから、もちろんエコノミークラスよっ。
●北朝鮮のミサイル発射で試された日本の外交。「日本のジョーシキは世界の非常識」とまで言うヒトもいる。イスラエルのレバノン侵攻では、毎日多くの市民が犠牲になっている。これは戦争、あれは実験。「国連中心主義」なんて言ってる日本の『革新政党』も試される。過剰反応を煽ったマスコミも同じよ。
●小泉首相最後の参拝はあるのか、8月の靖国。東京裁判の『A級戦犯』は、サンフランシスコ講和条約で認めた日本の国際公約だ。国内問題では、すまされない。この言葉を使わないにしても、多くの日本国民にとって、彼らは憎むべきあの戦争の指導部にちがいない。9月の総裁選の争点は『アジア外交と構造改革の軌道修正』か。私、選挙権ないけど。
●23区でプラスチックを「燃えるゴミ」として焼却する計画が動きだし、環境影響や容器規制の面から各区で方針転換に反対の声が上がっている。隣の足立清掃工場もテスト焼却を行う。秋からまた23区の議員でこの問題に取り組みます。