斉藤ゆうこのあらかわ日和

年越し派遣村

●世界的な金融・経済の動揺がすすむ中で新しい年が明けました。東北地方は暮れから大雪、東京もだいぶ寒くなってきましたが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。区長選挙後からホームページの機能調整のため更新がストップしていましたが、年明けから復旧しました。本年もよろしくお願い致します。

●年明けの3日、日比谷公園の『年越し派遣村』を激励に行き、話を聞きました。この日、約290人だった「入村者」は、5日までに500人を超え、現在は廃校となった千代田区の小学校など都内4ケ所に「分宿」しています。12日が退去期限ですが、この取り組みを通して、予測される大量解雇を今後も放置するのか、という問題がはっきりしてきたように思います。

●6日には、この日仕事始めとなる日野自動車の本社工場に行きました。期間社員を解雇する一方で新規採用を実施する日野自動車はトヨタの系列下にあります。抗議の申し入れや、結成された労働組合による寮の退去期限延長などの取り組みが行われています。(写真)工場で働く人たちは門前でビラを受け取り、足早に構内に入っていきました。

●この間、全国でいくつかの自治体が契約打ち切りや解雇にあった派遣労働者や期間労働者を短期間臨時雇用する『失業対策事業』を行い、生活資金の貸し付けなどの緊急対策事業も始まりました。荒川区も、年末に緊急対策として図書館などの非常勤職員に1ケ月臨時雇用する事業を開始、年明けには追加措置として無利子の当座生活資金貸し付けを発表しました。しかし、私はこのような成り行きに矛盾を感じています。この数字を見て、皆さんはどう思われますか?

内部留保は2008年9月末現在 内部留保 人員削減計画
トヨタ自動車 13.8兆円 9250人
日産自動車 4兆円 1500人
ホンダ 5.5兆円 760人
スズキ 1兆円 600人
マツダ 6200億円 1500人
いすず自動車 4100億円 1400人

内部留保13.8兆円のトヨタが労働者の首を切るのか!? そもそもこの内部留保は労働者の血と汗とで成り立ったものじゃないのか、と私は思います。責任を取らない自動車産業に代わりに、地方自治体が住民の税金を使って尻拭いするのでしょうか? これまで地方の多くの自治体は、疲弊した地域経済活性化と雇用創出のため、と大企業誘致を行い、進出企業に住民法人税軽減などの優遇措置を取ってきました。例えば、日本経団連の御手洗会長のキャノンに対して、大分県は30億もの補助金を出し、さまざまな便宜を図っています。補助金をもらい、税金をまけてもらい、さんざん優遇を受けてきた大企業が、売上減を理由に労働者の首を切り、操業短縮、果ては工場閉鎖。それを「仕方ない」と黙って見過ごし、後始末に終始するようでは話にならないと私は思います。
「目の前の困った人を助ける」自治体は「助けない」自治体よりマシですが、みんなでその競争に奔走すれば企業の責任を免罪することになりかねません。地方自治体は多国籍企業の代理人に成り下がった政府と同じ対応をしていたのではダメです。

●アメリカの財政赤字は1兆1860億ドル。日本円にして110兆円にのぼると発表されました。アメリカに依存してきた日本の実体経済は今後さらに大きな打撃を受けるでしょう。派遣労働者や期間工などの非正規労働者を「安全弁」としてきた正社員も、聖域ではありません。今年はこうした構造を根本的に変える行動が必要な年と思われます。(2009.1.8)