河内ひとみのあらかわ日和

2014年12月3日 2014年11月25日

全国地方議員交流会

●7月30・31日の両日、今年で6回目となる超党派の『全国地方議員交流会』が埼玉県さいたま市で開催されました。色々な地方議員の集まりがありますが、日本全国の都道府県・市区町村議員が国政与党・野党を超えて、文字通り超党派で集まる会合は他に類を見ません。今年は440名が主旨に賛同して開催を支え、200名が参加してこんな企画の研究・交流が繰り広げられました。私は今年も主催者である実行委員会に加わり、開催準備から中央省庁交渉まで、1年分の汗をかきました。(国民連合のページ)

●分科会での討議を経て、8月1日には代表が厚生労働省と農林水産省を訪れ、要望書を提出しました。写真は、農水省で担当部局に農業と地域経済の厳しい現状を訴え、原油高騰に対する緊急対策を要求する秋田、埼玉、大阪、三重、山口、福岡などの地方代表と東京、神奈川など首都圏の議員たちです。(2008.8.4)

●「微力だけれど無力じゃない」。被爆63周年を迎えた長崎の高校生たちの合言葉だそうです。言い得て妙だ、と思います。なんか、元気クラブとしても他人事じゃない気がする…。
80年代、米ソ両超大国の核独占を打開しよう、とヨーロッパを皮切りに世界で核兵器廃絶運動が高揚しました。当時20代だった私は、労働組合の若い仲間たちと一緒に真剣になって職場や地域で反核運動に取り組みました。33歳で区議会議員に初当選した8月、会社勤めの時には行かれなかった原水爆禁止大会に参加しました。中学2年生の娘と夜行列車で広島まで行き、その後、長崎で初めて開かれた「アジア太平洋核被害者大会」に参加して衝撃を受けたことを昨日のように覚えています。この大会には、失業対策の仕事でウラン採掘に従事して被爆したアメリカインディアン(当時はこういう呼び方をしていた)の男性、核実験場となったニュージーランド領の島に暮らして被爆した先住民・マオリ族の男性などが参加していました。

●主催者の故・高木仁三郎氏は「核をめぐって生じている外見上は大幅に異なる様々な被害を『核被害』という言葉で包括的にとらえようとするのは、それらの被害の根底には共通の性格があり、その性格こそまさに核というものの本質に関わっていると考えるからだ」と問題提起しました。初めて海外の多様な核被害者を招いてこの大会を開いた日本の原水禁運動の到達点を示す言葉だと思いました。「被爆42周年」と記された当時のレポートに、娘は「話を聞いて私はとてもおどろいた」と書いています。その後、肺がんで亡くなったアメリカ先住民トム・ラブランク氏は、長髪にサングラス、入れ墨という印象的な風貌で素敵な人でした。マオリ族のツリ・ホコパウラ氏は、当時流行った映画『アトミック・カフェ』に太平洋の核実験でキノコ雲を眺める米兵が出て来ますが、その実験場の島民なのでした。チェルリブイリ事故でトナカイが汚染され、『星のひとみ』という北欧の童話に出てくるラプランド人の伝統的な生活が破壊された報告もあり、中学生の娘は、それまで映画や本の世界で知る人たちが生々しく語る核被害を目の当たりにしておどろき、心を痛めた様子を詳しく書いています。

●「原爆というものは投下されて初めて被害があるものだと思っていました…核被害というのは原爆が投下された場所だけでなく、ウランを採掘した人々、核実験に立ちあった兵士、そこに住む住民、原子力発電所の労働者や周辺の住民にまでおこることがわかりました…『核』というもの、それをあやつる人々の本質を知るところから、本当の意味での反核、非核ははじまると私は思います」と高木博士に啓発された娘は真剣に書いていますが、それにしても「あやつる人々の本質…」とはよかったねえ(笑)。「親が親なら子も子だ」という声が聞こえてきそうですが、今日までの核をめぐる状況を考えると、あながち笑い話でもありません。あれから20年。帝国主義者、植民地主義者は最終兵器である核を『独占物』とし、彼らに抵抗する人々が持つことを許さないために様々な手を打ちました。しかし、そのことは却って「これを持つことでしか生きるための対抗手段はない」と考えて核保有を『悲願』(悲しい願い、です)とする発展途上国を数多く生み出すことになりました。あのとき、アメリカが原爆を投下したことの戦略的な意味を知り、私たちは「本当の意味での反核、非核」に早く近づかなければならないのだと思います。被爆63年。長崎の式典に集う人々の映像を見ながらそう思いました。

●ところで、私はこの長崎の大会で小田実さんに会いました。私が「日本はベトナム戦争に加担するな!」とデモに参加していた反戦派高校生の頃、ベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)の代表だったのが小田実さんです。選挙で推薦人をお願いしていたので「おかげさまで当選しました!」と報告すると、とても喜んでくれて、「アイ・サポート・ハー」(流暢だけど、ほとんどカタカナ喋り)と外国から来たゲストに自慢していました。なつかしい思い出です。小田さんは阪神大震災で被災して法改正に取り組み、その後亡くなりました。「理屈っぽくてウルサイオヤジだ!」と『朝まで生テレビ』を見た自民党の某議員が言ってましたが、ベ平連の頃は若くて颯爽としていたのですよ。長崎市長は式典で「若い人たちが核廃絶に大きな役割を果たしてほしい」と言いました。今日の「ひとりごと」キーワードは『若い人たちが世界をどう感じて、改造していくのか』、なのだ。

片瀬海岸の新江の島水族館で泳ぐクラゲたち

写真は、私のふるさと片瀬海岸の新江の島水族館で泳ぐクラゲたち。涼しそうなので残暑お見舞いに。(2008.8.9)

●北京オリンピックが始まり、お盆でふるさとに向かう人々の帰省が始まり、東京はだんだん静かになってきました。私はけっこうヤワラちゃんがスキなので、「ママで銅」は残念。あれは柔道の勝負ではありませんね(怒)。選考会で負けたのにオリンピック代表になったのは「ゆーこさんのキライな多国籍企業のトヨタがバックだからでしょ!」と若いスタッフはキッパリ言います。その通りなのだ。昔、柔道をかじってたウチの夫は「谷を出す、と連盟が決めてるなら、なまじ選考会なんてやらなきゃいいのだ!」と言います。それもその通り。試合前の彼女はとてもイイ顔をしています。私はそこが好きなのですが、選考会で負けて出るオリンピックでどんな思いが去来しているのか、と思いながら彼女の顔を見ていました。お疲れさまでした。北島康介クンは快調のようですが、今回はどうでしょうか。サッカーは初戦でアメリカに負けて残念だったけど、これからどうかしら。お盆で静まりかえる東京で「地方議員交流会」の残務整理をしながら、やっぱり気になる北京オリンピックです。

●8月4日の地方議員交流会の記事に(つづく)なんて書いたのに、すっかり長崎の話になってしまい、ぜんぜん続いてなかったですね。最終日に採択したアピールをアップしてご覧いただきたいと思ったのです。

原油高・資源高ですすむインフレと生活危機。
全国の地方員は手をたずさえて 地域経済と暮らしを守るために行動しよう!
【第6回 全国地方議員交流会アピール】

 全国の地方議員の皆さん
 超党派の『第6回全国地方議員交流会』が開催され、私たちは埼玉県さいたま市に集いました。第1日目の全体集会では、京都大学名誉教授・本山美彦氏による「日米関係(姿なき占領)と地方自治」、井原勝介・前岩国市長による「『アメとムチ』による米軍再編と住民自治」のふたつの講演を聞き、全国農協青年組織協議会参与・坂元芳郎氏と福岡県日朝友好協会代表・北原 守氏の特別報告を受けました。
 翌日は「医療・介護・社会保障危機と地域」「財政健全化法と道州制」「新指導要領と地域の教育」「食糧危機!食の安全と地域農業」「外交・安全保障と地方議会」の5つの分科会を行い、今日の『地方財政危機』の真の原因は日米構造協議に象徴される歪んだ日米関係にあることも議論しました。分科会の発議により、8月1日には代表が厚生労働省と農林水産省に出向いて要望書を提出します。

 全国の地方議員の皆さん、地域住民の皆さん
 いま、原油や資源の高騰とインフレで国民生活は危機的な状況を呈してきました。ガソリンや食料品価格、電気・ガスなどの公共料金値上げは低所得層を直撃し、漁業や農業、工業生産に深刻な打撃が及んでいます。消費者物価は消費税率引き上げ以来の大幅な上昇が発表されましたが、賃金は上がるところか目減りしています。高齢者や障害者は重くなる一方の医療費や介護費の負担に加えて、この物価高に耐えられません。

アメリカのサブプライムローン問題の余波も続き、米大手金融機関が軒並み大幅なマイナス決算を出し、住宅ローン債権焦げ付きによる影響の大きさを物語りました。このサブプライム問題や、原油高騰を招いた『投機マネー』は、アメリカの国家戦略である『金融グローバル化』の結果です。今またアメリカの政府と中央銀行は金融機関救済のために大量の資金を注入し、それが原油などの市場に流れ込んで世界的インフレの原因となっています。深刻なインフレの背景には「需給関係」だけでなく、こうしたアメリカの国家戦略があることを見抜く必要があります。

 ここ数カ月、世界各国では大規模なデモやストライキで各国政府に対策を求める行動が続いていますが、日本でも漁民が「もう限界だ!」と『全国一斉休漁』に立ち上がり、今日31日には酪農民が『危機突破大会』を開きます。 私たち超党派の地方議員も、インフレと生活危機に抗して行動する人々と議会の内外で手を携え、政府と自治体に有効な対策を求めて大いに行動しましょう! 国民生活と日本の将来を危うくする政治を変えるために更に力をつくしましょう!どこに住んでいても、どんな仕事をしていても、いくつになっても、人間らしい暮らしができる政治、将来に希望が持てる政治を実現するために、地方議員として誇りを持ち、超党派で地域から世論を起こしていきましょう!

全国一斉休漁
『第6回 全国地方議員交流会』参加者一同

写真は、7月15日「全国一斉休漁」で日比谷野外音楽堂を埋めた漁業者の集会。水色のハチマキが勇ましいですね。この日、区内の西伊豆出身の看護師から「田舎の父が霞ヶ関でデモやってます」とメールが届きました。私のふるさとの片瀬漁港も休漁の写真が出ていました。シラスもサザエも危機なのだ。(2008.8.10)